ハイファンタジーな世界観の中、スライムやバジリスク、ミミックといった魔物たちを現実的な方法で調理し、ダンジョン内で自給自足しながら踏破を目指すパーティーを描いた『ダンジョン飯』。
地上を目指すライオスたちですが、帰還を阻むように迷宮はその姿を変化させていきます。
腹を空かせたまま彷徨う中、睦み合う男女に遭遇。
狼狽えるセンシでしたが、その正体は人間の姿をした植物の魔物・”ドライアド”でした。
胞子を吸い込んだライオスたちは”花粉症”で戦闘不能の状態に陥り……。
早速、第15話「ドライアド/コカトリス」をレビューしていきます。
目次
アニメ『ダンジョン飯』第14話あらすじと振り返り
ライオス一行が地上への帰還を決断する一方、時は少しさかのぼり、またしても全滅していたカブルーのパーティーは、運良くタンスによる蘇生を受けていました。
しかし、食糧を失い、やむを得ず撤退の途についていた道中、霧の中で魚人の襲撃に遭います。
カブルーは襲いかかる魚人たちの行動に既視感を覚え、それが仲間たちの仕草、戦闘スタイルに似ていると気が付きました。
魔法によって互いに幻覚を見せられているのだと考え、術師を見つけ出して討伐後、無事に幻覚を解くことに成功します。
術師を含む一団は上層で遭遇した死体回収屋で、隙をついて彼らを片付けました。
ひと段落したところで、カブルーは自分たちに霊除けの術を施した「宝石泥棒」がライオスらのパーティーではないかと予想します。
【ネタバレあり】アニメ『ダンジョン飯』第15話あらすじ・感想
煩わしい”ドライアド”の花粉
地上を目指すライオスたちの帰還を阻むように、その姿を変化させる迷宮。
センシは、体力も魔力も補えないまま彷徨う仲間たちを見て、若者に何か食べさせなくては、という使命感に焦ります。
そんな中、森で睦み合う男女を目撃。
突然の出来事に狼狽えるセンシでしたが、その正体は人間の姿をした植物の魔物・”ドライアド”の花でした。
襲いかかってくるドライアドと戦いながら、放出される胞子を吸い込んでしまったライオスたちは、いわゆる酷い”花粉症”の症状により戦闘不能の状態に陥ります。
溢れ出る涙と鼻水に視覚と嗅覚を奪われながらも、互いの感覚と能力で助け合い、無事にドライアドの討伐に成功しました。
一方、マルシルは魔力が弱まって衰弱しており、先の戦いで杖も破損していたため、近くで待っていましたが、涙と鼻水を垂れ流し、顔を腫らした仲間たちの帰還に驚かされるのでした。
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ライオスに必要なのは
ドライアドの実や蕾、近くに生えていたマンドレイクを収集したライオス一行。
センシは嬉々として調理を開始し、かぼちゃのようなドライアドの実の中身をくり抜いて、ポタージュスープを作りました。
くり抜かれて残った外側は器として使われており、一見お洒落にも思えますが、ドライアドの顔――目や鼻や口がそのまま残っているため、マルシルはげんなりします。
しかし、温かくて甘いポタージュは空腹を優しく満たし、彼女を前向きに、楽観的にしていくのでした。
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魔物食によって少し魔力が回復したマルシルは、狂乱の魔術師に打ち勝つのは自分一人では難しいとし、ファリンから魔術のさわりを教わっているライオスに協力を求めます。
それは、魔術を扱える人員を増やすため、ライオスに覚えてもらうことでした。
やがて、魔術や魔導書の読み方について叩き込まれたライオスは、マルシルの傷を治療してみることに。
他人に触れることを恥ずかしがり、変に気を遣うライオスを叱咤するマルシルですが、彼の飲み込みの良さを褒め、やはり素質のある血筋なのかもしれないと評しました。
一方チルチャックは、治癒のための他人への接触に照れが残るライオスを見て、実際このような事象は面倒を生むと語ります。
パーティーの解散原因は大体が人間関係で、そこには妬み嫉み、恋愛感情が含まれているからです。
マルシルは、ファリンと元メンバーのシュローを指しているのかと突っかかりますが、チルチャックはあくまで経験談だといって話を続けます。
そのため、パーティーのリーダーには戦闘の腕だけでなく、人を繋ぎ留める能力が必要だといい、今のライオスには魔術よりも、社交術や人を見る目を養ってほしいと告げました。
さらに、マルシルが使う黒魔術を否定し皮肉を言うチルチャックに、マルシルは「イメージだけで怖がってない?」と返します。
そして、黒魔術――彼女が研究している古代魔術について、説明を始めました。
古代魔術と迷宮
マルシルが研究している古代魔術は、無限が存在する異次元からエネルギーを持ってくる魔術だといいます。
莫大な力と時間を必要とする魔術を補助する、それが座標の魔術であり、この迷宮はあちこちが異次元と繋がっていると説明しました。
その力で魔物を召喚したり、迷宮のかたちを変えたりしているのです。
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レッドドラゴンに取り込まれていたファリンは自分で回復する力がなくなっていたため、マルシルは迷宮の一部を書き換え、「この肉体(ファリン)は迷宮の一部」ということにしました。
それはもちろん一瞬だけ……というところまで語った時、どこからか爆発音が聞こえてきます。
また迷宮のかたちが変わっていると気付いた一行は、そこへ駆け付けようとしますが、その瞬間ライオスが倒れてしまいました。
ライオスは初めてちゃんと魔術を使ったことで魔力酔いを起こしていたようで、仲間たちは安静にしておくよう言い置いて出て行きます。
*
かたちを変えていく迷宮を眺め、その法則性のなさに途方に暮れるマルシルたち。
帰り道を失う寸前で元の道に戻った一行は、背後のかたちが変わり、壁の中から魔物・”コカトリス”が出てきたことに気付きませんでした。
石化したマルシル
襲いかかってくるコカトリス。
マルシルたちが慌てて逃げ込んだ先は、小さな部屋でした。
扉の前で待ち受けるコカトリスは、以前対峙したバジリスクと似た性質を持っているため、姿が見えなくても体温でこちらのことを認識、把握しているはずだとセンシは語ります。
そして、バジリスクを倒した時にライオスが見せた威嚇方法を、今度はマルシルが試してみるよう言いました。
マルシルは、3人の中では一番背が高いということを理由に自分を納得させ、コカトリスの前に飛び出します。
しかし、彼女の威嚇は悪目立ちしてしまっただけで効力を発揮せず、ついにはコカトリスに噛まれてしまいました。
コカトリスに噛まれると石化してしまう……その認識があったからこそ、センシとチルチャックは現場に飛び込み、反撃に出るのでした。
無事にコカトリスを討伐したものの、マルシルには石化の恐れがあります。
何とかライオスの待つ部屋まで戻ってこられましたが、ライオスにツッコミを入れた危ういポーズのまま石化してしまいました。
変なポーズで石化し、少しでもバランスを崩せば破損するという状況に、一行は呆れつつも困り果てます。
いつもならば、こんな時に魔術で治癒してくれるマルシル本人が石化してしまったからです。
ライオスは教えてもらったばかりの魔術を勉強し、チルチャックは石化に効く薬草を探し、センシは石化したマルシルを漬物石代わりにすることで、彼女が倒れないように安定させました。
そうして4日が経ち、魔術、薬草、コカトリスの塩漬けが揃った時、何が効いたのかはわからないものの、無事に石化が解除されます。
マルシルは自分が足を引っ張ってしまったことを申し訳なく思いながらも、漬物石代わりにされていたことに憤るのでした。
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アニメ『ダンジョン飯』第15話まとめ
いかがだったでしょうか。
狂乱の魔術師により、かたちを変えてしまうことで、さらに難しくなった迷宮探索。
美味しいダンジョン飯を味わいつつ、ライオス一行は変わらず地上を目指します。
次回、第16話も楽しみです。