『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』が公開から3日間で世界興収193億円というモンスターヒットを記録しております。
前作『GODZILLA ゴジラ』から5年後が舞台。
人気の怪獣が勢ぞろいし、ファンとしては夢のような一作になっています。
- ゴジラを始め、オールスター怪獣そろい踏み
- 一枚絵としての完成度はほとんど宗教画のよう
- ゴジラファンへの目配せも満載
- もはや人間ドラマは霞んでしまう
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目次
『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』作品情報
作品名 | ゴジラ キング・オブ・モンスターズ |
公開日 | 2019年5月31日 |
上映時間 | 132分 |
監督 | マイケル・ドハティ |
脚本 | マックス・ボレンスタイン マイケル・ドハティ ザック・シールズ |
出演者 | カイル・チャンドラー ヴェラ・ファーミガ ミリー・ボビー・ブラウン ブラッドリー・ウィットフォード サリー・ホーキンス チャールズ・ダンス トーマス・ミドルディッチ アイシャ・ハインズ オシェア・ジャクソン・Jr デヴィッド・ストラザーン 渡辺謙 チャン・ツィイー |
音楽 | ベアー・マクレアリー |
『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』あらすじ・感想【ネタバレなし】
溢れる『ゴジラ』シリーズへの愛
本作で登場するのはゴジラ、キングギドラ、モスラ、ラドンというオールスター怪獣たちで、このメンツは1964年の『三大怪獣 地球最大の決戦』と同じです。
『三大怪獣 地球最大の決戦』はキングギドラが初めて登場した記念碑的作品。
キングギドラが別の惑星から来た外来種だというのも『三大怪獣 地球最大の決戦』と同じです。
本作ではゴジラとモスラが人間に協力的な怪獣、キングギドラとラドンが敵対する怪獣という扱いですが、主役はほとんどキングギドラではないかと思ってしまうくらい重点的に、且つとてもかっこよく描かれています。
何しろ実写で、オールCGでギドラが出てくるのは初めてですから、気合いが入るのも分かりますね。
その他、1954年の1作目『ゴジラ』でも使われた、半径3キロの生物を死滅させる超兵器オキシジェン・デストロイヤーが使われたり、『ゴジラVSデストロイア』以来の体内で熱核融合を起こして赤く発光するバージョンのゴジラまで出てきたりと、旧作ファンへのサービスもてんこ盛りです。
もちろんファン向けの目配せで終わることはなく、初心者からマニアまで誰もがこれはすごい!と思わざるを得ないような圧倒的な怪獣絵巻を本作は見せてくれます。
怪獣を魅せることに注力された一点集中突破映画
本作は、とにかく怪獣をかっこよく荘厳に描くことに注力されています。
最新のCGで、背景や色彩まで細かく設計された画面の美しさは尋常ではなく、南極の極寒の吹雪や吹き荒れる暴風雨の中でそびえたつ怪獣たちはまさしく巨神とも言える佇まい。
ポスターアートなどを見る限りでも、かなり幻想的に怪獣を描くことを目指していることがわかるかと思いますが、実際の映画でも怪獣が出てるシーンはすべてが美しく、ほとんど宗教画のようです。
またゴヤの有名な絵画「巨人」も連想させます。
個人的に、特に陶然としてしまったのは、巨大な滝でモスラが孵化して成虫になり、羽をゆったりと広げる場面ですね。
鱗粉で発光しながら水をはじきながら登場するモスラだけでも美しいのですが、あのお馴染みの「モスラのテーマ」までオーケストラバージョンで流してくれるので、本当に荘厳な場面になっています。
ゴジラが天に向かって放射能を吐いたり、キングギドラが全身から雷のような光線を出すシーンも、本当に一枚絵として飾っておきたいような出来栄えです。
怪獣たちにしっかりと実在感が出るように、CGだけでなく役者のモーションキャプチャーが取り込まれており、恐ろしいだけでなく、ちょっとしたユーモラスな雰囲気が出てるのも特徴です。
プロットが整理されたドラマ
またプロットとしても、なるべく怪獣抜きで話が進まないように配慮がされているのがわかります。
まず主人公のラッセル博士の家族がバラバラになるきっかけとして、2014年のサンフランシスコで暴れるゴジラを描き、そこから5分程度で今度はモスラ幼虫が登場、その後、過激派環境テロリスト組織がラッセル博士の妻エマ(彼女も学者です)と、娘マディソンを誘拐して南極に飛ぶとすぐに氷漬けになっていたキングギドラを復活させ、そこにゴジラが駆け付けて怪獣バトル。
その直後にギドラが南極から飛び去ると、それから少しの間があった後、メキシコの火山からラドンが出現して、ギドラと空中怪獣バトル…といった形でジェットコースターのように次々と怪獣たちが現れては暴れてくれます。
人間ドラマは怪獣たちが戦っている間に進行し、中だるみすることは全くありません。
それに本作の人間は、怪獣が暴れるきっかけは作るものの、いざ戦いが始まってしまえばもはやどうすることもできない存在として描かれています。
劇中で一番弱く描かれる怪鳥ラドンですら、火山をぶち破って登場し、飛び立つだけで超音波と高速移動による衝撃波で、あっという間に街を破壊するという反則級の強さで「怪獣を何とかできるのは怪獣だけ」と思わざるを得ません。
中盤では、人間側も超兵器オキシジェン・デストロイヤーを放つのですが、それですらキングギドラには通用しないのです。
おまけにせっかく人間側に味方してくれていたゴジラだけを弱らせてしまうという結果に。
本作では、基本的に人間は余計なことをするだけの存在のように描かれています。
これはプロットの穴というだけでなく、半分意図的なものでしょう。
人間は滅びて怪獣に地球を返すべきという悪役の意見に少し同調したくすらなってきます(笑)
しかし、そこで前作『GODZILLA ゴジラ』から登場しているあのキャラクターが、衰弱したゴジラを感動的な自己犠牲で蘇らせるという胸アツ展開が待っているので注目です。
ここで「人間も捨てたもんじゃねーな」と思い返すこともできます(笑)
そしてラストでは、ゴジラがかっこよくギドラを倒し(倒し方が今までになかった斬新なスタイルなので注目です)、雄たけびを上げ、こちらの気分を上げたままズバッと潔くエンドロールに入ってくれるのもありがたいところです。
ここで人間たちのその後のドラマなどを描かれても余韻を削ぐだけですからね…。
そしてエンドロールもなかなかの注目ポイント。
怪獣バトルが世界にどんな影響を与えたのかが、エンドロールで流れる新聞記事やニュース映像などで示されるということ自体がちょっと斬新ですが、そこで語られることが「え?そんな都合よくいく?」とちょっと笑ってしまうような内容なので、ぜひ確認してほしいです。
そして今後のハリウッド・ゴジラシリーズ“モンスター・ヴァース”への布石もバンバン張られ、エンドロール後のおまけ映像でもまさかの展開が待っているので、最後まで席を立たずにご鑑賞ください。
『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』あらすじ・感想まとめ
令和の世に 王(キング)が覚醒🔥👑🔥#大ヒット上映中#ゴジラ#キングオブモンスターズ#GodzillaMovie pic.twitter.com/Fp45Hjnwa1
— 映画『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』公式 (@GodzillaMovieJP) 2019年6月4日
以上、ここまで映画『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』について紹介させていただきました。
- ゴジラ愛、怪獣愛に溢れすぎた描写の数々
- 画作りが宗教画のようで陶然
- 人間ドラマを盛り込みすぎず、怪獣中心で見やすいストーリー
2020年には、『キングコング:髑髏島の巨神』に登場したキングコングが、ついにゴジラと対決する『Godzilla vs. Kong(原題)』が公開されます。
楽しみに待ちましょう!
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