映画『エイスグレード 世界で一番クールな私へ』は、自分らしくいたいのに自信がなく、勇気が持てない、どこにでもいる女子中学生の日常の物語。
学校では内向的で、除け者扱いされている少女。
あらゆる経験を通して、少しずつ成長していく姿を描いた青春映画です。
- 主人公の少女は、どこにでもいる普通の女の子
- 人間誰もが持つ当たり前の話です
- 共感性の高い物語に誰もが同調するでしょう
生まれた時からインターネットが当たり前の年代、ジェネレーションZ(デジタルネイティブ世代)を題材にしている点が見どころです。
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目次
『エイス・グレード 世界で一番クールな私へ』作品情報
作品名 | エイス・グレード 世界で一番クールな私へ |
公開日 | 2019年9月20日 |
上映時間 | 93分 |
監督 | ボー・バーナム |
脚本 | ボー・バーナム |
出演者 | エルシー・フィッシャー ジョシュ・ハミルトン エミリー・ロビンソン ジェイク・ライアン ダニエル・ゾルガードリ |
音楽 | アンナ・メレディス |
【ネタバレ】『エイス・グレード 世界で一番クールな私へ』あらすじ・感想
普遍的なテーマだからこそ、伝わるメッセージ
エイスグレード。
この言葉の意味は、アメリカの学校では8年生を指します。日本では中学2生にあたる学年のことです。
映画『エイス・グレード 世界で一番クールな私へ』は、YouTubeやインスタグラム、Facebookなど、今話題のSNSを使用して活動をしている今どきの若者を題材にしています。
物語の主人公は、中学卒業間近のケイラ。
彼女の中学校生活の数年間は、内気な性格のためか友達もできずにいました。毎日無口のまま過ごすばかり。
話し掛けようにも話し掛けれず、いつも除け者にされ、まるで空気みたいな扱いを受けています。
スクール・カーストで例えるなら、下層ランクに属するケイラ。
本当に根暗に見えて仕方がない彼女が日課にしていることは、毎日家でYouTubeの映像を作成しネットにアップすること。
その上、動画の内容は自信のない誰かのために助言・アドバイスをしてあげるという優しさに満ち溢れた動画をアップしています。
学校では内気な性格でも、家に帰れば、毎日動画を作成している彼女の姿は輝きを放っています。
画面の向こう側にいる自信のない相手に笑顔でエールを送るケイラは、どこか眩しくかっこよく見えます。
動画をアップする本来の目的は、困っている人のために役立ちたいと始めた彼女の優しさでしたが、その内容はまさにケイラの本心そのもの。
彼女の自信のなさが、画面を通して伝わってくるのです。
自分らしくありたい、自信を付けたい、勇気が欲しいと思う気持ちは誰だって持っているはず。
ケイラが持つ日常的な悩みは、みなさんが抱く悩みと同じなのです。
これは学生だけの話じゃない
本作の主人公ケイラは、中学卒業間際の女の子です。
ちょうど大人と子供の中間ぐらいの年齢。
子供らしくもあり、大人に成長しようと背伸びをしている年頃でもあります。
彼女自身が、学校で、もしくは家庭でどう在りたいのか。その悩みがスクリーンから伝わってくるのです。
学校では誰とも話さず無口を通す女の子。
アメリカには、学年末に最優秀生徒を選抜する投票があるようです。
その賞レースには数あるトロフィーの中に、無口賞という一年で誰が一番寡黙だったのかを決める賞があります。
そんな採決で大事な一年を決めてほしくもないですが、ケイラが「無口賞」に選ばれた時、何とも嬉しそうな表情を見せる場面があります。
きっとこの時だけが、彼女にとって一年で一番輝ける日なのでしょう。
学校ではいつもぼっちのケイラが拠り所にしているのはネットの中だけです。
友達の母親に誘われて嫌々ながら誕生会に出席するシーンでは、彼女はパーティーの前にある動画をYouTubeにアップします。
そこには、バースデー・パーティーに初めて参加する彼女自身が、自分に対して励ます動画を作成していました。
新しい場所に初めて行くときの心構え。一歩前に出る勇気。
何に対してもチャレンジ精神を持つことが大切だと、彼女は教えくれています。
慣れない場所に行き、慣れない人と会うことは、とても緊張するもの。
必死で新しい環境に順応しようとするケイラを見ていると、とても応援したくなるのです。
数年後の自分が後悔しない今の過ごし方
学校で過ごすケイラは、いつも仲間外れ。
人気の女子たちのグループには入れてもらえず、好きな男の子にもアプローチすらできません。
それは、自分に自信がないからでしょう。
そんなことはケイラに限らず、誰もがみんな不安に満ちた毎日を過ごしているんじゃないかと思います。
私は本作に対してすごく共感を感じて止みません。ケイラ自身の考えてることや感じてることに対して、同調の気持ちを抱きます。
学校ではつま弾きにされて、家庭では父親に当たってしまう彼女は、思春期特有のこじらせ方をした女の子なのです。
それでも、唯一の希望は自分の主張を公表できるネットの世界が、彼女にとっての居場所でした。
本作の途中とラストで、ケイラは数年後の自分に宛てた動画を作成しています。
中盤では、輝きに満ちた学園生活を夢見る少女として、終盤では現実を知った上で、高校を卒業した前提で未来の自分にメッセージを送っているのです。
この場面は、私の中でもハッとさせられました。
ケイラのように、数年後、いや一年後、私自身がどのような道を歩んでいるのか、どのような人間になっているのか。
今からでも思い描いて後悔しない「今」にしておこう、と言われているような気がしてならなかったのです。
本作『エイス・グレード 世界で一番クールな私へ』は、数年後に後悔しないように、今どんな生き方が大切かをストレートに投げ掛けてくれている素晴らしい映画です。
『エイス・グレード 世界で一番クールな私へ』まとめ
明日公開❗️『#エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ』町山智浩さん @TomoMachi のコメントをご紹介👌
《アメリカのエイス・グレード(8年生)は日本の中二。「学校どう?」と父親が尋ねても「別に」としか答えない年頃。その「別に」の中身を見せてくれるのがこの映画。親御さん、必見です!》 pic.twitter.com/gTdzL8wd11
— 映画『エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ』9月20日(金)全国ロードショー! (@EighthGrade_JP) September 19, 2019
以上、ここまで映画『エイス・グレード 世界で一番クールな私へ』について紹介させていただきました。
- 普遍的なテーマがゆえに、共感を呼びます
- どの年代の人にも、通じるストーリーです
- 数年後、あなたは何をしているかを思い描き、後悔しない今を過ごしましょう
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