『ピースオブケイク』『溺れるナイフ』のジョージ朝倉が「週刊ビッグコミックススピリッツ」にて連載中の男子バレエ漫画を原作としたアニメ『ダンス・ダンス・ダンスール』。
第4話では、バレエに本気で取り組み始めた潤平が、バレエ大国・ロシア最高峰のカンパニーでダンスール・ノーブル(王子を踊る資格のある男性ダンサー)になると宣言。
千鶴も期待しているようですが、相変わらずバーレッスンだけの毎日。
しびれを切らした潤平は『白鳥の湖』の振りを披露するも、千鶴に「バレエになっていない」と言われてしまいます。
真剣にバレエと向き合うことを決めた潤平に次々と立ちはだかる壁……どう乗り越えていくのか、目が離せません。
早速、アニメ『ダンス・ダンス・ダンスール』第4話をレビューしていきたいと思います。
目次
アニメ『ダンス・ダンス・ダンスール』前回第3話あらすじと振り返り
流鶯は登校し始めたものの他人と関わることを避けており、潤平の友人である兵太に目をつけられ、いじめの標的にされてしまいます。
一方、スタジオに足が向かなくなっていた潤平は、家でバレエの練習を続けていて、流鶯の美しい練習中の姿を思い出しては自分もそうなりたいと悔しさを感じていました。
その頃、兵太はひょんなことから流鶯の母親がワケアリの元女優であるという事実を知ってしまい、いじめはエスカレートしていきます。
無理矢理サッカー部の部室に連れてこられた流鶯は、暴力から逃れようとした拍子に一人で転んでしまい、怯えながらされるがままになって、潤平を苛立たせます。
部室に飛び込んできた都によって流鶯は解放されますが、潤平は都から流鶯にはバレエしかないのだと言われ、顔も見ずに立ち去られてしまいました。
帰宅した潤平は、相変わらず一人でバレエの練習を続けながら、「かっこいいって、男らしいって、なんだ?」と考えるようになります。
合唱コンクール当日、兵太や流鶯たちのクラスの順番になると、流鶯の母親・真鶴が現役時代に歌っていた曲が流れ、セーラー服を着せられた流鶯が一人で舞台に立たされます。
教師たちが止めに入って音楽も鳴り止みますが、潤平は見ていられなくなって観客席を離れ、都は檀上にいる流鶯に駆け寄りました。
しばらく俯いたまま動かなかった流鶯は、履いていた靴を脱ぎ飛ばすと、無音の体育館で踊り始めます。
都はハッとして檀上に上がり、流鶯の踊りに合わせてピアノを弾き始めました。
観ていた生徒たちが驚きの声を上げ、兵太たちが面白がる一方、潤平は流鶯の舞う姿を見て、涙が止まりませんでした。
その後、舞台裏で息を切らす流鶯は笑みを浮かべていました。
帰宅しようとする流鶯に絡む兵太たちに話し掛けた潤平は、自分もバレエをやっていること、サッカー部もバンドも辞めること、バレエだけに向き合うことを告げます。
兵太たちから仲間外れにされた潤平ですが、どこか気持ちが軽くなり、久しぶりにスタジオへ向かいました。
潤平は今まで「ババア」と呼んでいた千鶴を「先生」と呼ぶと、「俺にバレエを教えてください!」と叫びました。
【ネタバレあり】アニメ『ダンス・ダンス・ダンスール』第4話あらすじ・感想
一つの頂点
潤平が千鶴に「俺にバレエを教えてください!」と叫び、晒した坊主頭に驚愕されていた頃、流鶯は扉の外でそれを見ていました。
母・沢子に持たされた月謝と菓子折りを差し出す潤平に、千鶴は「5番(バレエのポジションの一つ)で立って、王子としてね」と言います。
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潤平の立ち姿を凛々しい王子と評した千鶴は、彼がシャアを意識したと聞いて笑みを零します。
王子役に興味がない、王子に拘る流鶯の気がしれないと話す潤平に、千鶴はダンスール・ノーブル(王子を踊る資格のある男性ダンサー)は、一つの頂点だと教えました。
すると、潤平はバレエ大国・ロシア最高峰のカンパニーでダンスール・ノーブルになると宣言。
驚きながらも、笑い声を上げてバカバカしいと呆れる千鶴でしたが、実は潤平の踊る姿を初めて見た時に、同じ絵空事を思い描いてしまったのだと告げました。
足の形や手足の長さなど、潤平の外見に素質があると感じていた千鶴は、体幹やバネはジークンドーを習っていたおかげかもしれないと評するのでした。
もっと自由に
学校でも隠すことなく踊るようになり、「止まったら死んでしまう」と思ってしまうほどキラキラした気持ちを抱いていた潤平。
屋上で一人踊っていると、そこへやって来た都が嬉しそうに笑います。
潤平がもうバレエをやらないのかと思っていじけた態度を取ってしまったと詫びる都に対し、流鶯の姿を思い浮かべた潤平は、自分は当て馬ポジションだと身に染みて感じました。
その頃、潤平が屋上で踊る姿を、流鶯も遠くの廊下から見つけていました。
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そんな中、バーレッスンしかやらせてもらえない毎日に痺れを切らした潤平は『白鳥の湖』の振りを披露し、千鶴に「バレエになっていない」と言われてしまいます。
そして、今まで何気なくやってきたと思っていたピルエット(回転する動きの一つ)がちゃんとできていないことを指摘され、基礎の大切さを突き付けられるのでした。
千鶴は足裏が鍛えられるからと言って、潤平にフルソールのシューズを手渡します。
そのシューズで毎日基礎のレッスンを続けてヘトヘトの潤平は、いよいよ振り付けを踊りたいのだと零しました。
すると、千鶴は真摯に言います。
「基礎が身になればもっと、もっと自由に踊れるわよ」と。
流鶯と千鶴の契約
流鶯の部屋にやって来た千鶴は、流鶯の祖母から届いた絵ハガキを渡すタイミングで半ば強引に部屋へ入り込みます。
以前、千鶴と流鶯が交わした契約を、流鶯は半分守れていませんでした。
流鶯の望みは、海外で著名な先生に指導してもらいたい、そのために海外のコンクールに出てスカラシップが欲しいというものでした。
千鶴はその望みを叶えるため、海外のコンクールに出場する手引きをすると約束し、その代わりに、学校へ行くこと、洋舞祭でMVPを獲ることを課していました。
だからまずはレッスンに出て……と言いかけた千鶴を流鶯の言葉が遮ります。
千鶴には習いたくない、潤平とは舞台に立ちたくない、潤平がダンスール・ノーブルになろうとしている……それらに対して怒りを露わにします。
千鶴は、流鶯が祖母にダンスール・ノーブルになるよう言われていたから、気に障ったのではないかと呟きました。
母・真鶴と比べられながら、手を挙げられながら、祖母に指導されていた幼少期を思い出す流鶯は、夜中にスタジオへ向かいます。
いつもの場所には鍵がなく、都を起こして鍵を貰おうとしますが、居残り練習をしていた人がいたとしても郵便受けには入っているはずなのに、どこにもありません。
ハッと思い立った流鶯がスタジオに駆け出すと、『ドン・キホーテ』が聴こえてきます。
スタジオの扉を開けると、音楽をかけてバーレッスンをする潤平の姿が。
ただのバーレッスンなのに、流鶯の目に飛び込んできた潤平は、衣装を着て舞台に立っているように見えました。
潤平はそのままフラッと床に倒れてしまいますが、どうやら眠っているだけのようです。
遅れてスタジオに飛び込んできた都が、一晩中踊っていたのかと心配して駆け寄った時、流鶯は潤平のシューズが履き潰されていることに気が付きます。
履き始めて一ヶ月も経っていないシューズがその状態になるなんて……と驚く都は、一晩どころではなく毎晩一人でレッスンをしていたのだと思い至りました。
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ありがとな
毎朝、早くに家を出て行く潤平に気付いた沢子は、潤平が良くても相手方は大丈夫なのかと心配します。
その心配の通り、毎晩の練習にやつれていたのは千鶴でしたが、潤平が間違ったまま練習をするのを避けようと真摯に向き合っていました。
いよいよ踊れることになったパ・ド・ドゥの振り付けは、都と千鶴が練習中に踊っていたもので、バーレッスンをしながら見ていたのでしっかり覚えていました。
いざ踊ってみると、湖で好みの女の子を見つけた王子と、都に好意を寄せる潤平の好奇心が重なり、その表現力は都が顔を赤らめてしまうほどです。
演技自体は千鶴が褒めるほどのものでしたが、結局基礎がおざなりになっていると叱られました。
本番では特に、流鶯と二人で踊る場面で潤平の粗が目立ってしまうことを危惧されます。
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ある晩、郵便受けから鍵を取り出した流鶯がスタジオへ向かうと、潤平が待っていました。
流鶯は帰らせてくれない潤平の手を掴み、そのまま踊り始めます。
潤平は戦いの場面の振り付けだと思い、流鶯に合わせますが、突然手を離されたかと思えば喉を掴まれます。
そうして帰れと促されますが、流鶯が体育館の舞台で踊ったことが自分に大きく影響したと白状しました。
「お前が踊ったせいで、俺の人生変えちまったからだ!」
そして、「ありがとな」と感謝を付け加えると、流鶯は大きく目を見開きました。
言いたいことを言ってようやく帰ろうとする潤平でしたが、最後に流鶯の喉を掴み返して言います。
「お前が引き込もってる間に、俺、追い越すよ」
アニメ『ダンス・ダンス・ダンスール』第4話まとめ
いかがだったでしょうか。
基礎を身に付けてまた一歩前へ踏み出した潤平と、体育館での一件以降何かを感じ始めてはいるものの、踏み出せない流鶯。
そんな二人の洋舞祭は一体どうなってしまうのでしょうか。
次回第5話も楽しみです。