『フォレスト・ガンプ 一期一会』は、やや知能指数の低い男性が、それを苦にもせずにひたむきに人を信じて人生を成功させていくヒューマンドラマです。
ミルトモ 編集部
- 長尺ながらも展開が早く、観終わった頃には涙が溢れる
- フォレストのピュアさ、ひたむきな姿勢に背筋が伸びるよう
- 一期一会が織りなす人生の不思議
それでは『フォレスト・ガンプ 一期一会』をネタバレありでレビューします。
目次
映画『フォレスト・ガンプ 一期一会』作品情報
作品名 | フォレスト・ガンプ 一期一会 |
公開日 | 1995年3月11日 |
上映時間 | 144分 |
監督 | ロバート・ゼメキス |
脚本 | エリック・ロス |
出演者 | トム・ハンクス サリー・フィールド ロビン・ライト ゲイリー・シニーズ ミケルティ・ウィリアムソン マイケル・C・ハンフリーズ ハンナ・R・ホール ハーレイ・ジョエル・オスメント |
音楽 | アラン・シルベストリ |
【ネタバレ】映画『フォレスト・ガンプ 一期一会』あらすじ
羽根
1枚の羽根が風に乗り、漂って1人の男性のもとに舞い降ります。
その男性の名はフォレスト・ガンプ(トム・ハンクス)。
フォレストがバス停でバスを待っていると1人、また1人と人が降りてきます。
フォレストは誰かれ構わず話しかけました。
「ママが言ってた。人生はチョコレートの箱のようなものだ。蓋を開けてみないとわからないって」
そして、昔のことを話し始めます。
フォレストは母と2人きりで、母は家で民宿をやっていました。
フォレストは学校に行くといじめられていましたが、ジェニー(ロビン・ライト)という女の子と出会います。
フォレストは足が悪く、また知能の遅れがありました。
そんな彼と、ジェニーはずっと一緒にいてくれたのでした。
高校生になったある日、いじめられているフォレストに「走って!」と言うジェニー。
いじめっ子から逃げて走っていると、フットボールのチームに入り込んでしまい、その走りでなんとフォレストはフットボールチームにスカウトされ、大学に推薦入学することになります。
意外な?大活躍
大学卒業後、フォレストは軍に入ります。
そこで黒人の友達バッバ(ミケルティ・ウィリアムソン)と出会いました。
バッバは「戦争が終わったらエビの事業をやりたい」と言います。
軍での生活は、意外にもフォレストの性に合っていました。
一方、ジェニーはストリップ劇場での仕事を始めて、シンガーという夢も諦め自殺を考えていました。
軍に入ったフォレストと再会し、ジェニーは「何かあったら逃げるのよ」と言い去ります。
任務でベトナムに行ったフォレスト。
士官のダン中尉(ゲイリー・シニーズ)と出会います。
軍での生活の中でジェニーに手紙を書きますが、返事はありません。
銃撃戦の中、フォレストはダン中尉や仲間を助けますが、バッバは亡くなってしまいます。
ダン中尉は足を失う大けがを負いました。
帰還したフォレストは退屈しのぎに、勧められた卓球をやり始めます。
一方、ダン中尉はフォレストに助けられたために、戦死できなかったことを悔やみ、その悔しさをフォレストにぶつけます。
フォレストには、軍から名誉勲章が送られました。
帰国したフォレストが観光していると反戦集団のスピーチに巻き込まれ、スピーチをすることになります。
そこでジェニーと再会しますが、ジェニーはまた立ち去ってしまいます。
卓球の才能が開花し全米卓球チームに入り、中国で試合をするフォレスト。
すっかり有名人になり、テレビ出演を果たします。
亡きバッバの想いを継ぎ
テレビを見たダン中尉が、栄誉勲章をもらったフォレストに怒りをぶつけてきました。
口論の後、ダンと新年を迎えるフォレスト。
フォレストは「バッバと約束した。エビの事業をやる」と言います。
1972年。
フォレストは除隊となり、アラバマの家へ帰ります。
家には卓球用具の売り込みの品々で溢れていました。
その企業からもらった資金で、船を買ってダンとともに「バッバ・ガンプ・シュリンプ」を設立します。
その後、ハリケーン「カルメン」により、バッバ・ガンプ・シュリンプはエビを大量に集めます。
これを足掛かりに、ビジネスを大成功させたフォレストとダン。
ここで改めてダンは、命を救ってくれた礼をフォレストに言うのでした。
一方、フォレストは母の具合が悪くなりアラバマの家に帰ります。
家に帰ってきたフォレストの前で、母は息を引き取るのでした。
エビの事業がひと段落したところで、フォレストはダン中尉に経営を任せます。
経営を任されたダンは、リンゴのマークのあの大企業に投資し、フォレストは大金を手にしました。
「人間に必要な財産はちょっとで良い。あとは見栄のためにあるだけ」という母の言葉を胸に、フォレストは大金を寄付をしたり、バッバの取り分を彼の家族に送るのでした。
本当の愛
順風満帆に見えるフォレストですが、1人の夜は寂しく、いつもジェニーの事を考えました。
そんな日々の中、突然目の前にジェニーが現れます。
とめどなく話しこむフォレスト。
散歩の途中、狂ったように昔の家に石を投げるジェニー。
子供時代の辛い思い出が溢れ出し、泣き崩れてしまいます。
それからは、幸せな毎日を送る2人。
ある夜、フォレストはジェニーにプロポーズをしますが、ジェニーは返事を渋ります。
ジェニーは、「男女の愛」というものをフォレストは理解していないと思っていました。
ですが、「本当の愛を僕は知っているよ」というフォレストの言葉で、2人は結ばれます。
翌朝、ジェニーはどこかへ消えてしまいました。
フォレストはしばらく力が抜けてしまったようですが、わけもなく走り出します。
あてもなく、遠く、遠くへ。
すると、彼の走りに感化され人々がついてきました。
1人、また1人と。
その数は10人以上にも及びました。
走っている途中、いろいろな人達に影響を与え続けたフォレスト。
その期間なんと3年。
ついに走る日々は終わり、フォレストはアラバマへ帰ります。
鳥と羽根
ジェニーからもらった手紙に書かれている住所を、バス停の人へ聞くフォレスト。
ずっとバスを待っていたフォレストですが、そこはバス停の近所であると聞き、また走ってジェニーのもとへと向かいます。
久しぶりに再会したジェニーとフォレスト。
そこには小さな男の子の姿もありました。
その子の名前は「フォレスト」。
父親の名をつけたというジェニー。
フォレストはまだ状況を飲み込めていません。
「あなたがパパよ」
その言葉を聞いて、動揺するフォレスト。
自分のしたことにたじろき、また自身と同じように発達障害が出てないかを心配します。
リトルフォレストと話すフォレスト。
テレビを見る仕草もそっくりです。
一方、自分は病気だと打ち明けるジェニーは「結婚してくれる?」と逆プロポーズ。
晴れて2人は正式に結ばれます。
結婚式では、懐かしい顔に会いました。
なんと足(義足)をつけ、フィアンセまで連れたダン中尉です。
ダン中尉を見たフォレストも嬉しそうです。
幸せも束の間、数日後にジェニーは亡くなってしまいました。
フォレストはジェニーのために、嫌な記憶のジェニーの家を壊してあげ、リトルフォレストの世話も1人でしました。
ジェニーのお墓の前で、別れや運命を悩むフォレスト。
「運命を変えられるのか、運命は決まっているのか。ただ風に乗ってさまよっているだけなのか」
フォレストは、その両方が同時に起こっているのだと考えます。
ジェニーのお墓の前で語りかけると、いつか2人で「鳥にしてください」と祈った答えのように、どこからか鳥が飛び立ちます。
まるで、ジェニーが答えたかのように…。
リトルフォレストを学校に送り出すフォレスト。
「フォレスト、好きだよ」「僕もパパが好き」
子供を送り出し、座るフォレスト。
すると、1枚の羽根が風に乗って空へ漂っていきました。
【ネタバレ】映画『フォレスト・ガンプ 一期一会』感想
さまよっているもの
いじめられている時に、ジェニーと出会ったことからフォレストの人生は動き始めます。
ミルトモ 編集部
冒頭で1枚の羽根がフォレストのもとに舞い降りるのですが、この羽根こそこの映画の一期一会というテーマを表しているのだと思いました。
苦い純粋
軍での銃撃戦でダン中尉(ゲイリー・シニーズ)は足を失ってしまいます。
ダン中尉は勇敢に戦死したかったはずですが、フォレストにその意味はきっと分かりません。
ミルトモ 編集部
生きる希望をみつけたダン中尉
亡きバッバの想いを継ぎ、エビの事業を始めるフォレスト。
無事に成功をおさめ、バッバ(ミケルティ・ウィリアムソン)とその家族のために働いたフォレストですが、もう1人の人物を救います。
ダン中尉です。
ミルトモ 編集部
愛ってどんな形なのでしょうか?
ジェニーにプロポーズをし、「本当の愛を知っている」と言うフォレスト。
ミルトモ 編集部
ジェニーは去り、1人でフォレストとの子供を育てるんですよね。
ミルトモ 編集部
美しい伏線
王道のエンディングの『フォレスト・ガンプ 一期一会』ですが、美しい伏線がありました。
子供時代、父親からの虐待を受けていたジェニーは、「鳥にしてください」と神に祈ります。
ミルトモ 編集部
映画『フォレスト・ガンプ 一期一会』あらすじ・ネタバレ感想まとめ
以上、ここまで『フォレスト・ガンプ 一期一会』をレビューしてきました。
王道のヒューマンドラマでありながらも、歴史や有名人の登場シーンで時代背景が分かり、最初は実話かと思ったほどです。
フォレストのような純真さが、私たちの人生を豊かにするために必要なのではないかと思わされました。