『グーグーだって猫である』あらすじ・ネタバレ感想!猫好きは必見!愛猫との切なく温かいエッセイ風作品

映画『グーグーだって猫である』あらすじ・ネタバレ感想!

出典:Hulu

小泉今日子が主演を務め、猫と独身漫画家との日々を綴った大島弓子の漫画エッセイが原作の映画です。

犬童一心監督が、アラフォー独身女性の「ペットロス」「恋愛」「病気」「生活」を優しい映像で描きます。

ポイント
  • こんな大人の女性になりたい…いつの時代も女性の心を掴んで離さない小泉今日子というナチュラル女優。
  • エッセイ漫画のほっこりユルさに癒され、愛猫との切ないお別れがじんわり沁みる。
  • 吉祥寺の街を猫のグーグーと一緒に散歩しているような映像。
  • 猫好き・独身・恋愛・吉祥寺…どの切り口、どの目線から見ても楽しめる映画

猫グーグーの可愛さと、愛らしいキョンキョン、素敵な街・吉祥寺の良さが詰まった作品です。

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『グーグーだって猫である』作品情報

作品名 グーグーだって猫である
公開日 2008年9月6日
上映時間 116分
監督 犬童一心
脚本 犬童一心
原作 大島弓子
出演者 小泉今日子
上野樹里
加瀬亮
音楽 細野晴臣

【ネタバレ】『グーグーだって猫である』あらすじ・感想


「サバ」「グーグー」、猫の名前が素敵すぎる!

ニャンコたちも主役の『グーグーだって猫である』。

開始早々、小島麻子(小泉今日子)の愛猫サバが亡くなるというショッキングな展開。

トラ模様でホワイトのお腹と足の毛並がとても綺麗な猫のサバは、ひっそりと眠るようにソファーの上で息をひきとっていました。

麻子は漫画家で、原稿の締め切りが終わったとき、動かなくなったサバに気がつきます。

ストーリーの中の麻子の様子が本当にリアル。泣くでもなく…騒ぐでもなく。

自分の経験にも重なる出来事だったので涙が止まりませんでした。

確かボー然としていたな…と切なくなりましたが、不思議と悲しいという感情よりも「懐かしさ」が込み上げてきて、飼っていた猫とのいい思い出が久しぶりに蘇ってきました。

悲しい描写にもふんわりと温かさがあるのです。素敵な描き方だと思いました。

それにしても「サバ」っていい名前だと思いませんか?フランス語で「元気?」という意味。

この映画の原作は、大島弓子さんの自伝的エッセイ。

素敵なネーミングセンスを持つ、大島さんに興味が湧いてしまい…たまらず書店に走り、サバシリーズ(サバと大島弓子さんの日々を描いた漫画)を何冊か購入しました。

では、「グーグー」はどういう意味なのでしょう?気になってきませんか。

これは、映画の終盤で明らかになるのです。

期待を裏切らないステキな意味でした!映画の中で明かされるのをお楽しみに!

「アラフォー独身女性あるある」が詰まっている

  • ペットロス
  • 大人になりすぎた女性の恋愛臆病体質
  • 突然の大病
  • 死を身近感じたときの孤独感

すべて合致とはいかないまでも、何かには引っかかるよなテーマ。

切なく苦しくなる部分も、前向きに描かれています。

「大人になりすぎた女性の恋愛臆病体質」には、かなり他人事ではない感覚を覚えました。

麻子が、沢村青自(加瀬亮)に恋に落ちた場面は生々しさがあって、久しぶりに恋に落ちた女性の「どうしよう…感」にコブシを握りしめて、動向を逃がすまじと見つめました。

青自役の加瀬亮さんがちょっと素っ気なくて飄々とした物腰がカッコイイんですよね。

両想いかと思った矢先、麻子に卵巣がんが見つかります。

青自はお医者さんであったことをそのときに初めて知る麻子。

ふたりの関係は恋人ではなく、医者と患者になってしまうのでした。

出典:TSUTAYA

グーグーが作ってくれる両想いチャンスがあったのですが、麻子が恥ずかしがってしまい、キスの機会を逃してしまう場面も…「あー!チャンス…」と手に汗を握って応援したのですが、「大人になりすぎた女性の恋愛臆病体質」はだいぶやっかい。

勇気が出ない…結構あるあるなのではないでしょうか。

麻子は、周りに励まされて大きな病を乗り越えていました。

もちろん、グーグーにもパワーをもらって…。

病気との闘いに疲弊し、力なく病院のベンチに座る麻子のところに、漫画アシスタントのナオミ(上野樹里)がグーグーをパーカーの中に忍ばせて会いに連れてくる場面は泣きました。

グーグーは何も言わないのに何だか心配しているような眼差しに見えて、グッと胸が熱くなりました。

歳を経るたびに独りを感じるときがあります。

麻子を見て、意外と人は完全に独りではないのかもしれないという希望が持てました。

世の女性は勇気をもらえるんじゃないかなと思います。

猫は人間の3倍のスピードで生きる。

麻子が言う名言。

なんだか、するりと身体の中に入ってきます。

「猫は3倍のスピードで生きる。サバは、私の3倍の速さで生きました。」

人間の1日だってあっという間に感じるのに…猫たちはその3倍のスピードで生きているなんて。

1秒が尊い…と、自分が猫たちに触れる手のいたわり度が変わりました。

「2度目の猫は得ですね。死んだ猫の分まで大事にされる。」

本当にそうかもしれません。

2度目の猫、そうやってもっと大事に幸せにしてあげられたら最高ですよね。

「グーグーが長生きしますように。病気しませんように。事故に遭いませんように。この家の生活が楽しめますように。そして天寿を全うしたら…この私がグーグーを送ることができますように。」

ラストの言葉が沁みますよね。

エッセイが原作なので、きっと言葉の伝えてくる「想い」にリアリティーがあるんですよね。

作家さんの言葉の力を実感します。

人を虜にする街・吉祥寺の魅力てんこ盛りムービー!

麻子たちの住んでいるのは、東京でも人気の街・吉祥寺。

ところどころに吉祥寺の名店や絶景スポットが出てきたりして…さながら「吉祥寺散歩」のようなつくりになっています。

吉祥寺ムービーといっても過言ではなく、「いい街だなぁ~」と住みたくなってしまいます。

東京でありながら、自然に囲まれた田舎感。

心躍るお店が随所にある都会的な面、丁度いい塩梅の吉祥寺。

特にあのメンチカツ…見ていて思わず「美味しそう」とつぶやいてしまった、吉祥寺「さとう」のメンチカツ!

高級和牛が100%ぎゅぎゅっと詰まった1個240円の「元祖丸メンチカツ」。

行列が雨でも絶えない人気店なのだそうです。一度は食べてみたい…。

上野樹里と森三中が頬張ったときのとろける顔が忘れられません。

出典:TSUTAYA

人気店が地域密着型のお肉屋さんだなんて、住んでいる人の吉祥寺への愛着を感じますよね。

吉祥寺に住んでいた大事な動物、タイからやってきたゾウの「はな子」も紹介されます。

それまで知らなかった…はな子が日本へ来た理由と、来たときの日本が知れました。

「日本で飼育されたもっとも長寿のゾウ」として有名なはな子は、井の頭自然文化園で大事に育てられていたそうです。

戦後の日本に元気をくれたのも、はな子のような動物たちだったんです。

はな子は2016年5月26日にこの世を去りました。

この映画の中に出てくる、はな子の映像はとても貴重。映画で後世まで残っていくのが嬉しいですね!

吉祥寺に一回住んでしまうと離れられなくなるとよく聞きます。

確かに人をまるっと呑み込んでしまうような魅力的な街、グーグーや麻子たちの様子で住みよい場所なのが伝わってきます。

猫を通して人を見る…人間と人生を考えられる映画。

出典:TSUTAYA

グーグーの散歩シーンで、猫の視点から人を映したり、サバが擬人化(大後寿々花)して猫視点から飼い主・麻子を語ったり、猫目線での「人間観察」が面白いんです。

「あぁ、こう見えているのかな~」と、客観的に顧みることができます。

それは「自分を見つめなおすこと」に繋がります。

何度か繰り返し観るたび、自らの課題が浮き彫りになるんです。

最終的に「人生いろいろありますね。でも、何とかなるでしょう!」という前向きなメッセージをくれる映画です。

心を少し軽くしてくれて、整体みたいに心のコリをほぐしてくれます。

少し人生に疲れてきたら…おすすめです。

『グーグーだって猫である』あらすじ・ネタバレ感想まとめ

映画『グーグーだって猫である』まとめ

出典:TSUTAYA

以上、ここまで『グーグーだって猫である』について紹介させていただきました。

要点まとめ
  • 「サバ」「グーグー」愛猫の名前がとってもおしゃれ!それぞれの名前に込められた意味まで可愛かった!
  • ずっといるはずだった愛猫「サバ」の死を通して考えさせられる、生きていることで感じる孤独と寂しさ、命の尊さ、切なさ、愛おしさ。
  • 女性なら誰しも共感しうる葛藤を、憧れの小泉今日子さんを通して描かれていたので入り込みやすく共感できた。
  • 生きることが窮屈になってきた40代女性のリアルな日常。

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