『ゴジラ』長編アニメ三部作。
『GODZILLA 決戦機動増殖都市』は、前作『GODZILLA 怪獣惑星』に続く第二弾となります。
なんとかゴジラを一頭倒したものの、なんと二万年もの間成長を続けた本当のゴジラが現れました。
壊滅していく中で気を失ったハルオは、目を覚ますと謎の少女が手当てをしていました。
いったいこの少女はなんなのだろうか?敵なのか?味方なのか?
また、ゴジラとの戦いはどうなるのでしょうか?
- 前作『GODZILLA 怪獣惑星』を超える大規模作戦と圧倒的戦闘シーン
- ユウコのハルオに対する想い
- 非人道的なビルサルドの考え方
- 謎に包まれたエクシフの秘密
- 追い込まれたハルオの究極の選択
それではさっそく『GODZILLA 決戦機動増殖都市』のレビューに行きたいと思います。
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目次
『GODZILLA 決戦機動増殖都市』作品情報
作品名 | GODZILLA 決戦機動増殖都市 |
公開日 | 2018年5月18日 |
上映時間 | 101分 |
監督 | 静野孔文 瀬下寛之 |
脚本 | 虚淵玄 村井さだゆき 山田哲弥 |
出演者(声優) | 宮野真守 櫻井孝宏 花澤香菜 杉田智和 梶裕貴 諏訪部順一 |
音楽 | 服部隆之 |
『GODZILLA 決戦機動増殖都市』キャラクター紹介(新しいキーマンのみ)
マーティン・ラッザッリ
- 環境生物学者
- 好奇心が強く、人当たりがいい
- フツワの民を昆虫が人型に進化したものと推測する
アダム・ビンデバルト
- 揚陸艇などの操縦士の若者
- メンタル面で不安定さを持つ
ミアナ
- ハルオの治療をした
- 友好的でハルオと仲が良い
- マイナとそっくり
マイナ
- ユウコたちを襲った
- 好戦的で目つきが悪い
- ミアナとそっくり
【ネタバレ】『GODZILLA 決戦機動増殖都市』あらすじ・感想
タイムリミット
地球との連絡が取れず、さらにはゴジラの熱線は地球圏の外にいる母船にまで届くというのです。
ゴジラに勘付かれ熱線攻撃を受けることを恐れた母船は地球圏脱出の計画を立てます。
しかし、地球の兵士たちがまだ残っています。48時間というタイムリミットを設け、地球からの連絡を待つことにします。
あれだけ勇敢に戦った兵士達を置いていこうとするなんて、上層部の人間にはがっかりさせられっぱなしです。
その間もゴジラは何かを求めるように歩き回っているようです。
ハルオの目覚め
ハルオが目を覚ますとそこには見覚えのない天井がありました。明らかに生活感のある人の住む家です。
外に出ようとすると、ばったりフツワの少女ミアナと鉢合わせます。
驚いたミアナはハルオを見るなり逃げていきますが、ハルオは彼女を追いかけます。
しかし、俊敏な彼女に追いつくことができず、あきらめて母船と連絡するために揚陸艇を探すことにします。
そんなハルオにミアナは物陰から隠れてついていきます。揚陸艇を探す中で、危険な区域に足を踏み入れたハルオはミアナの呼びかけによって助けられます。そんな中、ユウコと連絡がつきます。アダム、ベルベ、ユウコの生存が確認できました。
しかし、ミアナ双子のマイナに襲われており、戦闘の最中でした。なんとかその場を収めハルオと合流しましたが、フツワの集団に包囲され彼らの地下集落に連行されます。
墓所に閉じ込められたハルオたちは、そこでマーティン博士などメトフィエスを除く人たちと再会します。
指揮官であるハルオは、ここを脱出し母船と連絡を取ることを次の作戦とします。
するとそこへマイナが現れ、ハルオたちを儀式の間まで案内します。そしてどうしてハルオたちがへマイナたちの住処である森を破壊し、へマイナたちに攻撃をしたのかと尋ねられるのです。
ハルオはゴジラを倒すためだと答えるも、へマイナたちはゴジラと共存することを選んでいるため動揺を隠せないでいました。
食物連鎖という言葉がありますが、その頂点を私たちの地球では人間が占めています。この物語では圧倒的にゴジラが頂点に君臨しているのです。
そのため地球の生物、植物はゴジラ化をしているようです。現在の私たちの現実世界の動植物は人間化しているのでしょうか?
そんな深いことまで考えさせられました。
ゴジラと再戦へ
ゴジラとの再戦に向け決意をフツワに語ったハルオでしたが、それを聞いた隊員の1人が再戦に対して不安を爆発させます。
タイムリミットが設定されているためかハラハラしながら見ることができます。
また、打倒ゴジラを目指すハルオに対して不満をぶつける隊員に対して、空気を乱すな!と多少腹が立ちましたが、人間としてはこれが普通ですよね。
しかし、ハルオの決意は変わらずゴジラを撃退することにのみあります。
一方で、母船では30時間が経過しており、残り時間は18時間しか残されていません。
また、ゴジラはまだ歩き回っているようです。地上では、ハルオたちが揚陸艇を目指して行動を開始しました。
それにフツワの双子が行動を共にすることになりました。
再会とタイムリミット
親しげなミアナとハルオの様子を見たユウコは嫉妬し、拗ねてその場から離れます。
まさかの恋愛モードか!?と思いますが、そうもいかないのがこの作品です。
さまざまな人が存在する中、どのように愛が描かれるのかも今後の楽しみなのです。
そこにちょうど揚陸艇の信号をキャッチしたユウコは信号の元へ行きます。
しかし、足を踏み入れた先はゴジラ化した蛇の住む沼のような場所でした。
蛇に襲われるユウコは、ミアナとマイナの特殊な武器による助けによって一命を取り留めます。
漁夫の利だと言わんばかりに翼竜が襲いかかってきますが、そこにメトフィエス率いる小隊が現れ危機を脱します。
時間は48時間経過し、母船の方もあきらめムードが漂っている中、地上にいるメトフィエスから連絡が来ます。
ナノメタルと勝機
地球離脱の意を知ったハルオに対し、ベルベとガルグは勝機があることを告げます。
それは、フツワの特殊な武器に使われていたある物質がカギになるということでした。
その物質とはナノメタルと言われるもので、メカゴジラに使われていた物質です。しかもさらに進化した状態で存在するというのです。
それを知ったビルサルドのベルベとガルグは圧倒的な自信をのぞかせます。ナノメタルの存在を知ったビルサルドの2人のクレイジー感は尋常ではありませんでした。
それはそうでしょう!ずっと苦しみ続けたゴジラとの戦いに終止符を打つことができるかもしれないのだから。
しかし、あまりにも狂気的すぎる2人はネトフィエス同様、なにかしでかしそうな気がしてなりません。
ゴジラと戦うことが確実となったハルオたちは戦意がある者だけを残し、それ以外の兵士を母船へ帰しました。
フツワの2人がナノメタルの場所まで案内してくれましたが、そこにあったのは…?
メカゴジラシティ
2人が案内してくれた先にはメカゴジラの残骸からできた街、メカゴジラシティがありました。
ゴジラによって破壊されたかに思えたメカゴジラが、主人の意思を受け継ぎ、進化して街を作り上げていました。
ここが人類の希望かと思われましたが、フツワの2人はハルオにメカゴジラシティは毒だと揶揄します。
そんな中、ビルサルドの2人はメカゴジラの反応の発信源へ向かいます。
そこには人工知能を備えたメカゴジラの頭部がありました。そして、その人工知能を使ってコントロールユニットの復元に成功します。
これで打倒ゴジラの準備ができるようになりました。打倒ゴジラに向けて、いよいよ本格的に準備段階になってきました。
人工知能なんて出てきていよいよ近未来感が深まってきました。
いままでのゴジラ作品は現存する武器、兵器を使って戦っていましたが、未来兵器を使っての戦いは、どうなるのか想像がつきません。
今後の展開が楽しみです。
ゴジラ討伐作戦
ゴジラは、メカゴジラシティを探してあるきまわっているようです。
しかし、メカゴジラシティが作り出す霧によって姿を隠しているため見つからないようです。メカゴジラシティは万能すぎませんか!?
そして、ハルオはシティでゴジラを倒すための作戦を展開することにしました。コントロールユニットでは、ナノメタルによるパワードスーツの強化がなされていました。その名もバルチャー。
完成予想図は、めちゃくちゃかっこいいですよ。以前のパワードスーツに比べて数倍の機動力、パワーを誇ります。
この機体を主軸にゴジラを前回同様に足止めをし、さらには作戦ポイントへ誘導をして、EMP HARPOONと呼ばれるEMPの槍をゴジラのヒレに差し込み自爆させる作戦をとることにしました。
そんな中、謎の体調不良を訴える者が出てきました。しかし、彼らはシティの外に出ると症状が治ったようなのです。
その者たちの共通点として、フツワの村で治療を受けたものということでした。
ハルオも例外ではなく、胸の痛みを抱えていましたが隠します。
ここでなんとなくフツワが言っていたメカゴジラシティが毒だという意味が分かった気がします。
ビルサルドの狂気、ハルオの悩みとエクシフの秘密
作戦決行で、また仲間をたくさん失うかもしれないという不安からメトフィエスに相談を持ちかけます。
メトフィエスはそこで、ハルオに安心を与えるとともに、ビルサルドがナノメタルを使って人間を超えて怪獣になろうとしていることを危惧していることと、エクシフが抱える秘密をハルオに耳打ちします。
耳打ちの内容は私たち視聴者には聞こえませんでしたが、きっと今後重要なカギとなってくるものに違いありません。
いかにも胡散臭いメトフィエスですが、今回の件でさらに怪しくなってきましたね。
本性を現すのはいつなのでしょうか?楽しみです!
ビルサルドの目論見とゴジラの目覚め
アダムは偶然にもビルサルドの人間がナノメタルと融合している場面を見てしまいます。
その報告を聞いたハルオは、ガルグに問いただします。しかしガルグは、自ら望んでナノメタルと融合した、名誉なことなんだと非人道的行為に肯定的な発言をします。
ビルサルドの裏の顔がとうとうあらわになりましたね。これもゴジラに勝つためという強い気持ちの表れでしょうが、なかなか受け入れにくい作戦だと思います。
ハルオはどうしてもそれに賛同することができないでいました。すると突然、シティが自身を隠すための霧の放出をやめ、ゴジラと戦うために進めていた要塞化にすべてを注ぎ出したのです。
これも融合した彼らが導き出した答えだとしてガルグは至って冷静です。これによってゴジラがシティを感じ取り、シティに向かって侵攻を始めます。
迎え撃つには完璧とは言えないですが、バルチャーが3体とゴジラに攻撃するための主砲の準備。そしてEMPの槍は準備ができています。
いよいよゴジラとの本格的な戦闘が始まります。
1回目では引くことしかできず壊滅した部隊ですが、今回はどこまで戦うことができるのでしょうか。
対ゴジラ
要塞化を急ぐシティに対し、ゴジラは遠距離から熱線を浴びせます。
この熱線の威力は凄まじくも見ている側からすると、美しく感動する場面でしたが、ハルオたちの気持ちを考えると絶望的な場面でもありました。
熱線を受けたシティの一部は壊滅しますが、作戦に問題はないようです。
要塞化を続行し、足止めをする必要がありました。そこでバルチャーの登場です。
操縦士にはバルチャーと相性のいいユウコ、ビルサルドのベルベ、そしてハルオが志願します。
指揮官が前線で戦うことは言語道断ですが、味方同士の調和が大切な時期に指揮官が前線に出て引っ張ることが重要だと考えるハルオは、自ら志願したのです。仲間を信じて。そんな3人はバルチャーを出撃させます。
ハルオも初バルチャーでしたが、さすがに上手くコントロールできています。
バルチャー出撃のシーンは本当にかっこよかったです。まるでロボットアニメを見ているかのようなクオリティの高さで、バルチャーの戦闘シーンには力を入れている感じがしました。
バルチャーで攻撃をして、足止めしつつ作戦ポイントへの誘導をしなければなりません。
必死の攻撃により見事誘導に成功するも、EMP HARPOONのハプニングのため作戦ポイントまでの時間を稼ぎつつ、足止めをしなければならなくなります。
作戦ポイントに到達したところでトラップを発動し、ゴジラの動きを止めることに成功します。
そこから一斉にゴジラに対して集中攻撃の開始です。シールドがなくなったタイミングでEMPHARPOONを打ち込みます。見事ゴジラの動きは止まり、歓喜する一同でしたが…。
ここまでの戦闘の流れは1頭目のゴジラを倒すときよりも緊迫感があり、テレビに食いついて見ている自分がいました。
それだけコンマ何秒の遅れが命取りになるシビアな戦いだったので、見ている側もその場にいるような臨場感を味わうことができました。
勝利!?
ゴジラの動きが止まり、後は自爆してくれるのを待つのみでしたが、まったく自爆する気配はありません。
すると、ゴジラが急に熱を放出しだします。確実に弱まっているゴジラですが、最後の抵抗と言わんばかりに熱攻撃をしてきたのです。その温度は数千度にも及びます。あまりの熱にバルチャーも追い討ちができずにいます。
このままゴジラが復活してしまうことを恐れたビルサルドのガルグは、自身もナノメタルと融合することを選びます。
そして、バルチャーに搭乗するハルオ、ユウコ、ベルベも強制的にナノメタル化させてゴジラを刺激するために、捨て身の特攻をさせる気でいます。
何も知らされていないユウコは取り乱します。そして、3人のナノメタル化は進んでいきますが、ハルオだけなぜかナノメタル化が進行しません。
ハルオはナノメタルに取り込まれることなく、バルチャーを操縦することができます。
そこでハルオは究極の選択を迫られます。
ゴジラとの戦闘というより、今回は人間同士のいがみ合いがメインでした。
ビルサルドのゴジラ撃破に対する思いと理想と、地球人ハルオの掲げる理想の対立が描かれていました。
どちらも正解だと思いますが、やはり私たち人間からすれば、ビルサルドのやり方には賛同し難い部分がありました。
そしてハルオに迫られた究極の選択とはなんなのでしょうか?
ハルオの選択
ユウコのナノメタル化が進む中で焦るハルオは、究極の選択を迫られます。
- ナノメタルの暴走を止めるためにガルグがいるコントロールルームを破壊しみんなを助ける
- ナノメタルの暴走を受け入れゴジラを倒すことのみを考えるのか
この二択です。ゴジラ撃破はハルオの長年の夢でした。
それでもハルオはユウコや他のみんなを救うために、ゴジラ撃破を諦めてガルグのいるコントロールルームの破壊を選びました。
本当に辛い決断だったと思います。その苦悩が表情、声、行動すべてに現れていました。
なんとかナノメタルの暴走を止めることができましたが、ビルサルドの人たちを失ったことと、ゴジラが復活してしまうこと、そしてユウコがナノメタルに侵食され意識がないことにハルオは絶望します。
その間にも復活したゴジラはメカゴジラシティを破壊していきます。作戦は失敗に終わり、唯一の希望であったシティは壊滅してしまいます。
シティを壊すゴジラは、まるで鬱憤を晴らすかのように熱線で攻撃していました。その様子はまるで破壊神のように感じました。
私たちの目からはカッコ良く見えるゴジラですが、ハルオたちの目にはそのゴジラがどのように見えていたのでしょうか?
圧倒的力の差を見せつけられたハルオたちですが、今後どのようになっていくのでしょうか?
エクシフの秘密
物語中盤でメトフィエスがハルオに耳打ちをしたシーンがありました。
その内容が、最後に明かされたのです。
内容は「ギドラ」でした。
それはゴジラよりも恐ろしく、言葉にするのもタブーなほどの圧倒的強者だということなのです。
今後、ギドラがどのように関わってくるのでしょうか?楽しみですね。
アニメ映画『GODZILLA 決戦機動増殖都市』まとめ
ゴジラ決戦機動増殖都市が劇場公開アニメーション映画部門優秀賞に選ばれた❗ 本当におめでとうございます❗ pic.twitter.com/Ju4buq2P8I
— mk@怪獣王ゴジラ (@tqseJW6ytkrEHPy) 2019年3月7日
あと1歩のところまでゴジラを追い詰めましたが、各惑星の考え方の違いから足の引っ張り合いをしてしまいました。
ビルサルドの考え方にも一理ありますし、ハルオたち地球人の考え方も当然のように理解できます。
ゴジラを倒すことしか考えていなかったハルオは、ビルサルド寄りの考え方なのかと思っていましたが、まだ人間味が残っているようで安心したのと同時に、ゴジラ撃破を逃してしまうもどかしさも感じました。
今回はビルサルドの思惑が中心に描かれていました。
第3部はエクシフの思惑が表に出てくるでしょう。おそらくエクシフの秘密でもあったギドラがカギになってくると思います。非常に楽しみですね。
ゴジラとの戦い。そしてそれぞれの惑星が持つ思惑が交錯し合う中、どのような結末を迎えるのでしょうか。
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