『Gのレコンギスタ II ベルリ撃進』あらすじ・感想!ベルリの成長を描く完全版の続編【ネタバレなし】

劇場版『Gのレコンギスタ II ベルリ撃進』

出典:U-NEXT

劇場版『Gのレコンギスタ II ベルリ撃進』は、2014年にTVアニメとして放送された『ガンダム Gのレコンギスタ』に新規カットを加え、全5部作の劇場版として制作されたシリーズ作品の第2弾です。

2020年2月21日より全国29館で2週間限定上映されたのち、2020年3月6日よりさらに全国22館で順次公開となっています。

ポイント
  • TV版よりも話の筋が分かりやすいとはいえ相変わらずの凄まじい情報量
  • 第2弾に突入し登場人物それぞれの魅力的な個性が輝き始める
  • 物語が本質的なテーマへと近づいていくことを示唆するセリフや場面

それでは劇場版『Gのレコンギスタ II ベルリ撃進』についてネタバレなしでレビューします。

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『Gのレコンギスタ II ベルリ撃進』作品情報

劇場版『Gのレコンギスタ II ベルリ撃進』

(C)創通・サンライズ

作品名 Gのレコンギスタ II ベルリ撃進
公開日 2020年2月21日
上映時間 94分
監督 富野由悠季
脚本 富野由悠季
原作 矢立肇
富野由悠季
出演者 石井マーク
嶋村侑
寿美菜
佐藤拓也
逢坂良太
高垣彩陽
福井裕佳梨
鷄冠井美智子
小山剛志
姫野惠二
音楽 菅野祐悟

『Gのレコンギスタ II ベルリ撃進』あらすじ・感想【ネタバレなし】


分かりやすいが濃密

第1弾『Gのレコンギスタ I 行け!コア・ファイター』のレビュー記事でも説明した通り、本作『Gのレコンギスタ II ベルリ撃進』は非常にクセが強く、話についていくことが困難なことが多いガンダム作品のはずですが、ネット上では「TV版より分かりやすくなった」という感想が多く上がっていました。

その理由について富野由悠季監督は、TV版よりセリフを削ったりカットの前後を入れ替えたりといった編集で丁寧でスムーズな流れを作ったから、と説明しています。

『GのレコンギスタII ベルリ撃進』はただの「総集編」ではなく、「完全版」という位置付けが正しいのです。

さて、実際に「分かりやすい」かというと、観た感想としては「話の筋は見えやすくなっているが、相変わらずセリフの密度が非常に高く、やはり楽しく鑑賞するためにはコツがいる」といったところです。

ねお

たしかに、TV版で1話約25分を小間切れに観たときよりも、1本の映画として観ることで「今この人たちはどこを目指しているんだ」とか「この人たちの目的はこうだ」とか全体の大きな流れは自然に理解できるような印象を受けました。しかし、何も説明されない固有名詞が次から次へと出てくる点は変わっていないので、全てを把握しようとしないで「Gレコ」世界の雰囲気を楽しむことに集中しましょう。

キャラクターがみんなかわいい

前作はまだ5部作の第1弾ということで“登場人物紹介”的な側面が強かったのですが、今作からはみんなのキャラが立ってきて常に画面が楽しいです。

いわゆる“宇宙戦争もの”感が強くないガンダム作品なので、軍人らしい軍人キャラのほうが珍しいくらいで、みんな自由で多様な個性を持っていてそれが存分に輝いていることが愛おしいです。

ちなみに「キャラが立ってきた」と言っても第2弾からの新キャラクターもいますし、今後もどんどん登場人物が追加されていきます。

ねお

全員の名前を覚えるなど諦めたほうが良いですね。この情報量こそ「Gレコ」の醍醐味!

主人公のベルリはパイロットスーツの襟にうさぎのワッペンがついててかわいいし、


周りからとても大切にされているラライヤちゃんも常に楽しそうでかわいいし、

自分のポニーテールが気に入っている天才クリム・ニックもかわいいし、

アイーダさんはすべての所作が美しくてかわいいし、

ねお

本当に観てるだけで幸せな気持ちになれます。

物語は本質的なテーマへ

基本的に朗らかな作風が魅力の「Gレコ」シリーズですが、エッジの効いたメッセージが仕込まれており、回が進むごとに本質的なテーマへと近づいていきます。

その“本質的なテーマ”については今後の記事で説明するとして、今作『Gのレコンギスタ II ベルリ撃進』にも物語全体に関わるなかなか面白いシーンがあったので、かいつまんで紹介したいと思います。

まず、「Gレコ」の舞台である宇宙世紀の先の未来、リギルド・センチュリーでは宇宙から供給されるフォトン・バッテリーが唯一のエネルギー源となっています。

フォトン・バッテリーを地球へ搬入する軌道エレベーター、キャピタル・タワー周辺に形成された都市国家がキャピタル・テリトリィです。

搬入されたフォトン・バッテリーはキャピタル・テリトリィから全世界に向けて供給されています。

度重なる戦争の末に、人類の存続が困難な状態にまで地球が荒廃した宇宙世紀時代の反省から、技術開発や天体観測などを禁じる「アグテックのタブー」を定めたスコード教という宗教が世界中に浸透しており、このスコード教によってキャピタル・タワーも“聖域”として神格化されています。

スコード教によって長らく安寧が保たれていましたが、キャピタル・テリトリィ以外の国家にとってみれば実質的に1国家によるエネルギーの独占であり、自国でのエネルギー管理や自由な流通を求めて反発が起きることは無理もありません。

ねお

アメリア国軍の最高責任者グシオン総監と、スコード教のゲル法皇の会話の場面、キャピタル・テリトリィによるエネルギーの独占についてストレートに指摘するグシオンに対して「スコード教の教義が〜」とか宗教を盾にして絶妙にはぐらかす法皇のセリフが印象的でした。この“聞かれたことに答えない”話し方って現実でも政治家がよく使ってますよね。

一方、キャピタル・テリトリィで育ったため敬虔なスコード教信者であるベルリは、初めの頃こそ現状の体制を疑う様子がありませんが、これから物語が進む中でどんどん広い視点で物事を捉える力を養っていくことになります。

『Gのレコンギスタ II ベルリ撃進』

(C)創通・サンライズ

ねお

“権威主義的で軽薄な大人”と“自分の頭で考え、正しさを見極めようと奮闘する子ども”という対比はこの先さらに鮮明に描かれるので、今後の各キャラクターのセリフも「どの立場、どの視点での発言なのか」というところに注目してみるとより面白いかもしれません。

『Gのレコンギスタ II ベルリ撃進』まとめ

以上、ここまで『Gのレコンギスタ II ベルリ撃進』についてレビューしてきました。

3作目も楽しみで仕方ありません。

要点まとめ
  • 細かい点は気にせず話の大筋を追いながら鑑賞しよう
  • キャラクターたちの魅力をたくさん発見しよう
  • セリフの内容や喋り方から発言者の意図を想像してみよう

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