『母になる』は、誘拐事件によって9年間別離していた結衣(沢尻エリカ)と広(道枝駿佑)の親子を中心としたお話です。
7年に渡って広を育てた麻子(小池栄子)と広の関係や、結衣と麻子の対立、広が本当の家族の一員となる姿などが描かれています。
沢尻エリカと小池栄子の随所で光る演技は、見ものです。
道枝駿佑はドラマ初出演ですが、かわいらしいビジュアルで注目を浴びました。
重苦しい展開だけで終わりそうなドラマを、一番の被害者である広が明るく演じてくれました。
過去を引きずりながらも子どもたちの幸せを願って仕事に邁進する児童福祉司・木野を好演した中島裕翔は数々の名言を残し、存在感がありました。
目次
【ネタバレ】『母になる』あらすじ・感想
第1話あらすじ・感想
2001年春、両親を亡くし北海道から単身上京した結衣(沢尻エリカ)は、勤め先の書店で大学講師の柏崎陽一(藤木直人)と出会います。
やがて結衣が息子の広をお腹に宿したことをきっかけに、二人は結婚します。
2008年の春、3歳になった広(吉武歓)を幼稚園へ迎えに行ったある日、目を離した隙に広は姿を消してしまいます。
広をさらった犯人は陽一が講師を勤める東欧大学の生徒と判明します。
陽一に提出したレポートを蔑ろにされたことを逆恨みした犯行でしたが、彼は飛び降り自殺をしてしまい、広の居場所は不明となってしまいます。
喪失感にさいなまれる結衣と陽一は、その後、離婚しました。
結衣はパートをしながら、一人で暮らしていました。
2017年、結衣のもとに一本の電話が入ります。
児童福祉司・木野愁平(中島裕翔)は広が養護施設にいることを告げました。
結衣は家を飛び出し、養護施設に駆け付けます。
9年ぶりに息子と再会した結衣は、涙を流し抱きしめました。
ミルトモ 編集部
第2話あらすじ・感想
結衣のもとへ戻ってきた広(道枝駿佑)はDNA鑑定の結果、間違いなく親子でした。
二人は電話で会話をし、結衣に「何が好き?」と聞かれた広は「ツナサン」と答えます。
ツナサンドを準備する結衣ですが、広が欲しかったのは「ツナツナ3」というスマホゲームのことでした。
広が結衣の家に泊まりに来ました。
寝る時に「お母さん」と連呼します。
結衣は笑顔で息子の寝顔を見つめます。
翌日、結衣は養護施設に広を送ると、そこには陽一の姿もありました。
9年ぶりに父子は再会を果たしました。
陽一は木野から手紙のことを聞いており、広に「手紙を見せてくれないか?」と言います。
それは、広を7年間育てた麻子(小池栄子)という女性が書いたものでした。
何も知らない結衣はそれを読みます。
広へ
ママがこれから行く場所はすごく遠いところです。
伝えたいことがあるの。こんな日がくるなんて…焦ってます。
一つ、ママはママじゃなくなる時が来ます。あなたの前に新しいお母さんが来る日が来ます。
一つ、その時はちゃんと挨拶するのよ。その人はいきなり抱きしめてくるかも…。一生に暮らそうといってくるかも…。新しいお母さんはあなたをどう扱っていいか分からないはず。広が何が好きでどんな風に大きくなったかその人はなにも知らない。
そのおばさんがいきなりお母さんだと言うの。怖いね。でもお母さんって言ってあげなさい。何度も何度も…。にこにこ笑いながら言ってあげるといいと思う。
そして最後に一つ。何を出されても美味しいといって食べなさい。広。ママと広だけの秘密、いっぱいあるよね。忘れないでね、いい子にして待っていてください。迎えに行きます。
ママはいつだって広の心の中で生きてます…。広、大好き。愛しい我が子…。
あなたのママ 麻子より
結衣は、広が何度も「お母さん」と呼んでくれたこと、間違えて作ったツナサンドを「美味しい」と食べてくれたことを思い出します。
養護施設を後にした結衣と陽一は、広ともう一度やり直すこと、一緒に暮らすことを決意するのでした。
ミルトモ 編集部
第3話あらすじ・感想
一時的に結衣の元に戻ってきた広に、陽一の母・里恵(風吹ジュン)も大喜びです。
木野は麻子を訴えることもできると言いましたが、結衣はその気はないと答えます。
広の誕生日会が開かれました。
ご馳走を食べ終わった広は、陽一とスマホで「ツナツナ3」をし、盛り上がります。
結衣は良好な夫婦仲を広に見せるため、陽一と同じ寝室で寝ることしましたが、布団は距離を開けて敷いています。
広が正式に「柏崎広」となり、3人での生活がスタートします。
広は麻子とは連絡を取っていますが、結衣には「施設の先輩」と嘘をつきます。
ある夜、結衣は離婚のことで嘘を言ったことを広に告げると、広も麻子との連絡を取っていることを言います。
2人はもう嘘はつかないと約束します。
後日、結衣の元へ麻子がやってきます。
麻子は広を届け出ずにいたことを謝罪する一方、誘拐された広を自分が発見しなければ死んでいたと強調しました。
帰宅した広は麻子を見て驚きます。
麻子は広を冷たく突き放し帰ります。
広が追いかけてきましたが、麻子は心とは裏腹に冷たく追い払います。
泣きながら帰宅した広は「コンビニで立ち読みしてた」と嘘をつくのでした。
陽一は、昔研究していたロボットを引き合いに出し、結衣に言います。
「ロボットは嘘をつかない。コンビニに行ったなんてすぐバレる嘘は言わない。ウソを付くのは人間だからだ。生きているからだ。」
ミルトモ 編集部
今回のテーマは「嘘」でした。広への嘘から演じた陽一と結衣のぎこちない演技が面白かったです。広は、麻子に対する愛情を結衣に悟られないよう必死に嘘を重ねました。これは結衣を気遣ってこそのことだと思います。麻子に洗脳されたロボットではなく、人の気持ちを考えることができる人間なのだということを、陽一は人工知能のロボットを引き合いに出して説明しています。また、麻子も自分の気持ちに嘘をつき、広に冷たく当たり、広のことを忘れようとしているところにはジーンとしました。
第4話あらすじ・感想
麻子と決別した広は、それ以来結衣によそよそしくなってしまい、話しかけても目を合わさず、結衣が作った弁当も食べずに捨てていました。
中学校の保護者会のプリントや「ランチ会」のお知らせも渡しません。
結衣はプリントを探すため広の部屋に入り、バッグの中を見ると、麻子からの手紙や写真が入っていました。
そこに帰宅した広と鉢合わせになり、気まずい空気になってしまいます。
一人になった広は麻子の写真を破ってしまいます。
「施設に戻りたい」と言い出した広に、結衣は息子と向き合う努力をします。
広の好きなアーティスト「ツーオク」のヘアメイクの話や、好きなラーメンの話で盛り上がりました。
しかし、施設に戻りたいという広の気持ちを変えることはできませんでした。
結衣は広を施設に戻すことを決意します。
最後の思い出にと遊園地に来ました。
そこで里恵が出した「一人で部屋にいたはずのお母さんが誰かに蹴られた。どうしてでしょう?」というクイズの話題になります。
答えがわからなかった広に、結衣は「赤ちゃんがお腹を蹴った」と言います。
施設に戻る日、広は木野に連れられ、家を出ました。
結衣は広がキッチンに置いて行った弁当箱に「ゴチ!」というメモを見つけると、息子の元へ走り叫びました。
「お弁当毎日作るの楽しかった。あなたが小さい時のことを思い出しながら、またお弁当を作れる日がくるなんて夢のようだった。お母さん、あなたが帰ってくるの、待ってるから」
木野と施設へ向かう途中、広がいなくなります。
広は施設の先輩・今偉(望月歩)と密かに待ち合わせていたのです。
一方、麻子は二年前、刑務所にいた事実がわかります。
服役中に知り合った井下さなえが経営する印刷会社を何度も訪れますが、仕事の紹介の話は嘘だったことがわかります。
ミルトモ 編集部
母と思っていた麻子と別れ、自分の居場所を見つけられない広、思春期ということもあり、その胸中はいったいどれほど苦しいものなのでしょうか。施設へ戻る途中、計画的にいなくなってしまいます。このあと仕事のあてがなくなってしまった麻子も含めどのようになっていくのか、気になるところです。
第5話あらすじ・感想
行方不明になった広は、今偉とネットカフェにいました。
2人はパソコンで所在不明の今偉の母親がストリートビューに写り込んでいるという情報を得て、千葉県木更津市周辺の画像を検索しています。
その頃、結衣は「ツーオク」風のメイクの写真をLINEで送ります。
広に既読スルーされ、焦った結衣は「ごめんなしゃい」とスタンプを送信すると、これを見た広はクスっと笑いました。
今偉は、母にモンブランケーキと花束を購入し、木野も付き添い3人で木更津市に行きました。
派手なファッションで男連れで歩く女性が今偉の母でした。
「久しぶり。何年ぶりかな。背伸びたでしょ?」と笑顔で話しかけた今偉でしたが、母は怪訝な表情をします。
今偉が渡そうとしたケーキを手で払い、グチャグチャにして去ろうとした母に、広が「それでも母親かよ!」と声をあげました。
母は広に「そういう言い方が一番腹が立つ。誰もが立派な母親とは限らない。勝手に母親像を押し付けないで!」と言い捨てて、その場を去っていきました。
今偉は道路に落ちたケーキを片付け、広に言いました。
「いつか結婚したら家族ができる。でも産んでくれた母親はたった一人しかいない。どんな母親でもかけがえのない大切な存在なんだ。分かるか…?」
今偉は涙をこらえ言葉を絞り出しました。
木野は今偉に「いいんだよ、泣いて」と言うと、今偉は帽子を深くかぶり声を押し殺して泣きました。
その後、3人はゲームセンターに行きます。
広は結衣から送られてきたLINEに「バーカ」と返信するのでした。
結衣はとても喜びます。
広はロックなポーズの写真と「帰るぜ」というメッセージを送りました。
帰ってきた広は「どーも」と言い、少し照れくさそうに結衣に花束を渡しました。
その頃、麻子は偶然出会った琴音(高橋メアリージュン)と意気投合します。
そして、麻子は陽一の母・里恵に誘われ、柏崎オートの経理として働くことになるのです。
ミルトモ 編集部
今偉役の望月歩の演技がすごかったです。今後が楽しみな子役です。今偉の母親は客観的に見ればどうしようもない母親ですが、彼女も「母になる」ことに悩む一人なのでしょう。今後は、麻子が柏崎オートで働くことになるということでまた一波乱ありそうです。
第6話あらすじ・感想
麻子は、柏崎オートで働くことになります。
しかし、慌ててやって来た琴音が「その人、人殺し!」と言います。
麻子は2年前、知人の男性をナイフで刺し全治1ヶ月の重症を負わせ、実刑判決を受け2年間服役していました。
広はその直前に施設に預けられたのです。
木野の口から麻子の過去が明らかになります。
10年前、麻子は同じ会社の男性と恋に落ち妊娠しますが、この男性は役員の娘と結婚します。
麻子はこれまでにも中絶手術を行っており、今回が子どもを生む最後のチャンスだと思っていました。
さらに母親から結婚、出産を勧める圧迫もあり、1人で産んで育てようと決意したのですが、ある日アパートの階段から転落し、流産してしまいます。
さらに新しく入社した会社で、子どもがいないことで影口を叩かれました。
そんなある日、思いがけない出来事が起こります。
アパートの隣の空き部屋から物音がするので行ってみると、置き去りになった広がいたのでした。
風邪を引いていた麻子は「あと1日だけ」と広と時間を共にすると、広も熱を出し看病することになります。
無邪気な広の姿に心を奪われた麻子は、一度は警察に行ったものの、広を連れ戻してしまったのでした。
そして、広の母になることを決めたのです。
この話を聞くと、結衣は口を開きます。
「彼女を雇います。でもその前に分かり合いたい。これから一緒にお昼を食べます。」
ミルトモ 編集部
第7話あらすじ・感想
結衣は麻子を昼食に招きました。
用意したのはお好み焼き、ママ友の莉紗子(板谷由夏)も同席します。
広がいなくなった後の9年間、結衣と陽一は世間からひどい仕打ちを受けていました。
死亡した誘拐犯の両親から賠償金を受け取ったという噂が流れ、バッシングを受けました。
結衣は陽一と離婚し、義母の里恵も精神的に追い詰められてしまいました。
これを聞き頭を下げる麻子に、結衣は「頭を上げて下さい。あなたの追い詰められた気持ち、よくわかります。」と同情の色を見せました。
お好み焼きを勧めると「お好み焼きは結構です。ここで雇って頂けるんですよね?」と淡々と言い、帰ろうとする麻子に、結衣は「待ちなさいよ!」と声を荒げます。
言いたいことがあるなら本音で話してと莉紗子が言うと、麻子は広に対する結衣の教育にダメ出しし、自分のほうが母親に相応しいと言い出したのです。
「私は広を厳しく育ててきた。子供に媚びるようなことはしない。」
2人の母はそれぞれの主張を譲りません。
「育てたのは私です!」
「産んだのは私よ!」
結衣は思わず麻子をビンタ2連発してしまいます!
そして広と離れて暮らした9年間で、たったひとつ願っていたことを口にします。
「広が生きてますように。それだけを祈ってた!母親だから!」
麻子が帰った後、広は結衣の背後でいきなりクラッカーを鳴らします。
「お誕生日おめでとー」
今日は結衣の誕生日でした。
すると陽一と木野も現れ、3人で「ちゅうたの大冒険」を踊りします。
9年前、このダンスを幼稚園の発表会で踊る直前に広は誘拐されました。
結衣は当時を思い出し、涙を流します。
翌日、柏崎オートに一人の女性が車の修理を依頼してきました。
木野は上牧(大塚寧々)というその女性の名に反応します。
上牧は木野の幼馴染・かんちゃんの母親でした。
かんちゃんは小学生の時、友人らと行った度胸試しゲーム「チキンレース」で頭を強打し、亡くりました。
自宅で倒れていた彼を発見したのは木野でした。
3人の連れ子を持つ男と再婚したという上牧は「あの子の分まで子育て頑張らないと!」と笑顔を見せましたが、送ってくれた木野の後ろ姿を冷たい表情でじっと見つめていました。
上牧が預けた車のトランクから大量のゴミが出てきました。
ミルトモ 編集部
結衣は「9年間、毎日この子が生きてることだけを祈ってた」と言います。息子を案じる母の強い想いはこの言葉に全て集約されています。それにしても2人のぶつかり合いのシーンは圧巻でした。
第8話あらすじ・感想
広の中学校の担任に呼び出された結衣は、成績優秀な広が「数学コンテスト」の学校代表に選ばれたことを告げられます。
「お母さんの育て方が良いんですね」と言われ、「広は厳しく育てた」という麻子の言葉が脳裏に浮かびました。
夜、麻子から電話があり「私が起こした事件が記事になるかもしれない。広には本当のことは黙ってて」と懇願されます。
彼女の2年前の事件をジャーナリスト・沢登が嗅ぎ回っていたのです。
このことを木野に相談すると「いつかは知る時が来る。広くんなら乗り越えられると信じれるかが大事」と言われ、真実を告げるか否かの判断は結衣に任されました。
柏崎オートに車の修理を依頼していた上牧は、沢登と組んで金目当てで柏崎家に近づいたスパイでした。
二人の会話を偶然耳にした麻子は上牧の後をつけると、あるアパートに入った上牧は袋に入ったお菓子を投げ入れ、その場を去りました。
不審に思った麻子が部屋を覗くと、そこには小さな男の子がいたのです!
木野が来て男の子を保護します。
この子は上牧の夫の連れ子で、別れた元妻の帰りをアパートで一人待っていたのです。
夫は子どもに無関心で、上牧は「私は精一杯やった。悪いのは本当の母親!」と責任を転換しました。
木野は「あなたは亡くなったかんちゃんと同じことをあの子にもしている」と声を荒らげます。
かんちゃんの死は自分の責任でもあると木野は思っていました。
息子と向き合わなかった上牧に「最低だ」と勇気を出して言っていれば かんちゃんは命を落とさずに済んだかも知れないと言います。
ひどい母親だったと悔いる上牧に「母親も子育てもやり直せます。会いに行ってあげて下さい」という木野。
上牧は涙を流し「ありがとう…」と頭を下げました。
結衣は麻子が2年前に起こした事件を広に告げました。
ところが広は「そうなんだ…。それだけ?」とめっちゃ軽いノリでした。
翌日、麻子をカフェに呼び出した結衣は決別宣言をしますが、そこに広の担任から「広くんが学校に来ていない」との連絡がありました。
麻子が広のスマホに電話すると、出たのは若い女性でした。
ミルトモ 編集部
今回は木野の言葉が光っていました。麻子の過去を広に話すべきか相談した結衣に「子供を信じる力」が大事だと諭し、上牧にも「母親はやり直せる」と希望を与えるアドバイスをしています。木野がいつも持ち歩いているあの110円は、あの時上牧に「最低だ」と言えなかった自分を戒めるための物なのかもしれません。
第9話あらすじ・感想
彼女について追求された広は「そういうのじゃない。通りすがりのJKだし」とごまかします。
週末に行われる花火大会に、広は彼女の桃(清原果耶)を誘いOKの返事をもらいます。
浴衣姿で現れた桃とご対面した結衣は、引きつった笑顔で挨拶をします。
陽一は「門限は20時」と広に約束させます。
やけに女性慣れしている広に戸惑う結衣は、麻子から広の恋歴を探りますが麻子は知らないようです。
週末に東京を去るという麻子に、結衣は「私たちの連絡先を削除して下さい」と言いました。
花火大会に行った広が戻ったのは22時前。
電車が混んでいたと言い訳する広に、陽一は「ふざけるな!こんな時間まで女の子を引っ張り回して!」と怒鳴りました。
広は桃との出会いを話し始めます。
彼女とは通学路が同じで仲良くなり、自身の誘拐事件のことを話すと普通に受け止めてくれ、気持ちが軽くなりました。
桃は帰国子女で、小学生の時にイジメにあっていました。
彼女が広を気に入ったのは昔飼っていた犬にそっくりだからだということでした。
麻子が東京を去る日、広は麻子を見送りにバス乗り場に行きます。
広は「麻子さん、今まで育ててくれてありがとう」と他人行儀な感じで別れを告げました。
しかし「やっぱ無理!ママはママだよ。頑張ってね、ママ!」と麻子にエールを送りました。
麻子は涙を流し「本当のお母さんに伝えて。広を産んでくれてありがとうって。」と言いました。
歩き出した麻子でしたが「広!」と振り返り、手を差し出します。
二人はお互いの手を握り合いました。
家にいた結衣は突然何かを思い立ち、家を出て、麻子がいるバス乗り場へ向かいます。
麻子の乗ったバスが発車すると、結衣は必死にバスを追いかけました。
ミルトモ 編集部
東京を去る決意をした麻子と広との別れのシーンは感動的でした。7年間育ててくれた麻子は、広にとってやはり母親以外の何者でもないのですね。「お母さんが2人いちゃダメなの?」という広のセリフが意味深です。麻子と張り合ってた結衣の考え方を改めさせるキーワードになるでしょうか。
第10話(最終回)あらすじ・感想
結衣は、麻子を乗せたバスは去ってしまいました。
結衣には、モヤモヤした気持ちが残ってしまいました。
マラソン大会で入賞を目指す広に、結衣は運動靴の底には手書きで「頑張れ!」と書き、応援します。
「マジか」と言いながらも、広は嬉しそうです。
結衣は麻子にマラソン大会の日程を知らせます。
結衣の家族も総出で広の応援に行くはずでしたが、桃に大学生の彼氏がいることが発覚し、ふてくされた広は「誰も絶対に応援に来ないで!」と言うのでした。
そしてマラソン大会当日、スタート前に同級生とモメた広は、中盤に足をくじいたその同級生を一度は抜かしますが、引き返してきて彼に肩を貸します。
結衣も麻子も広の奮闘を見守っていました。
麻子を見つけ「来てたんだ?」と言う広に「頑張ってたね」と返す麻子。
広は「じゃ!」と手を上げ教室に戻っていきました。
結衣は麻子に複雑な心中を語ります。
「あなたを許したわけじゃない。でも誰かを憎みながら子育てしても楽しくない。だからいつかあなたを許さなきゃいけないと思う。」
「私はまだ母になる途中。あなたに何を言われてもびくともしないで笑ってられるような母になりたい。なぜならそれが広の幸せにつながることだから。」
そして、結衣は麻子の勤務先である奥能登の旅館に、いつか広を連れて会いに行くと告げます。
「あの子を育ててくれてありがとう。」
結衣の言葉に、麻子は涙を流します。
木野は亡くなった同級生・かんちゃんの墓参りをしています。
居合わせた広と今偉はそろって「復讐する」と言い出します。
広は「3歳の時、誘拐して勝手に死んじゃったナントカって人に」、今偉は「自分の息子を放置してる母親に」としますが、誰よりも幸せになることが彼らの復讐だと言います。
3人はジュースで乾杯をしました。
後日、台所で食事の支度をする結衣は、縁側にいる陽一と広に自らの想いを語ります。
「母親には卒業はないけど、家族にはある。成長した子どもが母の手を離れた時、それが家族の卒業、ゴール。聞いてる?」
縁側では陽一と広が揃ってうたた寝をしています。
「こら!起きて!」
賑やかな声が響き渡るのでした。
ミルトモ 編集部
広と今偉の「幸せになることが復讐」という考え方、前向きで良いです。結衣と陽一は復縁し、これから広とともに本当の家族になっていくのでしょう。