クリステン・ベル、テッド・ダンソン主演の『グッド・プレイス』は、「バッド・プレイス」の住人たちが、「グッド・プレイス」に行くにふさわしい人間となるべく奮闘をするシット・コム。
大爆笑の中にも道徳や倫理、ちょっとお堅い哲学思想も登場するシュールな1話20分、13話構成のコメディー・シリーズです。
善人だけが行けるはずの「グッド・プレイス」に誤ってたどりついたダメ人間のエレノア。でもそれは、生前テキトーでいい加減、周囲を困らせてばかりの自己チュー女子のエレノアをこらしめるために、悪魔マイケルが造りあげた楽園を騙った「バッド・プレイス(悪い所)」でした。
「グッド・プレイス」に行くのに、エレノアたちの奮闘する姿を描いてきた『グッド・プレイス』シリーズ。
ついにファイナル・シーズンを迎えました。エレノアたちは果たして、人間へとして成長を遂げ「グッド・プレイス」へと行くことが出来るのでしょうか?
・自分勝手な人間たちの改心
・人間をダメにする永遠
・終わりがあるからこそ人生は美しい
エレノアたち4人の新たな挑戦
身勝手なエレノア(クリステン・ベル)、優柔不断すぎるチディ(ウィリアム・ジャクソン・ハーパー)、虚栄心しかないタハニ(ジャミーラ・ジャミル)と衝動的なジェイソン(マニー・ハシント)の4人は、シーズン1、シーズン2で、死後の世界で、お互いに力を合わせ思いやりある人間へと成長を遂げ、シーズン3もう一度人生をやり直すチャンスを与えられました。
ところが良いことをしても、悪いことに加担することになる複雑化した社会で、500年間誰一人「グッド・プレイス」に行けていないポイント・システムの不備をみつけてしまった4人。
人類が地獄に落ちてしまう悲惨な事態を阻止しようと、シーズン4では、全知全能の判事(マーヤ・ルドルフ)と「バッド・プレイス」の建築家のマイケル(テッド・ダンソン)、悪魔のショーン(マーク・エヴァン・ジャクソン)とで「グット・プレイス」でも「バッド・プレイス」でもない、中間地点で新たな世界を作り出し、人間が努力次第で、善行ポイントを稼ぎ「グット・プレイス」に行ける資格を得ることが出来るかの検証実験を始めます。
蔵商店
『グッド・プレイス』では、その点に触れています。グローバル化が進み、どこでなににつながっているかわからない複雑化した社会で、善行をどう評価するか?ドラマでなくても、物事を公正に評価するベースラインはどこに置くのか?それを考えるのは現実社会でも難しい!そう思いませんか?
それでは『グッド・プレイス シーズン4』をネタバレありでレビューします。
目次
【ネタバレ】『グッド・プレイス シーズン4』あらすじ・感想
新たなダメ人間たち
人間が「グット・プレイス」へとたどり着くことが出来ないポイント制に疑問を呈したエレノアたち。
偽の「グッド・プレイス」で、精神的苦痛を与えられ続け、マイケルの作り出す地獄を見破っては800回ものリブートをくぐりぬけてきたエレノア、チディ、タヒニとジェイソン。
リブードにより、経験を重ねて人としての成長をしてきた4人は、新たに迎えた3人の善行ポイントを増やす手助けをします。
死後の世界を受け入れず暴走するシモーヌ(カービィ・ハウエル=バティスト)と、ひねくれゴシップライターのジョン(ブランドン・スコット・ジョーンズ)、モラルのカケラもないブレント(ベンジャミン・コルダイク)と一癖も二癖もある3人にエレノアたちは手を焼きます。
しかもチディただひとりだけ、これまでの記憶を抹消するハメになり、チディと恋仲になっていたエレノアはシモーヌと距離を縮めるチディを見守るしかありません。
蔵商店
これまでの、自分たちがどう人間として成長していくかを考える視点から少しだけ目線がかわり、他者に手を差し伸べることで、より自分自身と向き合っていく姿勢に好感がもてます。
人類抹消の危機
人類の「グッド・プレイス」行きのポイント・システムを見直すのに、シモーヌ、ジョン、ブレントたちの人間性の向上に、「バッド・プレイス」のショーンたちの妨害にもめげず1年の間、陰ながら支え続けたエレノアとマイケル仲間たち。ところが全知全能の判事は、シモーヌたちの身勝手な生態は、人類を助けるに値しないとして、人間界を抹消してしまおうとするのでした。
死後の世界の新しいシステム
死後の世界「グット・プレイス」「バッド・プレイス」へと振り分ける生前の善行を計るポイント・システムを見直し、全知全能の判事に説得して人類の抹消を阻止したエレノアたち仲間たち。
「グッド・プレイス」にいくのに善行ポイントがたりず、地獄へと送り込まれた人間も、努力をすれば挽回できるシステムにかえたのです。
それにより利己的だったエレノアは思いやりがあふれ、優柔不断だったチディも、タハニやジェイソンという仲間を得て、自信にあふれた人間へと成長。悪魔で建築家のマイケルも、エレノアたちの成長ぶり共感し、人間的な感情に目覚めていくのでした。
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限りある人生だからこそ
死後の世界のポイント制の仕組みを建設的な変更を加え、「グット・プレイス」と「バッド・プレイス」の協力体制を作り出した功績が認められ、めでたく「グット・プレイス」に迎えられることになったエレノアたち。
マイケルも、「グット・プレイス」のトップへと任命されます。ところが、苦労をしてたどりついた場所だというのに、そこは、平穏で刺激のない永遠があるだけで住人の誰もが、ぼんやりとして生気がない世界。
「バッド・プレイス」以上に、厳しい現実を目の前に突き付けられ、唖然とするエレノアたち。
しかし、「グット・プレイス」に来るために鍛錬を続けてきたエレノアは、そこであきらめるわけにはいきません。
エレノアとマイケルは、生前の世界と同じように、「グット・プレイス」でも限りある時間、虚無に捕らわれない新たな引き際選び取る扉を作り出したのです。
そしてついに「グッド・プレイス」での生活を全うし、すべてをやり切ったエレノアは、穏やかな気持ちで、自らの意思で楽園から去る決心をするのでした。
『グッド・プレイス シーズン4』あらすじ・ネタバレ感想まとめ
以上、ここまで『グッド・プレイス シーズン4』をレビューしてきました。
・楽園ではない「グット・プレイス」
・限りある命だからこそ
真面目なコメディ
『グッド・プレイス』は、死後に善良な人間しか行けない「グッド・プレイス」に行くのに自己チューな人間が奔走するのを描いた物語。ただ地獄に落とすだけでは面白くないと、罰として手の込んだ方法で、拷問を与える「バッド・プレイス」の悪魔マイケルの存在が愉快です。
いい人間になるのにはどうしたらいいのか?道徳や倫理も絡め、人として正しく生きるには?を問う真面目な作品でもあります。
キャラクターの成長が楽しい作品
シーズンを通し、バカバカしいセリフや展開がふんだんに盛り込まれている『グッド・プレイス』。
クリステン・ベルとテッド・ダンソンを始めとするキャストのスピーディーで呼吸のあったセリフまわしは、難しいセリフも、そうは聞こえず耳にやさしく見やすいです。
シーズン1の冒頭で、ビックリするほどダメダメだったエレノア、チディ、タヒニ、ジェイソン。シリーズを重ねて成長していくキャラクターは心地よく、コメディありながら、最後は感動さえ覚えるのです。
最終話が珠玉の『グッド・プレイス』
そして意外だったのは、最終話。やっとたどり着いた「グッド・プレイス」は思い描いた世界と違っていた!
永遠に続く平穏はひとをむしろダメにする…「人間は死を意識しているから、いつも少しだけ悲しい。だからこそ生きる意味がある。」とエレノアが口にするセリフは、あたりまえのようですが、忘れがち。
どこまでの自分本位だった4人が、それぞれにやりたいことをやりとげ、自らで引き際を決めて去っていくラストは、軽妙なタッチのドタバタ・コメディとして、物語を追い続けてきた視聴者も、穏やかな気持ちでそれぞれの最期を見届ける内容になっています。
蔵商店
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