『ピースオブケイク』『溺れるナイフ』のジョージ朝倉が「週刊ビッグコミックススピリッツ」にて連載中の男子バレエ漫画を原作としたアニメ『ダンス・ダンス・ダンスール』。
幼い頃にバレエに魅了された中学2年生の村尾潤平が、気になっていた転校生から誘われたことをきっかけに、父の死を受けて一度は諦めたバレエへの情熱を再燃させていく様子を描く青春作品です。
監督は『ゾンビランドサガ』の境宗久、シリーズ構成を「プリキュア」シリーズを手掛ける成田良美が務め、『呪術廻戦』のMAPPAが制作を担当します。
主人公・村尾潤平を演じるのは、『僕のヒーローアカデミア』の緑谷出久役で知られる山下大輝。
そして、潤平の前に現れる天才・森流鶯を、『機動戦士ガンダムUC』のバナージ・リンクス役で知られる内山昂輝が演じます。
その他、本渡楓や天﨑滉平、西山宏太朗などが名を連ねました。
オープニングテーマをYUKI、エンディングテーマをヒトリエが担当し、最初から最後まで魅力的なポイントだらけの作品になっています。
熱く弾ける青春の衝動、見逃せません。
早速、『ダンス・ダンス・ダンスール』第1話をレビューしていきたいと思います。
目次
【ネタバレあり】アニメ『ダンス・ダンス・ダンスール』第1話あらすじ・感想
憧れ
幼き日、村尾潤平(山下大輝)は、姉・ななこ(青山吉能)のバレエの発表会を観に行き、そこで男性のバレエダンサーが踊る姿に魅了されます。
――ビリビリ ビカビカ ドッカーン! 星が爆ぜた!
urara
ところが、中学2年になった潤平は、ジークンドーと部活のサッカーに精を出していました。
ある日、教室で潤平が「ジークンドーの“跳び蹴り”」をすると、クラスメイトたちが歓声をあげます。
2年になる時に転校してきた五代都(本渡楓)も、その姿を見ていました。
一方で、潤平は都の弾くピアノの音が気になり、家に帰ってからも彼女のピアノの音を「予感の音」と思い返していました。
その時、部屋に入ってきたななこから、母・沢子(大谷育江)がバレエバーを捨てようとしていると聞かされ、幼少期のことを思い出します。
アクション映画監督をしている父・一平太(藤本たかひろ)は、時々女の子に見間違えられる潤平がバレエを始めることに反対し、「男らしい」ジークンドーはどうかと提案していました。
しかし、見よう見まねで部屋の中を跳び回り、楽しそうにバレエを踊る潤平を見て、彼の背中を押すことにします。
そんな矢先、一平太が心筋梗塞で急逝しました。
このことをきっかけに、潤平は「男らしくないこと」=「かっこ悪いこと」と考え、長かった髪をバッサリと切り、バレエへの憧れも捨て去ろうとしました。
バレエなんて
ジークンドーの道場へ向かうために家を出ると、そこには何故か都がいました。
わざわざ潤平を訪ねてきたらしい都は、「ジークンドーの“跳び蹴り”」を見せてほしいと言います。
心の中で「告白フラグ?!」と興奮する潤平は、その場で跳び蹴りをして見せますが、都は教室で見たものより下手だと笑いました。
そして、その跳び蹴りを「バレエの540(ファイブフォーティー:大きく跳び上がった身体が空中で540度つまり1回転半回るように見える、男性のスーパーテクニック)」だと指摘。
さらに、「これが村尾よりは正しい540」と言って、自分も跳んで見せました。
「一緒にバレエやろうよ」
そう誘われるまま、潤平は都の母・千鶴(浅野まゆみ)が開いたバレエスクールのスタジオに連れて来られます。
そこへ千鶴がやって来ると、都は潤平を「天才」だと評してレッスンへ引きずり込もうとしました。
しかし、潤平の「やるわけねーだろ、バレエなんて!」という言葉を受けて、千鶴は教える気はないと言い切ります。
すると、潤平はかつて憧れた「ドン・キホーテ」の振りを踊って見せ、いつかの眩い「感覚」を思い出しました。
千鶴はその姿に驚きの表情を浮かべたものの、「バレエじゃない」とこき下ろします。
潤平は咄嗟に飛び出して行きました。
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あの感覚
夜になり、スタジオの鍵を手にした都は、千鶴が部屋に入ってきた瞬間、後ろ手に隠します。
そして、潤平はそんなにダメかと問いますが、千鶴は明日になったら自分から来る、来なかったらそれまでだと言いました。
しかし、都に寝るよう促して部屋から追い出した千鶴は、一人になってから呟きます。
「あんなクソガキ……見ちゃったら、そりゃ眠れないわ」
一方、都はとある部屋の扉を小さく叩きます。
「流鶯、起きてる? スタジオの鍵……」
そう声を掛けると、少しだけ開いた扉の隙間から手だけが伸びてきて、鍵を受け取るとすぐに閉まってしまいました。
閉まった扉の前で、都はもどかしいような表情を浮かべるのでした。
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後日、千鶴の見立て通り、スタジオに潤平がやって来ます。
一晩かけて練習してきた潤平が踊り始める前に、千鶴は「正しい姿勢」から教え始めました。
こき下ろしながらもきちんと指導し、舞踊連盟の発表会にも出るよう告げる千鶴に、潤平は喜びを覚えます。
それでも、「かっこよく」「男らしく」という考えが頭を過ぎり、ジークンドーの道場へと急ぎました。
ジークンドーも楽しいはずなのに、あの「感覚」を手にすることはできず、潤平はバレエの余韻に浸るのでした。
バレエダンサーに……
潤平が千鶴のもとへ通うようになったある日、学校で同級生の相良兵太(山口竜之介)に呼び止められます。
兵太は潤平が部活に来なくなったことを不思議がっていて、どうにか誤魔化そうとした矢先、都が声を掛けてきました。
何とか都を人目につかない場所まで連れて来ると、彼女はバレエをやっていることを恥ずかしがっている潤平を咎めます。
友人たちとの関係を考え、なかなかバレエのことを告げられないまま、潤平は部活の合宿と発表会の日程が被っている事実に気付きました。
そんなある日、沢子からジークンドーをサボって何をしているのかと聞かれた潤平は、バレエのことを隠すために部活だと言い張ります。
すると、沢子は潤平が父と同じようにアクション映画監督になりたいと言ったことを挙げながら、父の背中を追おうとしなくてもいいと遠回しに告げました。
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同じ頃、潤平は千鶴から「白鳥の湖」の公演のチケットを渡され、見に行くよう指示されます。
そして、発表会で同じ演目を都と踊ってもらうと言われますが、部活の合宿と被っているから出ないと答えました。
それを聞いた千鶴は部活を辞めるように告げた後、口答えする潤平に「あんた、バレエダンサーになる人間でしょ」と言います。
潤平の言う、部活や仲間やジークンドー、そして家庭……そのすべてを捨てられたらの話だとも。
無茶苦茶なことを言われていても、潤平は確かにあの感覚に胸を弾ませるのでした。
その夜、千鶴は「流鶯」と呼ばれる少年の部屋の前で語りかけていました。
新しい生徒が入ったこと、都と同じクラスの男の子だということ、流鶯よりも大器かもしれないということを……。
アニメ『ダンス・ダンス・ダンスール』第1話まとめ
いかがだったでしょうか。
冒頭の「ドン・キホーテ」から惹き込まれてしまい、あっという間に過ぎていった第1話。
潤平がバレエへの情熱を再燃させていく様子、描かれていくのがますます楽しみになりました。
タイトルにもなっている「ダンスール」は、男性舞踏手のこと。
主役級のバレリーナを指す「プリマ・バレリーナ」に対し、男性の主役級舞踊手を指す用語として「ダンスール・ノーブル」という言葉も使われています。
これが潤平の目指す場所になっていくのかと思うと、わくわくしてしまいますね。
今回は名前と後ろ姿しか出てこなかった「流鶯」の登場にも期待したいと思います。
次回第2話も楽しみです。