フェナが去っていった後、アベルの心にはある大切な思い出が蘇っていました。そもそも、フェナになぜアベルは執着するのか。そして、フェナの記憶だけが頼りであるというエデンへの手掛かりは何か。ますます物語が加速する『海賊王女』第9話のあらすじを見てみましょう。
目次
アニメ『海賊王女』第8話のあらすじと振り返り
アベルのもとからなんとか脱出したフェナと雪丸たちでしたが、雪丸はアベルの銃撃により負傷してしまいます。フェナの応急処置により一命を取り留めた雪丸を前に、紫檀はフェナを「魔女」と言い放ちます。しかし、フェナは「みんなと旅をしたい」と紫檀に本音をぶつけ、和解することに。
目を覚ました雪丸は、幼い日と再会後に離してしまったフェナの手をもう離さないこと、何があっても守り抜くことを誓います。その誓いに、フェナは思わず頬を染めるのでした。
【ネタバレあり】アニメ『海賊王女』第9話あらすじ・感想
ヘレナとアベルの出会い
フェナが雪丸たちに連れ去られ、アベルはひとり船室に佇んでいました。思い出すのは、フェナの母、ヘレナと出会った頃のこと。
アベルは王家の末弟だったものの、家族もいない屋敷でひとり暮らしていました。ある日、庭園で絵を描いていたアベルは、帰り道に不思議な少女に出会います。「迷っていたから踊っていた」と笑う少女はヘレナと名乗り、アベルにとって初めての友達になるのでした。
田中泉
一緒に過ごす時間が長くなるにつれ、アベルはヘレナに特別な感情を抱くようになります。しかし、数年後、ヘレナはアベルの前から突如として姿を消してしまうのでした。
アベルは屋敷で働くメイドたちが、「ヘレナは王の子を身ごもった」「フランツという執事と駆け落ちしてしまった」「見つかったら重罪人として火炙りにされる」と話しているのを耳にします。
さらにその数年後、アベルはヘレナが王宮に戻ってきたことを知ります。アベルが久しぶりに目にしたヘレナは、髪を短く切り、処刑を待っていました。「フランツの進言通りに、ラ・ピュセルを産むために王の子を宿した」というヘレナに、アベルはただ涙を流します。
田中泉
ヘレナはエデンに帰ると告げながら、アベルに「使命があるのならエデンに導かれる」「あの子に巡り合えることがあれば、エデンに行けるはず」と言います。その後、ヘレナはなす術もなく火炙りにされてしまうのでした。
田中泉
フェナが口ずさむ、あの日の歌
雪丸が負傷後、訓練をしているとおにぎりを持ったフェナがやってきます。フェナの作ったおにぎりを食べた雪丸は「冷えてきたから一緒に戻ろう」と声をかけますが、フェナは「もう少しだけここにいる」と返します。
田中泉
フェナがひとり、幼い頃の記憶にあった歌をハミングすると、雪丸が歌詞をつけて歌い出します。それは、フェナがかつて歌っていた「秘密の歌」であり、何度も聞いているうちに雪丸も覚えていたのでした。
雪丸の記憶が導く、エデンへの道筋
雪丸が覚えていた歌詞は、「黒き碧水 道標の石」「走れ今こそ 方舟の行末」と、何か意味があることに気がついたふたり。洞窟で得た手掛かりも含めて考えるうち、フェナは歌の名前が「ヴァイスヴァーサ」であることを思い出します。
ヴァイスバーサとは、ラテン語で「逆もまた然り」という意味。歌詞に隠された方角と座標の数字を逆にしたことで、西経14度、北緯63度という新たな座標が出てきます。
田中泉
新たな情報をもとに、仲間たちに目的地を告げるフェナ。エデンへの冒険が、再び幕を開けようとしているのでした。
田中泉
『海賊王女』第9話のまとめ
孤独な少年時代を過ごしていたアベルが出会ったのは、美しい少女、ヘレナ。ひとりの女性として愛し始めた矢先、姿を消してしまったヘレナとアベルが再会したのは、処刑前という残酷な運命でした。
一方、フェナは記憶に隠されていたエデンへの手がかりをもとに、新たな目的地に旅立ちます。物語も佳境に入り、ますます面白くなってきた『海賊王女』。アベルの側近であるコーディも何か謎めいているのも気になります。