『ピースオブケイク』『溺れるナイフ』のジョージ朝倉が「週刊ビッグコミックススピリッツ」にて連載中の男子バレエ漫画を原作としたアニメ『ダンス・ダンス・ダンスール』。
サマースクールで仲良くなった寿から生川はるかバレエ団の公演に誘われた潤平。
ゲストダンサーだけでなく、生川の団員のレベルの高さに驚き、SSクラスに入ることができれば団の公演に出演できると知り、心が揺れます。
そんな中、潤平と流鶯のスクール参加の理由を聞いて激怒する大和と海咲に、ピルエット勝負を挑まれ……。
早速、アニメ『ダンス・ダンス・ダンスール』第7話をレビューしていきたいと思います。
目次
アニメ『ダンス・ダンス・ダンスール』前回第6話あらすじと振り返り
観客からのウケは良かったものの、綾子に酷評されてしまった潤平と、五代バレエスタジオ。
流鶯はMVPを獲ることができず、一部の保護者たちからはクレームが入ってしまいました。
生徒の半数が退会してしまったことを知った潤平は、保護者たちに考えを改めてもらえるように、綾子から認めてもらおうと行動を起こします。
生川はるかバレエ学校で行われるBoysサマークラスに参加しようと試みたのです。
そこには全国からの参加者がいましたが、意外にも綾子は潤平と流鶯の参加を認め、去っていきました。
整った体型と美しい顔を持った流鶯はいじめられっこモードを発動しておとなしくなってしまい、足だけは天才的にバレエ向きの潤平はそもそもバレエ初心者……。
素質はあるものの扱いにくい二人は、指導者の中村を困らせます。
ピアノ担当の妻村による生演奏でレッスンが始まると、潤平は中村から音と動きが合っていないと言われ、混乱していきました。
それでも潤平は流鶯の負けず嫌いな部分を煽るような言葉をかけ、彼のやる気を引き出していきます。
やがて落ち着きを取り戻した流鶯は、他の参加者の動きを見ながら出来ていないところを順に指摘していき、みんな音を取るのがやっとで、ある意味では潤平以下だと口にしました。
流鶯の言葉を聞いた潤平は、「1、2、3、4……」と心の中でカウントを取ることで動きのずれを克服します。
しかし、音に合わせるのではなくカウントに合わせることが正解ならば、自分の気持ちいいバレエはできないと気付いてしまいました。
そんな中、妻村に声を掛けられた潤平は、生川のSSクラスのレッスンを覗かせてもらい、その群舞のような美しい動きに感動を覚えます。
妻村は無意識に音の感情を表現しようとしてしまう潤平を褒めつつも、そのバレエへの無自覚さを指摘し、アドバイスを送りました。
帰路についた潤平は、明日からの練習に後ろ向きになっている流鶯の暗い表情を見て、己のバレエに対する無自覚、無知、傲慢さを思い知り、涙を流しながら謝るのでした。
【ネタバレあり】アニメ『ダンス・ダンス・ダンスール』第7話あらすじ・感想
揺れる心
自分の無知と傲慢を思い知った潤平は、それらを恥じながらもサマーレッスンに精を出していました。
バレエと向き合うため、その起源などにも興味を持とうとしていると、基礎や歴史に詳しい寿と仲良くなり、生川はるかバレエ団の公演に誘われます。
流鶯は日本人のバレエなんて興味がないと勝手に断っておきながら、ゲストダンサーとしてマリンスキーの元プリンシパルが出演すると知り、今度は勝手に便乗します。
以前、都と観劇した時には公演中に退屈すぎて眠ってしまった潤平でしたが、今回はその元プリンシパルに釘付けになり、目を輝かせていました。
ついこの間まで学芸会に思えていたのに、観方が随分と変わった自分に驚いていると、隣にいた流鶯も興奮している様子でした。
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公演後、出演者の中に生川の団員がいたと聞いて驚く潤平は、SSクラスに入ることができれば公演に出演できると知り、心が揺れ始めます。
サマースクールへの参加者は皆、SSクラスへのスカラシップ取得を狙っているのでした。
目的の違い
――サマースクール3日目。
調子を取り戻していた流鶯は優秀な生徒の証である鏡前のポジションに立てるようになっており、潤平も中村の指導を受けて徐々に成長していました。
そんな中、大和から千鶴が海外で活躍していたことや、生川に在籍していたことを聞いた潤平は、当時の千鶴が問題児だったと知り、驚きを隠せません。
さらに、その千鶴のところから生川に鞍替えしたのは英断だと言われ、衝撃を受けます。
自分を見つけてくれた千鶴をバカにされたように感じた潤平は、自分と流鶯が五代バレエスタジオのためにここへ来たと白状しました。
潤平たちの目的が生川のスカラシップではないと知った大和と海咲が激怒すると、それまで黙っていた流鶯が大和を煽るようなことを言い、さらに怒らせます。
しかし、綾子に酷評された洋舞祭りで一番観客からウケたのは自分たちだと語る流鶯に、潤平だけは驚きとともに喜びを感じていました。
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一方、激昂する大和とは違い、綾子が認めたうえでここにいる潤平と流鶯にとやかく言う筋合いはないというスタンスの海咲でしたが、気分は悪いと明かします。
そして、ピルエットで対決をし、潤平たちが負けたらサマースクールから去るように言いました。
勝負の行方
『海賊』の登場人物であるアリの連続ピルエットで勝負することになった潤平たち。
集まっていた生徒たちから多くの賞賛を得られたほうが勝ちという対決で、大和、潤平、流鶯、海咲の順に披露することになっていました。
生徒の一人である都は、潤平と流鶯が生川にいることに驚きながらも、審査する生徒たちの輪に加わります。
一番目の大和は、難しい4回転を入れたピルエットを自信満々に披露し、多くの拍手と歓声を得ました。
一方で二番目の潤平は、美しいピルエットを披露したもののシングルのみだったため、皆の評価を得られません。
潤平はこれが今の自分できる精一杯だと流鶯に告げ、彼に後を託しました。
そんな中、都だけが潤平のピルエットを認め、一人感激した表情で拍手を送っていると、もう一人、拍手を送る人物が現れました。
その生徒――夏姫は、洋舞祭りで潤平を見て目を輝かせていた、あの少女でした。
夏姫は潤平と大和のピルエットを淡々と評価し、潤平のほうが上手かったと語ります。
しかし、海咲は大和のほうが生徒たちからのウケが良かったとして、潤平の敗北を告げました。
すると、流鶯が前に出てバミリの上に立ち、ここから動かずに回ると宣言します。
「僕が一番だ!」と声を荒げる流鶯を見た潤平は、彼の本気が見られると興奮し、海咲たちの制止を無視して、わくわくした表情で音楽を流します。
殺気立った様子の流鶯は連続で4回転をして見せると、しゃがみながらのピルエットという難易度の高い技を披露して、その場にいた皆を驚かせました。
生徒たちからの喝采を浴びる中、敵だったはずの大和まで目を輝かせて近寄ってきます。
「また周りを変えちまったな!」と称賛する潤平に、流鶯はバミリを指差して「この上で回ってたろ」と真剣な表情で言い、また潤平を笑わせるのでした。
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それぞれの目標
すっかり打ち解けた様子の一同は、大和の提案でラーメン屋に行きます。
先ほどの流鶯の踊りに衝撃を受けた海咲は、皆と会話をしながらも手元ではスマホで「森流鶯」の名前を検索していました。
そして、流鶯の母・真鶴のことを知ると、自分がスカラシップを取れなかったらバレエを辞めなければならないと話し始めます。
やがて海咲だけラーメンに手を付けていないことに気付いた大和や寿がそれを指摘すると、海咲はこのラーメンが2000キロカロリーあることを教え、皆を驚かせました。
その帰り、海咲は踊って消費すればいいと提案し、一同は夜の公園に立ち寄ります。
お互いに刺激を受けながら練習をする中で、それぞれが将来設計にバレエを組み込み、目標を持っているのだと知った潤平は、自分の目標を問われて一瞬躊躇います。
その隙に、「マリンスキーかボリショイのダンスールノーブル」と、先に口に出したのは流鶯でした。
潤平が千鶴に語ったその夢は、流鶯と流鶯の祖母の夢でもありました。
祖母が10年以上かけて作った、バレエをするための流鶯の肉体……流鶯はそれを思うと、潤平に対して攻撃的になるのでした。
そんな二人を暑苦しいとからかった大和が潤平の背中を押して公園の池に落としたことをきっかけに、彼らは水をかけあってふざけ始めます。
しかし、海咲だけは少し離れたところから、口元に笑みを浮かべて見ていました。
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アニメ『ダンス・ダンス・ダンスール』第7話まとめ
いかがだったでしょうか。
流鶯のピルエットのシーンは圧巻でしたね。
実は潤平の踊りが美しく、流鶯の踊りが力強いイメージになっているのが、普段とは違っていて印象的でした。
また、大和や海咲、寿ら同年代の仲間ができたことで、潤平と流鶯の成長に大きく変化が出てきそうです。
海咲は敵か味方か……何やら怪しい雰囲気も醸し出していますが、その辺りも含めて面白くなりそうですね。
千鶴や真鶴、綾子など、大人たちの過去にも気になる点が出てきて、さらなる展開に期待が高まります。
次回第8話も楽しみです。