2020年、とある9月の日、B級映画ファンに朗報が舞い込みました。
なんと、動画配信サービスU-NEXTにおいて、あの「トロマ・エンターテインメント」作品が劇場未公開作品を含む27作品も配信されることが発表されたのです!
- 40年以上にわたってB級・カルト映画を製作してきた伝説の映画会社
- トロマ作品が20作品以上が配信公開されることはとても貴重な出来事!
- 関根勤や永井豪もトロマ映画の大ファン
世界中で愛されるB級ともZ級とも言われるトロマ・エンターテインメント社。
マルコヤマモト
目次
【ネタバレ】『悪魔の毒々モンスター』シリーズを一挙紹介!
『毒々モンスター』の生みの親「トロマ・エンターテイメント」とは?
トロマ・エンターテインメント社は、映画監督・プロデューサー・脚本家・俳優とマルチに活躍するロイド・カウフマンとマイケル・ハーツが1974年に設立した映画会社で、設立当初から低予算のインディペンデント映画やB級映画の製作に特化しています。
笑えてグロくてちょっとエッチ、さらに度を越した物語が観客の間で話題になり、日本未公開の作品であってもビデオ化されることがしばしば。
関根勤、永井豪、ギャガの創設者である藤村哲也など、芸能界・映画界にも熱狂的なトロマファンがいることも事実です!
マルコヤマモト
【ネタバレ】『悪魔の毒々モンスター』(1984年公開)あらすじ・感想
記念すべきシリーズ1作目『悪魔の毒々モンスター』では、毒々モンスター誕生の瞬間が描かれています。
舞台は核廃棄物に汚染され、悪が蔓延る街「トロマヴィル」。
マルコヤマモト
街のスポーツジムで清掃員として働く主人公・メルヴィン(マーク・トーグル)は、不良たちの悪戯によって核廃棄物の入ったドラム缶の中に頭を突っ込んでしまい、姿は醜いが超人的な力を持つモンスターに変身してしまいます。
しかしながら悪を嗅ぎつける本能が携わったメルヴィンは、モップを片手に街にはびこる悪を一掃し始めたのです!
次第にメルヴィンの行動は評価され、毒々モンスター(ミッチェル・コーエン)は街のヒーローとして一躍街の弱者たちの人気者に。
ギャングに襲われていた盲目の少女・サラ(アンドリー・マランダ)と出会い恋に落ちるメルヴィン。
しかし、トロマヴィルが綺麗で安全な街になってしまうことを危惧した悪徳市長がメルヴィンを亡きものにしようと画策する物語です。
マルコヤマモト
物語的には子供に見せられるかどうかは別として、子供でもわかりやすい勧善懲悪ストーリー。
ひ弱な青年のメルヴィンが毒々モンスターに変身し、パワーを手に入れただけでなく声がイケメンになって物言いがはっきりする設定なんかも馬鹿馬鹿しくて笑えます。
絵に描いたような不良たち、絵に描いたような悪役が登場し、それを毒々モンスターが絵に描いたような形で成敗。
街の人々が毒々モンスターを守るために権力に立ちはだかる姿はまさに漫画的ですが、なぜか感動!?
マルコヤマモト
ギャングの手を縛って油で揚げたり身体ごとオーブンに突っ込んだりとめちゃくちゃで、怪力を持つモンスターらしい戦いっぷりが発揮されています。
『悪魔の毒々モンスター』には1作目だからこその単純さがあり、今作をきっかけにトロマ映画にハマる人が増えるのも納得です。
- U-NEXT / 見放題 / 31日間無料
【ネタバレ】『悪魔の毒々モンスター 東京へ行く』(1989年公開)あらすじ・感想
マルコヤマモト
毒々モンスターの大活躍によって平和で優しさが溢れる街に変わったトロマヴィル。
恋人のサラとともに視覚障害者の施設で働くメルヴィン(ロナルド・ファジオ)はそれなりの充実していたものの、かつての悪党退治の日々に思いを馳せていました。
そんな時、悪の秘密結社「アポカリプス社」がトロマヴィルを再び悪の巣窟へ戻そうと画策。
メルヴィンの通う精神科医を買収し、実の父親が日本の東京にいると騙してメルヴィンを街から追いやったのです。
父親探しのためににヨットで東京にたどり着いたメルヴィンは、ギャングに襲われているマサミ(桂木麻也子)という少女を助け、父親探しを手伝ってもらうことに。
しかし見つけ出した父親「ビッグ・マック」(安岡力也)は悪の親玉で、メルヴィンの力を奪う「アンチ・トロマトン」という薬を開発するアポカリプス社の手先だったのです。
ビッグ・マックを倒しトロマヴィルに戻ったメルヴィンが、自分がいない間に街を支配していたアポカリプス社の悪党共を一掃するという物語。
悪を一掃する本能が働き、自分の父親を殺してしまったことに戸惑いを覚えるメルヴィンでしたが、実は名前1文字違いの人違いというオチになぜかホッコリ(?)
マルコヤマモト
映画のお寺の垂れ幕を見たら昭和63年と書かれていましたが、このくらいの日本がもしかしたら一番面白いのでは、このめちゃくちゃな日本が現実だったらいいのに…とすら思ってしまいました。
マルコヤマモト
トロマ映画ファンの関根勤、永井豪が出演している演出も非常にハッピー!
関根勤のラジオ番組でロケを敢行したり、配給元の松竹の協力で歌舞伎座のロケもすることができたなど、いい時代だったなと感じます。
マルコヤマモト
- U-NEXT / 見放題 / 31日間無料
【ネタバレ】『悪魔の毒々モンスター 毒々最後の誘惑』(1989年公開)あらすじ・感想
マルコヤマモト
『悪魔の毒々モンスター 毒々最後の誘惑』では、メルヴィンの活躍で再び良い街に戻ったトロマヴィルで、メルヴィン(ロナルド・ファジオ)はやることがなくなり虚無な毎日を送ることに。
そんなある日、目が不自由な恋人・サラ(フィービー・レジェール)のもとに手術が可能であるという医師からの手紙が届きます。
手術には多額の費用が必要なことがわかるとメルヴィンは途方に暮れますが、そんな時メルヴィン宛に仕事の引き抜きの手紙が届いたのです。
しかし、それは悪の組織アポカリプス社からの手紙でした。
サラの手術費用が必要なメルヴィンは、不本意ながらアポカリプス社の社員として働き始めますが、次第に悪に染まっていってしまいます。
マルコヤマモト
サラの目の手術は成功しますが、変わりゆくメルヴィンに対し耐えきれなくなっていきます。
サラや街の人々の気持ちに気づいたメルヴィンは悪の道から抜け出すことを決意し、その正体は本物の悪魔であるアポカリプス社の社長(リック・コリンズ)と、得意のゲームをモチーフにしたバトルを繰り広げることに。
しかし街の人々を巻き込んだ戦いに毒々モンスターは苦戦!
1度死にかけ、元のメルヴィンの姿に戻ったりしますが悪魔を倒したメルヴィンは、再び毒々モンスターの姿に戻り恋人のサラとともにハッピーエンドを迎えるという物語。
地元に帰ってきた感があり、東京を舞台にした2作目ほどぶっ飛んではいませんが、地元に帰ってきただけあってアットホームな印象です。
マルコヤマモト
そして1作目からキャストが変わっていたサラ役も、だんだん見た目がクレイジーな感じになっていくのですが、マーゴット・ロビーが演じるハーレイ・クインぽいなと感じました。
マルコヤマモト
- U-NEXT / 見放題 / 31日間無料
【ネタバレ】『悪魔の毒々モンスター 新世紀絶叫バトル』(2000年公開)あらすじ・感想
マルコヤマモト
トロマヴィルの特別支援学校をオムツ・ギャング(酷い!)が襲撃、生徒と教師が人質にとられるなか現れたのは毒々モンスターとその相棒のラード・アス!
生徒たちを救うためギャングが仕掛けた爆弾を丸呑みしたものの学校が爆発、メルヴィン(デイヴィッド・マッティ)と学校の生徒であるティトとスィーティー・ハニーは並行世界にある別のトロマヴィルにたどり着いてしまったのです!
逆に現実のトロマヴィルには並行世界で悪党として活躍する「悪毒モンスター」が襲来し、街で悪事を働きます。
悪毒モンスター退治のために集められたカブキマンをはじめとするヒーローたちも悪毒モンスターの前では歯が立たず、カブキマン以外は全員殺されてしまいました。
マルコヤマモト
異世界に放たれたメルヴィンは、元の世界に戻ることができるのか…!?という物語。
『悪魔の毒々モンスター 新世紀絶叫バトル』ということで、前作から11年経ち映画の技術もだいぶ進歩しました。
臓物から溢れ出る血液、それに加えて今作はスカ要素まで含んじゃっているからもう盛りだくさんすぎてお腹いっぱい!
グロシーンが多いこととあらゆるタブーにも触れまくっている感じはトロマ映画らしいといえばトロマ映画らしい。
マルコヤマモト
あれ?サラ(ハイディ・スジャーセン)ってまた目が見えなくなった?とかパニックになりつつも『悪魔の毒々モンスター』シリーズは完走。
もはや『毒々』シリーズを4作も観ていると、キャストが変わっているとかそういうことはどうでもよくなります。
マルコヤマモト
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のジェームズ・ガン監督がホーキンス博士のパロディでホッキング博士として登場していることも見どころの1つ。
メルヴィンに相棒ができている件など含めても、きっとガン監督の『スーパー!』にも影響している部分も多いのでは?と思います。
マルコヤマモト
- U-NEXT / 見放題 / 31日間無料
『悪魔の毒々モンスター』シリーズあらすじ・ネタバレ感想まとめ
マルコヤマモト
- 『悪魔の毒々モンスター』シリーズはトロマ映画入門にぴったり
- ツッコミどころが満載!寛容な心を持って鑑賞することが大切
- 27作品配信は超レア!B級ファン、トロマ映画ファンはこの機会を逃すな!
トロマ映画は1度ハマったら抜け出せず、次々と別の作品が見たくなってしまう不思議な中毒性があります。
マルコヤマモト
日本人なら特に『悪魔の毒々モンスター 東京へ行く』は絶対に観てほしいです。
マルコヤマモト