ハイファンタジーな世界観の中、スライムやバジリスク、ミミックといった魔物たちを現実的な方法で調理し、ダンジョン内で自給自足しながら踏破を目指すパーティーを描いた『ダンジョン飯』。
学校始まって以来の才女と謳われていたマルシルと、自由奔放で周囲から浮いていたファリン。
魔法学校時代、対照的だった二人は精霊の繁殖実験をきっかけに仲を深めていきます。
書物からではなく、実体験から知識を身に付けたファリンと接するうちに、マルシルは自身が勉強不足であることに気付かされ……。
早速、第8話「木苺/焼き肉」をレビューしていきます。
目次
アニメ『ダンジョン飯』第7話あらすじと振り返り
地下4階へ到着したライオスたち。
広大な湖を渡るために水上歩行の魔法が必要ですが、魔法に否定的なセンシは使用を拒みます。
代わりにアンヌと名付けた水棲馬(ケルピー)に乗って湖を渡ることを提案。
魔物の本心はわからないから危険だとライオスは反対しますが、頑ななセンシはケルピーの背に乗りました。
すると、自身の背にセンシが乗る日を待ち続けていたケルピーは、その場でセンシを襲います。
ライオスたちに救出されたセンシは、信頼関係があると思っていた魔物が襲ってきたことに落ち込みながらも反省し、倒したケルピーを解体することにしました。
【ネタバレあり】アニメ『ダンジョン飯』第8話あらすじ・感想
才女・マルシルの学生時代
クラーケンとの戦闘を経て、このダンジョンは「侵入者が倒す魔物の数」まで計算に入れて造られていると理解したマルシル。
その凄さがわかっていないらしいチルチャックに、マルシルはとんでもない所業なのだと説明します。
*
魔法学校時代、学校始まって以来の才女と謳われていたマルシルは、周囲からの憧れの視線を浴びて学生生活を送っていました。
ある日、精霊の繁殖実験――瓶の中に土を挟みながら木の板を重ね、結界を張って魔力で満たし、精霊を流し込むことで、瓶内に疑似的な迷宮を造る実験に参加したマルシル。
召喚術の基本ともいえる精霊の飼育をする授業であり、当時、安全なダンジョンの作り方を研究していたマルシルにとっては、専門外ながら重要な内容でした。
一方、同じ授業に参加していたファリンは、サボりがちで「落ちこぼれ」と呼ばれており、周囲から浮いていました。
ふと見えたファリンの瓶の中には、植物などの不純物が入っているうえに、結界も隙間だらけで魔力が薄くなっています。
精霊は魔力が薄すぎても濃すぎても生きていけないため、マルシルはファリンの瓶内では精霊が滅してしまうと考えていました。
しかし、1週間後の授業で久しぶりに確認したファリンの瓶内では、マルシルのように状態を維持しているどころか、かなり精霊が繁殖していたのです。
マルシルがファリンにどうやったのか聞くと、ファリンは実際に精霊がたくさんいる場所を参考にして造ったのだと語ります。
そして、ファリンのいう精霊がたくさんいる場所とは「本物のダンジョン」でした。
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ファリンとの思い出深い出会い
ファリンが参考にした「本物のダンジョン」に連れていってもらうことにしたマルシル。
こっそり学外へ出て森の中で自由奔放に過ごすファリンに、真面目なマルシルは振り回されていきました。
やがてダンジョンの入口に辿り着くと、マルシルは魔力の停滞を感じ、入ることを躊躇します。
しかし、ファリンはよく来ているから大丈夫と手を引き、精霊だらけの場所へ連れてきてくれました。
そこの土を授業の瓶に詰めたというファリンの話に納得したマルシルは、自身の研究にも役立てようと水辺を覗き込みます。
すると、スライムの群れが飛び出てきたので、魔法で焼き払おうとしました。
ところが、ファリンはスライムが日の当たる場所までは出てこないことを知っており、日なたにいるマルシルの魔法を止めさせます。
さらに、スライムはコウモリの糞を分解して魔力にしているため、焼き払ったところでコウモリまで死んでしまえば、ダンジョン自体も死んでしまうと語りました。
しばらくファリンにならってその場で過ごすことにしたマルシルは、差し出された森の木苺の美味しさに驚き、この美味しさならば人間以外の生物の餌にもなっているだろうと考えます。
例えば、スライムの餌を作り出すコウモリが何を食べているのか、木苺が実る時期はいつなのか、その木苺を食べるのはどんな動物なのか……。
魔導書に記されている知識だけでなく、自然の成り立ちや構造などたくさんのことを知らなければ、いいダンジョンを造ることはできないと理解したマルシル。
それらを気付かせてくれたファリンの手を取り、「あなたと友達になりたいの」と告げました。
マルシルvsウンディーネ
そして、現在。
ファリンとの思い出を交えながら、ダンジョン造りの難しさを語ったマルシル。
食あたりで眠っていたライオスも目を覚まし、ファリンからの手紙によく綴られていた「友達」がマルシルのことだったと初めて知ります。
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とにかくライオスの体調も回復してきたようなので、次の目的地を目指して算段を立てることに。
キャンプ地を発つ前に身体を拭きたいといったマルシルは、気を遣って遠くに離れておこうとするチルチャックたちを見て、以前のパーティーは男女比が半々で気楽だったと振り返ります。
身を清め終わり、タオルを濡らすためのお湯を沸かし過ぎてしまったため、クラーケンが棲んでいた水辺に捨てに行きました。
何となしにお湯を流し入れると、水棲の魔物・ウンディーネが襲来。
杖もなく、かろうじて水上歩行の魔法が効いている状態のマルシルは、どうにか出来る範囲の魔法で対抗します。
しかし、ウンディーネの激しい攻撃に、脚や肩を貫かれてしまいました。
一方で、出血にしたことにより、ウンディーネが赤く染まって、水中から襲ってくる姿が視認できるようになります。
マルシルは思い切って爆発魔法を使い、爆破の勢いで水上から逃げました。
焼き肉で鉄分補給!
ライオスが飛んできたマルシルをキャッチし、一行は無事にウンディーネの攻撃から逃れます。
止血はできたものの、魔力が足りず完治は無理だというマルシル。
彼女を寝かせたあと、チルチャックは魔力切れの魔術師を連れていくには、この先は危険すぎると心配します。
ライオスの言うように他の冒険者が通りかかったとして、交渉できる物資も持たない自分たちに手を貸してくれる人などいるのかと疑うチルチャック。
そんな真っ当な心配をよそに、交渉条件としてケルピーの肉を譲ることを考えたライオスとセンシは、あることに思い至ります。
それは、負傷したマルシルに鉄分補給をさせるため、レバーを食べさせることでした。
起こされたマルシルは、ケルピーの焼き肉を楽しむ仲間たちを見ながら、取り分けられるレバーを黙々と口にします。
仲間たちがいろいろな部位を味わっている中、自分にはレバーしか回ってこない状況に、思わず「他のところも食わせろ!」と叫ぶのでした。
一方その頃、焼き肉が生み出した煙と肉の焼ける匂いは、階上まで漂っていました。
その匂いに、「どこのどいつだ? こんなところで肉焼くバカは……」と顔を顰めていたのは、かつてのライオスたちの仲間であるナマリ(CV.三木晶)とタンス(CV.井上和彦)でした。
アニメ『ダンジョン飯』第8話まとめ
いかがだったでしょうか。
マルシルとファリンが出会い、友達になるまでが描かれた第8話。
対照的な二人が手を取り合うようになったエピソードはハートフルでありながら、ダンジョンの不思議にも触れている、興味深い内容でしたね。
かつての仲間であるナマリ、タンスも第1話ぶりに登場し、今後の遭遇を匂わせていました。
冒険者パーティー同士のやり取りは、意外にもあまり描かれてきていないので、気になるところでもあります。
次回、第9話も楽しみです。