『レディー・ガガ:Five Foot Two』は、泣く子も黙る我らがポップ・スターのガガ様、レディー・ガガを追ったドキュメンタリー。
タイトルのファイブ・フット・ツーが意味するのは、アメリカ人女性の平均身長約162cmよりほんの少しだけ低い彼女の身長157cm。
人として、女性として、アーティストとしての苦悩と葛藤を切りとったありのままのレディー・ガガの姿です。
これまでのド派手で過激なレディー・ガガとイメージの異なる彼女の人となりをとらえた、密着ドキュメンタリー。
カメラがとらえたのは、人一倍の努力とビジョンをもって進化を続ける人間レディー・ガガの素顔で、ほんの一瞬だけ彼女と心の旅を共にすることのできる作品です。
- アルバム「ジョアン」の制作現場
- アーティストとしてのエンパシー
- 妥協を許さない高いプロ意識
それでは『レディー・ガガ:Five Foot Two』について解説していきます。
目次
映画『レディー・ガガ:Five Foot Two』作品情報
作品名 | レディー・ガガ:Five Foot Two |
公開日 | 2017年9月22日 |
上映時間 | 100分 |
監督 | クリス・モーカーベル |
出演者 | レディー・ガガ |
音楽 | パトリック・ベラガ |
【ネタバレ】映画『レディー・ガガ:Five Foot Two』あらすじ・感想
アルバム「ジョアン」の制作現場
ドキュメンタリーは、アルバム「ジョアン」の制作に情熱をそそぐレディー・ガガの日常から始まります。
自宅でくつろぐガガの姿は、過激なファッションやステージでの迫力をどこか置いたかのような穏やかな表情。
厳しいショー・ビジネスの世界に身を投じ、成功を手に入れたガガがかつて感じていたのは、過去に一緒に仕事をしてきた男性プロデューサーたちの求めるものに覚えた違和感。
過激なパフォーマンスやファッションの裏にあったのは、権威に対する強い意思表示だったといいます。
ポップさやセクシーさを求められたら、そのイメージに独自のひねりを入れて自分を貫いてきたといい、権威をかさに好き勝手にされたくないという彼女の主張だったというのです。
ドキュメンタリーでは、制作中のアルバムにこれまでの楽曲とは違う自分を映しだした作品を世に送り出そうとしているレディー・ガガの強い意気込みが見えます。
手書きのコードをピアノの前に貼って曲を奏でるガガは「曲を書くには心の傷のどこかに触れないといけない、心をえぐる作業だ」と言い、一番ノッている今だからこそと、創作に力を込めていたのでした。
実際、耳にしたレディー・ガガの「ジョアン」は、これまでの「ザ・モンスター」「ボーン・ディス・ウェイ」とは、大きくトーンが異なります。
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ドキュメンタリー『レディー・ガガ:Five Foot Two』を見たのもそれがきっかけでしたが、なるほどと納得。
アルバム「ジョアン」にガガの込めたものは、アーティストとして大きく進化して別次元に向かっているというメッセージ。
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トップであり続けるための葛藤
アルバム「ジョアン」の、創作に打ちこむ傍ら、ドラマ「アメリカン・ホラー・ストーリー」のセリフを何度も読み込み、撮影に備えるガガ。
変更の続くドラマ撮影にイラつく場面も赤裸々にとらえており、自分の車を音楽プロデューサーのマーク・アーロンの車に激突させてしまうほど、多忙で疲れ切っている様子も映し出されています。
そんなレディー・ガガは、成功を手にして自信が持てるようになったといい、ショー・ビジネスの世界で生き続けるには進化が必要と、アーティストとしての成長の道を模索し続けているのです。
その一方、音楽で人を幸せにしたいと願うレディー・ガガは、仕事が成功すると、恋人との関係がダメになる反比例に悩む女性としての心境も吐露しており、スターとして常に人に囲まれる喧噪から離れ家に戻ると孤独で寂しくて仕方がない、と語るのでした。
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ステージ上の気迫あふれるレディー・ガガからは想像もつかない姿に、相当な驚きを覚えたものです。
そこには、スター「レディー・ガガ」の作られたイメージの強さを感じました。
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アーティストとしての感性
亡くなった叔母のジョアンから、アルバムのタイトルにとった「ジョアン」は、レディー・ガガのミドル・ネームでもあります。
自分にとって家族が何よりも大切と語るガガが、ニューヨークタイムズの取材で口にしたのは、難病に侵され若くして亡くなった父の妹「ジョアン」のことでした。
芸術家肌だったジョアンの死は、家族の人生に大きく影響したとして、「ジョアン」に捧げる曲を作ったのだといいます。
そんな曲「ジョアン」のデモテープを祖母に聴かせ、ジョアンを偲ぶレディー・ガガ。
自分の名前でもある「ジョアン」を原点として、これまでの楽曲からさらなる高みをめざすレディー・ガガを祖母は「貴女はスペシャルな子だ」と抱きしめるのでした。
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字幕には祖母に語るときに「いい曲でしょ?」と書いてあるのですが、実際は娘を想うおばあちゃんの心情を思って「ちゃんと、とらえて書けてた?」と聞いています。
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ジョアンを天国へと見送った家族の感情を、シンプルでありながら痛いほど伝える曲の底力は素晴らしいの一言につきます。
高いプロ意識で挑むハーフタイムショー
アーティストとして、着実にキャリアを積み上げてきたかのように見えたレディー・ガガ。
その裏では、過去の骨折で痛めた股関節と慢性的な全身の痛みとの闘いに涙する弱々しい側面も見せるのです。
全身に走る痛みやけいれんに悩まされ続け、周りの助けがないとやっていけない、情けないとなすすべもなく泣くガガはそれでもアルバム「ジョアン」発表のために精力的に仕事に打ち込みます。
そんな中に、決まったスーパーボウルのハーフタイムショーへの出演。
レディー・ガガとしての集大成、歴史に残る仕事として、満身創痍の中、ショーへの準備に意欲を燃やすのでした。
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本番が迫るハーフタイムショーでのリハーサルでは、身体を空中に持ち上げる金具の位置や、衣装の生地にまでこだわる妥協のない仕事ぶり。
カメラの位置から、衣装を着替えるスピード、息を入れるタイミングにまで計算にいれるプロ意識で、ダンサーとの振り付けから最後の完成まで全くの妥協がありません。
そして、本番前には共演するダンサーたちにも「疲れていても気を抜かず、最後までやり通す!」と士気を上げるのでした。
赤裸々なレディー・ガガが見られる作品
『レディー・ガガ:Five Foot Two』は、快進撃を続けるポップ・スター、レディー・ガガの実像をとらえたドキュメンタリー。
デビュー以来、パフォーマンスだけでなく、過激なメイクやファッションで話題を呼んできたレディー・ガガ。
ファンでなくても彼女の存在を知らない人はいない、圧倒的な存在力で人の心に印象を残してきた彼女の1年に密着したものです。
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衆目にさらされる日常でケガで痛めた腰やのちに公表した「線維筋痛症」の疾患、全身に激しい痛みやこわばりに涙を流す人間レディー・ガガ。
彼女をパワフルな表現者としかとらえてなかった視聴者には、その赤裸々な姿が印象的なはず。
身体の痛みを抱えながらも最高のパフォーマンスのために細部にこだわり、さらなる高みをめざすガガの姿を見れば、才能を開花させトップにまでのぼりつめたのが決して偶然ではなかったとわかるのです。
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同時に、「黒いTシャツ、ジーンズとブーツが好き」というレディー・ガガの実像に迫ったものでもあります。
喧噪の中スポットライトを浴び続ける多忙なガガの、日常を切りとったドキュメンタリー。
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映画『レディー・ガガ:Five Foot Two』あらすじ・ネタバレ感想まとめ
以上、ここまで『レディー・ガガ:Five Foot Two』をレビューしてきました。
- アルバム「ジョアン」の制作現場
- トップであり続けるための葛藤
- アーティストとしての感受性と表現力
- 妥協を許さない高いプロ意識
ファンであっても、ファンでなくても素顔のレディー・ガガには、共感できると思います。ぜひ、ご覧ください!
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