『ゴーストワールド』あらすじ・ネタバレ感想！こじらせ女子の成長物語を考察！ファッションや音楽もセンス抜群！

2001年に公開されたテリー・ツワイゴフ監督の『ゴーストワールド』。

コミックが原作の映画化で、イーニドとレベッカという独特な雰囲気を持った2人の女の子のそれぞれの成長を描いた物語です。

『ゴーストワールド』作品情報

出典:IMDB

【ネタバレ】『ゴーストワールド』あらすじ

イーニドとレベッカ

ロサンゼルス郊外の退屈な街に住むイーニドとレベッカ。

高校生活や家庭に対して覚めた感情を持っていたはみ出し者同士の2人は、大の仲良しでした。

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高校を卒業した2人は、アパートを借りて共同生活をする計画を立てていましたが、しばらくは就職も進学もせず、だらだらと時間をつぶす日が続いています。

もう使われていないバス停でバスを待ち続ける老人に話しかけたり、親友のジョシュが働いているコンビニに冷やかしに行ったり、2人にとってそれはそれで楽しい日々でした。

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さらに、イーニドは卒業後も美術の補習に出席しなければならず、最初はバカバカしいと思いつつも作品を提出していきました。

ある日、イーニドはレベッカといたずら半分で新聞の出会い系の広告に応募していた男性とデートの約束を交わします。

2人がダイナーで待っていると、やってきたのは冴えないファッションに身を包んだ中年男のシーモアでした。

呼び出しが2人が仕組んだイタズラだとは思わず、相手が来ないと落胆したシーモアは店を出ていきます。

しかしレベッカとイーニドの好奇心はやまず、2人はその中年男を尾行することにしたのです…！

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イーニドとレベッカとの距離が遠くなる

数日後、イーニドとレベッカはガレージセールでレコードを売る中年男・シーモアの元を訪ねます。

イーニドは世間に馴染めず生きているシーモアに対し、次第にシンパシーを感じるようになっていました。

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イーニドがシーモアと親交を深めていくなかで、レベッカはコーヒーショップで働き始め、次第に自立の道を拓いていきます。

イーニドも映画館でのアルバイトを始めましたが、勤務態度が悪く1日でクビになったり、ガレージセールを開いても何も売ることができなかったりと失敗続きの日々を送っていました。

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さらに父親との交際相手と馬が合わず悩んでいるところに、美術補習の講師の底の浅さに呆れるイーニド。

それに加えてシーモアからは、広告を見た女性からデートの誘いがあったという報告を受けたのです。

イーニドの後押しでシーモアは相手の女性・ダナと出会い、交際を始めます。

何もかもうまく行かないイーニドが向かった先は…

シーモアに連絡が取りづらくなったイーニドは、次第に疎外感を感じ始めました。

そんな時、イーニドは美術講師から専門学校への推薦の話を持ちかけられましたが、彼女の作品が新聞沙汰になったことで推薦が取り消され、イーニドは落第してしまったのです。

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ショックに陥ったイーニドはシーモアの家に押し入り、酔った勢いで彼と一夜を過ごしてしまいます…。

シーモアはダナと別れて、年の離れたイーニドと付き合うことを決心しますが、イーニドの気持ちはすっかり冷めてしまっていました。

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イーニドは意を決してレベッカのもとを訪れ、「もう一度共同生活がしたい」と頼み込むのですが、やはり何か違うと感じ逃げ出してしまいます。

シーモアはレベッカにイーニドが自分を馬鹿にしていたことを聞かされ激怒、イーニドの親友ジョシュがいるコンビニで暴れ負傷して病院へ。

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イーニドは病院を訪れシーモアに謝罪をしますが、心に傷を追ったシーモアはセラピーへ通う日々を送ることになりました。

シーモアを失いレベッカからの同居も解消されてしまったイーニドは、老人が座っていたもう使われていないバス停にやってきたバスに乗り込み、ひとり街を去るのでした…。

【ネタバレ】『ゴーストワールド』感想・考察

なぜ賛否両論分かれる？自分自身の経験から考察してみた

私が思うにですが、この作品を楽しめるか否かは、自分が学生時代、もしくはモラトリアム期にどんな生活をしてきてどんな友達と遊んできたかではないでしょうか？

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日本の高校生の大体は卒業後、目的や目標をもって受験をし、合格した大学に入学するか、早い人は就職を決意している人もいると思います。

その後、ふたたび不本意な進学と就職を繰り返しながら、遊んでいたりもしましたが今度は周りのみんなが結婚していく…！！

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「この街にいても私は私でいられない。私のことをだれも知らないところへ行って新しい生活を始めよう！」

というイーニドの気持ちがわかる人や経験がある人には刺さりまくる作品だと思います。

また、自分より年上の大人たちに魅力を感じ、一緒に遊んで貰う機会が多かったので、自分はよりイーニド感は増しました。

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なので、『ゴーストワールド』は、ただの雰囲気オシャレ映画じゃないということを知っておいてほしいです。

でも、イーニドな自分がレベッカな自分になる時が来る、ターニングポイントも人生には待ち構えていると思います。

老人が座っていたバスが来るはずのないバス停。バスに乗ったことで、イーニドは他の街へ消えたのか、もしくは死んだということのメタファーなのか…という様々な考察がありますが、正解は明らかになっていません。

イーニドのファッションがとにかくカワイイ！

とりわけイーニドの個性的なファッションは、いまだにモラトリアムを抜け出せない、我が道を行く「イーニド女子」たちのハートを掴むこと間違いなしです。

映画『ゴーストワールド』のファッション、イケてな可愛いな…… pic.twitter.com/jvxsN7k1an

— 山塚りきまる (@rikimaru1990) January 6, 2020

髪の毛を緑にしたパンク・ファッションや、真っ赤なワンピースまでなんでも着こなしてしまうイーニドの不健康そうだけど美しい、肌の白さが羨ましい。

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レベッカは個性的ではないものの、働きだして自分の生活を見つけてからは次第に大人っぽく変化していきます。

ファッションも個性的でずっとずっと我が道を突き進むイーニドに対し、社会に出て大人になっていく自分に合わせてファッションも変えていくレベッカ。

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それにしてもイーニドのような個性的なファッションは誰がしても似合うものではないですよね！服を着こなすのにも才能が必要ですね。

SNSでのみんなの感想・評判

この反抗精神剥き出し/モラトリアム全開の拗らせ女子が暴れまくってそうな最高確定映画「ゴーストワールド」がどうしても観たいんだけど、どこにも置いてなくてキレそう。 pic.twitter.com/6ylwaba3UD

— sofy (@dub_yuuu) March 27, 2020

何者でも無い私は、何者かになる…多分…

【ゴーストワールド】

私は主人公イーニドのように、大人の階段けつまずいた。
彼女は生き続けたか、そうでないかは不明。
ただ、順当に成長した親友レベッカにはなれなかったみたい。

イーニド、あのバスでどこへ？
私も行くべき所かもしれないな。 pic.twitter.com/87XbAwBO8P

— ヒトマカルチャー (@hitomaculture) April 27, 2020

26作目「ゴーストワールド」

サブカルを愛し、幼さが故の万能感で我が道を往くイタい少女

平凡で退屈に見える社会を皮肉り
溶け込めないけど
実は、健全に成長する親友との距離感や、世間との疎外感に自己嫌悪も持ち苦悩もする

親友や恋人がいる世界に未練を残しながら、自分を貫く決断が刺さる映画 pic.twitter.com/dwGVOgaKAI

— Buffalo ‘666 @映画垢- (@momo_tama_cat) January 26, 2020

そんなことをわかりつつも、イーニドの心境を理解してくれている方や、自分に重ね合わせてしまう優しい方が多くて嬉しかったです。

もちろんファッションも見応えがあるので、イーニド女子じゃない方にも十分楽しんでいただけると思います！

『ゴーストワールド』まとめ:たまに思い出したくなる黒歴史のような作品

出典:IMDB

イーニド的経験をしたことがある人には刺さりまくること間違いなし。

大人になった今でも「迷った時は私のこと思い出してね」とイーニドが言わんばかりに、ふとした時に振り返りたくなる作品でした。

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例えてみるなら、過去の黒歴史をたまに振り返ってみたくなるような感じと似ています。

「イタかった頃」は否定したいけど、改めて受け入れてみたいというモラトリアムをとっくに過ぎた大人な方にもおすすめ。