ハイファンタジーな世界観の中、スライムやバジリスク、ミミックといった魔物たちを現実的な方法で調理し、ダンジョン内で自給自足しながら踏破を目指すパーティーを描いた『ダンジョン飯』。
迷宮とは思えない風光明媚な村へ迷い込んだライオス一行は、ひとときの穏やかな時間を過ごします。
村の統治者であるヤアドは、かつてシスルと名付けられたエルフの少年が、いかにして狂乱の魔術師と呼ばれる存在となるに至ったかを語り始めました。
そこにはシスルなりに、大切な人を守りたいという強い想いが秘められていて……。
早速、第22話「グリフィン/使い魔」をレビューしていきます。
目次
アニメ『ダンジョン飯』第21話あらすじと振り返り
地上へ帰還したカブルーは、迷宮での顛末を報告するために島主のもとへ向かいます。
しかし、すでに”カナリア”と呼ばれる西方のエルフの部隊が迷宮を明け渡すよう、島主に迫っていました。
カブルーは交渉の場へ乗り込み、自分がかつて迷宮から現れた魔物により滅びた村の出身であることを告げるとともに、エルフたちに迷宮を塞ぐよう提案します。
一方その頃、ライオス一行は迷宮深部とは思えない村――黄金郷に辿り着いていました。
村の統治者であり、デルガル王の孫であるヤアドは、ライオスのことを予言で示されている者だと信じ、狂乱の魔術師を倒して村の民を救ってくれないかといいます。
【ネタバレあり】アニメ『ダンジョン飯』第22話あらすじ・感想
”狂乱の魔術師”・シスル
センシは朝食にホットケーキを焼き、味覚を忘れてしまったヤアドにも差し出します。
味はわからなくても温度や食感はわかるというヤアドに、味覚は筋肉のようなものだから食感から鍛えるよう告げました。
ヤアドは、かつては家族と食卓を囲んでいたこと、祖父・デルガルの側にはいつもシスル――”狂乱の魔術師”がいたことを語ります。
元々、ヤアドの曾祖父が道化師として迎えたシスルは、デルガルとは兄弟のように育ったのだとか。
成長して王となったデルガルの勧めで魔術を学び始めますが、ドワーフやエルフの遺物が多く残るこの地には、黒魔術の蔵書もあったようです。
やがて、狂ったように黒魔術に傾倒し、国そのものに”不死の呪縛”をかけるに至ったのでした。
そんな生い立ちを聞いても尚、シスルと話してみたいというライオスに、ヤアドは会うだけなら簡単だが対話は難しいだろうと答えます。
しかし、すでに村の異変を感じ取っているらしいシスルは、こちらから探さなくとも村へやってきそうです。
ヤアドは、対話をしたいならば、最深部に捕らわれている有翼の獅子の力を借りてみてはどうかと提案しました。
魔術師の力を抑えられるだろうから、と。
こうして、ライオス一行は再び迷宮探索へ戻ります。
そして、ライオスたちを見送ったヤアドの背後には、シスルが迫っていました。
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未知のグリフィン
ライオス一行が黄金郷から転移した先は、古代ドワーフ製の貯水庫でした。
巨大な柱がいくつも並ぶ広大な空間は方位磁針が意味を成さず、ライオスとマルシルは周辺の調査へ向かいます。
黄金郷から出たことでイヅツミが自我を取り戻す一方、三半規管が弱いドワーフのセンシは転移酔いで苦しんでいる様子。
不調のため、その場に残ったセンシは、柱に刻まれた印を集めてくるよう、チルチャックに頼みました。
「方向感覚に優れたドワーフばかりではない」と呟き、その印が位置を示す暗号になっているのだといいます。
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チルチャックが集めてきた印をもとにおおよその位置を把握した頃、慌てた様子でマルシルが戻ってきました。
大きな鳥を思わせる足跡と羽根を見つけ、ファリンのものではないかというのです。
しかし、マルシルと一緒に行動していたライオスは、上半身が鳥、下半身が獅子の魔物・”グリフィン”ではないかといいます。
「グリフィン」と聞いた途端に怯え出したセンシは、先へ進むことを拒みました。
一方、ファリンである可能性を捨てられないマルシルは、「グリフィンは嫌い」だと話すセンシを置いて駆け出そうとします。
瞬間、果てが見えないほど高い天井のほうからグリフィンが現れました。
センシを探す使い魔
始めて見るグリフィンにライオスが興奮する一方、センシは一人で逃げ出しました。
目が良いグリフィンは動くものに強く反応するため、センシを連れて飛び去ってしまいます。
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そこでマルシルは、使い魔を生み出して使役し、自分たちでは届かない上空へ探しに行かせることにしました。
一週間分の食糧を素材に、マルシルは使い魔を召喚する準備を進めていきます。
その間、イヅツミはライオス一行がセンシについて何も知らないことに驚かされます。
話す機会がなかったこと、互いに私生活に踏み込まれたくないことを言い訳にするチルチャックでしたが、これまでのセンシの言動に引っかかる部分が多いのは事実でした。
まず、初対面の時に「10年以上この迷宮で魔物食を研究している」と言っていたこと。
迷宮が発見されたのは6年前のため、時系列が合いません。
その他にも、高価な金属の調理器具をいくつも持っていること、古代ドワーフの暗号を解読したこと、来たことないはずの階層にいたグリフィンを恐れていること、おそらくハーフフットを知らないがためにチルチャックを子供扱いすること。
挙げればキリがありませんでした。
チルチャックは、センシは地上の人間ではないという可能性に辿り着きます。
そんな中、マルシルは使い魔を完成させ、早速上空へ飛ばしました。
使い魔と視界を共有し、すぐにセンシを発見することができましたが、グリフィンの速さと力に勝てず、1体目の使い魔は破壊されてしまいます。
センシの過去
ライオスは、グリフィンを出し抜くのは至難の業だといい、生物は必要があってその姿をしているとマルシルに伝えました。
そこでマルシルは、使い魔の成形をライオスに頼みます。
持ち前の魔物知識を活かしたライオスは、シスルが使役していたワイバーンをもとに2体目の使い魔を作り出しました。
速さは遜色ないものになりましたが、鋭い爪で破壊されてしまいます。
ライオスはより頑強なものを作るために爪や鱗を付けようとしますが、マルシルの考えは違っていました。
「もっと速く、しなやかに美しく、必要なのはセンシを救うためだけに生物を生み出すという、覚悟とエゴ」
マルシルが生み出した3体目のスカイフィッシュは、細長いヘビのような身体に複数の羽が生えた使い魔でした。
彼女の作戦は成功し、グリフィンを出し抜いてセンシを救出することに成功します。
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無事に帰ってきたセンシに食事を振る舞いますが、いつもの彼とは打って変わって興味を示さず、元気がありません。
チルチャックは、自分の商売のことや、何年も会っていない妻と娘がいる事実を明かしつつ、センシについても教えてほしいと尋ねます。
するとセンシは、自らを「イズガンダのセンシ」と名乗り、小さな坑夫団の一員だったと語り始めました。
戦争前の遺跡を探し一攫千金を夢見ながら、たまに遺物が見つかれば上々だったそうですが、一団はある日、見つけてしまったのです。
黄金に輝く古代の城――つまり、この迷宮を。
アニメ『ダンジョン飯』第22話まとめ
いかがだったでしょうか。
謎に包まれていたセンシの過去に触れることとなったライオス一行は、衝撃的な事実を知ることになりそうです。
シスルが現れた黄金郷の様子も気になるところですが……。
次回、第23話も楽しみです。