太宰治原作の映画化作品おすすめ5選!「人間失格」「グッドバイ」ほか文学史に名を残す傑作の映画版!

太宰治原作の映画化作品おすすめ5選!『グッドバイ~嘘からはじまる人生喜劇~』絶賛公開中!

出典:日本近代文学館

津軽の大地主の家に末っ子として生まれ、第2次世界大戦前から戦後にかけてたくさんの作品を世に残した作家・太宰治

走れメロス」や「人間失格」など数々の代表作があり、日本でその名を知らない人はいないほどの文豪です。

現在も映画やドラマ、アニメと様々なかたちで映像化されることが多く、その世界観は時代を超えて評価され続けています

文壇で活躍した裏では自殺未遂や薬物依存、女性関係の問題など、スキャンダラスな私生活を送っていた太宰ですが、創作活動にはそんな私生活がかなり色濃く反映されており、私小説的な作品は若者を中心に人気を集めました。

また、2015年には太宰の未完の遺作「グッド・バイ」を基に作り上げられたケラリーノ・サンドロヴィッチ作の舞台が大ヒット。

2020年2月14日からは同じ『グッド・バイ』が原作の映画『グッドバイ~嘘からはじまる人生喜劇~』が公開されるなど、令和になった現在も太宰の魂が引き継がれています。

今回はそんな太宰治の作品が原作となった実写映画をご紹介します。

太宰治原作の映画化作品おすすめまとめ5選

『人間失格』

ポイント
  • この作品で複数の新人賞を受賞した生田斗真の名演!
  • 主人公を取り巻く魅力的な女優陣
  • 退廃的な雰囲気の中に繊細な美しさが浮かぶ作品

津軽から上京し、高等学校に入学した葉蔵(生田斗真)は、同じ画塾に通う6つ年上の堀木(伊勢谷友介)に誘われ、バーに足を踏み入れます。

自然と女性が寄ってくるほどの美男子だった葉蔵は、多くの女性と様々な問題を起こすようになります。

やがて、カフェの女給・常子(寺島しのぶ)に自分と同じような寂しさを感じ、心中を図りますが……。

太宰治生誕100年を記念して2009年に制作された作品。

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太宰の代表作のひとつで、自身の半生を投影している点が多いとされていることもあり、太宰にとっての“遺書”のようなものではないかと言われています。

実写映画だけでなくアニメーション作品も制作されるなど、時代を超えて評価されている傑作です。

『ヴィヨンの妻 〜桜桃とタンポポ〜』


ポイント
  • 豪華キャストが脇を固める重厚感ある作品
  • この作品で日本アカデミー主演女優賞を受賞した松たか子の演技が光る!
  • 根岸吉太郎監督の代表作

戦後の混乱期、東京。

才能ある小説家・大谷穣治(浅野忠信)は飲み屋で酒代を踏み倒し、妻の佐知(松たか子)が肩代わりをするために飲み屋で働くことになります。

佐知はその美貌で店の人気者になり、穣治は嫉妬から店の客である岡田(妻夫木聡)との関係を疑ったり、愛人の秋子(広末涼子)と行方をくらましたりします……。

2009年、モントリオール世界映画祭で最優秀監督賞を受賞した作品。

同名タイトルの原作「ヴィヨンの妻」をベースに、サブタイトルにもなっている「桜桃」や「姥捨」「思ひ出」など、いくつかの太宰作品から一場面やセリフを切り取って構成されています。

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映画オリジナルのキャラクターも登場しますが、その存在が作品を引き立てている見ごたえのある映画です。

『パンドラの匣』


ポイント
  • 染谷将太が長編映画で初めて主演を務めた映画
  • 太宰の読者の実話に基づいているという異色の作品
  • 菊池成孔が担当した雰囲気に合った音楽にも注目!

結核のため、出兵することも叶わず太平洋戦争終結を迎えた少年・ひばり(染谷将太)は、“健康道場”という変わった結核療養所に入所します。

明るく愛嬌のある看護師のマア坊(仲里依紗)や、美しい看護師長の竹さん(川上未映子)、個性的な療養患者たちに囲まれて、少しずつ生きる力を取り戻していきますが……。

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太宰治の読者だった男の病床日記を基に描かれた作品。

美人看護師の竹さんを作家の川上未映子が演じ、数々の新人女優賞を受賞したことでも話題になりました。

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『斜陽』


ポイント
  • 太宰治生誕100周年記念で制作された映画
  • 悲壮感や虚無感の漂うストーリー
  • 2020年、新たに映画化が予定されている作品

病気の母親を連れて都会から田舎へと移り住んだものの、鬱屈した日々を送るかず子(佐藤江梨子)。

久々に再会した弟・直治(伊藤陽佑)の友人だという上原(温水洋一)と出会ったかず子は、彼が持つ独特の雰囲気に惹き込まれていき……。

人々が没落していく姿を描き、没落する上流階級の人々を指す“斜陽族”という言葉を生みだすほど、文学界のみならず社会にも影響を与えた作品です。

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上映時間80分と長くはない時間の中で、濃密なストーリーを展開しています。

『富嶽百景~遥かなる場所~』

ポイント
  • 太宰の随筆ともとれる短編小説の映画化
  • 将来について考えることになる男の物語
  • 富士の描写と共に変化する主人公の気持ちに沿った作品

新作の執筆について思い悩んでいる小説家・修治(塚本高史)。

ある日、修治は先輩小説家・井伏(綾田俊樹)の誘いで、富士山の見える天下茶屋へ向かいます。

そこで何故か美知子(田丸麻紀)という女性とお見合いをすることになりますが、修治は美和子と初対面ではないことに気づきます…。

太宰が長編小説「火の鳥」を書く際、井伏鱒二の滞在する天下茶屋にいた3ヶ月の間に、実際に起こった出来事を描いた作品

舞台を現代に置き換えていますが特に違和感なく、太宰作品の世界観を楽しめる映画になっています。

太宰治原作の映画化作品・まとめ

いかがだったでしょうか。

太宰治の未完の遺作が基になっている映画『グッドバイ~嘘からはじまる人生喜劇~』は、2020年2月14日から公開中。


主演の大泉洋と小池栄子の掛け合いをはじめ、豪華なキャストが生み出す笑いの数々から目が離せない恋愛狂騒劇です。

ぜひ、劇場でご覧ください!

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