ハイファンタジーな世界観の中、スライムやバジリスク、ミミックといった魔物たちを現実的な方法で調理し、ダンジョン内で自給自足しながら踏破を目指すパーティーを描いた『ダンジョン飯』。
センシはなぜ迷宮で暮らし、魔物食を研究しているのか――その過去が明らかになります。
かつて坑夫団に所属していた若かりし日のセンシ。
遺跡を探索中に迷宮を発見した坑夫団は、迷宮の深部に迷い込んでしまいました。
食糧も尽き、さまよう一行は巨大な鳥の化け物に襲われ、ひとり、またひとりと魔物に殺されていき……。
早速、第23話「グリフィンのスープ／ダンプリング1」をレビューしていきます。
目次
アニメ『ダンジョン飯』第22話あらすじと振り返り
迷宮とは思えない風光明媚な村へ迷い込んだライオス一行は、ひとときの穏やかな時間を過ごします。
村の統治者であるヤアドは、かつてシスルと名付けられたエルフの少年が、いかにして狂乱の魔術師と呼ばれる存在となるに至ったかを語り始めました。
そこにはシスルなりに、大切な人を守りたいという強い想いが秘められていたのです。
ライオス一行が迷宮探索へ戻る頃、ヤアドの背後にはシスルが迫っていました。
一方、イヅツミが正気を取り戻すのと入れ替わるように、今度はセンシが不調に陥ります。
そんな中、ライオス一行はグリフィンに襲われ、そのグリフィンを異常に恐れていたセンシが連れ去られてしまいました。
試行錯誤の末、センシを救出すると、彼の口から坑夫団時代の衝撃的な過去が語られます。
【ネタバレあり】アニメ『ダンジョン飯』第23話あらすじ・感想
センシの壮絶な過去
かつて坑夫団に所属していた若かりし日のセンシ(CV.大隈健太)。
黄金の遺跡を発見した坑夫団は、探索中に巨大な鳥の化け物――グリフィンに襲われ、ひとり、またひとりと殺されていきます。
そんな中、一行は迷宮の深部に迷い込んでしまい、帰り道がわからなくなってしまいました。
やがて食糧が尽き、連れていた馬を捌いて食べるほどの深刻な状況に、仲間内では揉め事が起こるようになります。
一番若く、力もなかったセンシは食糧探しに連れて行ってもらえず、周辺地図の整理を任されますが、食糧が見つかると真っ先に食べさせてもらっていました。
それは、長のような存在であるギリン(CV.高木渉)による種の存続を考えての行動でしたが、センシは心苦しく思います。
そのことに対し、仲間の一人・ブリガン(CV.真木駿一)が抗議すると、ギリンとともに出て行き、外では争っているような激しい物音がしました。
そして、一人で戻ってきたギリンは、ブリガンはグリフィンに襲われて死に、グリフィンはギリンが殺したと話します。
多くを語ろうとしないギリンの兜には、鈍器で殴られたようなへこみがありました。
ギリンは殺したグリフィンを捌いてスープにすると、センシに差し出します。
グリフィンのスープは酷い味でしたが、飢えたセンシは夢中で食べ尽くしました。
その後、ギリンは一人で出掛けたまま戻らず、センシは取り残されてしまいます。
仲間を失ったセンシは、これまで整理した地図を手掛かりに探索を始め、オーク族と交流を持つようになり、彼らから迷宮での生き方を学びました。
長い時を経て地上へ帰還することができましたが、迷宮での出来事を考えると故郷に戻ろうとも思えず、迷宮付近で一人きりの生活を送るようになったのです。
urara
グリフィンのスープ
センシは迷宮で暮らすようになり、さまざまな魔物を食べてきましたが、あのグリフィンのスープのような味には出会うことなく生きてきました。
そのため、あれはグリフィンの肉ではなく、人肉だったのではないかという罪悪感を抱えていたのです。
異常なまでにグリフィンを恐れていた理由も、そこにありました。
すると、ライオスは今しがた自分たちが討伐したグリフィンを食べてみようと提案します。
仲間たちの冷ややかな目に屈することもなく、グリフィンを捌きながらセンシの話を思い返していました。
やがて出来上がったグリフィンのスープは、センシを苦しめていた、あの日のものとは全く別物だと判明します。
センシは、人肉だったかもしれないという最悪の事実を受け止め、それでも生きてほしいと考えていたであろうギリンの思いを背負うと語りました。
しかし、ライオスの考えは違います。
センシが食べたのはグリフィンでも人肉でもなく、”ヒポグリフ”だろうと言い放ちました。
グリフィンは上半身が鳥で、下半身は獅子。
一方、ヒポグリフは上半身が鳥で、下半身は馬です。
馬を連れていた坑夫団を執拗に襲ったことや、ギリンの兜にあった鈍器で殴られたような跡が蹄によるものだったと考えれば、ヒポグリフであると考えたほうが筋が通っていました。
そして、ライオスはヒポグリフの「共犯者」に、”チェンジリング”がいたのではと語ります。
真実とチェンジリング
オーク族にキノコの見分け方を教わったと話していたセンシですが、この近くに生えていたキノコ――チェンジリングは見たことがないと言っていました。
チェンジリングとはキノコ型の魔物で、チェンジリングの輪に足を踏み入れた生物は「少しだけ変わってしまう」のです。
ライオスたちを襲ったグリフィンが、連れ去ったセンシを即座に食べたりはしなかったことから、あのグリフィンもチェンジリングによって変えられてしまった別の生物なのでは……。
その考えのもと、ライオスはグリフィンの肉をチェンジリングの輪に置きました。
すると、肉の様子が変わったので、それを改めてスープにします。
センシが恐る恐る食べてみると、あの日のスープと同じ味がしました。
urara
センシは「この迷宮は人の欲望に強く反応する」と語ります。
ファリンを救おうとするライオスたちが、今後は狂乱の魔術師や有翼の獅子も求めていかねばならないことに対し、迷宮の反応はさらに苛烈になっていくだろうと釘を刺しました。
そのうえで、自分も連れて行ってくれるかと尋ねたセンシを、一行は当たり前のように受け入れるのでした。
ダンプリングの旨み
センシの過去について一区切りついたところで、再び先へ進もうとしたライオス一行。
ところが、気付かぬうちにチェンジリングを踏んでしまい、激しい副作用の後、姿が変わってしまいます。
ライオスはドワーフに、センシはエルフに、マルシルはハーフフットに、チルチャックはトールマンに、イヅツミはコボルトに……。
各々の種族が入れ替わり、迷宮の作りも変化し、それでも一行は迷宮探索に戻るしかありません。
一旦引き返すつもりが、当初の目的通り、翼獅子がいる最奥に辿り着いていました。
巨大な扉の開錠は難しく、どうにもならないと思われた矢先、ライオスの剣からケン助がニョキニョキと飛び出し、扉へ伸びていきます。
いつの間にか育っていたケン助に驚いていると、扉は開いたものの、突如として現れたガーゴイルに襲われました。
変わってしまった身体での戦闘が難しいと実感した一行は、どうにか扉の中へ逃げ込み、本当に引き返すことができなくなってしまいます。
ひとまず気を落ち着かせるべく、食事の準備を始めた一行。
黙々とヒポグリフの水餃子――ダンプリングを作り続けると、ライオスは自分たちの身に起きていることを楽観的に捉えられるようになってきました。
そんなライオスは現在地について、エルフとドワーフが戦争をしていた頃のドワーフの防衛地だと知ります。
教えたマルシル曰く、迷宮は種族による文化の衝突点だそうです。
チルチャックは、今回の探索でエルフに因縁をつけられた場合、母親が宮廷勤めのマルシルが何とかできないのかと問い詰めます。
しかし、今のマルシルはハーフフットの姿になっていることもあり、一行は身体を元に戻す方法も探し続けると決めたのでした。
アニメ『ダンジョン飯』第23話まとめ
いかがだったでしょうか。
センシの衝撃的な過去が明らかになり、またひとつ結束を深めたライオス一行。
種族が入れ替わった身体での戦闘は難しいようですが、迷宮最奥では何が起こるか予想もつかず……。
次回、第24話も楽しみです。