2021年8月27日から配信され、今注目を浴びている韓国ドラマ『D.P. -脱走兵追跡官-』。
『よく奢ってくれる綺麗なお姉さん』などの作品でブレイクしたイケメン俳優チョン・ヘインと『新感染半島 ファイナル・ステージ』のク・ギョファンがコンビを組んでさまざまな理由で軍を離脱した兵士たちを追跡します。
2015年に発表されたウェブトゥーンの「D.P.犬の日」のドラマ化で、監督は映画『コインロッカーの女』のハン・ジュニが全6話を担当し、原作者であるキム・ボトンも脚本に参加。
韓国では社会問題になっている脱走兵問題、軍隊での年功序列や階級重視による熾烈ないじめやしごきなどの実情をリアルに描き出しました。
マルコヤマモト
目次
韓国ドラマ『D.P. -脱走兵追跡官-』作品情報
作品名 | 『D.P. -脱走兵追跡官-』 |
配信開始日 | 2021年8月27日 |
話数 | 全6話 |
監督 | ハン・ジュニ |
脚本 | ハン・ジュニ
キム・ボトン |
出演 | チョン・ヘイン
ク・ギョファン キム・ソンギュン ソン・ソック |
原作 | キム・ボトン |
韓国ドラマ『D.P. -脱走兵追跡官-』あらすじ
闇を抱えた脱走兵たちを追跡するD.P.
兵役1日前まで宅配ピザ店でのバイトに勤しんでいたアン・ジュンホ(チョン・ヘイン)。
バイト代がもらえず店のバイクを奪って売り飛ばし、得たお金を母親へ送金した翌日にジュンホは韓国の男子が全員負う兵役の義務を全うするため軍に入隊。
5ヶ月の厳しい訓練を受けた後、身長が175センチ以上という条件だけで憲兵部隊へ配属されました。
憲兵第3小隊の兵長であるファン・ジャンス(シン・スンホ)は後輩たちに理不尽な扱きをすることで有名な人物で、特にジュンホの先輩で誰にでも優しい漫画家志望のチョ・ソクポン(チョ・ヒョンチョル)に対するいじめは特に酷いものでした。
ファン・ジャンスは「顔が気に入らない」という理由でジュンホを目の敵にしますが、ボクシング経験があるジュンホが攻撃から身を交わすと一目置くようになります。
ある日、部屋に現れたジュンホは上司のパク・ボムグ(キム・ソンギュン)に呼び出され軍脱担当官(脱走追跡官)になるように提案されます。
上等兵のパク・ソンウ(コ・ギョンピョ)とコンビを組んだジュンホの最初の任務は、軍歌の覚えが悪いという理由でいじめをうけて脱走したシン・ウソクを捕えること。
しかしソウルの街に出ると遊び人のソンウは任務そっちのけで友達のいるクラブへ。
無理矢理飲まされたジュンホがタバコを吸いに外へ出ると、「火を貸してほしい」という青年が近づいてきました。
何の気なしに青年にライターを貸したジュンホは、クラブの中へ戻るとカラオケを歌ってそのまま眠ってしまったのです。
しかし夜遅くに激怒したボムグから電話が入り、ターゲットであるウソクがモーテルで着火炭を使った自殺を図ったことを知らされます。
自分がライターを貸してしまったがためにウソクが自殺したという事実に気づいたジュンホは自分の行動に責任を感じて狼狽しますが、ソンウはモーテルの外で聞き込みをしていたとボムグに対して平気で嘘をついたのです。
「昨日のことは誰にも言うな」と口止めを求めるウソクに対してジュンホの怒りが爆発。
「人が死んでいるんだぞ!」と何度も何度も叫び、ウソクを殴り続けました。
新たに赴任した補佐官のイム・ジソプ(ソン・ソック)によってウソクは任務解除され、代わりにやってきたのは軍病院から退院してきた上等兵のハン・ホユル(ク・ギョファン)。
ジュンホの新たな上司となったホユルはやりたい放題のウソクを殴ったことを素直に褒め、今後は俺についてくるようにと念を押します。
ボムグは2人に、仁川駅で目撃されて以来2ヶ月行方不明の脱走兵チェ・ジュンモクの追跡を命じました。
ウソクとはやり方が全く違うものの、どこか飄々とした雰囲気が危なっかしいハン・ホユル。
しかしホユルと共に行動するうちにジュンホはホユルの実力を理解し、またホユルもジュンホの身体的強さと推察力を信頼し、良き相棒へと変化していきます。
順調に脱走兵たちを追跡し捕らえていた彼らですが、ファン・ジャンスが除隊した後に温厚な性格だった漫画家志望のソクポンが脱走したことが判明。
「いじめるのは誰でもよかった」と言うファン・ジャンスの標的にされたソクポンは、除隊前にジャンスが全員に配った住所の場所へ向かっていたのです…!
自分を含め誰にでも優しく接してくれたソクポンの狂気の変貌ぶりに驚愕するジュンホは、柔道チャンピオンという経歴の持ち主でもあるソクポンに歯が立ちません。
自分をいじめた相手への復讐を果たすために暴走するソクポンは、ジャンスの元へ。
果たしてジュンホは優しかったソクポンを止めることができるのでしょうか…。
韓国ドラマ『D.P. -脱走兵追跡官-』感想【ネタバレあり】
見応えがある重厚なドラマ!
全6話ということで夜な夜な一気見してしまった『D.P. -脱走兵追跡官-』。
回を重ねるごとにのめり込んでいき、まるで長めの映画を観ているような充足感と最後は心にずっしりとくる重厚なドラマでした。
マルコヤマモト
緊張気味だったジュンホにも次第に余裕が出てきて、2人のバディを楽しむ感じに。
しかしやはり最後は韓国ドラマ。
ジュンホでもホユルでもなく、壮絶ないじめの被害者でありファン・ジャンスを襲い逃走した加害者になってしまったソクポンが全てを持っていきます。
壮絶ないじめによりまるで人が変わってしまったソクポン。
ファン・ジャンスを誘拐し逃走した後軍に囲まれ、最後は「お母さん」と呟いた後に自分の喉に銃を当てて発砲。
優しかった先輩を救えなかったジュンホの絶望、そしていじめの復讐を試みたソクポンの顛末には心を抉られます。
そして「やろうとしなければ何も変わらない」というソクポンの言葉を呟いた次のいじめの標的になった兵士が…!という衝撃的なラストにはっとさせられました。
マルコヤマモト
韓国の兵役義務と社会問題をリアルに描いたNetflix史上最高傑作!
『愛の不時着』『梨泰院クラス』『ヴィンチェンツォ』など世界的話題作を続々と生み出してきたNetflixオリジナルの韓国ドラマ。
2021年8月27日より配信開始となった『D.P. -脱走兵追跡官-』は韓国の兵役義務の闇をあぶり出し、早くもこれまでの韓国ドラマの中での「最高傑作」と呼ばれています。
ドラマ各話の冒頭で入るテロップの通り、韓国の全ての成人男性には約2年間の兵役義務があります。
マルコヤマモト
しかし今作で描かれるのは軍を舞台にした熾烈ないじめやしごきの様子。
マルコヤマモト
ホモソノリの延長だけでなく身体的精神的にキツいいじめからは目を背けたくなりますが、これはきっと実際に起こっていることなのでしょう…。
いじめる側いじめられる側だけでなく、傍観者たちがいることもリアルです。
マルコヤマモト
もう1つ『D.P. -脱走兵追跡官-』を鑑賞する上で知っておきたい出来事が、ドラマの舞台となった2014年に起こった軍内部の死亡事件と軍脱走兵による銃乱射事件です。
このことから軍の内部でいじめが日常的に横行していることは明らかで、ドラマのように精神的に追い詰められ脱走する兵士が年300人ほどいるということと、また今作を観た兵役経験者の中にはPTSDを発症した者もいるほどリアルに描かれています。
今作で起こっている出来事は韓国の軍隊に限ったことではなく、学校や会社、社会においての共通で誰にでも起こり得る問題です。
目を背けたくなる事実だからこそ、しっかりと直視して受け止めようというドラマから発せられるメッセージが見事。
マルコヤマモト
また、『D.P. -脱走兵追跡官-』は北朝鮮からも「韓国軍内部に蔓延する暴力行為や秩序の乱れを、腐敗像をそのまま暴露している」と注目されているようです。
バディものとしても見応えあり!シーズン2は?
韓国の軍隊を舞台にした重厚なドラマだけでなく、主人公のアン・ジュンホと彼の上司に当たるハン・ホヨルとのバディものとしても非常に見応えがあった『D.P. -脱走兵追跡官-』。
D.P.の風変わりな上司・ホヨルが登場したのが第2話で、直感と分析力が冴えるジュンホとコンビを組んで脱走兵たちを追跡する任務を遂行します。
ドラマ自体が全6話構成なので、2人の名コンビぶりを堪能できたのが2話、3話、4話だけだったので「面白くなってきたのに〜」というところで核心に迫る内容になり、バディものとしては少々物足りなさも感じました。
シリアスな雰囲気が多い物語の中で、ジュンホとホヨルのコミカルな掛け合いが唯一の癒しだったこともあり、「もっと癒してくれよ〜」という焦らされた気分になった方も多いはず。
マルコヤマモト
全6話という構成は見やすかったですが、ホヨルやファン・ジャンスの過去、ジュンホの家庭事情やらまだまだ描くことがたくさんあるぞ!という点ではシーズン2の製作に期待したいところです。
シーズン2の制作に関してまだ情報はありませんが、主演陣や制作陣からはやる気を感じるということ。
マルコヤマモト
SNSでのみんなの感想・評判
ネットフリックスでまた韓国の軍隊の脱走兵追跡班をテーマにしたDPというドラマが人気だけど、韓国は本当、自国の負の面を隠さずにこうやって作品化する。貧富格差もそうだし、民主化運動の弾圧の歴史も。こういう自己批判は、争いを恐れないからできるし民主主義の維持には欠かせない。
— 쿨파스 (@raymondpark0601) September 4, 2021
#DP 完走
2014年、韓国で本当にあった出来事。
脱走兵を追うことを通して浮き彫りになる軍隊の問題。あまりにも辛くて苦しい空間に直視することが出来なかった…
“いじめ”に必ず付き纏う”傍観者”。この傍観が被害者にとって如何に残酷か。これは他人事ではないからこそより多くの人に見て欲しい作品。 pic.twitter.com/do201HFOiO— 万里子 (@marikoon113) September 5, 2021
『D.P.脱走兵追跡官』完走。原作がウェブトゥーンとはいえ、自国の闇を赤裸々に衝撃的かつ重厚に描いている。原作者の実体験を元に…というリアルさ。主演2人は期待の上をいく熱演だった。笑顔封印のヘインくんにク・ギョファンの肩の力を抜いた雰囲気。サンチェスが迫真の演技で凄く良かった。 pic.twitter.com/VTouNWmgQP
— **** (@goigoiFab) September 3, 2021
脱走兵を追うスリリングな展開から軍部の問題を暴き出した社会派アクション
程度の差こそあれ
軍部だけでなく
会社や学校にもある問題
きっかけや理由は些細
加害者、被害者、諦観者
誰もがなりうる可能性あり
キャストの演技に心酔
オープニングから印象的
ラストまでガツンとズッシリくる作品 pic.twitter.com/WCa6s1AdsY— . ☕️♂️ (@kahokaho_kahoka) September 2, 2021
すでに全話鑑賞した方からも、高評価を得ている『D.P. -脱走兵追跡官-』。
韓国ドラマ『D.P. -脱走兵追跡官-』は、衝撃的なオープニングも話題になっています。
1人の人間が赤ちゃんの頃から成長する映像が映し出され、最後は大勢が集まる体育館で主人公のジュンホがふと後ろを振り返るというオープニング映像。
振り返った先には誰がいたのでしょうか?両親?それとも大切な人?その真相は描かれていませんが、それは誰にでも当てはめることができるでしょう。
マルコヤマモト
その先で起こるいじめやしごき、嫌がらせなども含めて『D.P. -脱走兵追跡官-』は、誰にでもどこの社会でも当てはまる物語。
マルコヤマモト
韓国ドラマ『D.P. -脱走兵追跡官-』あらすじ・ネタバレ感想
俳優さんの入隊でよくニュースになるけど、韓国の兵役ってどんな感じだろう?「#DP -脱走兵追跡官-」は、なかなか描かれることのない軍生活をテーマにした意欲作。フィクションとはいえ、オフショットからもいつになく厳しい雰囲気を感じます。主演はチョン・ヘインさん、ク・ギョファンさんです。 pic.twitter.com/1Qouek1OjD
— Netflix Japan | ネットフリックス (@NetflixJP) September 2, 2021
マルコヤマモト
Netflix韓国ドラマの中でも「最高傑作」と言われている『D.P. -脱走兵追跡官-』。
監督を務めたハン・ジュニがやれることの限界まで迫ったというリアルな描写と、キャストの魅せる演技は感動的です。
隠蔽体質がある日本ではこのような作品は作れないため、自国の社会問題や過去の歴史のブラックな部分を明るみにしエンタメに昇華するという韓国映画やドラマの手法は常に感心します。
恋愛ドラマとK-POPなどキラキラな韓国の面ばかり見ている人にとってはかなり衝撃的だと思いますが、現実問題としてしっかり受け止めるべき内容でしょう。
マルコヤマモト
また、どんな手法であれ問題提起をきちんとできる社会こそが健全なのでは?と思いました。
マルコヤマモト
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