ハイファンタジーな世界観の中、スライムやバジリスク、ミミックといった魔物たちを現実的な方法で調理し、ダンジョン内で自給自足しながら踏破を目指すパーティーを描いた『ダンジョン飯』。
ライオスは古代魔術でファリンを蘇生したことをシュローに打ち明けます。
禁忌である古代魔術を使用したと知り、シュローは激昂しますが、カブルーの機転によってその場は収められました。
そんな険悪な雰囲気の中、ハーピーの襲撃が。
何とか迎え撃つも、さらに巨大な翼を持つ魔物が出現して……?
早速、第17話「ハーピー/キメラ」をレビューしていきます。
目次
アニメ『ダンジョン飯』第16話あらすじと振り返り
チルチャックのおかげで迷宮の変化に法則を発見した一行。
上層へ続く階段を発見し、腹ごしらえをするライオスたちでしたが、何者かの襲撃を受けます。
それはシュローのパーティーと、カブルーのパーティーでした。
ライオスがシュローとの再会を喜ぶ一方、どこかやつれた様子のシュロー。
シュローはファリンを救うため、自国の仲間とともに探索を続ける中、食事や睡眠を疎かにしていたのです。
再会を機に近況報告をするうち、ライオスはシュローにだけ、ファリンに古代魔術を使って蘇生したと打ち明けます。
【ネタバレあり】アニメ『ダンジョン飯』第17話あらすじ・感想
禁忌の行方
ライオスはシュローならわかってくれると思い、ファリンを古代魔術により蘇生したと打ち明けます。
シュローは激昂しますが、カブルーが機転を利かせ、その場を収めました。
そして、おそらくシュローにとって大切な人なのであろうファリンが相手であれば、シュローも同じことをしたのではないかと問いかけます。
その時、拠点にハーピーの襲撃が……。
シュローは他のメンバーのもとへ向かい、カブルーは落ち込んだ様子のライオスに励ましの言葉を掛けます。
ライオスはシュローを尊敬しており、この島で初めて出来た友達だと思っていました。
だからこそ、シュローがあそこまで怒るということは、自分が間違えてしまったのだと考えたのです。
一方、現状を把握したチルチャックは、シュローだけではなく彼の部下、そしてカブルーにまで古代魔術の件を知られてしまったと慌てます。
マルシルに状況を説明すると、カブルーたちが宝虫に襲われていたパーティーだと覚えていたこともあり、さまざまな誤解を解かなければならないと同じように焦り始めました。
そんな彼らの心配をよそに、ハーピーの群れの攻撃は続きます。
ふと、シュローの部下の一人が死体となって落下してきました。
それはハーピーに襲われたからではなく、新たに出現した魔物のせいでした。
巨大な翼を持つ謎の魔物――その姿はどう見てもキメラでしたが、紛れもなくファリンだったのです。
キメラの正体
ファリンを知る者たちは、思わず息を呑みます。
ライオスは驚愕しながらも、心中では「すごくかっこいい!」という感想を抱いていました。
翼に羽毛に鱗にと、欲張りすぎなほど要素が盛り込まれたキメラ姿のファリンに……。
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一方、シュローの部下たち、そしてカブルーのパーティーは、次々にファリンへ挑んでは倒れていきました。
圧倒的な力を持つファリンに攻撃されて血を流す人々を見ても、マルシルはファリンへの猛攻を受け入れられず、止めに入ってしまいます。
すると、カブルーが叫びました。
「あれは彼女(ファリン)じゃない、ただの魔物だ!」
瞬間、ライオスはハッとして、自分もセンシに対し、魔物は魔物だと言い聞かせたことがあったと思い出します。
意を決してファリンの前に立ち、戦闘に加わろうとしたその時、彼女の口から「ライオス兄さん」という言葉が零れました。
一気に戦意喪失してしまったライオスは、剣を落としてしまいます。
攻撃を代わるように、カブルーがファリンの背後に飛びつき、肺、腎臓、心臓と、人間の急所である部位にナイフを突き立てました。
しかし、ファリンは倒れることなく、カブルーは返り討ちに遭ってしまいます。
ライオスは自身が躊躇したことを詫びながら彼を庇いますが、ファリンの強い力に弾き飛ばされ、結局カブルーは踏み潰されてしまいました。
その後、ファリンは強力な魔法を唱えて範囲攻撃を繰り出すと、苦しそうに顔を押さえ、どこかへ去っていくのでした。
”本気”の戦い
死体やケガ人だらけになった現場。
カブルーのパーティーの術師であるホルムは死人の蘇生を請け負いますが、自分の力だけでは全員分は難しいといい、まずカブルーの蘇生に取り掛かりました。
息を吹き返したカブルーは、次にシュローの側近であるマイヅルを蘇生するよう指示します。
マイヅル本人には有能さを鑑みて最初に起こしたと伝えますが、彼女はカブルーが他の術を目当てに貸しを作ったのだと理解していました。
一方、簡単な蘇生術であれば手伝えると告げたマルシルに、激昂するシュロー。
マルシルが古代魔術によって蘇生したせいで、ファリンが魔物の姿になったと思っているからです。
マルシルは自身の古代魔術にそのような力はないと反論したうえで、蘇生に使ったレッドドラゴンの肉に何か術が仕掛けられていた可能性があるといいます。
そして、ファリンとドラゴンの魂が混ざってしまった結果、狂乱の魔術師の手によってキメラの姿になったのではないか、と。
話を聞いたシュローは、マルシルを西のエルフに引き渡し、ファリンの魂だけでも迷宮から解き放って、安らかにしてやりたいと意見を述べました。
別の方法もあるはずだと言い返すライオスに、何か考えを言ってみろと責めるシュロー。
すると、ライオスは「狂乱の魔術師を倒す」と言い切り、狂乱の魔術師と対峙するには、マルシルの力が必要だと告げました。
さらに、シュローが「少しは”本気”で物事を考えたらどうだ」と言った瞬間、咄嗟にライオスが手を挙げます。
「1日3食しっかり食べて、睡眠を取ってる俺たちのほうがずっと”本気”だった!」と言って……。
そこから二人のやり取りは稚拙な殴り合いへと発展し、シュローはずっとライオスのことが苦手だったと言い放つのでした。
危機と後悔と食事
稚拙なケンカを繰り広げるライオスとシュローを横目に、マイヅルは死人の蘇生とケガ人の治療を進めるべく、各人に指示を出します。
やがて、ケンカはライオスの勝利に終わり、センシは倒れたシュローに食事を持っていきました。
おにぎりを口にし、「美味い」と呟いたシュローのもとへマイヅルがやって来ます。
するとシュローは、帰還の術の準備を進めるよう言いつけました。
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そして、ライオスのそばへ戻ると、自分は自国へ帰り、この島には二度と戻らないこと、今回の件を島主に警告することを伝えました。
ファリンに求婚しながらも、どんなところを想っていたか話したことがなかったシュローは、ファリンに伝えておくと約束したライオスを見て「お前のそういうところが妬ましいよ」と呟くのでした。
一方カブルーは、本当に魔物好きらしいライオスの知識と動機こそ彼の強さだと考え、実際に狂乱の魔術師を倒してしまうかもしれないと思い始めていました。
しかし、狂乱の魔術師を倒した後、言い伝えられている噂の通り、この国のすべてを手に入れてしまったら、ライオスはどうするのだろうかと不安のような気持ちを抱きます。
さらにはハーピーの卵で作った卵焼きを差し出され、絶対に食べたくないと恐れおののきますが、ここで信頼を失いたくないという思いから、心を殺して口にするのでした。
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やがて帰還の準備が整うと、シュローは去り際、ライオスに「遠く離れた対の鈴と共鳴する」という鈴の片割れを手渡します。
もし狂乱の魔術師を倒して生き延びたとして、古代魔術の使用という禁忌を犯したせいで地上へ戻れなくなった時、この鈴を鳴らせば東方へ逃亡する手助けをすると……。
「死ぬなよ」と言い置いて去って行くシュローに続いて声を掛けてきたカブルーは、「僕の名前覚えてくれたんですよね……”次は”忘れないでくださいね」と言い残します。
こうしてシュローやカブルーたちと別れたライオス一行は、地上へ帰ることなく、迷宮の冒険へと戻っていくのでした。
アニメ『ダンジョン飯』第17話まとめ
いかがだったでしょうか。
魔物として狂乱の魔術師に操られているであろうファリン。
そんな彼女との戦闘を通して、歩む道を選ぶ者たち。
ライオス一行は迷宮での冒険を続けますが果たして……?
次回、第18話も楽しみです。