『ガール・アスリープ』あらすじ・ネタバレ感想!10代こじらせ女子が活躍する青春ガールズムービー!

映画『ガール・アスリープ』あらすじ・ネタバレ感想!

出典:『ガール・アスリープ』公式ページ

転校してきたばかりのグレタは、果たして学校に馴染めるのか?

ある10代の女の子が抱える、鬱屈した思春期独特の悩みをポップでカラフルに表現した一風変わった青春映画の佳作です。

ほとばしる若さゆえの苦悩に誰もが共感できます。

タイトル『ガール・アスリープ』は、直訳すると「眠っている女の子」という意味。

これは単純動作の睡眠を指してるのではなく、多感な時期を経験して、一人の女性として精神面が目覚めて行く姿を表現している一文でしょう。

ポイント
  • こじらせ女子の奮闘記。これぞ今どき青春映画
  • 映画的構図の斬新さに注目
  • 『ガール・アスリープ』は日本では劇場未公開の作品

それではさっそく映画『ガール・アスリープ』をネタバレありでレビューしたいと思います。

『ガール・アスリープ』作品情報

作品名 ガール・アスリープ
公開日 日本劇場未公開
上映時間 77分
監督 ローズマリー・マイヤーズ
脚本 マシュー・ウィテット
出演者 ベサニー・ウィットモア
マシュー・ウィテット
エイモン・ファーレン
ティルダ・コブハム・ハーヴェイ

『ガール・アスリープ』あらすじと感想


10代のこじらせ女子が、またまた大活躍

転校したての学校。

登校初日目の朝、ベンチに座る主人公グレタ。

突然、エリオットと言う少年が、「仲良くなりたい」と話し掛けてくる。

チアリーダーの女の子も仲良くしたいと、遅れて話し掛けてくる。

少しシュールな展開で物語が進む本作『ガール・アスリープ』は、今まで日本ではお目にかかれなかった珍しい映画です。

作品の奇抜さと斬新さのおかげで、劇場公開が先送りにされてきました。

鈴木友哉

本作の一番の見どころは、10代の主人公のグレタのこじらせ感が突き抜けている点でしょう。

ティーンエイジャーの女の子が持つ特有の感情を、見事に映像で描写しています。

鈴木友哉

近年、この“こじらせ女性”をキーワードにして、映画がたくさん製作されています。私個人的に好きな作品は、『スウィート17モンスター』と『フランシス・ハ』です。

どちらも、毎日の生活の中で葛藤しながら、自らのアイデンティティーを模索する女性の姿を描いた名作です。

前者では、学校に馴染めないと思う10代女子に、後者では一生懸命夢を実現しようとしている20代の女性に観て欲しい一本です。

このようなこじらせている女性が奮闘する姿を描く作品群に、またひとつ名作が加わりました。

それが、本作『ガール・アスリープ』です。

鈴木友哉

未公開作品なため、なかなか鑑賞する機会がないですけど、生涯で一度は観てほしい映画です。

本作の画作りには、独創性と奇抜さがあります

本作『ガール・アスリープ』には、不思議な魅力があります。

鈴木友哉

最も人を魅了する力と言いますと、カメラアングル、カメラワークと言った撮影技術やテクニックがとても優れている点でしょう。

ワンシーン、ワンシーン、目を見張る場面が連続しています。

例えば、物語の冒頭から、高度なカメラワークが展開されています。

脚本の構成に沿って、カメラを長回しで撮影したり、ロングショットからズームを行っています。

その間カメラは一切動かさず、一点を集中的に撮影している手法です。

ズームイン、ズームアウトを繰り返しながら、途中登場人物をフレームインさせたりと、短い場面にも関わらず、ストーリーに起伏を与えています。

鈴木友哉

卓越された撮影技術を観るだけでも、この作品に触れる意義があると思います

本作の監督はオーストラリアの舞台で活躍していた女性のローズマリー・マイヤーズです。

ただ映画は『ガール・アスリープ』が彼女のデビュー作です。

編集や撮影に携わったスタッフの技術も評価すべきでしょうが、やはり一番は処女作でありながら、完成度の高い作品を制作したローズマリー・マイヤーズが凄いです。

鈴木友哉

『ガール・アスリープ』の画作りは、驚きのため息しか出ません。

今後の活躍にも注目したいところです。

ただ、『ガール・アスリープ』に関しては、残念ながら日本では劇場での鑑賞はおろか日本版DVDも販売していません。

動画配信でも観ることは不可能に近いです。

あとはアマゾンでなら、輸入版がありますのでこちらで購入することは可能です。

鈴木友哉

ただし、外国版なので、吹き替えはどころか、字幕もありません。ご注意を。

メジャー作品の陰に隠れた劇場未公開作品

現在、日本では月におおよそ50本、年間約600本ほど、国内国外問わず、多くの映画が劇場で公開、上映されてきています。

ただ、そのほとんどがメジャー級の作品ばかり。

国内外関係なく、実際には、劇場で上映されないまま、陽の目が出ない作品も数多くあります

鈴木友哉

配給会社が決まらなかったのか、外国での買い付けの時点で、日本は買わなかったのか、分かりません。

映画業界の市場では、劇場に人が入ってなんぼの世界。

興行収入、動員数が見込めない作品は、上映すらされません。

ビデオスルー、DVDスルーされるならまだいい方で、日本国内で見られるチャンスすらない作品もたくさんあります。

本作『ガール・アスリープ』も類に漏れず、同じです。

本国オーストラリアでは、2017年に公開されていますが、過去に日本では一度も上映されていません。

鈴木友哉

2019年9月に、京都の映画館、京都みなみ会館のリニューアルオープン記念にて、劇場で上映されていましたが貴重な機会でした。

配給会社グッチーズ・フリー・スクールが未公開作品を精力的に配給、上映してくれるのは、映画ファンとして嬉しい限りです。

鈴木友哉

グッチーズ・フリースクールは今後も似たような未公開作品を配給していきたいと、考えているようです。

そして、本作『ガール・アスリープ』は、何度も観たくなる中毒性のある青春映画です。

『ガール・アスリープ』まとめ


以上、ここまで映画『ガール・アスリープ』についてネタバレありで紹介させていただきました。

要点まとめ
  • 主人公グレタのこじらせ具合に共感
  • 斬新な画面作りに誰もが驚かざるを得ない
  • 劇場未公開作品にこそ、名作が隠れている