コメディアンとして長年活躍をされていたジョーダン・ピールによる、映画監督デビュー作。
映画『ゲット・アウト』は、白人ガールフレンドの実家を訪れたアフリカ系アメリカ人(黒人)の青年が体験する恐怖を描いたサスペンス・ホラーです。
特に映画批評集積サイトでは287件のレビューがついていて、批評家支持率は99%と批評家から極めて高い評価を受けている作品なのです。
- ストーリーが秀逸
- コメディアンであるジョーダン・ピールの監督デビュー作にして大傑作
- ラストのラストまでどうなるかわからない
それではさっそく『ゲット・アウト』の作品情報・あらすじ・ネタバレ感想を書いていきたいと思います。
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目次
『ゲット・アウト』作品情報
作品名 | ゲット・アウト |
公開日 | 2017年10月27日 |
上映時間 | 103分 |
監督 | ジョーダン・ピール |
脚本 | ジョーダン・ピール |
出演者 | ダニエル・カルーヤ アリソン・ウィリアムズ ブラッドリー・ウィットフォード ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ スティーヴン・ルート キース・スタンフィールド キャサリン・キーナー |
音楽 | マイケル・エイブルス |
【ネタバレ】『ゲット・アウト』あらすじ・感想
人種問題ついて考えさせられるサスペンス・ホラー映画
『ゲット・アウト』(ここから出て行け)のタイトル通り、すぐにそこから出て行った方がいいよ…と言いたくなるほどに怖いホラー映画です。
ですが、この映画を監督・脚本したのはアメリカの人気コメディアン、ジョーダン・ピール。なんとこの作品がデビュー作になります。
アフリカ系アメリカ人のクリス・ワシントン(ダニエル・カルーヤ)が、白人のガールフレンドであるローズ(アリソン・ウィリアムズ)の実家に挨拶しに行くところから始まります。
このクリスを演じるダニエル・カルーヤの笑顔がとても愛嬌があり、彼が捕まってほしくない、早く逃げて欲しい!と感情を余計に抑えきれませんでした。
そして白人彼女のローズも、とても美人でお似合いのカップルという感じです。
ですが、まだまだ人種差別が根強く残るアメリカ社会において、黒人と白人のカップルは一般的ではないため、家族に受け入れられるかどうかクリスは不安でした。
私たちでも相手の親に挨拶に行くのは勇気がいることですよね?
自分の立場だったらどうするかを考えながら見ると、より恐怖が倍増するかもしれません。
アーミテージ家とその周辺が怖い
都心からはだいぶ離れた片田舎に位置するローズの実家に辿り着いた2人。
アーミテージ家の家族は、人種間の問題など気にすることなく理解を示してくれました。
心を開いたクリスは父デーンと母のミッシーにも好意を抱きました。
ですが、クリスには気になることがありました。
それはアーミテージ家には黒人の使用人が2人いる、という点です。
とても礼儀正しい2人でしたが、不自然なほどに従順でクリスは気味が悪く感じていました。
私も最初は使用人として働いていて疲れているんだろうと思って見ていましたが、ラストのオチが来るまで、なぜそこまで従順なのかわかりませんでした。
この2人の使用人が本当に気持ち悪く、1人は深夜にものすごい勢いでランニングするわ、もう1人の女性の使用人ジョージナ(ベティ・ガブリエル)は単純に顔が怖すぎです。
「アーミテージ家のみんなはよくしてくれるわ。本当よ、」と「泣きながら笑った顔」でクリスに接近してくる場面は本当に怖かったです。
特殊メイクもないのに顔が怖いのは『シャイニング』のジャック・ニコルソンの嫁さん役シェリー・デヴァル以来でした。
そして最初から嫌なやつがひとりだけ出てきます。ローズの弟ジェレミー(ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ)という人物です。
クリスのことを「野獣」と言ったり態度が悪いのです。
こいつはラストにクリスにボコボコにされますが…。
クリスが寝付けずに深夜徘徊していると、ローズの母ミッシー(キャサリン・キーナー)が「タバコを吸うのをやめさせてあげる」と言い、催眠術をかけられ、紅茶の入ったコップを鳴らすと訳のわからないブラックホールのような空間に入ってしまい、気付くと朝になっていて、おまけにタバコも吸えなくなっていました。
この母親のミッシーも最初は良い人かと思いきや、どんどん怪しさが増してきます。
最初は良い人と思っていたが、どんどん悪い人たちだったという胸くそ悪い展開です。
そして中盤あたり、アーミテージ家で白人の富裕層ばかりで行われるパーティーが開催されます。
その中のひとりにローガン(キース・スタンフィールド)という黒人男性がいて、クリスが話しかけるのですが、このローガンも明らかに話し方が不自然で立ち振る舞いも黒人とは思えないようでした。(白人の老人のようなしゃべり方)
怪しく思ったクリスが、親友の航空保安局に務めるロッド(リル・レル・ハウリー)に写メを送ろうとフラッシュをたいたとき、ローガンはクリスに向かって「出ていけ!ゲットアウト!」と錯乱状態になって襲ってきます。
家族などから「ローガンは神経症でおかしくなった」と言ってなだめられます。
どう考えてもおかしいと思ったクリスは帰ろうと彼女のローズに話を持ち掛けます。ローズも同意し、屋敷を後にしようと思ったのですが…。
ここで、絶体絶命の展開がクリスを待ち受けます。
ラストに待ち受ける驚愕の事実とは?
クリスはローズと帰るか残るかの相談をしていたとき、ローズの父ディーン(ブラッドリー・ウィットフォード)と白人の富裕層とで何やら怪しいオークションが行われていました。
競り落とされていたのはなんと…クリスでした!
実は、この一家は伝統的に黒人を誘拐し、脳を移植して奴隷として人身売買を続けていたのでした。
アメリカの歴史、そのままですよね。
黒人監督のジョーダン・ピールだからこそできる技です。
そして帰ろうとするクリスとローズに家族たちが立ちふさがります。
クリスはローズに「ローズ、車のカギをくれ!」と懇願します。
ところが、ローズは「渡せないわ」と回答。なんとローズもグルなのでした。
母親ミッシーが紅茶の入ったコップを「チーン」すると、催眠術をかけられたクリスは倒れこみ、地下室に監禁されてしまいます。
そしてアーミテージ家が黒人を誘拐して奴隷にしてきた事実を知り、絶望しかけたとき、ある方法を思いつきクリスの大逆転が始まります。
これがかなり無茶苦茶なやり方です(笑)
アーミテージ家が全員ボロボロにされ、爽快感がありました。
『ゲット・アウト』まとめ
『#ゲット・アウト』が #アカデミー賞 の常識も覆す🏆#ジョーダン・ピール 監督が脚本賞をサプライズ受賞🎉低予算&監督デビュー作で快挙達成✨
▼詳しくはこちらhttps://t.co/3xrqvKDW4u#何かがおかしい #GetOut #Oscars90 pic.twitter.com/tL8D8KtRIL
— 映画『ゲット・アウト』 (@GetOutJP) 2018年3月5日
以上、ここまで『ゲット・アウト』について感想を述べました。
- 黒人の使用人役ベティ・ガブリエルの演技が怖い
- アメリカの歴史をそのままホラーにしていて皮肉が効いている
- 未だ続く人種間問題に考えさせられる
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