恵那(長澤まさみ)は、一刻も早く松本死刑囚(片岡正二郎)の冤罪を証明しなければと焦りを感じます。
そんな中、木村弁護士(六角精児)から紹介された新聞記者から、当時の事件資料を入手することに成功。
恵那はその資料を元に調査を始め、実際に取り調べを行った刑事に話を聞こうとしますが、すでに退職して所在は不明でした。
ところが、ある日岸本(眞栄田郷敦)が思わぬ方法で居場所を突き止め、恵那は松本から自供を引き出した元警部にインタビューすることになりました。
目次
ドラマ『エルピス ―希望、あるいは災い―』 前回振り返り
恵那(長澤まさみ)が事件の調査を諦めないと決めた矢先、行方不明になっていた女子中学生の遺体が、山中で発見されました。現場は12年前の事件と同じ神奈川県八頭尾山です。
この事件で死刑が確定している松本良夫(片岡正二郎)は冤罪かもしれないという岸本の情報に、わずかな可能性を見た恵那は、自身が出演する番組で調査報道をしたいと考え、まずは一人で事件を洗い直すことにします。
しばらくして、松本死刑囚から手紙が届きました。そこには、「私は殺人犯ではない」という切実な訴えが書かれていました。
数日後、3人の死刑囚の刑執行のニュースが流れたのでした。
【ネタバレあり】ドラマ『エルピス ー希望、あるいは災いー』第3話あらすじと感想
死刑執行
「3人の死刑執行 法務省発表」
そんなニュース速報が流れてきました。
木村死刑囚の弁護をした木村弁護士(六角精児)は、「死刑は順番がなく、お偉いさんの匙加減で執行される」と聞いていた恵那(長澤まさみ)は大急ぎで確認を取りますが、夕方の続報まで誰が執行されたのかはわかりませんでした。
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関係者は一同安堵しますが、恵那は改めて、事を急がなければいけないと思いました。
木村弁護士は、恵那たちの強力な助っ人になりうる人物として、新聞記者を紹介してくれました。
彼女は八頭尾山の事件を独自に調べており、今回の女子中学生行方不明事件を受けて、12年前の事件の真犯人がいるのではないかと思い始めたと言います。
そして、膨大な事件資料を恵那たちに渡してくれました。
捜査関係者
恵那と岸本(眞栄田郷敦)は、その事件資料をもとに、松本死刑囚を逮捕した警察に話を聞きに行くことに。
応対してくれた刑事は、「最高裁の決定は絶対だ」として、冤罪の可能性はないと断言しました。その刑事は当時末端の捜査員として関わっていたとのことですが、取り調べ時の状況などは関知していませんでした。
「なのに、何故松本さんが犯人だって言い切れるんですか!?」
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恵那はこういう時にKYな人間がいると強いと思いました。
当時取り調べをした警部は既に退職しており、連絡先は教えてもらえませんでした。
岸本は、警察周辺の電話帳を調べ、元警部の名前と一致する番号に片っ端から電話をかけるという”昭和のやり方”で、元警部の連絡先を突き止めました。
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当時主に取り調べを担当していた山本氏は、松本が自白したと確定したのは、土下座をして「許してください」と言ったからだと言います。
「『お前がやったんだな?』と聞いて『許してください』と答えれば、そりゃやってますよ」
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恵那は、「その『許して』という言葉は、厳しい取り調べに対して『勘弁してほしい』という意味ではなかったのか」と、岸本がKY発言をするのを期待しましたが、岸本は撮影に夢中でした。
被害者遺族への取材
次に恵那達は被害者遺族への取材を進めることにしました。
一家は引っ越していなかったので、警部よりもすんなり見つけることが出来ました。
恵那と岸本が場所の確認のために被害者遺族の家に立ち寄ると、父親らしき人からいきなり水をかけられました。
近所の喫茶店のマスターによれば、一家は事件後マスコミの過剰取材、報道に生活をめちゃくちゃにされ、マスコミを恨んでいると言います。
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奇妙な雑貨屋
恵那が店の外に出ると、地元の女子中学生が通ったため彼女たちの後を追いました。
すると、薄暗いシャッター商店街の一角に、一か所だけ明りがついている店があります。
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恵那は、店の奥にいる店主らしき男(永山瑛太)に事件について尋ねてみました。
「その話をするなら、僕は店を閉めて、明りを消さなければいけない」
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恵那がさらに話を聞こうとすると、男はお香に火を付けながら「あなたがお知りになりたいことは、言語なんて目の粗いものですくえるものではない」とつぶやきました。
「そもそもあなた、誰なんです?」
男はサングラスを外して、恵那の顔をジッと見つめます。
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恵那は、何故か吸い込まれそうな気分に陥りました。
しかし、その緊張感は恵那を探す岸本からの着信によって切れました。
その後岸本を連れて再び店に寄ろうとすると、商店街は全てシャッターが閉められていました。
被害者の姉
恵那は、まず被害者家族に向けて手紙を書きました。
一通目二通目と返事はなく、六通目でとうとう「いい加減にしてくれ」と電話がかかってきました。
岸本は諦めた方がいいと思いましたが、恵那は「自分たちマスコミの過ちは自分たちで責任を取らないと」と言って諦める気はありませんでした。
するとある日、被害者の姉と名乗る女性から電話がかかってきました。
恵那と岸本は、姉と会ってもらえることに。
姉は「どうしてもわからずに諦められずにいることがある」と言います。
それは、妹が犯人と山に入ったのは、「下着を売ってくれ」と犯人に言われ、下着を売ろうとしたからだと警察に言われたことです。
12年経った今、両親はその事を信じ始めていますが、姉はどうしてもそれが信じられないでいました。
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恵那は、インタビューを撮らせて欲しいとお願いしました。
インタビューで姉は、あの日姉妹はしし座流星群を見に行く約束をしていたが、妹は帰ってこなかったと涙ながらに語ってくれました。
岸本は、撮影をしながら、ここにきてやっと自分がとんでもないことに首を突っ込んでいることを理解しました。
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正しいことをやる
恵那は、この被害者の姉のインタビューを取れたことで、自信がつきました。
「これからは、正しいと思うものをやる!」
それまで、バラエティー班の自分たちがジャーナリストの真似事のようなことをしてもいいのかと迷いがありました。
しかし、被害者の姉は、自分たちの行動で「救われた」と言ってくれました。
不安は多いですが、正しいことであれば自然と味方はついてくるし、道は開けてくると、自信がついたと恵那は言います。
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その後の恵那はスピリチュアルめいたカリスマ性でもって、やるべきことを片っ端から片付けていきました。
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出来上がったVTRを、『フライデーボンボン』の若手スタッフに見せると、皆見たこともない真面目な顔つきで映像を見た後、「応援します」と言ってくれました。
岸本は、恵那が言っていたことは本当かもしれないと思い始めていました。
しかし、その考えは週明けの定例会議で見事に打ち砕かれます。
プロデューサーは局長に上げると言い、恵那は上に上げたら間違いなく却下されると反対しますが、無駄でした。
結局、恵那たちのVTRは『放送不適切』と判断されてしまいました。
正しいことがしたい
かつて、いじめられていた同級生を見殺しにし、それでも今もその仲間たちと上手く付き合おうとしている岸本。
それでも、この冤罪事件を通じて、自分も正しいことがしたいと考えていました。
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恵那はさらに落ち込み、飲めない酒を飲んでグッタリしています。
そこに、斉藤が慌てた様子で恵那の自宅にやってきました。
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恵那は久しぶりにトイレで吐きました。
そして、斉藤を前にして子供のように号泣します。
斉藤は黙って頭を撫でてくれました。
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その週末の『フライデーボンボン』放送日で、岸本はスタジオに入って来た恵那が少し変だなと思いましたが、あまり気にしていませんでした。
そして恵那のコーナー『エナーズアイ』が始まった瞬間、スタジオが騒然とします。
なんと、恵那はVTRを勝手に差し替え、事件報道を流してしまったのです。
恵那はスタジオで一人涼しい顔で前を見つめていました。
ドラマ『エルピス ―希望、あるいは災い―』 第3話 感想&まとめ
3話目にして、この作品は事件の取材を通してのお話と思いきや、むしろここからが始まりだということがわかりました。このスピード感がこのドラマの魅力と言えるかもしれません。あの怪しい雑貨屋の男は、長髪でした。八頭尾山で目撃された若い男も長髪・・・気になります。
そしてところどころ明かされる岸本のトラウマについても気になります。このことが今後にどう影響してくるのでしょうか?
次回が待ち遠しいです!