『ハイ・ライフ』は、オスカー女優キャシー・ベイツ主演の大麻を取扱うショップを舞台にしたシットコム第2弾。
日本では大麻取締法のもと違法なマリファナですが、アメリカでも連邦法では違法、州法では合法という矛盾した前提があります。
パート2では、麻薬取締局の介入を過去のものとして、マリファナ薬局の再建を図るルース達が4月20日の「マリファナ記念日」を祝うところから再スタートします。
ちょっぴりユルく、かしこまらない「大麻の伝道師」ルースと従業員、お客を中心に、マリファナの主な効用の陶酔感やリラックスした心もちを表現する世界観を描かれております。
パート1に引き続き、「まとまりのない、ごちゃまぜ感」は健在で、シュールな世界が楽しめる作品になっております。
それでは『ハイ・ライフ パート 2』をネタバレありでレビューします。
・「ごちゃまぜ感」は健在
・カリカリしないで、気楽にいこう
目次
【ネタバレ】『ハイ・ライフ パート 2』あらすじ・ネタバレ感想/h2>
「マリファナ薬局」の再建
『ハイ・ライフ』が舞台とするのは、医療目的に処方される大麻を取扱う「マリファナ薬局」。
連邦法上でマリファナは違法なのに、州法上で19の州が大麻を合法とする大いなる矛盾ある背景があるアメリカのマリファナ事情。
カリフォルニア州では、医療・娯楽目的の大麻利用は合法とされており、ルース(キャシー・ベイツ)のケアショップは、合法的に大麻を販売する店のひとつです。
州法では、合法のショップも、規制を守らないと「連邦上」違法とされてしまう危うい部分が露呈していて、パート2では、麻薬取締局に現金と商品を根こそぎ押収された後の、店を再建するところから始まります。
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迷走するケアショップのスタッフたち
南カリフォルニアで一番の「マリファナ薬局」、ルースのケアショップの従業員たちは強制捜査以来、浮足立っている様子です。
大麻の栽培担当のピート(ダギー・ボールドウィン)は、幻覚を見ては妄想しているし、ルースの息子のトラヴィス(アーロン・モーテン)は、食用大麻のヒット商品を生み出した調剤師のオリビア(エリザベス・アルダーファー)と利益配分をつめている最中。
ショップの警備員のカーター(トーン・ベル)と従業員のジェニー(エリザベス・ホー)がつき合い始め、個性豊かなメンバーは、強制捜査のダメージからそれぞれが立ち直りをみせ、新たなスタートを切っていました。
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愚かな体制にたちむかおう
そんな中、10万人ものフォロワーをもつ大麻愛好家でYouTuber、常連客のダンク(クリス・レッド)とダビー(ベッツィー・ソメロ)が、国立森林公園でマリファナを吸ったと逮捕されてしまいます。
そんなふたりから助けを求められたルース。常にハイで支離滅裂、テンションの高いおバカなふたりに、ルースも頭を抱えます。
しかし、国立公園でハッパを吸っただけで、「州法」では合法なマリファナ利用を「連邦法」で裁かれるのはおかしい!と弁護士資格をもつルースの闘志に火がつきます。
そして裁判で、法の矛盾に翻弄される人々を裁く今の体制が、あまりに無責任だと訴えるのでした。
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でも実はこのふたり本当は、繊細で優秀なのでは?と示唆するシーンがちらほら。ダンクとダビーなしで、この作品は成立しません。
オリビアのビジネス・チャンス
オリビアのつくったチョコ・ファッジに、トラヴィスの案でマリファナを練り込んで作った食用大麻「オリビアのうんち」がショップで大ヒット。
オリビアとトラヴィスは、収益配分で交渉をするまでに成長した商品に大喜び。そこにマリファナ薬局チェーン大手のアンジェロ(ケン・マリーノ)が目をつけ、さらなる食用大麻の商品展開をしようとオリビアを引き抜きに来ます。
マリファナ業界で成功をするビジネス・チャンスと、ルースやトラヴィスと袂を別ち、一度はアンジェロと手を組んだオリビアでしたが、横暴で偽善的はアンジェロに共感できず、自分らしく仕事を続けられる、ルースのケアショップに舞い戻るのでした。
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日本では大麻に対する規制が、よその国と違いかなり厳しい事情があります!
心のままに
不眠症を理由に、ルースのケアショップを訪れた仕事一筋で堅物なウォルター(ピーター・リーガート)。もっと肩を抜いて人生を送れるようにと、マリファナのもつ自由な世界を紹介するルースと急接近するウォルターにトラヴィスやショップのスタッフは、目を細めます。
ところが、実はウォルターはガンで、余命半年と診断を受けた身。ひとりで、死を迎えようとするウォルターからの別れ話を受けてショックを受けたルースでしたが、どんな悲しい結末が待っていてもウォルターと最期まで一緒にいたいとウォルターに告白します。
そして、気ままに心のままに、ふたりは全米を旅するのにトレーラーでケアショップを後にするのでした。
『ハイ・ライフ パート 2』あらすじ・ネタバレ感想まとめ
以上、ここまで『ハイ・ライフ パート 2』をレビューしてきました。
・ビジネス話なのに、どこかユルイ
・心のままに、肩ひじ張らないこと
ユルさが売りの『ハイ・ライフ』
パート1に続き、『ハイ・ライフ』の映像表現に制限なしで、登場人物たちの妄想や空想、歌にアニメ、無関係なCMがごちゃごちゃに挿入されています。
ダンクとダビーの裁判のシーンでは、大真面目にキャストがカメラ目線で、見栄を切るし、作品随所に下ネタや毒舌といったきわどいセリフも登場して、振りきれた表現に一切の迷いはありません。
エピソードのどこをとっても、ユルさの残るトーンで、どこか笑いにアソビを残した演出。ケガをしたルースが病院に行かず、マリファナでハイになって我を失くす、日本ではあるまじきシーンも存在します。
ぶっとんでいて、てんでバラバラなのに、キャストの笑いをとる「間」が絶妙で、劇中で笑っている本人たちも本気で笑っているのではないか?と錯覚してしまうほどです。
ルースの信じる「マリファナのもつ癒し」、痛みや不安から心も身体も解放する世界感を表現していて、楽しい作品なのに、『ハイ・ライフ』に、これ以上の続きはなくパート2で終了です。
豪快な笑いで迷いや不安を吹き飛ばす「大麻の女王」ルースとの、お別れはちょっと寂しいですが、仕方ありません。
ラストは、心のままに、肩ひじ張らずに自分の好きなように生きるのが一番と、穏やかに、ちょっぴりユーモアを込めたセリフを最後にキャシー・ベイツが笑顔を見せて、作品を無事に終わらせてくれます。
蔵商店
アメリカでもマリファナは連邦法で違法で、州法では合法と実にグレーな世界。
私たち日本人は、ルースのケアショップを番組として堪能するのはよしとして、法から外れた行動は慎むことが大事です!
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