待望のディズニー実写化作品。
ここ数年、ディズニー会社が立て続けにアニメ作品を映像化する傾向が見受けられます。
本作『ダンボ』もまた、その作品群のうちの一本。私たちが待ち望んだティム・バートン監督の最新作でもあります。
1941年にアニメが公開されてから、78年の時を越え映画化されました。
耳の大きな子象が、あらゆる困難を乗り越えて、人間の家族と共に母親の元へと帰る冒険を映し出したファンタジー映画。
幼い象が巻き起こす奇跡の数々に、誰もが心を奪われます。
ダンボが遭遇する過酷な現実。あなたも健気に頑張る子象を応援したくなること間違いなし。
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目次
『ダンボ』作品情報
作品名 | ダンボ |
公開日 | 2019年3月29日 |
上映時間 | 112分 |
監督 | ティム・バートン |
脚本 | アーレン・クルーガー |
出演者 | コリン・ファレル マイケル・キートン ダニー・デヴィート エヴァ・グリーン ニコ・パーカー フィンリー・ホビンス アラン・アーキン |
音楽 | ダニー・エルフマン |
【ネタバレ】『ダンボ』あらすじ・感想
ファンタジーと言えばティム・バートン
ファンタジー映画を作る監督なら、ティム・バートンの右に出る者はいません。
デビュー当時から30年以上に渡り、一貫して似たような作風を作り続けています。
出世作にもなった『シザーハンズ』を皮切りに、絶え間なく類似の作品に力を注ぎ続けてきた彼の功績は大きいです。
まさに、独特な世界観を表現できるのはティム・バートン監督の持ち味でしょう。
誰の心にも響く彼の作品は、唯一無二です。私個人的には『ビッグ・フィッシュ』には強く感銘を受けました。
本作『ダンボ』では、既存のアニメーション作品を元に、バートン節が炸裂した世界にひとつだけの映画となりました。
仮定の話になってしまいますが、もしウォルト・ディズニーが存命だったなら本作を観て何を思うでしょうか?
アニメ映画として製作された『ダンボ』が実写化される時代が訪れるなんて、誰が想像できたでしょうか?
本作を観たウォルト・ディズニーは、もしかしたら喜び感涙したかもしれません。もしくは、気に入らなかったかもしれません。
それは、仮定の世界。それでも、現代の技術で蘇った子象のファンタジー・アドベンチャー。
SF映画の巨匠ティム・バートンでなければ、名作アニメ『ダンボ』の実写化は実現できなかったと思います。
余談ですが、ダンボが酔っ払ってピンクの象の幻想を見る場面はとても忠実に再現されていて、目を見張るものがあります。
このシーンを観るだけでも、価値があります。
物語の設定を大きく変えた製作サイドに脱帽
本作には、少なくともちらほらと悪い評判も聞こえてきています。
物語の展開が王道、オーソドックス、定番などどこにでもあるようなストーリーが退屈だと言う意見もあります。
確かに、高らかに家族愛を謳う内容には既視感もあったりするものです。
でも果たして、本当に味気ない作品なのでしょうか?私としては、退屈だと一言で終わらせたくありません。
少し違う視点で考えれば、本来のストーリーを大きく改変された脚本には製作者サイドの冒険心が伺えます。
オリジナル・アニメーションの『ダンボ』は、子供向けのアニメのようで実際にはシビアな物語の構成になっています。
例えば、主人公のダンボは奇形児です。
耳の大きい変わった子象をいぶかしく扱う大人の象の群れは、まるで村八分を見ているようです。
また、ピエロたちがステージでダンボをけしかける場面は、まるでいじめのようです。
さらに、道中に出会うカラスたちは、黒人として描かれています。
誰からも愛されず、罵られ、いじめられたダンボ。
彼に力や勇気を与えるキャラクターは、みんなどこか除け者にされている人物として描かれています。
ダンボは秘められた可能性を信じ、大きな耳で大空を飛び回ります。
今まで彼をいじめて来た大人の象やピエロたちに、復讐をする勧善懲悪の物語なのです。
ただ、1941年に製作された映画のストーリーが現代に釣り合うかと言えば、適してないと言ってもいいのかもしれない。
奇形児のダンボは主人公なので設定を変えれない。
中心となるダンボ以外の設定を大きく変えて製作された実写版『ダンボ』の脚本には、製作サイドの熱意が感じられます。
いじめられたダンボが仕返しをする物語から、家族愛を全面に押し出した実写作品に新しく生まれ変わっています。
まったく新しい『ダンボ』として考えてみれば、楽しめるのではないでしょうか?
家族愛は未来永劫、変わらないテーマ
本作『ダンボ』は、一言で言えばどの世代が観ても見劣りしない作品です。
家族愛という普遍的なテーマを取り入れた作品には、誰にでも通じる心情があると思います。
さぞかし既視感があっても、面白味に欠けてても、私にはどんな主題でも心に響くものがあると信じています。
なかには本作に対して否定的な考えを持っている方もおられるでしょう。
けれども、家族愛と言う主題は、何年、いや何十年経っても変わらない大切なテーマです。
家族に対する愛はジャンルが違っても、今後も同じ題材で語られるべきものなのです。
少し余談になりますが、私が考察する映画『ダンボ』には、もうひとつ隠れた主題があると思っています。
母親と引き離され孤独となったダンボは、まさに迷子の子象だと思うのです。
大きな耳と言う奇形もまた、彼が抱えるアイデンティティ。
空を飛べることができるまでの彼も、まさに自分のことが分からない迷子と言ってもいいのかもしれない。
当サイトでも記事にしている映画『バジュランギおじさんと、小さな迷子』と通じるテーマが本作にもあるのではないかと思います。
『ダンボ』まとめ
ディズニー実写版映画「ダンボ」が全米4259館で公開され、OP興収4500万ドルで首位デビュー。空を飛べる子象ダンボの感動物語を「アリス・イン・ワンダーランド」のティム・バートン監督が映像化。マイケル・キートン、コリン・ファレル、エヴァ・グリーン、ダニー・デヴィートら出演。 pic.twitter.com/gkrRcOA07r
— 映画情報 オスカーノユクエ (@oscarnoyukue) March 31, 2019
最後に話を戻して、どの世代にも共通するテーマ。
家族愛を扱った本作は、特にお子さんと一緒に家族で観てほしいファミリー映画です。
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