ヒュー・ロフティング原作の児童文学作品「ドリトル先生」シリーズの舞台を1990年代のアメリカに変更し、コメディ作品としてアレンジした映画『ドクター・ドリトル』。
1998年に第1作が公開、後に続編が発表され、人気シリーズとなりました。
“動物と会話ができる医師”であるドリトル先生のポップな人柄は、時代を超えて老若男女に愛されています。
演じたエディ・マーフィにとってはハマり役で、文句なしの代表作となりました。
2020年6月19日にはアイアンマンを演じたことで知られる俳優、ロバート・ダウニー・Jrを主演に迎え、新たな『ドクター・ドリトル』が公開されます。
- 童文学作品をファミリー映画にアレンジ!
- 動物と人間の笑って泣ける温かい物語
今回はそんな再び注目を浴びている映画『ドクター・ドリトル』をネタバレありでご紹介します。
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目次
『ドクター・ドリトル』作品情報
作品名 | ドクター・ドリトル |
公開日 | 1998年12月19日 |
上映時間 | 84分 |
監督 | ベティ・トーマス |
脚本 | ナット・モールディン ラリー・レヴィン |
原作 | ヒュー・ロフティング |
出演者 | エディ・マーフィ オシー・デイヴィス オリヴァー・プラット ピーター・ボイル リチャード・シフ クリステン・ウィルソン カイラ・プラット レイヴン・シモーネ |
音楽 | リチャード・ギブス |
【ネタバレ】『ドクター・ドリトル』あらすじ
ジョンの過去と現在
ジョン・ドリトル(エディ・マーフィ)は子供の頃、動物と話ができるという能力を持っていました。
その能力を使って愛犬と会話をしたり遊んだりしていると、父親(オシー・デイヴィス)はジョンが異常をきたしたと思い、愛犬と引き離されてしまいます。
保健所に送られてしまった愛犬を見て、ジョンは動物と会話をしないと決めました。
それから数十年、大人になったジョンは医者として働いていました。
動物と会話ができたことなどすっかり忘れ、妻のリサ(クリステン・ウィルソン)と2人の娘と共に平穏な暮らしを送っています。
一方、ジョンの働く病院は大手製薬会社との合併の話が進んでいました。
仕事仲間のマーク(オリヴァー・プラット)はノリ気ですが、ジーン(リチャード・シフ)は乗っ取られることを危惧しています。
製薬会社との会合を翌日に控えたある日、ジョンは家族とキャンプに出掛ける予定でしたが、リサと娘2人を先に向かわせ、自分は後から追いかけることにします。
娘のマヤ(カイラ・プラット)は、飼っているモルモットが逃げたと嘆いていました。
そんなこともつゆ知らず、ジョンが家で明日の会合の準備をしていると、マヤのモルモットがベッドに潜りこんでいることに気付きます。
ジョンは驚き、モルモットをかごの中へ入れました。
子供の頃とは打って変わって、動物嫌いになっていたのです。
どうにかモルモットを仕舞って寝ようとすると、病院から連絡が入り急いで向かうことになります。
しかし、蟹アレルギーの常連患者が騒いでおり、注射を打つだけでした。
ただそれだけで呼ばれたのかとジョンは憤ります。
蘇る能力
蟹アレルギーの常連患者を診た後、機嫌が悪かったジョンは車を飛ばし、ついよそ見をしてしまいました。
そして、1匹の犬を轢いてしまったことに気づいてハッとします。
しかし、轢いたと思った犬(ノーム・マクドナルド)は何事もなかったかのように立ち上がり、「どこ見て運転してんだ!」とジョンに暴言を吐きました。
ジョンは犬の言葉が理解できたことに驚愕し、これは夢だと自分に言い聞かせます。
翌日、製薬会社との会合に向かったジョンは、馬やハトなど様々な動物の声が聞こえるようになったことに気づきます。
ジョンは混乱して大事な会合を抜け出してしまい、そのままマヤのモルモットを連れて、家族が待つキャンプ場へと向かいました。
道すがら、モルモットのロドニー(クリス・ロック)が「田舎の空気は美味い」と言い、ジョンは当たり前のように返事をします。
ロドニーは返事が返ってきたことに驚き、ジョンもまた会話が成立したことに驚きました。
ジョンがロドニーの言葉を理解できたように、ロドニーもジョンの言葉を理解できたのです。
ロドニーは会話が成立したことに気づき、ご機嫌でした。
ジョンは再び混乱しますが、テンションが上がって話し続けるロドニーを煩わしく感じ、車のルーフに括りつけます。
キャンプ場に着き、リサとベッドでくつろいでいると、フクロウ(ジェナ・エルフマン)が窓ガラスを叩きました。
フクロウが「羽に刺さった棘を抜いて欲しい」と言うので、ジョンは取り除いてやりました。
フクロウは、ジョンの存在が動物たちの中で話題になっていることを告げます。
すると、ジョンのところには様々な動物がやって来ました。
自分の頭がおかしくなっていると思い始めたジョンは家族を置いて先に家へ帰り、病院で脳の検査を受けます。
その帰り、ジョンが轢きかけた犬が保健所に連れていかれそうになっているのを見つけ、思わず助けてしまいました。
その後、電話口でマヤに犬の声を聞かれてしまったことからペットとして飼うことになり、犬はラッキーと名付けられます。
動物の患者たち
キャンプを終えて家に戻ってからも、動物の患者が度々やって来ます。
ある日、酔っ払いのサル(フィル・プロクター)が「檻から出たサーカスのトラが自殺しようとしているから助けてくれ」と言いに来ました。
ジョンはラッキーと共にトラの元へと向かいます。
トラは塔の上で、視界のブレや頭痛などの症状を訴えました。
ジョンはトラを説得してサーカスへと連れ帰り、サーカスの責任者にトラが頭の病気だということを伝えます。
しかし、責任者は全く聞く耳を持ちません。
それでも、患者と向き合えた事実に対して、ジョンはどこか幸福感を感じていました。
また別の日、ドブネズミ(レニ・サントーニ)が友達を助けてくれと頼みにやって来ます。
病院の診察室へ連れていき、ジョンは治療を始めました。
それを見ていたリサとジーンは、ネズミを治療しているジョンの姿に戸惑いを覚えます。
心臓が止まってしまったネズミに人工呼吸をしているジョンを見て、リサは精神病院に入院させようと決めました。
あくる日、入院中のジョンの元にラッキーがやって来て、サーカスのトラの体調が思わしくないことを伝えます。
しかし、精神病院に入院したことで、動物と会話ができる自分に嫌気が差していたジョンは、ラッキーを追い払ってしまいました。
ラッキーはそんなジョンを罵倒し、病院を後にします。
ジョンは院長のペットの猫から聞いた弱みを利用し、退院することに成功。
退院後は動物の治療はせずに、製薬会社との合併案を進めていました。
一方、マヤは動物と会話ができるジョンのほうが良かったと言い、生き物に対して興味がある自分はジョンに嫌われているんだと夢を諦めようとします。
マヤの真っ直ぐな気持ちを知ったジョンは、ラッキーを連れてトラを助けに行くことにしました。
動物と人間
ジョンはラッキーと共に何とかサーカスからトラを連れ出し、病院へ向かいます。
病院では製薬会社との記者会見が行われようとしていましたが、製薬会社側の責任者・キャロウェイ(ピーター・ボイル)は、ジョンが不在なら契約は中止だと言い放ちました。
その頃、ジョンはトラを診察室へと連れていきますが、同僚のマークとジーンがやって来て、トラを見て困惑します。
ジョンはトラの手術に協力して欲しいと頼み、そのことに対してマークが怒りますが、ジーンに殴られ気絶してしまいました。
ジーンが協力してくれることになりましたが、手術室へ行くには記者会見の会場を通らないといけません。
ジョンとジーンは気絶したマークを診察台に載せ、下にはトラを隠し、移動することに決めます。
ところが、会場でキャロウェイに見つかってしまったジョンが記者会見をすることになった挙句、途中でトラが診察台から出てきてしまうというハプニングが起きました。
会場は大パニックに陥りますが、ジョンは動物と会話ができること、手術しなければトラが死んでしまうことを公言。
ジーンと共に手術を始めます。
リサはそんなジョンに不安を感じましたが、ジョンの父親が「ジョンは本当に動物と会話ができる」とリサに伝えました。
病院の外には警察が集まっていましたが、手術の邪魔をさせないために動物たちが必死に阻止。
ジョンはいよいよトラの脳腫瘍を探し始め、ジョンを信じることにしたリサは怖がるトラをなだめます。
無事に腫瘍を見つけたジョンは腫瘍の除去に成功。
その瞬間、動物と人間が共に歓声をあげました。
キャロウェイは感激し、合併に合意しようとします。
しかし、ジョンのほうが断り、医者として生きていく覚悟を決めたのでした。
後日、ジョンはラッキーに「これからは人間と動物の両方を診る」と語りかけます。
ラッキーはその言葉に対し、「これからは人間と同じ食卓で食事をする」と言い返しました。
【ネタバレ】『ドクター・ドリトル』感想
舞台の変更と“ドリトル先生”の人柄
原作の舞台はヴィクトリア朝時代のイギリス。
その設定をガラッと変えて、1990年代のサンフランシスコに舞台を移したシリーズです。
そのため、主人公であるドリトル先生のキャラクターも、名前と“動物と会話ができる医師”という性質以外は別のものにアレンジされました。
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本当に動物と話せるような能力があって、動物の世界に入り込めるんだとしたら楽しいだろうな、と思わせる一方で、人と違う性質や感性はなかなか周囲に理解されないというテーマも打ち出されています。
動物と会話ができるなんて大の大人が言ったら、変わり者だと思われてしまうのも自然なこと。
家族だろうが親しい友人だろうが、すんなり受け入れられるものではないかもしれません。
実際にドリトル先生も、父親と妻から精神異常者扱いされ、自身も能力にうんざりする瞬間があったり…。
それでも、前向きで明るいストーリーとなっているのは、エディ・マーフィのポップでユーモアのある演技あってのものなんだと思い知らされます。
urara
そんな風に思わせてくれるラブアンドピースな作品です。
大人も子供も楽しめる、心温まるコメディ映画になっています。
『ドクター・ドリトル』まとめ
いかがだったでしょうか。
動物と話せる医師、ドリトル先生が大活躍のストーリー。
ぜひ、一度ご覧いただきたいです。
また、最新作『ドクター・ドリトル』は2020年3月20日公開。
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