逮捕の決め手となった目撃証言は嘘だったー。このことで再審の可能性は現実味を帯び始め、恵那(長澤まさみ)は再び奮い立ちます。
岸本(眞栄田郷敦)がつかんだこの事実は、かつて報道局にいた村井(岡部たかし)の心にも火をつけ、報道部ではなく、『フライデーボンボン』で大々的に報じようと宣言。
オンエア後の反響はすさまじく、あらゆるメディアが動き出したことで目撃者の元妻は不安を隠しきれません。
さらに恵那たちが「甘かった」と思い知らされる、予想外の事態が起きてしまい・・・。
目次
ドラマ『エルピス ―希望、あるいは災い―』 前回振り返り
松本死刑囚(片岡正二郎)の再審請求が棄却されたことで責任を感じたチェリー(三浦透子)は、自殺を図りました。
岸本(眞栄田郷敦)たちも特集の続編制作を禁じられ、恵那(長澤まさみ)は抗えない大きな力を感じ、その決定を受け入れます。
しかし岸本は納得がいかず、一人で逮捕の決め手となった目撃証言をした西澤正(世志男)の周辺を調べ始めます。
一方の恵那は、斎藤(鈴木亮平)との関係を深める中で、斎藤がある大物政治家と親密な菅家であることを知ります。
その後岸本は「目撃証言は嘘だ」という証言をとります。岸本の執念を感じた恵那は、再び心に炎を燃やしたのでした。
【ネタバレあり】ドラマ『エルピス ー希望、あるいは災いー』第6話あらすじと感想
村井の覚悟
家出した岸本(眞栄田郷敦)は、恵那(長澤まさみ)の部屋のソファで泥のように眠りました。
そして昼前、チーフプロデューサーの村井(岡部たかし)から呼び出されたと、恵那に起こされます。
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起きてからの岸本は、全く喋らなくなっていました。
恵那は突然PCがフリーズしたみたいだと思います。
「もしかして、バージョンアップ中?」
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会社に行くと、村井とプロデューサーの名越(近藤公園)が岸本の取材VTRを観ながら待っていました。
保守的な名越は『フライデーボンボン』でこれを扱うにはあまりに荷が重すぎるので、報道局に持って行くべきだと主張します。
しかし村井は驚くべき発言をしました。
「うちでやる。」
驚いた恵那も「報道に渡して、万全な体勢で放送した方がいい」と村井を説得しますが、村井は特集25分を『フライデーボンボン』で放送すると言って聞きませんでした。
「俺がやると言ったらやるんだよ!」
斎藤のサイン
恵那が帰宅すると、斎藤(鈴木亮平)がソファで眠っていました。
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先日、銀座の寿司屋で2人で食事をしていた時、斎藤は突然赤い袋を渡してきました。
「株で利益が出たから」だと言いますが、中にはカルティエの限りなくエンゲージリング的な指輪が入っていました。
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その後プロポーズ的な言葉はありませんでした。
斎藤は、いつもサインだけ出して相手の感性に委ね、絶対に言葉にはしません。
恵那は、それを『呪い』だと思っています。
「あの指輪は何?」「特集を辞めさせようとしたのは何故?」「私たちは裏切り合っている?」
聞きたいことは山ほどありますが、それを確かめられないぐらい、恵那は斎藤を好きになり過ぎてしまっています。
覚悟の放送
特集の放送日がやってきました。
証言をしてくれた、目撃者の元妻は、岸本が都内のホテルに呼び寄せました。
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『新証言 目撃者の嘘』と題された、日本の司法を揺るがす報道に、世間の反応はすさまじいものがありました。
その日の夜にほぼ全てのメディアが冤罪の可能性を報じます。
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しかし、恵那たちはこの想像以上の反響に、自分たちがいかに何もわかっていなかったか、いかに甘かったかというのを嫌というほど思い知らされます。
マスコミは元妻の家族の居所をすぐさま嗅ぎつけました。
さらに、目撃者の西澤のところにもマスコミがどっと押し寄せ、西澤は逃亡してしまいます。
木村弁護士(六角精児)は重要参考人を1人失い、これで再捜査の可能性は消えたと憤りをあらわにしてきました。
「なんで事前に相談してくれなかったんですか!」
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古巣への出演
特集を放送した日の視聴率は、史上最高の9%を超えましたが、誰も喜ぶ元気がないくらい疲弊していました。
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局の上層部は、古巣の『ニュース8』に恵那を事件を追った記者として出演させることを決めました。
恵那は、村井が『フライデーボンボン』で特集を放送することにしたのは、大門副総理から圧力がかかっていたため、報道に渡したら潰されると思い、放送を決めたのではないかと思っていました。
実際その通りで、さらに村井は恵那と斎藤の関係について心配していました。
「やめておくか?」
村井は、今なら恵那はただのアナウンサーで、原稿を読まされていただけだと言えば、恵那も斎藤の立場に傷がつくことはないと言います。
しかし恵那は出演すると決めました。
「この仕事は私自身なんです」
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その時、斎藤から恵那にメールが届きます。
恵那は開こうとしますが、見る勇気がなく、村井にスマホを預けました。
わかりやすい粛清
恵那は『ニュース8』で、取材について説明をしました。
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そしてスタジオを出ると、恵那のスマホを持った岸本が待っていました。
恵那は、斎藤からのメッセージを確認してすぐに泣き崩れます。
「ここまでにしよう。」
斎藤は自分たちは相克の関係にある、いずれ恵那は自分を憎むことになると、別れのメッセージを送ってきたのです。
「今まで楽しかった。ありがとう。」
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事件についての局の姿勢が見えた一方、ゲリラ放送のけじめはつけないといけません。
ちょうど番組改編期だったのもあり、『フライデーボンボン』は即打ち切りとなりました。
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村井と岸本は別部署への異動が命じられます。
こうして、『フライデーボンボン』は特に惜しまれることもなく10年の幕を閉じました。
返り咲き
そんな中、最後まで内示が出なかったのは恵那でした。
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恵那が命じられたのは『ニュース8』のメインキャスターでした。
大門とは『フライデーボンボン』の打ち切りで話がつき、『ニュース8』への恵那の起用は視聴者対応とのことでした。
恵那は、真実を伝えられない嘘つき人形にはならないように、いつ首を切られても構わないという姿勢でキャスターに挑みます。
再びキャスターに返り咲いた恵那は、オンエアに追われる日々を過ごします。
駆け巡るニュースと時間に追いつこうとして、まさに忙殺されていました。
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大門と八飛市
一方、1人暮らしを始めた岸本は、一人で取材を続けていました。恵那に連絡するも、相手は話をする余裕もありません。
ある日、いつものように自転車で八頭尾山のふもとを回り、すっかり行きつけとなった喫茶店に入ると、以前恵那が見つけた怪しい雑貨店が潰れたと噂されていました。
マスターによると、そこは地元の有力企業である本庄建託の息子がやっていた店だったとのこと。
「大門さんが副総理になって、本庄建託も大門様様だろう」
岸本はその言葉を聞き逃しませんでした。
すぐに店を出てシャッター商店街に入りスマホで写真を撮り、恵那に送りつけました。
写真には大門の選挙ポスターが写っています。
恵那は急いで大門のプロフィールを調べると、なんと彼は八飛市出身でした。
恵那はすぐに新聞記者の笹岡に連絡をし、大門の経歴を調べてもらうことにしました。
その頃、斎藤は報道部に辞表を提出していました。
ドラマ「エルピス ―希望、あるいは災い―』 第6話 感想&まとめ
この作品は元々小説を読んでいるかのような感覚になる作品ですが、今回はそれを一番強く感じました。
まさにページをめくる手が止まらないという感じで、あっという間に一話が終わってしまいます。
恵那は斎藤と別れ、己の道を行くことを決めました。そして執念が続く岸本によって、以前から匂わせられていた大門副総理に迫ってきました。
予告を観ても、次回どんな展開になるのか想像がつきません。次回が待ち遠しいです!