『ピースオブケイク』『溺れるナイフ』のジョージ朝倉が「週刊ビッグコミックススピリッツ」にて連載中の男子バレエ漫画を原作としたアニメ『ダンス・ダンス・ダンスール』。
第2話では、潤平が都と一緒に『白鳥の湖』を鑑賞することに。
最初は入り込めずにいた潤平ですが、一流ダンサーの踊りを目の当たりにし、心を奪われます。
ますますバレエに惹かれていく潤平は、都から「一緒に踊ろう」と誘われ、彼女と踊りたい気持ちを募らせていきます。
しかし、思いがけず目にした都と親しい流鶯の美しいバーレッスンに、衝撃を隠せず……。
もう一人の主人公、流鶯との邂逅が描かれる第2話。
早速、レビューしていきたいと思います。
目次
アニメ『ダンス・ダンス・ダンスール』前回第1話あらすじと振り返り
中学2年生の村尾潤平は、父の死をきっかけに「男らしく」生きようと思い至り、幼い頃に憧れたバレエを諦めて、ジークンドーに精を出していました。
ところが、教室で潤平が披露した「ジークンドーの“跳び蹴り”」を見た転校生・五代都に、「バレエの540(ファイブフォーティー)」だと指摘されます。
そして、「一緒にバレエやろうよ」と誘われるまま、都の母・千鶴が開いたバレエスクールのスタジオに連れて来られました。
潤平はバレエなんてやらないと言いながらも、千鶴にこき下ろされた悔しさから、かつて憧れた『ドン・キホーテ』を踊って見せます。
その場では酷評した千鶴でしたが、潤平に可能性を見出していました。
後日、再びスタジオを訪れた潤平は、千鶴からバレエを教わるようになり、いつかの眩い感覚を思い出しますが、家族や友人たちにはバレエのことを言い出せずにいました。
そんなある日、潤平は千鶴から「白鳥の湖」の公演のチケットを渡され、見に行くよう指示されます。
そして、発表会で同じ演目を都と踊ってもらうと言われますが、部活の合宿と被っているから出ないと答えました。
それを聞いた千鶴は部活を辞めるように告げた後、口答えする潤平に「あんた、バレエダンサーになる人間でしょ」と言います。
潤平の言う、部活や仲間やジークンドー、そして家庭……そのすべてを捨てられたらの話だとも。
無茶苦茶なことを言われていても、潤平は確かにあの感覚に胸を弾ませるのでした。
その夜、千鶴は「流鶯」と呼ばれる少年の部屋の前で語りかけていました。
新しい生徒が入ったこと、都と同じクラスの男の子だということ、流鶯よりも大器かもしれないということを……。
【ネタバレあり】アニメ『ダンス・ダンス・ダンスール』第2話あらすじ・感想
違う世界
生川はるかバレエ団の公演『白鳥の湖』を観に行った潤平と都。
潤平は公演中に居眠りをしてしまい、「学芸会を見せられてるみたいで居た堪れない」と、スマホで友達と連絡を取りながら言い訳をします。
都は少しでもバレエの練習時間を取るために運動部を避けて科学部に入り、友達への連絡も終わってからするのだと言って、潤平の態度を咎めました。
母・千鶴にそうするよう言われているのかと聞いた潤平に、都は呟きます。
「お母さんはそんなこと言わないよ……私のこと、半分諦めてるから」
どこか寂しげな表情をする都に目を奪われる潤平でしたが、都は友達に呼ばれて駆け出して行ってしまいます。
彼女たちは、都が千鶴のスタジオとは別に通っている「生川はるかバレエ学校」のクラスメイトだそうで、キラキラと輝いていました。
潤平は違う世界の人間たちだと思い、バレエへの道も「違ったかも」と感じてしまいます。
しかし、次の幕で見た、悪魔・ロットバルト、姫であるオデットとオディール、そして王子・ジークフリートの振りを踊るプロダンサーたちに釘付けになるのでした。
「なんであの三人は違うんだ」
そう問いかける潤平に、都はドキッとさせられます。
潤平は「先に帰ってて」と告げると、人気のない場所まで走っていき、先ほど目にしたジークフリートを思い出しながら、動きをなぞりました。
足の出し方、手の出し方、品格……気付けば、いつのまにか隣で都が踊っていました。
都はオディールの振り付けを踊っていますが、彼女のイメージからオデットのほうに見えてしまう潤平。
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見惚れていると、都が「一緒に踊ろう?」と言います。
潤平は言われるまま都のほうへ踏み出し、ジークフリートのように彼女の腰を持ってリフトをしようとしました。
ところが、パワーが足りないために持ち上げられず、都ごと地面に倒れてしまいます。
洋舞祭で踊ろうと伝えたつもりだった都は、潤平の行動に笑い声を上げるのでした。
消えない軌道
学校で都と目が合った潤平は、兵太に仲を取り持ってほしいと言われます。
一方で、友人の女子たちは都のことを「ダサい」「ダサいグループだし」と笑って、「登校拒否の転入生」であるいとこと一緒に暮らしているらしいと話し始めました。
潤平は「流鶯」というその名前に聞き覚えがあり、心を乱されます。
その頃、洋舞祭で踊るパ・ド・ドゥの練習を始めた潤平と都でしたが、潤平はいちいち照れてしまってなかなか上手くいきません。
さらに、潤平が都よりも身長が低いことに気付いた千鶴は、海外のバレエ団で王子を踊るなら180cm以上はあったほうが……と慌てます。
そんな千鶴に悪態をつきながらストレッチを始めた潤平の足を見て、都は驚きました。
潤平のように甲が出ている足は、バレエの世界では良いとされており、彼は生まれつきそれを持っていたということです。
「バレエに望まれてるんだね」
都に言われたその言葉を忘れられない潤平は、次第に都に望まれたいと思うようになっていきます。
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いてもたってもいられなくなった潤平は、夜中にもかかわらず家を飛び出して、スタジオへと駆けていきました。
窓ガラスから中を覗くと、そこには流鶯の姿が。
たった一人でバーレッスンをしているだけの流鶯に、潤平は思わず見惚れてしまいます。
しかし、潤平の視線に気付いた流鶯は、すぐに出て行ってしまいました。
廊下で待ち受けていた千鶴は「どうせ踊らずにはいられない」流鶯に対し、とある提案を持ちかけます。
一方その頃、スタジオの外では潤平がパトロール中の警官に怪しいと疑われていました。
千鶴に助けられた潤平は流鶯について聞きますが、彼女はただ一言だけ口にします。
「悪魔……ロットバルト」と。
家に帰ってからも流鶯の手の軌道が忘れられない潤平は、そっと目を閉じました。
悪魔の登場
翌日、スタジオに向かうと、都が潤平のことを下の名前で呼び始めました。
照れてしまって何もできない潤平への対策として、千鶴が考案したことでした。
結局、下の名前を呼ぶこともできない潤平ですが、都からリフトしようとしたことを明かされてしまい、王子だからできるかなと思って、と照れ隠しに言い訳をします。
すると、千鶴は「アティテュード、パンシェ、プロムナード」という『白鳥の湖』によく出てくる動きを、王子になりきってやってみせるよう潤平に課しました。
しかし、意識しすぎて都の腰を持つことができません。
その時、スタジオに流鶯が入ってきます。
都は彼のもとへ近寄っていき、嬉しそうに頬を赤らめていました。
千鶴が「アティテュード、パンシェ、プロムナード」を潤平に見せてあげてほしいと言うと、流鶯はいとも簡単にそれらをこなして言います。
「そいつよりどう見ても僕が王子ですよね……なんで僕がロットバルト? キャラクテール?」
「この小さい野猿のどこがノーブル?」
カッとなった潤平が声を荒げ、一歩近付こうとした瞬間、流鶯はどこか怯えた素振りを見せながらも続けました。
「バレエでは、小さい男には王子はできない」
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それでも千鶴は、潤平をジークフリート、流鶯をロットバルトとしてレッスンを再開します。
その後、流鶯の視線を意識してしまう潤平は上手くレッスンに取り組むことができず、落ち込みながら帰路につきました。
さらに、流鶯と自分は、人と猿くらい全然違う、そう思わされてしまいます。
そこへ追いかけてきた都に胸を躍らせる潤平ですが、流鶯がバレエを辞めようとしていると聞いて「なんであんなに踊れるのに」と言ってしまった自分に悔しさを覚えます。
そして、人と接するのが苦手な流鶯でも、潤平ならば切磋琢磨できる仲間になれるんじゃないかと思ったと都が語り始めたことで、彼女の気持ちに気が付いてしまいました。
都の心が自分ではなく、ずっと流鶯に向いていたと理解した潤平は、静かにその場から立ち去るのでした。
登校拒否の転入生
スタジオへ足を運ばなくなってしまった潤平は、学校で都に声を掛けられます。
そこへやって来た兵太が「友達の友達は友達だろ」と言って都に挨拶をしようとしますが、潤平はそれを何となく避けました。
流鶯と出会い、都の気持ちを知り、自分よりも王子にふさわしいやつがいると感じてしまった潤平は、以前のように部活へ顔を出すようになります。
部室では兵太からバンドに誘われ、いじめっ子の彼に逆らうことができない潤平は、その話に乗るのでした。
ジークンドーを教えてくれている三丘からも連絡が入っており、バレエ以外からは望まれていると自嘲気味の潤平ですが、帰り道に一人になると自然に身体が動き出します。
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後日、学校で先に来ていた友人に声を掛けられた潤平は、合唱コンクールの朝練に出たのかと彼をからかいます。
しかし、そこで聞いたのは思いもよらない言葉でした。
隣のクラスの未だ見ぬ転入生――流鶯が登校してきていたのです。
アニメ『ダンス・ダンス・ダンスール』第2話まとめ
いかがだったでしょうか。
流鶯との出会い、都の恋心、それらに影響されて心を乱される潤平。
三人の関係がどうなっていくのか気になります。
さらに、次回予告ではセーラー服を着て舞う流鶯の姿が……。
登校してくるようになった流鶯に一体何が起きたのでしょうか。
次回第3話も楽しみです。