『Gのレコンギスタ I 行け!コア・ファイター』は、2014年にTVアニメとして放送された『ガンダム Gのレコンギスタ』に新規カットを加え、全5部作の劇場版として制作されたシリーズ作品の第1弾です。
2019年11月29日より全国24館で2週間限定上映されましたが、2020年1月10日より全国14館でセカンドラン上映が決定しました。
- 富野監督が“脱ガンダム”を掲げる異色のガンダム作品
- 丁寧に描かれるかわいい日常描写や絶妙に噛み合わない会話が生み出す“現実感”
- 上映2週目舞台挨拶「女の力Day」@新宿ピカデリーレポート
それではさっそく劇場版『Gのレコンギスタ I 行け!コア・ファイター』をレビューしたいと思います。
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目次
『Gのレコンギスタ I 行け!コア・ファイター』作品情報
作品名 | Gのレコンギスタ I 行け!コア・ファイター |
公開日 | 2019年11月29日 |
上映時間 | 96分 |
監督 | 富野由悠季 |
脚本 | 富野由悠季 |
原作 | 矢立肇 富野由悠季 |
声優 | 石井マーク 嶋村侑 森川智之 佐藤拓也 福井裕佳梨 小山剛志 逢坂良太 辻親八 高垣彩陽 寿美菜子 |
音楽 | 菅野祐悟 |
『Gのレコンギスタ I 行け!コア・ファイター』あらすじ・感想【ネタバレなし】
鑑賞にコツがいる
本作『Gレコ』について、ガンダムの生みの親である富野由悠季監督は“脱ガンダム”を掲げています。
『ガンダム』シリーズの歴史観を前提にしつつも、「新しい時代に向けて“脱”を見せておきたかった」と語る本作を私はすでにアニメ版でも視聴していますが、ガンダム作品としてはかなり異色な作風となっています。
ねお
意図的に世界観や設定を説明するようなセリフが削られており、物語の筋も掴みにくいため、10話に到達する前に集中力が切れてなかなか先に進めませんでした。
ところが、3度目の正直で第1話から改めて観始めたときにふと“見方”が分かった、というか楽しみ方のコツを掴んだ瞬間があり、あっという間に引き込まれました。
ねお
世界観や設定を説明するようなセリフがない、つまりいかにもアニメ的なセリフがないからこそ生まれる現実感が面白いのです。
現実世界にナレーションは無いし、現実の会話では常に整った文章がスラスラ出てくるわけではありません。
“宇宙世紀”が終わった先の未来、という架空の世界における人々の生活、会話のリアリティを感じ取ることが鑑賞のコツです。
かわいい日常描写
本作は劇場版『Gのレコンギスタ』の1作目ということで、特に日常描写が豊富です。
宇宙海賊の襲来とともに物語が動き出す一方で、キャピタル・ガード養成学校の生徒とセントフラワー学園のチアリーディング部の交流にも多くの時間が割かれており、ほのぼのとしたシーンをたくさん観れます。
チアリーディング部と言っても、視聴者に媚びるようないかにもアニメ的な“美少女キャラ”はいなくて、自然体なキャラクターたちの微笑ましいやり取りが素敵です。
主人公のベルリがヒロインのアイーダ様に恋してる描写も仰々しい演出ではなく、ちょっと体が触れ合ってドキッとするとか些細な瞬間が丁寧に描かれていて可愛らしいです。
メイン以外のキャラクターも全員しっかりキャラが立っていて、他のアニメ作品では見られない独特な、でも不思議とリアリティのある面白い会話が展開され続けます。
ねお
ラライヤはG-セルフとともに宇宙から降ってきたときの後遺症で記憶喪失気味の状態になっていて、周りのみんなが優しく接している場面もほっこりなのですが、主人公とラライヤが属するキャピタルとは敵対国の関係にあたるアメリア軍中尉のクリムもラライヤに懐かれたときには優しく対応していてとてもほっこりです。
ねお
もちろんモビルスーツの戦闘作画も素晴らしくて見応えバッチリなのですが、ちょっとした小ネタにこそ真の魅力があるので、観た人それぞれ違ったお気に入りポイントが見つかると思います。
舞台挨拶「女の力Day」レポート
12月8日の新宿ピカデリーでの上映では、マニィのセリフ「女の力でーー!」をもじった「女の力Day」と題した舞台挨拶が開催されました。
富野由悠季総監督に加え、嶋村侑さん、寿美菜子さん、高垣彩陽さんの女性キャスト3名が登壇する貴重な時間に参加できたので、面白かったポイントを抜粋してまとめておきます。
上映2週目舞台挨拶「女の力Day」にご来場いただきまして誠にありがとうございました!
上映期間も今週までとなっておりますが、セカンドランや配信もございますので引き続き応援のほどよろしくお願いします! #gレコ pic.twitter.com/l7q9mKiR3z— Gのレコンギスタ (@gundam_reco) December 8, 2019
−−いわゆる“富野節”について
富野「意識して書いたことはない。“富野節“と呼ばれるようなキャッチーなセリフをGレコでは作れなかったことを反省している。」
嶋村「いやいや(ベルリの)『ありあとやしたー』とかあるじゃないですか!」
高垣「『なんじゃとて』とか…」
−−各キャラクターのアピールポイント
寿「ノレドの好きなところは語尾が『〜だろ!』っていう言い方をよくすること。自分の気持ちを包み隠さず真っ直ぐ言うから嫌な感じがしない。」
嶋村「友達にほしい。」
−−コックピット内のトイレ曲について
富野「劇場版はトイレ曲をフルコーラスで聴かせたくて作った。戦闘を生き延びたパイロットが宇宙空間で個室に独りで居ざるを得ないときに、きっと癒される曲が求められる。かなり考えて作詞した。あのシーン長く感じるけど実際は長くないんだよね。」
劇場版シリーズは、まだあと4作品あります。
この機会に『Gレコ』の世界に踏み込んでみてはいかがでしょうか。
ねお
『Gのレコンギスタ I 行け!コア・ファイター』まとめ
更に!第1部「行け!コア・ファイター」Blu-ray&DVDのオーディオコメンタリーの出演者もご紹介!石井マークさん(ベルリ役)、嶋村侑さん(アイーダ役)、寿美菜子さん(ノレド役)、高垣彩陽さん(マニィ役)、小形尚弘さん(プロデューサー)がガッツリ語ります!こちらもどうぞお楽しみに!#gレコ pic.twitter.com/epwzOgrriL
— Gのレコンギスタ (@gundam_reco) December 13, 2019
以上、ここまで『Gのレコンギスタ I 行け!コア・ファイター』について舞台挨拶の簡単なレポートと一緒に紹介させていただきました。
- “アニメ的”ではないリアリティを感じ取ることが鑑賞のコツ
- お気に入りのキャラクター、お気に入りの一言や小ネタを見つけよう
- コックピット内のトイレ曲をフルコーラスで流すために作られた劇場版
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