ゴールドラッシュ時代、いろんな思惑が交錯する中で出会った4人の男たちの物語。
彼らの運命とは…。
先が読めるようで読めない、静かに興奮する作品です。
- 有名俳優大集合
- 雰囲気あふれる世界観
- 4人の運命が絡み合った結果の、予期せぬ化学反応
- 悲しくも優しい結末
それでは『ゴールデン・リバー』をネタバレありでレビューします。
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目次
『ゴールデン・リバー』作品情報
作品名 | ゴールデン・リバー |
公開日 | 2019年7月5日 |
上映時間 | 120分 |
監督 | ジャック・オーディアール |
脚本 | ジャック・オーディアール |
出演者 | ジョン・C・ライリー ホアキン・フェニックス ジェイク・ギレンホール リズ・アーメッド レベッカ・ルート アリソン・トルマン ルトガー・ハウアー キャロル・ケイン |
音楽 | アレクサンドル・デスプラ |
【ネタバレ】『ゴールデン・リバー』あらすじ・感想
有名実力派俳優たちが織りなす物語
『マグノリア』や『シカゴ』にも出演した名バイプレイヤー、ジョン・C・ライリーを筆頭に、『グラディエーター』や『ジョーカー』のホアキン・フェニックス、『ナイトクローラー』や『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』のジェイク・ギレンホール、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』や『ヴェノム』のリズ・アーメッドの名前が並ぶ豪華な映画が、この『ゴールデン・リバー』です。
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主役の殺し屋兄弟はジョン・C・ライリーとホアキン・フェニックスが務め、兄弟の運命を大きく変える連絡係と化学者をジェイク・ジレンホールとリズ・アーメッドが演じています。
この連絡係と化学者の2人は、映画化にあたってキャラクターが原作と大きく変更されました。
原作では面白おかしいキャラクターだったのが、映画では寂しげな連絡係と大きな理想を掲げる化学者となったのです。
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また、『ゴールデン・リバー』は様々な国籍の人たちが携わった映画だと言われています。
現場では英語やスペイン語といった多くの言語が飛び交っていたと、化学者を演じたリズ・アーメッドが語っていました。
ちなみに衣装は、アカデミー衣装デザイン賞を4度受賞したミレーナ・カノネロが担当しています。
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夢と黄金を求めた男たちの思い
人々が金に夢を抱いていたゴールドラッシュ時代。
オレゴン州のとある町に、有名な殺し屋兄弟がいました。
兄のイーライと弟のチャーリーはシスターズ兄弟と呼ばれ、この地域を支配する提督の元で働いています。
そんなある日、提督は兄弟に1人の男を探すよう命令しました。
男の名前はハーマンで、彼が持っているものを拷問してでも奪えというのです。
ハーマンの動向を探っている連絡係のジョンと合流するよう命令を受け、兄弟はハーマンを追いかけ始めました。
一方、ハーマンを見つけたジョンはさりげなく距離を縮め、友情を築きます。
友人として行動を共にしシスターズ兄弟の到着を待つのですが、予想外の問題が起こりました。
ハーマンに鞄の中を見られてしまい、正体がばれてしまったのです。
慌てたジョンはハーマンを拘束し、このままシスターズ兄弟に引き渡そうと考えました。
手錠をかけられたまま、ハーマンは言います。
「俺は化学者で、黄金を見つけられる化学式を持っている。提督はそれを狙っているのだろう。きっと俺は拷問される。俺はこの化学式を使って、民主主義の世の中を作りたいんだ。子どもたちが分け隔てなく教育を受けられる社会を作りたい」
ハーマンの言葉に胸をうたれたジョンは、ハーマンと共に逃げることを選びました。
ジョンの裏切りなど知らず、シスターズ兄弟はハーマンを追いかけます。
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そんな中、イーライはこの仕事が終わったら殺し屋をやめるとチャーリーに伝えましたが、もちろんチャーリーはそんなこと認めません。
なぜなら、チャーリーは提督を殺して自分が後釜になるつもりでいたからです。
それぞれの夢や野望を胸に抱きながら、4人はついに合流を果たします。
黄金によって導かれた4人の運命はどうなるのでしょうか。
別れと帰郷
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イーライはチャーリーと共に提督の暗殺を計画するものの、シスターズ兄弟がオレゴン州に戻った頃にはもう提督は死んでしまっていました。
シスターズ兄弟は自分たちが生まれ育った家に戻り、母親と懐かしい時間を過ごすシーンで『ゴールデン・リバー』の幕は下ります。
『ゴールデン・リバー』は、なんとも静かでのどかな雰囲気で終わりました。
まるで途中の銃撃戦や、ジョンとハーマンが命を落とした出来事が嘘だったかのように思えるほどです。
とーる
どんなに波乱万丈な出来事が続き、信じられないようなことが起こったとしても、人は最後は自分の生まれた場所に戻ってくるのだと。
生まれた場所というのは、家や地域というわけではありません。
とーる
ジョンが自分の手で自分の命を終わらせたのも、苦しみから解放されるための安らぎを自分で得るための手段だったといえます。
ハーマンもジョンとの間に芽生えた友情に安らぎを見出し、最後もジョンへ向けた言葉をつむいで息を引き取りました。
シスターズ兄弟が得たもの
イーライもチャーリーもジョンもハーマンも、みんな自分の夢を叶えることはできませんでした。
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まずイーライは結末を考えると、イーライだけが「殺し屋を引退する」という自分の夢を叶えることができたと言えます。
ジョンを追いかける間は無鉄砲な弟を嫌悪する姿も見られましたが、結局は弟のチャーリーと共に家に帰ることができたのですから、心の底からチャーリーを嫌っていたわけではないのでしょう。
次にチャーリーは「提督を殺し裏世界のトップに立つ」という欲望は果たすことができず、むしろ正反対の結末になりました。
とーる
片腕を失った時から提督を殺して自分が後釜になる欲望は捨てていたのかもしれません。
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ジョンとハーマンが得たもの
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ハーマンには「子どもたちが平等に教育を受けられて、民主主義の世の中を作る」という夢がありました。
そのために金を簡単に見つけることができる化学式を発見したのですが、夢半ばにして命を失ってしまいます。
ジョンはというと、夢こそありませんでしたがハーマンの夢を聞いてハーマンを応援していました。
父親の遺産をハーマンとの起業費用にあて、ハーマンのためシスターズ兄弟を殺そうとしたほどです。
とーる
夢を分かち合ってくれたジョンと過ごした時間は、ハーマンにとっても貴重だったはずです。
そうでなければ、死ぬ直前までジョンの名前を呼ぶはずがありません。
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『ゴールデン・リバー』まとめ
2019年見逃した映画を見るぞ週間ということで『ゴールデン・リバー』を見たんですが…何ですかこれは?俺は何を見せられたんだ?ゴールドラッシュ時代に一攫千金を狙う2人とそれを追う用心棒兄弟2人の奇妙な関係性…お互いへの強い感情…黄金で輝く川のような一瞬のきらめき…これ最高の映画なのでは… pic.twitter.com/oW7LkyuEoP
— ビニールタッキー (@vinyl_tackey) December 23, 2019
以上、ここまで『ゴールデン・リバー』をレビューしてきました。
- 実力者たちが肩をならべる作品
- ばらばらになっていたピースが少しずつ集まって完成していくようなストーリー
- 人生の縮図のようなものを感じられた
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