ドラマ『エルピス ―希望、あるいは災い―』 第10話 絶望する岸本と諦めることを選んだ恵那。それぞれが出した答えは―。

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大門亨が死んでしまいました。

亨が命を懸けて、大門のレイプ事件“もみ消し”疑惑を告発しようとしていたことを知る岸本(眞栄田郷敦)は、その死の意味を理解して絶望の淵に立たされます。村井(岡部たかし)は、スタジオで暴れて以来出社していませんでした。

恵那は、何が起きたのか聞くために、岸本を訪ねます。

岸本は、恵那に今度こそ手を引くと宣言します。失意のどん底にいる岸本の言葉に、恵那が出した答えとは?

急展開の最終話です!

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ドラマ『エルピス―希望、あるいは災い―』 前回振り返り

刑事を脅迫したとして大洋テレビを解雇されてしまった岸本(眞栄田郷敦)。

この一件で背後にいる巨大な力を感じた恵那(長澤まさみ)は、再び心身のバランスを崩していってしまいます。

一方、岸本はジャーナリストとして村井(岡部たかし)の紹介で大門副総理(山根和弘)の娘婿で秘書の亨と会います。

村井と亨はかつて大門副総理の裏の顔について告発をしようとしたものの、闇に葬られた過去を持っていました。

3人は、本城彰逮捕の最大の壁である大門排除のため動き出します。

ところが、岸本が亨に取材をした直後、亨は自殺に見せかけて殺されてしまいます。

村井は『ニュース8』のスタジオに殴り込み、やり切れない思いをぶつけるのでした。

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【ネタバレあり】ドラマ『エルピス ー希望、あるいは災いー』第10話あらすじと感想

殴り込み

大門亨の葬儀の帰り、世をはかなんだ村井(岡部たかし)が『ニュース8』のスタジオに殴り込んできました。

「どいつもこいつも正義面しやがって!」

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その姿を見た恵那は、自分にも破滅願望があったのだと気づかされます。

一方、新聞記者の笹岡(池津祥子)は、亨の葬儀での大門副総理(山路和弘)の受け答えにうさん臭さを感じ、恵那(長澤まさみ)や岸本に連絡を入れますが、どちらも一向に電話に出てくれません。

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笹岡さんは実はこのスクープの大立役者ですよね。

その頃岸本は、亨の死の意味を理解し、絶望と恐怖に打ちのめされていました。
そんな時、恵那が岸本を訪ねてきます。恵那は、村井の乱心が大門亨の死に関わっていることはわかったものの、誰も分からないので何があったのか教えて欲しいと話します。

岸本は、恵那がまた話を聞くだけ聞いて正義っぽいことをしたいだけだろうと言いました。
村井と付き合いの長い恵那は、村井に対して嫌いな部分は多いものの、報道人としては尊敬できる人だと思っていました。
その村井が誰よりも大事にしていた場所で“ああなった”。

岸本が自分を信用出来ないのもよく分かります。
でも、恵那は逃げるわけには行かない、向き合うしかないと考え、岸本を訪ねたのでした。

「教えてください。お願いします!」

罪の意識

恵那は、岸本が亨を取材した音声を聞かせてもらい、衝撃を受けます。
このネタをどうするのかと聞くと、岸本は「どうもしない」と答えました。

「今度こそ辞めます」

岸本は、最初に村井が言った通り、自分はどんな敵がいるのか何も知らずに、棒切れを振り回しているのだと実感せざるを得ませんでした。
しかも、自分ではなく、自分が引っ張り出した人を死なせてしまった。

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頭ではわかっていても、いざ巨大な敵を目の前にしたら、恐怖ですよね。

「負けです。コテンパンに負けました。降ります」

だけど、恵那にはこのまま引き下がるなんて出来ませんでした。
岸本のスクープを、いらないなら持って帰って『ニュース8』で報じると言い出します。

「殺されますよ!」

「なんで殺されなきゃいけないのよ!」

恵那は、自分の仕事をちゃんとやりたいだけです。当たり前の人間の普通の願いが、何故こんなに奪われなければいけないのかと、納得がいきません。

心の中の一番大事なものを押しつぶされながら、どうやって生きて行けばいいのでしょう?
恵那には希望が見えませんでした。

希望の光

止める岸本と振り切ろうとする恵那。
その時、レコーダーが恵那の手から滑り落ちました。

慌ててデータを確認する恵那。亨の声が聞こえます。

「今、僕は神様に感謝しています。真っ暗闇に細い光が差したような気持ちです」

その時恵那は亨に大事なことを教えてもらったような気がしました。
長年仕えた男に殺されたかもしれない亨が感じたのは、目の前の人を信じられる喜びでした。

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希望とは、誰かを信じられるということなんですね。

「岸本くん、ありがとう。君がいてくれたから私、今日までやってこれたんだね」

希望を見出した恵那と、孤独から抜け出した岸本は、嬉しくて泣きました。

復活した恵那は、翌日から動き出します。
まずは同期でディレクターの瀧川(三浦貴大)に、告発のニュースを、トップでゲリラ的にやると宣言しました。

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以前やったゲリラ放送を、『ニュース8』でもやるつもりなのです。

当然、瀧川は「番組が飛ぶぞ!」と猛反対します。
しかし、もう恵那は信用してくれている人たちのことを裏切りたくありませんでした。

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真実を伝えるのが報道です。

恵那の決意が固いまま、オンエアの時間が迫ってきました。
困った瀧川は、ある人物に連絡を入れます。

しばらくして、スタジオにやってきたのは斎藤正一(鈴木亮平)でした。

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中ボス登場!

交換条件

斎藤は、10分だけ時間が欲しいと、スタジオから人を出しました。
もちろん、恵那は10分程度の会話で覆る程度の覚悟を持っているわけではありません。

それは斎藤にもよくわかっていました。
現状では、8:2で自分が不利なことも認識しています。それでもあえて恵那がやろうとしていることを止めようとしていました。

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斎藤は、必死で恵那の説得に努めます。

「時間をくれ」

斎藤は、もし自分に力がついたら、恵那の希望に応えてみせると言いました。

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斎藤は、本当に今よりもマシな世界を作ろうとしているみたいです。

ただそれには一つ一つ目の前のことをこなしていくしかなく、時間が必要なのです。

「では、本城彰を逮捕させてください」

恵那は、本日以降本城彰に対する報道を止めないこと、警察が動くのを止めないことを条件に出しました。

斎藤は大門陣営に電話をし、「今夜のトップニュースで出して構わない」と言いました。

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ただし、大門と本城の関係はオフレコです。

放送まであと数十分しかありません。でも斎藤は、「今日を逃すと、君は事故か病気で出られなくなるよ」と手を差し出しました。

恵那は、斎藤の手を握り返しました。

トップニュース

恵那が急いで岸本に電話をすると、岸本は大洋テレビのロビーにいると言います。

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恵那が無謀なことをしようとしていたので、いても立ってもいられず、ロビーにいたのです。

岸本は、いつチャンスが来てもいいように、本城彰に関するVTRを持ち歩いていました。

「君、最高! 流すよ、これ。トップニュースで」

スタジオに走って戻る恵那を見送った岸本は、チェリー(三浦透子)や被害者遺族たちに、ニュースのことを伝えました。

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皆、固唾を飲んでテレビ画面を見守ります。

そして、『ニュース8』のトップで、松本死刑囚が冤罪である新証拠が出たことと、本城彰の存在が報じられました。

放送後、恵那は逃げるようにしてスタジオを出てきました。
そして待ち受けていた岸本と共に、久しぶりにまともな食事をしました。

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2人で大盛牛丼をかきこみます。

しばらくすると、岸本から連絡を受けた村井が、店にやってきました。

正しいことの代わりに

2020年10月。

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世の中は、マスク社会になっています。

恵那は、相変わらず『ニュース8』のキャスターを張っています。
村井と岸本は、ネットメディアの会社を立ち上げ、岸本は村井に厳しく指導されながら、日々取材に追われています。

あのニュースが報じられた夜、「これから君はどうするの?」と聞かれた岸本は「正しいことがしたい」と答えました。
でも、恵那からはこの世に善玉も悪玉も存在せず、『正しいこと』なんてものはないのだと言われました。

どうしたらいいのかと岸本が尋ねると、恵那は「代わりに、夢を見る事にしよう」と言いました。

その時は、そうかと納得した岸本ですが、どんな夢を見たらいいのか、まだわからないでいました。

一方、松本元死刑囚(片岡正二郎)は無事釈放され、チェリーはお祝いにケーキを買って、カレーを作り、2人でそれを食べました。
松本さんは嬉しそうにケーキを口に運び、チェリーは泣きながら笑顔でケーキを食べました。

スタジオではカウントダウンの声が響きます。
恵那がまっすぐカメラを見つめて口を開きます。

「こんばんは。真実をまっすぐに。ニュース8の時間です」

ドラマ『エルピス ―希望、あるいは災い―』 第10話 感想&まとめ

とにかく、満足度の高いドラマでした。
毎回毎回大スペクタクル映画を見ているような心地よい疲労感を感じていました。

一時はどうなることかと思った話の展開も、うまいことコンパクトにまとめられ、納得のいくハッピーエンドだったのはさすがの一言です!

個人的には、斎藤さんが少しでも信念を持って活動をしていることが知れて良かったです。
また別の機会にこのチームの作品が見られたらいいなと思います。お疲れ様でした!

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