『ピースオブケイク』『溺れるナイフ』のジョージ朝倉が「週刊ビッグコミックススピリッツ」にて連載中の男子バレエ漫画を原作としたアニメ『ダンス・ダンス・ダンスール』。
第3話では、流鶯が登校するようになり、バレエを習っていることがバレないか不安で仕方ない潤平の様子が描かれます。
一方で、流鶯は他の生徒と交わらず、孤立を深めていました。
そのうえ、潤平の友人でもある兵太に目を付けられ、いじめの標的に……。
それを見ていることしかできない潤平は、都ともバレエとも疎遠になっていきます。
「かっこよくありたい」潤平が選択するのは一体?
早速、アニメ『ダンス・ダンス・ダンスール』第3話をレビューしていきたいと思います。
目次
アニメ『ダンス・ダンス・ダンスール』前回第2話あらすじと振り返り
生川はるかバレエ団の公演『白鳥の湖』を観に行った潤平は公演中に居眠りをしてしまい、その態度を一緒にいた都に咎められてしまいます。
さらに、会場では都が通っているバレエ学校の友人に遭遇し、潤平は彼女たちを違う世界の人間だと感じるのでした。
バレエの道へ進もうとしていることにさえ違和感を覚えてしまう中、次の幕で見た主役級のプロダンサーたちに釘付けになります。
公演後、潤平は都に断って人気のない場所まで走っていき、先ほど目にした振り付けを思い出しながら、動きをなぞりました。
いつのまにか隣で都も踊っており、「一緒に踊ろう?」と誘われます。
洋舞祭で踊るパ・ド・ドゥの練習を始めた潤平と都でしたが、潤平はいちいち照れてしまってなかなか上手くいきません。
一方、練習中に潤平の足がバレエに向いている形だと気が付いた都は、その生まれ持った才能を少し羨むのでした。
都に言われた「バレエに望まれている」という言葉を忘れられない潤平は、次第に都に望まれたいと思うようになっていきます。
いてもたってもいられなくなった潤平は、夜中にもかかわらず家を飛び出して、スタジオへと駆けていきました。
窓ガラスから中を覗くと、たった一人でバーレッスンをしている流鶯の姿があり、潤平は思わず見惚れてしまいます。
流鶯は見られていることに気付くと立ち去りますが、廊下で待ち受けていた千鶴からとある提案を持ちかけられます。
後日、相変わらず照れてしまって練習が進まない潤平のもとに、流鶯が現れました。
千鶴に言われてお手本を見せる流鶯は、いとも簡単に潤平のできないことをこなし、自分のほうが王子役に向いていると文句を言いますが、千鶴はそれを認めません。
そして、潤平を王子・ジークフリート、流鶯を悪魔・ロットバルトとしてレッスンを再開します。
自分と流鶯を比べて落ち込みながら帰宅する潤平を追いかけてきた都は、流鶯がバレエを辞めようとしていると言いました。
そして、人と接するのが苦手な流鶯でも、潤平ならば切磋琢磨できる仲間になれるんじゃないかと思ったと都が語り始めたことで、彼女の気持ちに気が付いてしまいます。
都の心が自分ではなく、ずっと流鶯に向いていたと理解した潤平は、静かにその場から立ち去るのでした。
以降、スタジオに足が向かなくなってしまった潤平は、隣のクラスにいる不登校の転入生――流鶯が登校してきたと知り、動揺します。
【ネタバレあり】アニメ『ダンス・ダンス・ダンスール』第3話あらすじ・感想
いじめの標的
未だ見ぬ転校生――流鶯が登校し始め、自分がバレエをしていることがバレないか不安になる潤平。
その心配をよそに、他の生徒と交わらない流鶯は初日から孤立していきました。
授業中の教師からの呼び掛けにも、潤平の友人である兵太の言葉にも一切反応しないのに、唯一英語の授業にだけ参加する流鶯は、徐々にいじめの標的にされてしまいます。
友人である兵太が主犯なうえに、クラスも違うことから、潤平は遠巻きに見ていることしかできません。
その一方で、バレエスタジオで会った時の堂々とした姿と違いすぎる流鶯に困惑します。
それでも、流鶯に対する劣等感や良くない印象から、見て見ぬ振りを続けるのでした。
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エスカレート
スタジオに足が向かなくなっていた潤平ですが、家に帰れば一人でこっそりバレエの練習を続けていました。
そのうえ、流鶯の美しい練習中の姿を思い出しては、自分もそうなりたいと悔しさを感じます。
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千鶴に言われた「何もかもを捨てる」という言葉を忘れられない潤平ですが、父が願った「男らしさ」にも囚われ、あらゆる決断をできずにいました。
その頃、流鶯をからかっていた兵太は、ひょんなことから流鶯の母親がワケアリの元女優であるという事実を知ってしまいます。
そして、気付かれたかもしれないと思った流鶯は、咄嗟に兵太のスマホを奪って投げ飛ばし、壊してしまいました。
それから母親のネタでからかわれるようになった流鶯へのいじめはエスカレートし、潤平はそんな彼の様子が気になります。
一方で、都に距離を置かれるようになり、後ろ向きな気持ちになっていきました。
「男らしさ」とは
ある日、兵太たちが無理矢理サッカー部の部室に流鶯を連れてきます。
暴力を振るわれると思った流鶯は、避けようとした拍子に一人で転んでしまい、怯えながらされるがままになってしまいます。
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見ていられなくなった潤平が流鶯の胸ぐらを掴み、スタジオにいる時と違う様子であることを咎めようとした瞬間、都が部室に飛び込んできました。
それをきっかけに兵太が流鶯を追い出しますが、潤平は流鶯と都のあとを追います。
ひとしきり逃げた先で立ち止まった都は、流鶯にはバレエしかないのだと言って、潤平の顔も見ずに立ち去ってしまいました。
帰宅した潤平は、相変わらず一人でバレエの練習を続けます。
いじめられても何も言わず、やり返すこともしない流鶯をかっこ悪いと思う一方で、今の自分自身はかっこいいのか、男らしいのか、悩んでいました。
「かっこいいって、男らしいって、なんだ?」
笑顔と涙
やがて迎えた合唱コンクール当日。
兵太や流鶯たちのクラスの順番が来ますが、檀上には誰にも現れず、何故か流鶯の母親・真鶴が現役時代に歌っていた曲が流れ始めます。
そして、セーラー服を着せられた流鶯が、一人で檀上に立たされました。
兵太たちが音頭を取り、流鶯に対する「歌え」コールが響き渡りますが、すぐに教師たちが止めに入り、音楽も鳴り止みます。
潤平は見ていられなくなって観客席を離れ、都は檀上にいる流鶯に駆け寄りました。
しばらく俯いたまま動かなかった流鶯は、履いていた靴を脱ぎ飛ばすと、無音の体育館で踊り始めます。
都はハッとして檀上に上がり、流鶯の踊りに合わせてピアノを弾き始めました。
観ていた生徒たちは驚きの声を上げ、兵太たちは相変わらずからかいますが、潤平は流鶯の舞う姿を見て、涙が止まりませんでした。
その後、舞台裏で息を切らす流鶯に対し、「楽しそうだった、昔踊ってた時みたいだった」と称賛した都に、彼は笑みを浮かべながら言います。
「いや、それよりももっと……」
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帰宅しようとしていた流鶯に声を掛けた兵太たちは、ストッキングを買ってきては、流鶯に履かせて踊らせようとしました。
そこへやって来た潤平は、ストッキングを奪って頭に被ると、バレエの回転をして見せます。
そして、自分もバレエを習っていると明かし、サッカー部を辞めること、兵太と約束していたバンドもできないことを告げました。
――男らしいっていうのは、かっこいいっていうのは、自分を貫けることだ。
驚いて目を見開いた流鶯は何かを感じ取ったようにその場を離れ、兵太や部活仲間たちも潤平を置いて去っていきました。
グループチャットからも退会させられた潤平でしたが、どこか気持ちが軽くなり、久しぶりにスタジオへ向かいます。
潤平は今まで「ババア」と呼んでいた千鶴を「先生」と呼ぶと、「俺にバレエを教えてください!」と叫びました。
その言葉と同時に坊主になった頭を晒すと、今度は千鶴が叫びます。
「坊主頭の王子がどこにいる?!」
アニメ『ダンス・ダンス・ダンスール』第3話まとめ
いかがだったでしょうか。
窮地に陥ったが故に笑みを浮かべた流鶯と、そんな流鶯の踊りを見て涙を流した潤平。
ここから改めて、物語が始まる予感がしてなりません。
セーラー服を着て、裸足で、体育館の冷たい檀上に舞う流鶯……思わず息が詰まってしまう美しいシーンでした。
これからもこんな風に胸が躍るシーンと出会えるなんて、とてもわくわくしますね。
次回第4話も楽しみです。