韓国映画では「占い」を題材にした映画が多い中、2013年『観相師』の人相占い、2018年『ときめきプリンセス婚活記』の相性占い、そして今作『風水師 王の運命を決めた男』では地相占いということで、“易学3部作”と称され、国と人の運命が「風水」によって左右され翻弄されていく過程が、壮大なスケールで描かれています。
ダイナミックなアクションやこだわり抜いた華麗な衣裳など、その時代を忠実に再現した多彩な魅力満載の超歴史スペクタクルエンターテイメント時代劇です。
- 人相・相性ときた”易学3部作”の3作目は「風水」を用いる地相占い
- 「風水」が導く国と王座、民の運命は!?
- 忠実な時代考証と、ダイナミックなアクションと華麗な衣裳などにも注目!
読めない展開と、キャスト全員のダイナミックなアクションを駆使した迫真の演技は「これぞ!韓国時代劇!」。
ぜひ!ご覧いただきたい話題の作品です。
それでは、超大作として名高い『風水師 王の運命を決めた男』をネタバレありでレビューしていきたいと思います。
目次
『風水師 王の運命を決めた男』作品情報
作品名 | 風水師 王の運命を決めた男 |
公開日 | 2019年10月25日 |
上映時間 | 126分 |
監督 | パク・ヒゴン |
出演者 | チョ・スンウ チソン キム・ソンギュン ペク・ユンシク ムン・チェウォン ユ・ジェミョン イ・ウォングン キム・ミンジェ カン・テオ チョ・ヒョンシク |
『風水師 王の運命を決めた男』あらすじ
パク・ジェサン(チョ・スンウ)は、運気の集まる場所“明堂”を見つけ出すことができる天才風水師だが、権力を手中に収めようと画策する重臣キム・ジャグン(ペク・ユンシク)に反発したせいで、最愛の妻子の命を奪われてしまう。
失意のまま13年の月日が流れ、パク・ジェサンは親友ヨンシク(ユ・ジェミョン)と風水鑑定業を営んでいた。
出典:シネマトゥデイ
【ネタバレ】『風水師 王の運命を決めた男』感想レビュー
豪華絢爛なキャストたち!新境地でもハマリ役!
とにかく映画の冒頭から「ハマリ役」の豪華な俳優陣が続々と登場。
キャストのほとんどが安定な「ハマリ役」を演じるキャストは全て、韓国映画・ドラマ界の第一線で活躍する俳優陣ばかり。
まずは、土地や水脈を見るだけで人々の運命を変えることができる天才風水師パク・ジュサン役に映画・ドラマ・ミュージカルに大活躍の俳優チョ・スンウ。
ジュサンの朋友で笑いを入れながらジュサンを側で支えるク・ヨンシク役にユ・ジェミョン。
ジュサンと共に王座を狙う悪党と戦う王族興宣君役に多数のドラマに出演し日本でも大人気の俳優チソン。
さらに、韓国俳優界の重鎮ペク・ユンシクが王座を揺るがすキム・ジャグンを演じ、その悪党ジャグンの息子役に悪党が似合う俳優キム・ソンギュン。
『風水師 王の運命を決めた男』の紅一点ムン・チェウォン。
また王座を揺るがすジャグンを警戒する朝鮮王朝第24代王憲宗役にイ・ウォングンや、興宣君の親族懐平君役にカン・テオなどの今注目の若手俳優も加わるなど、とにかく豪華なキャストです。
朝鮮後期・王憲宗時の時代背景
本作『風水師 王の運命を決めた男』の時代背景は、朝鮮王朝後期第24代王・憲宗の時代。
憲宗は8歳で即位をするものの病弱だったため23歳で病死していますが、映画の中では”毒殺”されたような描かれ方をしています。
憲宗は9年間の親政期間、安東キム氏の権力に翻弄され、命を狙われる日々を送っていました。
さらに、イギリス・アメリカ・フランス・そして日本などの諸外国が朝鮮に「開国」を求めるよう頻繁に外国船が出没し、国際情勢の揺らぎもありました。
この頃から「日本の朝鮮統合」という道を進んでいくわけです。
かとリーニョ
24代憲宗の没後、憲宗には跡継ぎがいなかったため、世祖(イ・サンで有名)の弟の孫が即位。
憲宗と同様に若いこともあり、ますます安東金氏の勢力が増強。
そしてついに、興宣君が息子を王位に就かせ(第25代王高宗)、李氏朝鮮の復興を図りますが、結果的に国を失うことになります。
志を共に立ち向かった戦友には「衝撃の真実」が!?
風水師の天才ジュサンは、過去に最愛の妻と息子、そして家をキム・ジャグンによって奪われました。
その後、“自分と同じくキム氏に深い妬みを持つ”王族興宣君と出会い、志を共に「キム一族を滅亡させる」ために風水の知識を駆使し戦ってきました。
が、ある時、ジュサンは興宣君が息子に「王様」格好をさせて訓練させている姿を見ます。
不安に思ったジュサン。そして、その不安は的中します。
これまで共に戦ってきたこと全ては、興宣君の狙い通り王座を握るためだったのです。
キム氏を滅亡させることも、そして憲宗を殺害したことも、全ては興宣君の計画だったのです。
それがわかったジュサンは興宣君と対立することになり、また興宣君はジュサン以外の別の風水師を遣い「理想の土地」を教えてもらうのです。
ですがそこは、ジュサンいわく“滅亡の土地”と言われる場所。
かとリーニョ
全ては自らが「王座を奪うため」の計画だった。
そして、自分に近づくのも「最強の土地」が手に入れたかった。
ジュサンの助言に反発し、強引に「最強の土地」へと権力を移した興宣君。
息子高宗を王に立て、自ら政治に関与し”理想の政治”を目指しましたが、ジュサンの予言通り高宗から純宗(第27代王)で李氏朝鮮王朝は、日本の統治時代を向かえて幕を閉じてしまいます。
作中では滅亡の場面まで映し出されていませんが、予言通りだということはエンドロール前に説明がありました。
かとリーニョ
真実はわかりませんが、やはりジュサンの予言は的中していたことになったのです。
最後、老いたジュサンが登場します。
その時代は日本統治時代で、朝鮮では自国を守ろうとする「義勇団(義兵)」が朝鮮各所で立ち上がりました。
義勇団は義兵たちを育てる学校を作りたいと、ジュサンのもとを訪れていました。
彼は匹敵する場所を義兵たちに教え、その場所の名前は「新興武官学校」とします。
かとリーニョ
『風水師 王の運命を決めた男』感想:天才風水師も「風水で人の欲望」を守ることはできなかった。
いつ何時も「不安で不安定不確実」な時代だったこの頃。
どうしても目に見えないものにすがりたい。
なので、占い師や巫女などが存在していたわけです。
いつの時代でも「困った時に神頼み」的なことで、数々の占いに頼ってみたりすることはあります。
かとリーニョ
きっと、興宣君も自分の中では「正しい選択」をしていたかもしれません。
ですが、ジュサンの助言を聞いておけばと、客観的に見ていると残念でなりません。
結果、日本の統治時代となり、しばらくの間「国が奪われる」形となってしまった朝鮮。
日本人としては胸が痛む時代ですが、最後ジュサンの元に「国を守るために」と義兵団を育成する若者たちが訪れ、「最強の土地」を教えて欲しいとジュサンの元にやってきます。
その時のジュサンの言葉が忘れられません。
「どうか、国を守ってくれ。」
かとリーニョ
『風水師 王の運命を決めた男』は、日本でも有名な占い師や風水師の方々もご覧になっていたようですが、これは過去の話ではないという声もあります。
「風水に始まり、風水に終わった」とも言われている李氏の朝鮮時代。
どれだけ昔から風水のパワーがあったのか、本作『風水師 王の運命を決めた男』で感じることもできました。
そして、ジュサンを演じたチョ・スンウ、興宣君を演じたチ・ソン。主演2人のパワーもすごかったです。
かとリーニョ
『風水師 王の運命を決めた男』まとめ
以上、ここまで映画『風水師 王の運命を決めた男』についてネタバレありでご紹介させていただきました。
- 色々な意味で「パワーを感じる」内容の作品
- ジュサンの最後の言葉に込められた興宣君への悲痛な想いを感じていただきたい。
- 占いなどに頼るも「自分の人生は正しい選択をしたい」と思えること。