映画『永遠に僕のもの』あらすじ・ネタバレ感想!アルゼンチンの犯罪史に残る美しすぎる連続殺人鬼の記録

映画『永遠に僕のもの』あらすじ・ネタバレ感想!

出典:『永遠に僕のもの』公式ページ

アルゼンチンで実在した殺人鬼カルロス・ロブレド・プッチの犯罪歴を映像化。

逮捕当時、黒の天使と呼ばれた少年の動向に注目。

ポイント
  • アルゼンチン史上、最低最悪な少年犯罪
  • 永遠に彼のものにできなかったのは何か?
  • 少年犯罪と同性愛

捕まるまでの間に、11の殺人と殺人未遂、17回の強盗、1人に対するレイプ、そして1人の性的虐待と誘拐および窃盗で有罪になりました。現在も彼は、獄中で暮らしています。

これほどまでに、凶悪な事件を起こした少年の生い立ちが、どのようなものだったのか。

この点を掘り下げていきたいと思います。

映画『永遠に僕のもの』作品情報

映画『永遠に僕のもの』作品情報

出典:映画.com

作品名 永遠に僕のもの
公開日 2019年8月16日
上映時間 118分
監督 ルイス・オルテガ
脚本 セルヒオ・オルギン
ルイス・オルテガ
ロドルフォ・パラシオス
出演者 ロレンソ・フェロ
セシリア・ロス
ルイス・ニェッコ
メルセデス・モラーン
ピーター・ランサーニ
チノ・ダリン

映画『永遠に僕のもの』あらすじ


1971年のアルゼンチン・ブエノスアイレス。

美しい少年カルリートス(ロレンソ・フェロ)は幼いころから他人のものを手に入れたがる性分で、思春期を迎え窃盗が自分の天職だと悟る。

新しい学校で出会ったラモン(チノ・ダリン)と意気投合したカルリートスは、二人でさまざまな犯罪に手を染め、やがて殺人を犯す。
出典:シネマトゥデイ

映画『永遠に僕のもの』みどころ

映画『永遠に僕のもの』みどころ

自分が望むものを手に入れるために犯罪を重ねる少年を描いたクライムドラマ。

美しい容姿から「ブラック・エンジェル」「死の天使」といわれた、アルゼンチンの犯罪史に残る連続殺人犯がモデルの主人公をロレンソ・フェロが演じ、『オール・アバウト・マイ・マザー』などのセシリア・ロスらが共演。

『トーク・トゥ・ハー』などの監督であるペドロ・アルモドバルがプロデュースを務めた。
出典:シネマトゥデイ

映画『永遠に僕のもの』を視聴できる動画配信サービス

『永遠に僕のもの』は、下記のアイコンが有効になっているビデオ・オン・デマンドにて動画視聴することができます。

なお、各ビデオ・オン・デマンドには無料期間があります。

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注意点
  • 動画の配信情報は2019年9月7日時点のモノです。
  • 動画配信ラインナップは変更される可能性もありますので、登録前に各サービスの公式ページにて必ずご確認ください。

ご覧のとおり、2019年9月7日現在はどこのビデオ・オン・デマンドでも配信開始となっておりません。

動画配信が開始になり次第、追って情報を掲載させていただきます。

【ネタバレあり】映画『永遠に僕のもの』感想レビュー

アルゼンチン史上、最低最悪な少年犯罪

本作『永遠に僕のもの』は、作品の冒頭から、すでにいい意味で観客を置いてきぼりにしてぶっ飛んだ演出をしています。

と言うのも、物語の始まりから、さっそく強盗の場面に入るのです。

飄々ひょうひょうとした主人公カルリートス、別名カルロスが他人の家に勝手に上がり込むところから本編が始まります。とても斬新な演出です。

映画の頭からすでにドキドキする場面が続き、緊張し通しでした。

強盗の手口も雑すぎます。手袋なんて着けず、指紋をベタベタ残す行動ばかり。

捕まってもいいという感覚か、自分の行動に自信があるのか、大胆な子供です。

ただ、少年はお金が欲しい訳でもなく、宝石や高価なものが欲しい訳でもなく、強盗という悪事が彼にスリルを与えているように感じます。

なぜ、他人のものを盗んでしまうのでしょうか?

寂しかったからなのか?誰かに構ってほしかったからなのか?それは、彼にしかわからないこと。

中流家庭に生まれ育って、何不自由なく生活するどこにでもいる少年は、いつどこで道を外してしまったのだろうか?

罪を繰り返し犯すカルロスは、不感症で度胸の座った少年です。でも、どこか子供っぽい考え方も目立ちます。

もっと後先のことを想像して行動すればいいのにと、観ていて歯痒く感じました。

特に、映画の最後に警察署から逃げた後に親に電話をするのはわざとなのか、計算なのか、まったく想像できなかったです。

そんな稚拙な行動が、肝が座った強盗の姿とは正反対に描かれています。

永遠に彼のものにできなかったのは何か?

カルリートスは、自分のものは自分のもの。他人のものも自分のものという考えを持っています。

世間一般が思う常識とは、少し欠け離れた思考の持ち主です。

強盗の場面では、どんな高価な物であっても平気な顔して乱暴な扱いをしています。

まるで、さも自分が所有しているように振る舞うのです。

この行動こそが、人や物に執着しない心の現れではないでしょうか?

だから、平然と無人の店に入り、略奪を繰り返すことができるのです。

あらゆる手段を使ってでも、彼は自分の手中に欲しいものを収めていきます。

強盗が得意なカルリートスでも、ただひとつ彼の所有物にできなかったものがあります。

それは、人から受ける愛や優しさではないでしょうか?映画の中での親子関係が、希薄なように見受けられます。

カルロスの親は、どちらかと言えば放任家庭です。

彼が犯罪の世界に足を踏み入れてからようやく重い腰を上げて、息子を探す姿が作中でも印象的でした。

その上、どうも私から見れば、息子への親の愛情が足りないように見えてなりません。

特に、頭の中の記憶として残っているシーンは、終盤のカルロス親子が食卓を囲む場面です。

唐突に、両親の前に大金を取り出すカルロス。

父親は怪しいお金だと察しながら、まったく叱る様子がないのです。

もっと最悪なことは、通報するわけでもなく夜な夜なこっそりその大金を土に埋めてしまいまっています。

子供を叱らない上に、お金を隠そうとする行動は、彼の家庭に愛情が欠如しているように感じ取れます。

放任や甘やかしの結果、アルゼンチン史上最悪の少年犯罪者が誕生したのではないでしょうか?

カルロスは、欲しいと願っていた親の愛を違う誰かに求めたのでしょう。

それが、強盗のパートナーになるラモンに向けたに違いありません。

ただ本作が描く同性への想いは、愛情か、友情か、判断が難しい。

宝石でも銃でも簡単に自分のものにするカルロスが容易く手にできなかったのは、ラモンへの愛です。

だから、永遠に自分のものにしたくて、彼はあんな衝撃的な大事故を起こしたのです。

この交通事故のシーンは、息を呑むほどショックを隠せなかったです。

少年犯罪と同性愛

本作では、犯罪のパートナーであるカルロスとラモンとの関係性が気になるところです。

最初の宝石店で強盗に押し入る場面がポイント。

カルロスが身に着けた宝石を見て、ラモンが一言「まるでマリリン・モンローみたいだ」と褒めるシーンがあります。

この辺りから、カルロスも相手を意識するようになったのかもしれません。

特に、本作はラモンを想うカルロスの純粋な気持ちも同時進行で描かれています。

勇敢な姿を見せる盗みの場面以上に、同性への恋心を妖艶に魅せる立ち姿や分厚い唇、下着だけの彼がもっとも印象的です。

でも、どれだけカルロスがモーションをかけても、ラモンは振り向いてくれません。

相手にしてくれないことに腹が立ったのかはわかりません。

ただ、重大な事故を起こして、好きな相手を“永遠に自分のもの”にしようとするカルロスは天使の仮面を被った悪魔でしょう。

本作は、同性愛の雰囲気を醸し出しながらも、友情や裏切りなどを要素として取り入れている点に注目してもいいでしょう。

物語の最後で、もぬけの殻となったラモンの家を訪れるシークエンスが、何とも言えない物悲しさがあります。

かつて、恋愛感情を抱いていた親友はもういません。

誰もいない、空き家となった家のベッドで横になる瞬間の、彼の喪失感は計り知れないものだったに違いないです。

カルロスの真意は想像できないし、彼を擁護する必要もないと思いますが、10代という若者が犯罪に走った経緯を考え、知る必要はあると思うのです。

若くして罪を犯す人間は、少なからず日本にもいることを忘れてはなりません。

その子供たちと世間がどう向き合っていくのかが、これからの課題です。

映画『永遠に僕のもの』まとめ

以上、ここまで映画『永遠に僕のもの』について紹介させていただきました。

要点まとめ
  • アルゼンチン史上、もっとも劣悪な犯罪者の生態
  • カルロス役を務めたロレンソ・フェロの美しさは、まさに「黒の天使」を再現したキャスティング
  • 欲望や衝動を抑えられない要因は家庭環境にあったのでは?