ハイファンタジーな世界観の中、スライムやバジリスク、ミミックといった魔物たちを現実的な方法で調理し、ダンジョン内で自給自足しながら踏破を目指すパーティーを描いた『ダンジョン飯』。
ライオスたちは魔物と化したファリンを救うため、迷宮の主である狂乱の魔術師と対峙することを決意します。
ファリンの痕跡を辿りながら改めて迷宮の深部を目指す道中、激しい吹雪に見舞われました。
視界が悪い中、何とか屋内へ避難しますが、気付けばライオスたちの姿が増えていて……?
早速、第18話「シェイプシフター」をレビューしていきます。
目次
アニメ『ダンジョン飯』第17話あらすじと振り返り
ライオスは古代魔術でファリンを蘇生したことをシュローに打ち明けます。
禁忌である古代魔術を使用したと知り、シュローは激昂しますが、カブルーの機転によってその場は収められました。
そんな険悪な雰囲気の中、ハーピーの襲撃が……。
何とか迎え撃つも、さらに巨大な翼を持つ魔物が出現し、驚愕する一同。
その魔物の正体は、キメラと化したファリンでした。
一同はファリンと対峙しますが、そのあまりの強さに、ほぼ全滅状態。
さらにファリンは逃亡し、残されたのは複数の死体とケガ人だけでした。
無事だった面々で蘇生や治療を行う中、ファリンの行く末を巡ってライオスとシュローが争い始めます。
まるで子供のケンカでしたが、激しいやり取りを経て和解し、シュローは自国への帰還、ライオスは狂乱の魔術師を倒してファリンを救うことを決意しました。
こうしてシュローやカブルーたちと別れたライオス一行は、再び迷宮の深部へと足を踏み入れます。
【ネタバレあり】アニメ『ダンジョン飯』第18話あらすじ・感想
増えてる!
――第6階層。
古代ドワーフが造り出した坑道を利用したその地下水路は、街の足下にどこまでも長く広く続きます。
この階層は蒸し暑いはずでしたが、辺りは雪が舞っていて震えるほどの寒さ……。
ファリンを追ってここまで来たものの、雪や水で痕跡が消えており、これ以上辿っていくのは難しそうでした。
とにかく先へ進む中、ライオスは操られたファリンが「デルガル」という人物を捜していたことを明かし、レッドドラゴンも狂乱の魔術師にそう命じられていたと語ります。
最後の王・デルガル――黄金の都の王であり、この迷宮が発見された際、地上へ現れて塵になり消滅した、いわば歴史上の存在でした。
すでに消えた人物のために、狂乱の魔術師が迷宮を操っていると知ったチルチャックは驚きの声を上げますが、ライオスの考えは違っていました。
狂乱の魔術師は目の前で先王を殺されて以来、その息子であるデルガルが同じ目に遭うのを恐れていたので、ライオスたちを暗殺者だと疑って攻撃してきたのでは、と。
まるで理解したように話すライオスを不思議に思う仲間たちに、以前”生ける絵画”の中で出会った人物が、後の狂乱の魔術師だったと打ち明けるライオス。
ライオスが実際に起きた出来事を追体験していたと知った仲間たちは、今まで彼がその事実を語らなかったことに驚愕しました。
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狂乱の魔術師について話し合っていると、突然激しい吹雪が襲います。
視界不良の中、何とか屋内に避難しますが、気付けば各々の人数が4人に増え、パーティーは16人の大所帯になっていました。
”シェイプシフター”
自分たちに似た姿の人物が増えている状況に、混乱する一行。
そんな中、ライオスは魔物・”シェイプシフター”ではないかと言います。
シェイプシフターはターゲットの思考を読んで、その身近な者の姿を真似るため、偽物は仲間の記憶から生まれた存在……。
どれが本物で偽物か気付かないうちに、ターゲットを喰い殺してしまうそうです。
仲間の誰かの記憶から発生しているので、よく見てみると顔や服装、知識、持ち物が微妙に違うことがわかります。
そのため、ライオスに至っては、3人の偽物たちに魔物の知識が無いことが決め手となり、一瞬で本物を炙り出すことができました。
そして、マルシルは見た目と魔導書の内容、チルチャックとセンシは服装や持ち物から、2択まで絞ることに成功。
これ以上は視覚情報では判別できないというライオスの意見で、一行は料理や食事といった普段の行動から偽物を見つけることにします。
今のところ本物が判明しているのはライオスだけなので、彼が仲間たちを観察し、本物と偽物を判別すると提案しました。
しかし、狂乱の魔術師との遭遇を明かさず、シュローの気持ちを察することができず、カブルーとどこで出会ったか覚えていないライオスの観察眼に、不安しかない仲間たち。
仲間たちからの信頼を取り返したいライオスと、自分たちでどうにかしなければと心に決める仲間たちによる、決死の調理タイムが始まります。
ライオスの審美眼
本物と偽物の二人一組で調理にあたる一行。
まず、チルチャックAは通路中央に座り作業開始、ひねくれた発言と浅ましい表情が目立ちます。
一方、チルチャックBは壁際の木箱に座り作業開始、ライオスに頼る素直さを持っていました。
次に、マルシルAは淡々と調理をしつつ、「魚人の卵やドライアドだって食べた」と語り、ファリン救出のためなら魔物食を厭わない様子を見せます。
対して、マルシルBは普段通り魔物食、特に人型の魔物を食べることへの嫌悪感を顕わにしていました。
最後に、センシAは多くを語らないまでも、食材の栄養に対する有難さを口にします。
そして、センシBは瓦礫の中で見つけた食材をかき集めたと話し、卵の栄養について語りました。
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やがて料理が出来上がりますが、ライオスは全く判別できていませんでした。
それでも、目つきが悪くて浅ましいチルチャックA、ファリンのためでもハーピーの卵は食べたくないマルシルB、マヌケな顔のセンシAを本物だと発表します。
「何となく」で選択した偽物を処理しようと告げたライオスを見て危機を覚えた一行は、本物と偽物とで争い始めました。
その様子にライオスは、どっちを選んでも結局こうなると考えます。
最初にマルシルが思った通り、偽物の正体はシェイプシフターが見せる幻覚であり、本体は臆病な獣……。
そこでライオスが実行に移したのは、自分にとっての身近な獣――猟犬の真似をして吠え、そばに潜んで幻覚を操るシェイプシフター本体をおびき寄せることでした。
魔物との距離感
ライオスの予想通り、猟犬を真似た咆哮におびき寄せられ、白い狼のような姿をしたシェイプシフターが出現します。
同時にチルチャック、マルシル、センシの幻は消滅し、完成した料理も枯葉に変わっていました。
獣になり切ったライオスと、シェイプシフターとの一騎打ちになるかと思われた闘いは、マルシルの爆発魔法ですんなりと解決。
無事にシェイプシフターを討伐した一行は、作り直した料理を囲みながら、結局のところ仲間たちの本物を導き出していたライオスが、どのように考えたのかを聞きます。
判断の要となったのは、魔物との距離感でした。
チルチャックなら、ミミックやテンタクルスの隠れ家になりがちな木箱の上には座らないだろう。
センシなら、迷宮の生態系のバランスを考えて、むやみに食材をかき集めたりしないだろう。
マルシルなら、ウンディーネを警戒して迂闊に茹で汁を捨てないだろう……が、しかし、その迂闊さが逆に本物だろう。
など、ライオスらしい観点で見破っていたのです。
そんな中、食材の一部が消失していることに気付いたセンシ。
チルチャックは消えた食材の痕跡を辿り、何者かが潜んでいそうな部屋を見つけます。
ところが、ライオスが覗いてみると、そこはもぬけの殻。
代わりに、元いた拠点のほうからマルシルの悲鳴が聞こえてきます。
彼女を襲ったのは、シュローのパーティーから足抜けしたアセビでした。
アニメ『ダンジョン飯』第18話まとめ
いかがだったでしょうか。
パーティーの危機を独自の考え方で乗り越え、仲間からの信頼を取り戻した(?)ライオス。
安心したのも束の間、突如として現れたのはアセビでした。
アセビの狙いとは一体?
次回、第19話も楽しみです。