『ゴーン・ガール』は最後までドキドキハラハラなミステリー映画です。
『セブン』や『ファイト・クラブ』を手がけたデヴィッド・フィンチャー監督ならではの、見ていくうちにジワジワとくる気味の悪さと謎の爽快さが混ざった映画で、最後どうなるのか気になってしかたがありません!
いつもクールな女子を怒らせたらいかに怖いか、女子の寛大さに甘えている男子は身震いするだろうし、いつも冷静でスマートな女子にとっては見ていてスッキリするかもしれないサイコパスストーリーです。
- ある意味で期待を裏切る!?最後まで見ないと分からない心理サスペンス
- 男目線・女目線、見る視点によってドキドキハラハラ!
- 実話がモデルとなっているストーリーだけに身近に感じてしまうストーリー
それでは『ゴーン・ガール』をネタバレありでレビューします。
目次
映画『ゴーン・ガール』作品情報
作品名 | ゴーン・ガール |
公開日 | 2014年12月12日 |
上映時間 | 148分 |
監督 | デヴィッド・フィンチャー |
脚本 | ギリアン・フリン |
出演者 | ベン・アフレック ロザムンド・パイク ニール・パトリック・ハリス タイラー・ペリー キャリー・クーン キム・ディケンズ |
音楽 | トレント・レズナー アッティカス・ロス |
【ネタバレ】映画『ゴーン・ガール』あらすじ
幸せそうな夫婦の結婚記念日に訪れた突然の妻の失踪…
アメリカによくいそうな仲睦まじい夫婦、ニックとエイミーがこの物語の主人公です。
ミズーリ州の片田舎でバーを営むニックと専業主婦のエイミー、物語はエイミーの日記を通して回想シーンとともに描かれていきます。
結婚5周年記念日の朝、毎年恒例の妻からの宝探しクイズとともに発覚した妻の失踪。
中々難解なクイズとともに妻の行方を追うニックはすぐに警察に捜査協力をお願いします。
エイミーは父親が書いた児童文学シリーズのモデルとしても有名なだけに報道陣も駆けつけ、失踪事件は大々的に報道されニックは一躍時の人になりますが、そこで次々とニックの真実の姿が明らかになっていくのです。
知られたくない、見られたくない夫婦仲が明らかに
地元警察が失踪事件として捜索するうちに、エイミーの日記を発見します。
夫婦の金銭問題や家庭内暴力があったことなど、エイミーが夫婦生活に悩んでいることが事細かく日記には記されており、エイミーがニックを恐れていたかのような印象を与えるものでした。
そして、警察が自宅を再度調べるとそこには血を拭き取った痕跡が…本当に失踪したのか疑いの目がニックに向けられていきます。
ニック自身もやましいことがあるのかないのか…ちょっとした仕草や言動がなんとなく怪しくなったと思ったら、なんとニックが若いピチピチのギャルと浮気していたことが発覚!
これでもかというダメ男ぶりのニックに、世間からはさらに犯人なのではと冷たい視線が向けられます。
正気の沙汰じゃないエイミーの本当の姿
ここで映画は一気にエイミー目線に切り替わり、実はエイミーが生きていることが分かります。
失踪事件の全ては、浮気を知ったエイミーがニックに復讐するために入念に仕組んでいた計画だったのです。
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一方ニックは、結婚記念日恒例の宝探しクイズの謎解きを進めるうちに、その緻密な計画とともに自分がハメられたことを知り、自分の疑いを晴らすために敏腕弁護士の元に行くとさらにエイミーに関する驚愕の真実の姿を知ることとなります。
自分の思い通りになるためには手段を選ばない“完璧なエイミー”の入念な復讐計画にメディアを利用し必死に対抗しようとするニック、近くにいなくとも火花バチバチの2人の心理戦が繰り広げられます。
ニックの最後の一手で立場逆転!
偽名を使って過ごしていたエイミーは、エイミーらしからぬ凡ミスで生活資金が無くなり窮地に立たされます。
エイミーは以前交際していたデジーに助けを求め、エイミーに今も昔もゾッコンだったデジーはすんなりエイミーを匿うことになりました。
そんな中世間の冷たい目線を変えようと、ニックはテレビ番組に出演することを決めます。
しかしその矢先、浮気相手であるピチピチのギャルが真実を自分よりも先にテレビで告白してしまいました。
後にも先にも自分の過ちを認めるしかないと思ったニックは、全国中の人々が注目するテレビ番組で自分の過ちを反省するとともに、エイミーへの謝罪の言葉を述べます。
すると、世間の目が“妻殺しのニック”から“本当のことを述べた可哀想なニック”になっていき、同情を勝ち取ってエイミーが欲しがっていた彼に対する疑いの目を払拭することになりました。
エイミーはそんなに甘くない、翻弄されるニック
そんな世間の動きをいち早く察したエイミーは、彼を許すことを決めますが、今度は自分を必要以上に匿うデジーが邪魔になります。
そして、全て自分の思い通りにしないと気が済まない、そして自分がこの物語の主人公でなければならないと固執するエイミーは、デジーをこれまた計画的に殺してしまうのです。
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その後、血まみれになったエイミーが急にニックがいる自宅の前に現れ、自宅前にいた報道陣がニックの腕に倒れ込むエイミー、そして彼女を抱えこむニックの姿をカメラに写します。
ショッキングで感動的な再会と思いきや、ニックは報道陣の感動ムードとは裏腹に想像以上にヤバい妻とは一緒にいられないと密かに身を固めるのでした。
終わらないエイミーの計画
警察もまたエイミーの不可解な行動を怪しむも、特に証拠はなく、捜査は終了しました。
“昔の男”にストーカーされ監禁されていた妻として、世間からもてはやされるエイミーに、ニックは戸惑いを感じます。
そんな戸惑う夫に対し、まるで今までのことは無かったかのように、冷静沈着に恐ろしい本性を現してくるエイミー。
このままではいられないと、ニックは夫婦で出演することになったテレビ番組で彼女の真実を暴露すると心を決めます。
エイミーの完全犯罪復讐劇もこれまでかと思ったら、エイミーの衝撃のどんでん返しが待っているのです!
【ネタバレ】映画『ゴーン・ガール』感想
ロザムンド・バイクの怪演がすごい
完璧なエイミーを演じ切るロザムンド・バイクの演技力が凄いです!
映画の中でクールガールとはを語るシーンは、“完璧なエイミー”を作り上げたエイミー自身を表す重要なシーン。
Rummy
相手を見て彼らが好きな女になっていく、でもそれは自分が彼に染まりたいからではなく、彼らをコントロールできるから、と場面に応じて自分のなりふりを変えていくエイミーは実際にいそうな究極の計算高い女です。
ブロンドで知的で美人な彼女がどうしてそこまで他人を気にするのかは、恐らく幼少時代に作り上げられた父親が作った児童文学の“エイミー”と自分をいつも比べられていたからなのか、相手の理想の女に近づけば近づくほど自分がどんな人間なのか分からなくなってしまっているようなエイミーの姿にはちょっと可哀想かなと思う部分も見えてきます。
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ベン・アフレックの起用理由
ベン・アフレック演じるニックの絶妙なダメ男っぷりが謎にドンハマりな理由。
元々主人公ニックには、デヴィッド・フィンチャー監督の作品には欠かせないブラッド・ピットなど大物俳優が候補に上がっていましたが、デヴィッド・フィンチャー監督がある時見つけた嘘くさく笑うベン・アフレックの写真を見て彼を起用することに決めたそうです。
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ベン・アフレックの実生活にもいそうなリアリティーのある風貌とちょっとダメンズ感の雰囲気漂う“普通の人”感に共感が湧いて「こいつどうしようもないな、サイテー!」と最初は思いつつも、「え、ちょっと待てよ、かわいそう!頑張れ!」と最後には応援してしまいそうになっている自分がいます。
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原作との違い
『ゴーン・ガール』は映画になる前に、すでに原作がありました。
2012年のギリアン・フリンによる小説で、全米では600万部以上売り上げたベストセラーです。
そのため、映画のポイントである結末はすでに原作を読んでしまった人は知っていると危惧したデヴィッド・フィンチャーは、脚本にも加わったギリアン・フリンと共に展開を変えたと発表し、原作読者も予想がつかない結末となりました。
いつもある意味予想のつかない展開や結末で驚かせてくれるデヴィッド・フィンチャー監督なので、まずは映画から見て欲しいです。
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映画『ゴーン・ガール』あらすじ・ネタバレ感想まとめ
以上、ここまで『ゴーン・ガール』をレビューしてきました。
『ゴーン・ガール』よりもサイコガールという名前の方が合っているのでは?と思うくらい人間の奥底にある闇の深さと怖さがジワジワくる映画です。
自分たちの目標とする形や完璧な姿がどんどん崩れてきて、嫌なところも闇も出てくる人間の心に迫ったスリリングなストーリーで、主人公のどちらにも共感できる部分があるのではないでしょうか。
女友達と見るよりは、ぜひあえてのカップルや夫婦2人きりで見て欲しい映画です。
必ず言えるのは、浮気防止になる、ということ。
最後までどんな結末が待っているのか分からないスリリングなサスペンス映画なので、1人でじっくり見るもよし、そしてあえてのカップルで見るのもありの映画です!