須崎(小林薫)から「埋め立て事業についての重大な秘密を暴露する」という脅迫メールの相談を受け、一連の事件の裏にいる黒幕は大貫(古田新太)だと確信している設楽(唐沢寿明)は、大貫と手を組む早紀(大友花恋)と接触を図ります。
一方、選挙特番に出演した渡辺(町田啓太)は「私には投票しないでください」と有権者に異例の訴えをして投票日を迎えます。
予測不能な都知事選に決着がついた時、大貫の犯行動機が明らかに。そして、フィクサーとして暗躍する設楽の真の目的も明かされることになります。
目次
ドラマ『フィクサー season3』 前回振り返り
人質から解放された渡辺(町田啓太)は、会見で東京湾埋め立て事業に反対し、さらなる支持を集めます。須崎(小林薫)の怒りを買ったことで身の危険を感じた設楽(唐沢寿明)は、政界を揺るがす密約音声データを玲子(内田有紀)に託します。
しかし、須崎の元にある文書が届いたことで事態は思わぬ方向へ・・・。
その一方で、設楽から誘拐事件の真犯人の正体を聞いた板倉(小泉孝太郎)は尾行の末に、主犯の大貫(古田新太)と早紀(大友花恋)が会っているところを目撃したのでした。
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須崎への脅迫状
須崎幹事長(小林薫)の元へ、埋め立て事業に関する重大な秘密を暴露する旨が書かれた脅迫メールが届きました。
その秘密とは、埋め立てに使用される土砂の中に、深刻な海洋汚染を引き起こす汚染物質が含まれており、その割合は8割を超えるという報告書を握りつぶしたことでした。
須崎は設楽(唐沢寿明)に「なんとかして欲しい」と相談をします。
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与党は都知事選だけでなく、海外で大手家電メーカー社員が産業スパイの容疑で拘束されるという大きな事件も抱えていました。
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設楽は須崎の頼みを引き受けることにしました。
一方、主犯の大貫(古田新太)は、氏原社長(加藤雅也)に辞表とも取れる置手紙をし、姿を消していました。
設楽は早紀(大友花恋)と接触を図り、大貫を庇う早紀に連絡をさせました。そして大貫に直接会って話がしたいと伝えます。
設楽は報告書を公にしても世間を混乱させるだけ。もっと建設的な話をしようと呼びかけましたが、大貫はそれには応えませんでした。
都知事選では、投票日が1週間を切る中、遂に渡辺の支持率がトップに躍り出ました。
四方田(高島礼子)を推す黒羽(石坂浩二)は、「どんな根回しも予測を超えたものにはかなわない」と歯嚙みします。
黒羽と須崎には、設楽の真の目的がわかりません。
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そんな黒羽と須崎の元に、設楽がやってきました。
そして大貫はいずれ面会に応じるだろうと話し、2人にも協力を求めます。
まず設楽は黒羽に、四方田が当選したら会見の場で埋め立て中止を検討すると言わせて欲しいと頼みます。
設楽は、その代わりに渡辺を下ろして四方田を当選させると約束しました。
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あなたらしく
投票日まであと5日。
渡辺は、支持率がトップになったものの、それが人質の身代わりと埋め立て中止の表明によるものだということが気になっていました。
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母の響子(斉藤由貴)は、「最後まであなたらしくね。」と、息子を激励しました。
渡辺は設楽を訪ね、自分が気になっていることを打ち明けます。
しかし設楽は「引け目に感じることはない」と言います。
法律さえ犯さなければ、どんな手を使ってでも支持を集めるのが選挙なのだと。
「政治のことは受かってから考えればいい」
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渡辺は正直に自分の言葉を誠実に伝えて、審判を待つべきだと思うと、正義感たっぷりに反論します。
渡辺は勝った人間の言葉だけが持ち上げられる世の中を変えたいと思い立候補しました。
「だったら本当のことを言うんだな」
設楽は、「私は投票される人間ではない」と世間に伝えるのが“誠実”だと渡辺に言いました。
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翌日。
渡辺は四方田、川本(徳重聡)と共に、候補者の討論会に出席しました。
ライバル候補たちが最後のアピールをする中、渡辺は生放送で身代わりになったことが売名につながったのは否めないと認め、もしそれが理由で支持してくれているのだとしたら自分には投票しないで欲しいと呼びかけました。
新都知事誕生
渡辺の呼びかけにより世論は真っ二つに割れます。
玲子(内田有紀)は、渡辺を振り回しすぎだと納得が行かない様子ですが、設楽は「これが最善の策だ」と言います。
結局、都知事選は四方田が制しました。
四方田は当選時のコメントとして「埋め立て事業の見直し」を宣言します。
報道を見て驚いた大貫は、設楽に連絡をします。
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政治家は選挙に負ければただの人。だから皆選挙に勝つためになんでもする。
その覚悟を持った人だけが政治家になれるのです。
しかし渡辺は最終的に3位で93万票を獲得しました。
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渡辺は設楽に、何故推進派の黒羽が後ろ盾となっている四方田が、埋め立て事業の見直しを言い出したのか設楽に尋ねます。
設楽は自分がそう発言するように四方田に頼んだと明かします。
「主犯へのメッセージだ」
そのためには、彼らが納得できる条件を提示したが、「君は知らない方がいい」と言ったその一言で、その場にいた玲子も渡辺も真相に気がつきます。
「僕は当て馬だったんですか?」
渡辺は母の言う通りだと思いました。設楽は平気で人を利用する。
渡辺は、もう何度目か知れない「あなたの目的は何か」と詰め寄ります。しかし、設楽は「想像してみてくれ」と笑うだけでした。
事件の真相
玲子は、渡辺が設楽の息子だと気がついていました。
だからこそ設楽は渡辺を冤罪から救ったり、都知事になるのを勧めたのだろうと思っていました。
しかし設楽は「珍しく真っすぐな人間だから、どれだけ使えるのか試してみた」と答えます。
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設楽は、これまでの玲子の助力の礼として、黒羽のところに行くようにと言います。
「俺はこれから最後の詰めだ」
設楽が玲子に渡した礼。それは、“副知事の椅子”でした。
設楽は、渡辺を下す代わりに、玲子を副知事に据えることを黒羽、須崎に了承させたのです。
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そして、設楽は大貫と接触します。
設楽は、早紀を守りたいなら真相を話して欲しいと促しました。
佃島への環境破壊のデータが上がってきたのは、昨年の秋ごろです。
それまで、大貫は何年もかけて住民と“折衝”し、工事の必要性を説いてきました。
その中で仲良くなった佃煮屋とは親子のような付き合いをし、まだ小学生だった早紀も自由研究のために店を訪れたことがありました。
そんな中、大詰めを迎えた時にそのような調査結果が出て、文化や産業が失われると知った大貫はショックを受けました。
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当然、早紀を巻き込むつもりはありませんでした。
しかし、事情を知った早紀は自ら協力を申し出ます。そして偽装誘拐を企てました。
大貫は早紀はあくまでも被害者で、全ては自分が仕組んだことだと主張します。
そして、この足で出頭すると言って設楽に調査報告書の入ったハードディスクを渡します。
大貫は、設楽ならいつか有効に使ってくれるだろうと思いデータを託し、板倉(小泉孝太郎)と共に警察に向かいました。
表舞台に立つ人間
響子は、久しぶりに設楽と2人きりで話をしました。
今となっては、設楽は渡辺が嵐に巻き込まれないように選挙から退かせたのかもしれないと思っていました。
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設楽は、渡辺には正義感があり、この時代には希少価値のある人間だと素直に褒めました。
「君が育ててくれたおかげだよ」
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息子の達哉は表舞台を歩いて行ける人間。父親の自分は裏を這いずり回る役割。
設楽自身は、自分たちは良い組み合わせになると思っています。
でも響子は、息子にはただ幸せに楽しく生きて行ってほしいと考えています。
設楽は言います。
「自分で決められる人生を幸せと呼ぶんだ」
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板倉は、渡辺が落選してホッとしていました。
板倉にしてみれば、渡辺は政治家には向いていないし、なって欲しくないと思っていたからです。
「お前にはもっと真っ当な道を歩んでほしい」
渡辺は、その板倉の思いを素直に受け取りました。
埋め立て事業は見直すと言った以上、本来の計画通りに進めることは難しくなります。
今後はどこまで縮小するのかが課題になると思われます。
須崎は、報告書がどうなったのか知りませんでした。
しかし設楽が「あれが世に出ることはありません」と言ったことで全てを察知します。
設楽は、『国を変える』という目的のために須崎をまだまだ利用するつもりです。
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しばらくして、渡辺が設楽を尋ねると、丸岡(要潤)が対応し、ある交渉のために海外に行っていると聞かされ、設楽からの手紙を渡されます。
手紙の内容は、渡辺の問いに対する答えでした。
設楽の本当の目的。それは・・・。
「君をこの国の総理にしたい」
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設楽は渡辺の表舞台に立てる誠実さを買い、渡辺を国のトップにして国を変えようとしていました。
恵まれた者だけが得続けて、貧しい者は失い続ける。そんな世の中を変えたい。
それが、設楽の願いです。そして、その筋書はもう頭の中にあるといいます。
「いいか、達哉。日本を乗りこなすんだ」
渡辺は目に涙を溜めて高らかに笑います。
父親と同じように。
ドラマ『フィクサー season3』 第5話 感想&まとめ
今年に入って、3シーズンに渡って放送された壮大なドラマがついに完結しました。
設楽の本当の目的は息子を総理大臣にしてこの国を変えること。
この物語がここで終わるとは思えませんし、もう少し先が見てみたい気がします。
もしかするとスクリーンで描かれるかもしれませんね。
設楽さんの夢が実現するのを楽しみに待ちたいと思います!