『複製された男』あらすじ・ネタバレ感想・考察！理解不能な物語、ブルーベリーとクモの意味とは？

評価どころか感想すらバラバラの作品。

あらゆる視点で見ることが可能な、見る人が物語を作っていく印象を受けた作品です。

ポイント

同一人物とも言える男が繰り広げるホラーじみたストーリー
キーアイテムはブルーベリーとクモ
何度見てもわからない。何度見ても謎が残る

それでは『複製された男』をネタバレありでレビューします。

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1.『複製された男』作品情報
2.【ネタバレ】『複製された男』あらすじ・感想・考察
3.『複製された男』あらすじ・ネタバレ感想・考察

『複製された男』作品情報

作品名	複製された男
公開日	2014年7月18日
上映時間	90分
監督	ドゥニ・ビルヌーブ
脚本	ハビエル・グヨン
原作	ジョゼ・サラマーゴ
出演者	ジェイク・ギレンホールメラニー・ロランサラ・ガドンイザベラ・ロッセリーニ
音楽	ダニー・ベンジーソーンダー・ジュリアーンズ

【ネタバレ】『複製された男』あらすじ・感想・考察

何もかもが同じ男

『複製された男』のあらすじは簡単です。

主人公がドッペルゲンガーのように自分と瓜二つの男に出会い、日常が変化するというストーリー。

とーる

ただそれだけ。でもそれが問題なのです。

今からネタバレありでレビューをしますが、ネタバレを見てから映画を見てもあまり問題ないと思います。

なぜなら、見る人によって、もしくは見る人の立場や環境によって、見方や感想が全く異なってくるからです。

とーる

私がここに書くレビューも、私個人が感じて考えたことですので、ぜひとも『複製された男』を実際に見て、あなたなりの感想を抱いてほしいと思います。

主人公のアダムは真面目な歴史の教員で、アダムと瓜二つのアンソニーは売れない俳優をしています。

そのアダムとアンソニーの関係性が『複製された男』の重要ポイントなのですが、レビューを見てみると本当に人それぞれで見方が違うのです。

例えば、アンソニーという人物は存在せず、アダムの欲望の表れだという見方。

かと思えば、実は母親が一卵性双生児を生んでいたという見方。

タイトルのように、どこかの組織が生み出した複製人間であるという見方。

探せば探すほどたくさんの見方が出てきます。

2人の関係を明確にするものは出てきません。

アダムには彼女がおり、アンソニーには妊娠した妻がいますが、彼女たちがアダムとアンソニーの存在を証明する人物かと言われればそうでもないように思います。

顔も声も、体についた傷や手の形、目の色や体格まで全く一緒のアダムとアンソニー。

異なるのは性格だけです。

とーる

この2人は、一体どのような関係なのでしょうか。

ブルーベリー

『複製された男』で印象的なアイテムとして、ブルーベリーとクモが出てきます。

とーる

私はこのブルーベリーとクモに注目してみました。

まずブルーベリーです。

原作も制作もカナダということで、果たして花言葉といったものがあるかはわかりませんが、ブルーベリーの花言葉を調べました。

ブルーベリーの花言葉は「実りある人生」「知性」。

さて、これをアダムとアンソニーにあてはめてみましょう。

真面目に教員の仕事をして彼女のいるアダム。

高級マンションに住み妻が妊娠しているアンソニー。

形だけ見れば、アダムもアンソニーも充実した人生のように見えます。

彼女とマンネリだとか、妻が妊娠したから遊べないといった内情までは表面上ではわからないのです。

つまり、何も知らない第三者から見れば、2人の生活は「実りある人生」ということなのでしょう。

アンソニーはアダムに、自分の妻と寝ただろうと難癖をつけて、一日だけアダムに成りすまします。

アダムの彼女と遊ぼうというわけです。

これはアンソニーの「知恵」かもしれません。

しかし、それは不慮の事故といった形で終わりを迎えます。

とーる

アンソニーの「知性」は良くないものだった、というわけですね。

クモ

クモは『複製された男』で頻繁に出てくるアイテムです。

出典:IMDB

アダムとアンソニーの夢だとか、最後はアンソニーの妻がクモとなって終わります。

クモの夢というのは「身近な女性や母親に対する感情」や「自分を陥れようとする誰かの存在」を示唆します。

さらにアダムは、頭がクモになった裸の女性とすれ違う夢も見ます。

なんと、夢占いでは「近寄ってくる人物がいたら注意。大抵の場合、悪い話がある」という意味があるそうなんです。

とーる

アダムに近寄ってくる人物というのはアンソニーだととらえることもできますね。

確かに、アダムもアンソニーも彼女や妻に対して問題意識を抱えています。

出典:IMDB

アダムは彼女とマンネリだし、アンソニーは妻との関係が決して上手くいっているとは言えません。

さらにアダムには、過剰に干渉してくる母親の存在があります。

物語に頻繁に出てくるクモは、もしかしたらアダムとアンソニーの女性関係の悪化を暗示しているものかもしれません。

ちなみにクモは、キリスト教だと「悪の存在」「罪深い衝動の現れ」とされています。

アンソニーが提案したアダムに成りすます計画、もしかしたらそういうことなのかもしれません。

とーる

でも、アンソニーの存在がアダムの頭の中だけの存在だとしたら、「悪の存在」や「罪深い衝動」というのは、アダム自身ということになりますね。

果たして誰が誰なのか

アダムに成りすましたアンソニーとアダムの彼女は、事故でおそらく命を落としたでしょう。

アンソニーが彼女に会っている間、アダムはアンソニーの自宅に行き、アンソニーの妻と会います。

アンソニーの妻がアダムをアンソニーではないと知っていたのかは不明です。

ですが、アダムが自分から話さない限り、アダムはアンソニーであり続けます。

出典:IMDB

さて、最後に鏡に映った人物は誰だったのでしょう。

冒頭で怪しげなクラブに行った人物は誰だったのでしょう。

結婚指輪をしているのは？妻が妊娠しているのは？

とーる

言い忘れていました。夢占いでのクモはあまりいい意味を持ちませんが、大きなクモが持つ意味は異なるようです。

大きなクモが出てくる夢は「運気上昇」という意味があるとのこと。

とーる

一体、誰の運勢が上昇したのでしょうね。

『複製された男』あらすじ・ネタバレ感想・考察

以上、ここまで『複製された男』をレビューしてきました。

要点まとめ

簡単なあらすじに反して難解で重厚なストーリー
実りある人生と、不吉
アダムは誰か。アンソニーは誰か。

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