『ピースオブケイク』『溺れるナイフ』のジョージ朝倉が「週刊ビッグコミックススピリッツ」にて連載中の男子バレエ漫画を原作としたアニメ『ダンス・ダンス・ダンスール』。
洋舞祭りで観客を沸かせた潤平と流鶯。
しかし、潤平は生川はるかバレエ団を主宰する審査員・生川綾子にバレエに向いていないと酷評されてしまいます。
さらに、この一件で保護者たちの不満が爆発し、五代バレエスタジオから退会者が続出……。
責任を感じた潤平は綾子に認めてもらうため、「生川」のバレエ学校のサマースクールに参加することに。
早速、アニメ『ダンス・ダンス・ダンスール』第6話レビューしていきたいと思います。
目次
アニメ『ダンス・ダンス・ダンスール』前回第5話あらすじと振り返り
――洋舞祭り当日。
このメンバーで『白鳥の湖』を踊るのはこの本番で最後だという千鶴の言葉に感化された潤と都。
二人はこれまでを振り返り、改めて本番への強い気持ちを共有します。
迎えた本番では、客席がどよめくほどの存在感を放つ流鶯の姿がありました。
スタジオの保護者も流鶯は格が違うと話しており、観に来ていた兵太も納得させられます。
一方で、潤平にワクワクさせられている人たちの存在を知り、思わず目を輝かせてしまうのでした。
舞台が順調に進行していく中、「演技よりも基礎」と伝えていたはずの潤平が演技に夢中になってしまっている様子に呆れる千鶴。
自分の出番ではない時の舞台袖で、早く舞台に戻りたいと全身で伝えてくる潤平を見て、「せめて華麗に死んでこい」と告げます。
そんなワクワクが止まらない潤平が飛び出して行くと客席はどよめき、舞台は一瞬で潤平の空気に。
さらに、流鶯演じるロットバルトの登場で、今度は悪魔の世界になっていきます。
しかし、あらすじ通り死の演技をした潤平が、姫と都を重ねて思わず生き返ってしまったことから、舞台はアドリブで進めていく他なくなってしまいました。
流鶯がどうにか立て直そうとするのに、何度も立ち上がろうとする潤平。
ついに流鶯は、理屈の通じない純粋な憎悪の塊――まさに悪魔となり、圧倒された潤平はようやく倒れます。
圧巻のソロの後に流鶯も倒れ、曲は終わり、幕が閉じました。
静まり返る客席からはパラパラと拍手が起こり、徐々に歓声が、そしてアンコールの声まで上がり始めます。
わけがわからず息を切らす流鶯に、千鶴は「よく切り抜けたわ、ロットバルトしてね」と穏やかに言いました。
そして、元凶である潤平を咎めようと目を向けると、潤平は反省するどころか目をキラキラさせていました。
アンコールが巻き起こる中、審査員席にいた生川綾子は「前代未聞ね。 こんな下劣な舞台は」と呟きました。
【ネタバレあり】アニメ『ダンス・ダンス・ダンスール』第6話あらすじ・感想
酷評されたけれど……
観客からのウケは良かったものの、生川綾子に酷評されてしまった潤平と、五代バレエスタジオ。
結局、流鶯はMVPを獲ることができず出て行ってしまい、一部の保護者たちからはクレームが入ります。
潤平と都に小さな生徒たちを連れていくよう指示した千鶴は、保護者たちと話すことに。
保護者たちは今回の件だけでなく潤平がすべてのクラスに出席していたことに触れ、贔屓するような状態が続くなら子供を退会させると告げます。
千鶴は潤平をクラスに参加させない約束をするものの、辞めさせるわけにはいかないと言い切りました。
「私には、彼を見つけてしまった責任があるんです」
一方、小さい子たちの出番が自分のせいで減ってしまったと気付いた潤平が、飲み物を買ってあげながら謝ると、子供たちは「気にすんな~」と笑います。
urara
会場近くで兵太を見つけた潤平は、彼が自分の名前を呼んでくれていたことに気付いており、礼を伝えます。
兵太は潤平が面倒な世界に足を踏み入れたことをからかいながらも、潤平なら大丈夫だと言います。
そして、「(全部)巻き込んじゃえよ」と告げて帰っていきました。
潤平はその言葉を胸に帰宅し、綾子のいうバレエとは、アートとは何なのか考え始めます。
流鶯のMVPを逃すきっかけを作ってしまったことに罪悪感をおぼえつつ、あの時のステージの輝きと熱量が忘れられない潤平。
酷評された自分のバレエがバレエでないのなら、なんでやっているんだろうと考えます。
敵地へ乗り込む
後日、生徒の半数が退会してしまったことを聞いた潤平は、保護者たちに考えを改めてもらえるように、綾子から認めてもらおうと行動を起こします。
生川はるかバレエ学校で8日間のBoysサマークラスがこの日から始まると知り、流鶯を連れ出して自分たちも参加しようと試みたのです。
そこには、安田海咲(天﨑滉平)や田倉大和(西山宏太朗)、姫乃小路寿(井之上潤)といった全国からの参加者が待ち受けていました。
それぞれに長所、短所がある中、綾子はそれらを吟味するように観察し終えると、レッスンを中村(子安武人)に任せます。
綾子が初めの挨拶をしていたその時、突然スタジオに入ってきたのは啖呵を切る潤平と、アウェーな雰囲気に飲まれてしまう流鶯。
綾子は二人を見やると、優秀な生徒が立つことになっている場所――鏡の前の位置に立たせ、参加を認めて去っていきました。
その後、綾子はスタッフに「あの二人の身辺調査を徹底的にお願いね、二人とも貰うわよ」と告げます。
urara
サマークラス開始
バレエ歴3ヶ月の潤平と、いじめられっこモード発動でおとなしくなってしまった流鶯に、中村は困った表情を浮かべます。
整った体型と美しい顔を持つ流鶯、足だけは天才的にバレエ向きの潤平……綾子が素材だけで参加させたのでは、と困惑していました。
そこへやって来たのは、ピアノ担当の老齢の女性・妻村(杉山佳寿子)でした。
潤平は生のピアノ演奏でレッスンができることに胸を躍らせます。
妻村のピアノを聴いて「光ってる音の粒出す人じゃん」と内心喜ぶ潤平でしたが、中村に音と動きが合っていないと言われ、驚くことに。
ずれているなんて思ってもいなかったし、今まで言われたこともなかったため、何度もずれていると指摘され、混乱していきます。
そんな潤平と、すぐに俯いてしまう流鶯は、鏡前から一番遠い後ろの位置に回されてしまいました。
今までいた鏡前が優秀な生徒の立ち位置だと気付いていた潤平は、流鶯の表情を見て煽るように話しかけます。
一番前で目立っている海咲や大和を例に挙げ、流鶯より彼らのほうが上手いと告げました。
そして、潤平が先に前へ戻ると宣言すれば、次に見た流鶯はいつもの強気な表情になっていました。
人が変わったように落ち着いた様子で踊る流鶯は、中村に素晴らしいと言わせるほど通常運転に戻ります。
urara
無自覚な傲慢さ
「で、どいつが僕より上手いって?」
落ち着きを取り戻した流鶯は、潤平に小声で尋ねてきます。
そして、参加者の動きを見ながら出来ていないところを順に指摘していき、みんな音を取るのがやっとで、ある意味では潤平以下だと言いました。
流鶯の言葉を聞いた潤平は、レッスン時に指を弾いてカウントを取っていた千鶴の姿を思い浮かべます。
音楽に合わせて「1、2、3、4……」と心の中でカウントを取ってみると、中村からちゃんと出来ていると初めて評価されました。
urara
一方で、音に合わせるのではなくカウントに合わせることが正解ならば、自分の気持ちいいバレエはできないと気付いてしまいます。
そんな中、潤平は妻村に話し掛けられ、「くっそつまんねえ」という顔をしていたと言われます。
さらに、潤平がリズムを取るだけではなく、音の感情を表現しようとしてしまうことを指摘されました。
妻村は生川のSSクラスのレッスンを覗かせてくれて、潤平はその群舞のような美しい動きに感動すら覚えます。
「ちょっと振り返ってみないと、あそこには行けないかもね」という妻村は、潤平のバレエへの無自覚さ、無意識さを改めて指摘するのでした。
帰路についた潤平は、流鶯が電車の乗り方を知らなかったことに気付き、「明日も迎えに行ってやるよ」と笑います。
しかし、「行かない」と暗い表情をする流鶯……。
そんな彼を見て己のバレエに対する無自覚、無知、傲慢さを思い知った潤平は、涙を零しながら流鶯に謝るのでした。
アニメ『ダンス・ダンス・ダンスール』第6話まとめ
いかがだったでしょうか。
新たな場所に踏み込んだ潤平と流鶯は、都が当初思っていたような切磋琢磨できる存在になっている気がします。
さらに、潤平に気付きを与えてくれる人たちが温かく、それを受け取る潤平がいつも真摯に向き合っているのが良いですよね。
二人が生川で何を得て、何を失うのか……。
次回第7話も楽しみです。