日本の方でしたら誰でも作品を手に取ったことがあり、または名前だけでも聞いたことのある作家・吉本ばなな。
実は、日本だけではなく海外でも作品が多く翻訳され親しまれているそうです。
そんな吉本ばななの最高傑作とも言える作品「デッドエンドの思い出」が、韓国と日本の名古屋を舞台とした「日韓共同製作」として待望の映画化!
映画『デッドエンドの思い出』の監督は、日本の文化と名古屋をこよなく愛するチェ・ヒョンヨン監督が初の長編映画のメガホンを取っています。
主演は日本でも「少女時代」というアイドルで人気を博し、現在は女優業に多忙なスヨンと、名古屋発の今や全国区のアイドルグループ「BOYS AND MEN」の田中俊介です。
- 名古屋を含めたオール愛知県でのロケ。
- 日韓共同製作とのことで、日韓の豪華キャストに注目。
- 吉本ばななの最高傑作がついに映画化実現!
それではさっそく映画『デッドエンドの思い出』をネタバレありでレビューしたいと思います。
目次
『デッドエンドの思い出』作品情報
作品名 | デッドエンドの思い出 |
公開日 | 2019年2月16日 |
上映時間 | 90分 |
監督 | チェ・ヒョンヨン |
脚本 | チェ・ヒョンヨン |
原作 | よしもとばなな |
出演者 | スヨン 田中俊介 ペ・ヌリ アン・ボヒョン ドン・ヒョンベ イ・ジョンミン 平田薫 若杉凩 |
『デッドエンドの思い出』あらすじ
もうすぐ30歳になるユミ(スヨン)は、仕事で名古屋へ発ってしまった婚約者のテギュとの将来が気がかりだった。
彼女はふと思い立って彼に会いに韓国から名古屋に行くが、テギュのアパートでユミが目にしたのは見ず知らずの女性だった。
ショックを受けたユミは、なじみのない街をあてどなくさまよった後、西山(田中俊介)がオーナーを務める古民家カフェに足を踏み入れる。
出典:シネマトゥデイ
【ネタバレ】『デッドエンドの思い出』感想レビュー
韓国と日本のアイドルが主役でタッグを組む新たなストーリー
結婚目前の中、転勤のため遠距離恋愛中の彼を追いかけるため名古屋にやってきた一人の女性ユミ。
ですがユミは、早々に日本で彼の衝撃な事実を知り…!
ひどく傷ついたユミは、名古屋の町をただ朦朧と歩くことになります。
そんなユミを演じるのは、韓国で絶大なる人気を得たアイドル「少女時代」のスヨン。
現在は、韓国でもドラマに多数出演するなど女優業に専念。
本作『デッドエンドの思い出』では、日本語のセリフも堪能にこなし話題を呼びました。
そして、傷心のユミがふと入った古民家ゲストハウス「エンドポイント」で、ユミはいつも笑顔でゆるい感じの不思議なオーナー西山に出会います。
西山のちょっとした心遣いやエンドポイントに集まる名古屋弁の常連客たちに、刺激を受けつつも癒されていきます。
その「エンドポイント」のオーナー西山を演じるのは、撮影地名古屋で誕生し、今や全国区で大人気の「BOYS AND MEN」の田中俊介。
癒し系な田中の笑顔と演技に、『デッドエンドの思い出』をご覧になられている方も「癒された」のではないでしょうか?
そんな田中俊介演じる西山は、ユミを温かく見守り、癒し、そして西山の身にも起こった悲しい過去を清算していこうとします。
そしてユミと西山の2人は…!?
事実を知った瞬間のユミ(スヨン)は…
名古屋に転勤してから、すっかり連絡のない彼氏のテギュを疑わしく思ったユミは1人で名古屋へ行くのですが、韓国を出るときも、名古屋に着いても連絡は取れるが会えない状態が続きます。
最終手段で、ユミとテギュの共通の友達に彼の家を教えてもらったユミは、テギュの家へと足を運びます。
が、そこでユミは全身何かで打ち砕かれたかのような衝撃的な事実を知ります。
そう、テギュは名古屋の職場の女性と結婚していたのです。
そして、偶然鉢合わせたテギュは「ユミには時間が必要」とか「車は返す」などいい人ぶられますが、絶対テギュのことだけは許せないユミ。
4年という長い年月が、一瞬で打ち砕かれた瞬間でした。
ここからユミは完全にエンドポイントにいる数日間も心を閉ざしてしまうわけですね。
女性の立場からすれば本当に悲しい!かわいそうなのですが…。
ここからユミは、エンドポンイトで立ち直ることができるのでしょうか?
西山(田中俊介)の傷に触れた、ユミ(スヨン)は…?
とにかく辛かったユミにいつも笑顔と心遣いと癒しをくれていた西山。
実は彼にも親にひどい仕打ちを受けてきたという、とても悲しい過去がありました。
それを知ったユミは今までふさがっていた何かが動き出すのです。
確実に何かが変わっていくのを感じたユミは前を向いて進む決意をします。
そして西山もエンドポイントを閉店し、また自分探しに出ると言います。
西山もユミに本心を明かせたことで、やっとどこかで心のしこりが取れたのでしょうか?
お互いここから「恋」へと発展するわけではないのですが、何か2人には確実に前を向けるヒントがあったのかもしれません。
人には色々な過去があり、「忘れたくない過去」や「苦しい過去」など、それを「どれだけ乗り越えて前向きになれるか」が、本作『デッドエンドの思い出』最大のキーワードと言えると思います。
『デッドエンドの思い出』感想:失恋から立ち直り、新しい人生へ
誰でも一度は(おそらく)経験したことのある失恋。
中には経験したことない方もいらっしゃるかもしれませんが、とにかく大好きな人や結婚を目前に控えていた男性から、別の人と婚約したなんて聞かされては辛いのは当たり前です。
ですが、ここから「切なくても苦しくても、どう前向きになれるか」が、『デッドエンドの思い出』の大事なところかと思います。
非常にシンプルなストーリーとスローテンポな感じでしたが、テンポが遅いのではなく「丁寧にゆっくり時間をかけて前へ進んでいく」という表現の表れだと感じました。
それだけ人の心の傷の深さは時間がかかるんだよ。ってことではないでしょうか?
ぜひ、辛い失恋や過去から立ち直れない方々にご覧いただきたい映画です。
名古屋の魅力を最大限に味わえる「貴重な作品」
本作『デッドエンドの思い出』のロケ地は、冒頭にも触れましたがオール愛知県ロケです。
名古屋市内を中心にその近郊の施設など、地元愛知県に住んでいながら「知らない場所・新しい発見」もでき、そして名古屋を知らない方でも、魅力を十分に味わって頂ける風景や場所が多く出てきます。
実は私も愛知県民なのですが、『デッドエンドの思い出』で出てくる場所は、新しい発見や知らない場所が多く、実は『デッドエンドの思い出』を鑑賞した後に「ロケ地巡り」もしたほどです。
そのロケ地巡りの際に絶対行きたかった場所が、劇中にも出てくる古民家「エンドポイント」。
『デッドエンドの思い出』撮影後も、映画製作に関わったスタッフの方々によりカフェとして営業されていました(2019年6月20日をもって閉店)。
カフェでは映画の中にも出てくるカフェ店内はもちろん、映画のシナリオ、出演者の直筆サイン、スヨンが居座った部屋のセットなども展示されていました。
飲食もできて、西山特製の「味噌トースト」も味わうことができました。
なかなか手の込んだ名古屋の路地裏「いきどまり」。
『デッドエンドの思い出』を製作されたスタッフのみなさまの意気込みが感じられる「エンドポイント」です。
『デッドエンドの思い出』をご覧になってから、ぜひ名古屋の魅力にも触れて頂きたいと思います。
余談ですが、ユミ役の「少女時代」スヨンは『デッドエンドの思い出』の撮影のため、名古屋の中心街のホテルで約1ヶ月間滞在してたようです。
ひょっとしたら…名古屋駅辺りで、スヨンを見かけることができたかもしれませんね。
『デッドエンドの思い出』まとめ
🌸満員御礼☆「デッドエンドの思い出」完成披露プレミア上映会@ BM THEATER🌸
スヨンさん、田中俊介さん、チェ・ヒョンヨン監督の記者会見の画像と12月13日のトーク後の画像をアップ!✨
会場にお越しの皆さま、ありがとうございました! pic.twitter.com/ezBd5A6Uzx— 映画『デッドエンドの思い出』公式 (@dead_end_movie) December 14, 2018
以上、ここまで映画『デッドエンドの思い出』についてネタバレありで紹介させていただきました。
- ユミと西山の「心の傷」がゆっくり解けていくところは必見。
- 辛いこと、苦しいことがあってもどれだげ自ら前向きになれるかが大事。
- 丁寧に少しずつ「ゆっくり時間をかけて」前に進んでいく気持ちを大切に。