ハイファンタジーな世界観の中、スライムやバジリスク、ミミックといった魔物たちを現実的な方法で調理し、ダンジョン内で自給自足しながら踏破を目指すパーティーを描いた『ダンジョン飯』。
ウンディーネとの戦いで負傷し、血も魔力も枯渇気味のマルシル。
ケルピーの焼き肉で回復を図る一行の前に現れたのは、かつての仲間――ナマリが護衛を務めるタンス夫妻のパーティーでした。
護衛として調査を手伝えばマルシルを治療するというタンスの申し出を受け、ライオスたちはタンスの調査に同行することに……。
早速、第9話「テンタクルス/シチュー」をレビューしていきます。
目次
アニメ『ダンジョン飯』第8話あらすじと振り返り
学校始まって以来の才女と謳われていたマルシルと、自由奔放で周囲から浮いていたファリン。
魔法学校時代、対照的だった二人は精霊の繁殖実験をきっかけに仲を深めていきます。
書物からではなく、実体験から知識を身に付けたファリンと接するうちに、マルシルは自身が勉強不足であることに気付かされました。
そんな思い出を振り返っていた矢先、マルシルがウンディーネに襲われます。
戦いの中で負傷したマルシルは血と魔力を消耗し、ライオスたちはケルピーの焼き肉で彼女の体力回復を試みるのでした。
【ネタバレあり】アニメ『ダンジョン飯』第9話あらすじ・感想
ナマリとの再会
マルシルの回復のため、ケルピーの焼き肉を味わいながら野営していたライオス一行。
そこへ通りかかったのは、かつての仲間・ナマリでした。
ナマリはどこかのお抱え学者だというタンス夫妻のパーティーに護衛として同行しているようで、雇用主の夫妻は金払いがいいと紹介しました。
ファリン救出に加わらず離脱したナマリに思うところがあるマルシルは、敵対心を剥き出しにしますが、ナマリは「タダで死地に向かうのを断っただけ」と言い返します。
一方、ライオスはタンス夫妻にマルシルの治療を頼みますが、見返りに渡せるものがなかったため、拒否されてしまいました。
そのまま進もうとするタンスたちに、この先にはウンディーネがいるので危険だと伝えるライオス。
ところが、タンス夫妻らノームは古代から神々や精霊とともに生きてきたので問題ないといって、ウンディーネのもとへ向かいます。
しかし、タンスはウンディーネに語りかけるも全く受け入れられず、マルシル同様に激しい攻撃を受けました。
タンスの盾にされたナマリは頭を貫かれて一度死亡しますが、蘇生術によって復活します。
その様子を見たセンシは、魔術の中でも特に好きになれないのが蘇生術だと語り、死者が生き返ることは決して普通ではないとライオスに説きました。
タンスは強い術がかけられた迷宮内で蘇生術が使えることに対し、ここでは死者が生き返っているのではなく、”死”そのものが禁じられているのではないかと持論を明かします。
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そんなタンスは、付近の魔法陣を調査するのに護衛がナマリだけでは頼りないといい、調査を手伝えばマルシルを治療すると提案しました。
vs刺胞生物・テンタクルス
タンスの提案に乗ったライオスは、センシとともに調査に参加。
途中でナマリから、ライオスとセンシの武器選びや手入れの雑さについて叱られますが、ライオスは文句を言うこともなく、ナマリの武器の知識を頼りにしていると言いました。
一方、ナマリもライオスの直感、感覚を信頼しており、この先に魔物がいる気がすると言われれば足を止め、タンスにも従ったほうがいいと伝えます。
しかし、根拠のない発言を信じないタンスは、魔物がいるなら引きずり出しても倒すよう指示し、他のメンバーに任せました。
クロスボウでの攻撃に反応して現れたのは、蔦のような姿をした刺胞生物・テンタクルスでした。
矢を放ったメンバーは捕らわれて宙ぶらりんの状態で、助けようにも地上からでは武器が届きません。
触れてしまえば皮膚が麻痺、捕らわれれば死に至る可能性が高く、ライオスはセンシの兜を借りて頭部をガードし、わざと捕まってメンバー救出を試みました。
例によって宙ぶらりんの状態になったライオスは、テンタクルスに絡まっていたクロスボウを投げ落とします。
ライオスの考えに気付いたセンシもまた、即座にクロスボウを受け止めるとナマリへ投げ渡しました。
彼らの考えを察したナマリは、初めてのクロスボウにもかかわらず、見事にテンタクルスの弱点を貫き、ライオスたちを救うのでした。
魔力を回復するには
テンタクルスに触れてしまったため、ライオスは顔面、センシは手が腫れあがってしまいますが、瀕死のメンバーを救出した甲斐もあり、タンスの治療を受けられることに。
ライオスは真っ先にマルシルの治療を頼み、マルシルは無事に健康な身体を取り戻しました。
そんなマルシルは、水辺に使い終わったお湯を流してウンディーネを怒らせたため、タンスやナマリに呆れられます。
極少の精霊の集合体であるウンディーネの怒りを魔術以外の方法で収めるには、体を構成している固体が寿命を迎え、入れ替わるのを待つしかないと語るタンス。
つまり、ウンディーネが鎮まるまで一週間ほどかかるので、今はこれ以上進めないと考えたタンスたちは、一度地上へ戻るといいます。
彼らが帰還術を使うことを知ったライオスとチルチャックは、肉体的には復活したものの魔力が枯渇しているマルシルの身を案じ、地上に連れ帰ってくれないかとタンスに頼みました。
一方、どうしてもファリンを助けたいマルシルは迷宮内に残りたいと主張し、それが叶わないならナマリに協力してほしいと懇願します。
マルシルはナマリの手を取り、報酬なら工面するといって必死に頼み込みますが、チルチャックがやめさせました。
なぜなら、その手段を選べばナマリが金を積めば何でもする人物だと、他の冒険者たちに思われかねないからです。
そこでマルシルは、自分自身の魔力を回復させる方向に思考を切り替えます。
そして思い付いたのが、「ウンディーネを飲む」ことでした。
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ウンディーネのシチュー
魔物食には積極的なのに、精霊のウンディーネを飲むことには興味を示さないライオスとセンシ。
結果、マルシルは一人で悩み、どうにか熱に弱いウンディーネを捕らえようと考えます。
ふとセンシの大きな調理鍋が目に入り、これを熱して使えば攻撃と防御が可能な盾になるのではと思い付きました。
センシによると、この鍋は先祖代々受け継がれてきた家宝の盾を加工して作ったもので、よく手入れされているといいます。
その時、ナマリはセンシの鍋が「アダマント」という丈夫なことで有名な、貴重な金属で出来ていることに気が付きました。
それを聞いたライオスとマルシルは、鍋と蓋で両側からウンディーネを閉じ込め、外から火で熱して倒す作戦を考え付きます。
無謀な作戦に呆れながらも、ライオスたちの動向が気になって仕方がないナマリ。
いざ実行する際には、体格の割りにひ弱なライオスに代わって、センシとともにウンディーネ捕獲に尽力してくれました。
見事パワーでウンディーネを捕らえた一行。
マルシルはセンシに手伝ってもらいながら、効率よくウンディーネの魔力を摂取するため、料理することに。
ウンディーネの水で煮込んだシチューを作り、ナマリたちのパーティーと食事をともにします。
その後、マルシルの魔力が回復したことで再び地下に向けて歩き出したライオス一行は、ナマリとの別れ際に健闘を称え合うのでした。
アニメ『ダンジョン飯』第9話まとめ
いかがだったでしょうか。
かつての仲間であるナマリとの再会に、物語がまた少し進んだ第9話。
ナマリがタンス夫妻に、報酬のやり取りだけでなく仲間にしてほしいと伝え、ライオスたちと潔く別れるシーンは印象的でした。
もう一人のかつての仲間・シュローについても、ファリンに求婚するほど惚れていたという情報が明かされ、また再会するのか、どんなかたちで登場するのか、注目のポイントとなりました。
次回、第10話も楽しみです。