大洋テレビのアナウンサー・浅川恵那(長澤まさみ)は、かつてはニュース番組のスターキャスターでした。しかしスキャンダルによって番組を降板し、深夜の情報番組に回されています。
ある日、番組の若手ディレクター・岸本拓朗(眞栄田郷敦)に呼び止められた恵那は、ある連続殺人事件の犯人とされている死刑囚が、実は冤罪かもしれないと相談を受けます。
これまでの経験から、報道や冤罪事件とは関わりたくない恵那でしたが、岸本は事件の真相を追うために力を貸して欲しいと頭を下げます。岸本には、この件にこだわるある事情を抱えていました。
目次
ドラマ『エルピス ー希望、あるいは災いー』 見どころ
スキャンダルによって落ち目になったアナウンサーと、バラエティー番組の若手ディレクターらが10代女性が連続して殺害された事件の冤罪疑惑を追う中で一度は失った“自分の価値”を取り戻していく社会はエンターテインメント作品となっています。
『エルピス』とは、中からさまざまな災いが飛び出したといわれる『パンドラの箱』に唯一残っていたもので、良い方の『希望』悪い方の『予兆・予見』と訳される言葉です。
ドラマでは、真相に迫っていく過程で登場人物たちは様々な『希望』を見出しますが、同時に『災い』にも襲われます。
果たして、パンドラの箱を開けたその先に待っているものは希望と災い、どちらでしょうか?
【ネタバレあり】ドラマ『エルピス ー希望、あるいは災いー』第1話あらすじと感想
フライデーボンボン
大手テレビ局・大洋テレビのディレクター、岸本拓朗(眞栄田郷敦)は、深夜の情報番組『フライデーボンボン』を担当しています。
彼は弁護士の両親から一人息子として大事に育てられ、名門学校をエスカレーターで卒業した後、テレビ局に入社。
ルックスも良く、自己評価も高め。上司に怒られても、”相手の機嫌が悪いのだ”と考えるような人物です。
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その『フライデーボンボン』で、ロケコーナーを担当している浅川恵那(長澤まさみ)は、かつて報道局で『ニュース8』のエースアナウンサーでしたが、スキャンダルで降格してしまい、くすぶった毎日を送っていました。
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恵那は生きているのか、死んでいるのかわからないような状態で、プロデューサーの村井(岡部たかし)からセクハラ、モラハラ、パワハラを受けても、何事もなかったかのように流します。
ヘアメイクのチェリー
ある日のスタッフ飲み会で、岸本はヘアメイクのチェリー(三浦透子)に声をかけられます。
「ボンボンガールのアサミちゃん狙ってるでしょ」
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岸本はイヤホンを渡され、聞いてみると、岸本がアサミを口説いている音声が流れていました。
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チェリーはアサミからこの音声を買い取ったというので、岸本もそれを買い取ろうとすると、チェリーはお金が欲しいのではなく、「力を借りたい」と言いました。
深刻な相談
恵那が出社すると、岸本に呼び止められました。
岸本はものすごい目力で、「相談があるので、30分だけ時間が欲しい」と言います。
恵那は岸本からの相談なんて受けたくないと思いますが、渋々受けました。
岸本は、12年前に起きた「八頭尾山連続殺人事件」の資料を取り出します。
この事件は、神奈川県の山中で女子中学生が次々と遺体になって発見され、その後当時近所に住んでいた板金工・松本良夫が逮捕されますが、裁判では一貫して無罪を主張。しかし最高裁で死刑が確定したものです。
岸本はこの松本死刑囚は冤罪だと言います。
そして、かつて報道をやっていた恵那と一緒に真相を追求したいと土下座をします。
しかし、恵那は『ニュース8』時代冤罪を取り扱ってきて、その大変さに、もう関わりたくないと思っていました。
「諦めた方がいいよ」
それでも岸本は食い下がります。
警察が松本に任意同行をかけた時、松本の家には家出中の女子中学生がいました。
それを知ったマスコミが「未成年誘拐」「ロリコン」と騒ぎ立て、完全に「松本が犯人」という風向きに変わってしまったのです。
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実際は、松本は少女に指一本触れず、それどころかとても優しかったと、岸本は家出少女本人から聞いたと訴えます。
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官邸キャップで元カレ
恵那がダメ元で報道に話をしてみろというので、岸本は報道に突撃しますが、当然けんもほろろに断られてしまいます。
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ガッカリしているところに、かつて研修担当で世話になった斉藤正一(鈴木亮平)と出くわします。
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岸本は斉藤に事件の話を聞きたいと言うと、斉藤は快諾してくれました。
一緒に話を聞きに行こうと恵那に話すと、恵那は微妙な顔つきをします。
結局、約束の時間に恵那はやってきませんでした。
斉藤は恵那が異動させられるきっかけになった“路チュー”写真を検索してみろと言います。
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ところが、そこに恵那が遅れてやってきました。
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岸本と恵那から話を聞いた斉藤は、自分なら特集を組んで世間を動かして、再審請求の流れを作ると言いました。
受け止める覚悟
岸本はダメ元で企画書を出してみようと思いました。
元々プロデューサーの村井も報道出身です。もしかしたら興味を持ってくれるかもしれません。
恵那は、失敗すれば松本は死刑になる。それを受け止める覚悟は出来ているのかと問います。
岸本は黙って頷きました。
「わかった」
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企画書を見た村井は、案の定「バラエティにそんなものはいらない」と突き返します。
岸本がこのままでは事件が闇に葬られてしまうと言うと、村井は闇にあるものは理由があってそこにあるのであって、おもちゃ感覚で手を出していいものではないと言います。
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「冤罪を暴くってことは国家権力を敵に回すことだ。わかる?」
すると、恵那が口を開きます。
「わかりません!私はもうわかりたくない・・・」
そう言いながら、恵那は吐き気を抑えきれずトイレに駆け込みます。
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これ以上飲み込めない
恵那は、このネタを必ず実現させる決意をしていました。
逆に岸本は心折れています。
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恵那は、おかしいと思うものを飲み込んではダメだと岸本に詰め寄ります。
「君が諦めたら、松本さんは死刑だよ?」
岸本は、実はチェリーに脅されて、保身のために仕方なくやっていたことだと告白します。
すると、恵那は岸本を思い切りビンタしました。
「私はもう飲み込めない、これ以上。飲み込みたくないものは飲み込まない」
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その夜、岸本はチェリーに「諦める」と話します。
すると、チェリーは手の平の火傷の跡を見せてきました。
チェリーは中学生当時、義理の父親に虐待を受けていました。
手の平を怪我したその日、チェリーは遂に家出を決行し、松本が「行くとこがないならウチに来い」と家に入れてくれました。
松本は妻と娘を事故で亡くしており、娘がチェリーと同じ年だったとのことです。
そして、数日後松本は連行されてしまいました。
自分は善人じゃない
自分がいなければ、彼が捕まることもなかった。チェリーはずっと自分を責め続けています。
「私は諦めませんよ。またチャンスを探せばいい」
岸本は、泣いていました。
しかしこの時泣いていたのは、松本やチェリーのためではなく、チェリーの手の平を見て自分の過去を思い出したからです。
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「僕は善人じゃない・・・」
翌日、ここ数日行方不明になったと話題になっていた女子中学生が、八頭尾山で遺体となって発見されました。
12年前の真犯人が、また動き出したのです。
ドラマ『エルピス ー希望、あるいは災いー』 第1話 感想&まとめ
とても作り込まれた、まるで配信ドラマのような作品が民放ドラマとして始まりました。
脚本は渡辺あやさん、監督は大根仁さんと信頼と実績のある布陣で期待されていましたが、期待通りのものとなっています!
これから政治も絡んで来ると思うので、一体どんな展開になるか楽しみです!