『奇跡の海』などの作品で有名な鬼才ラース・フォン・トリア監督と、アイルランドの人気女性歌手であるビョークのタッグで当時話題となった映画『ダンサー・イン・ザ・ダーク』。
あまりにも衝撃的な内容で、今も鬱映画の代表作として名を残しています。
- セルマの息子、ジーンへの愛
- ビョークの美しい歌
- 衝撃すぎるラストシーン
母の愛と人間の生々しい感情を描いた映画『ダンサー・イン・ザ・ダーク』。
最後まで観た結果、どう感じるかはあなた次第です。
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目次
『ダンサー・イン・ザ・ダーク』作品情報
作品名 | ダンサー・イン・ザ・ダーク |
公開日 | 2000年12月23日 |
上映時間 | 140分 |
監督 | ラース・フォン・トリアー |
脚本 | ラース・フォン・トリアー |
出演者 | ビョーク カトリーヌ・ドヌーブ デビッド・モース ピーター・ストーメア ジョエル・グレイ |
音楽 | ビョーク |
【ネタバレ】『ダンサー・イン・ザ・ダーク』あらすじ・感想
視力が下がっていき、いずれ失明する病気を患うセルマ(ビョーク)
主人公のセルマ(ビョーク)には、小学生の息子・ジーン(ヴラディカ・コスティック)がいます。
父はおらず、セルマとジーンは二人でトレーラーハウス生活を送っていました。
セルマは視力が低下していき、いずれ失明する病気を患っています。
遺伝性がある病気のため、ジーンも後々失明することをセルマは知っていました。
ですが、ジーンには病気のことを秘密にしています。
精神的なショックが病気の進行を早めることを知っていたからです。
セルマは、ジーンに手術を受けさせたくて、工場で働きながら家では夜遅くまで内職をしながらお金を貯める毎日。
セルマ自身、仕事をクビになっては困るので、症状が酷くなりほとんど見えない状態になっていることを秘密にしていました。
友人・キャシー(カトリーヌ・ドヌーヴ)や、トレーラーハウスを貸してくれている隣人夫婦に支えられながら、セルマは生活を送ります。
そんなセルマの楽しみは、ミュージカルの稽古でした。
しかしある日、仕事中にミュージカルの世界に浸りすぎて機械を壊してしまい、仕事をクビになってしまったのです。
信用していたビル(デヴィッド・モース)に貯金を盗まれる
ある夜から、隣人夫婦の旦那であるビル(デヴィッド・モース)が何度も家を訪ねて来るようになりました。
仕事をクビになった日、セルマは家に帰り、いつもの場所に給料を保管しようとすると、貯金が全てなくなっていることに気づき、隣人夫婦の家を訪ねます。
セルマは隣人夫婦の家に入ると、妻のリンダ(カーラ・シーモア)から「ビルをトレーラーハウスで誘惑したんでしょう?」と言われますが、当然そんな事実はなく、ビルが嘘をついていました。
セルマはビルと話し、ビルが貯金を盗んだことが発覚しました。
ビルが貯金を盗んだ理由は、妻が札束を見ると喜ぶからといったものでした。
「貯金を返して」と頼むセルマに、ビルは一度貯金を返しますが、帰るセルマに銃を向けます。
ビルは、視力をほとんど失っているセルマに「今、君に銃を向けている」と言いました。
「銃を向けているなんて嘘だ」というセルマに対して、ビルは銃を握らせ「金は俺の金庫からとってきたものだ。君は俺の金を盗んだ」と言い、リンダに「セルマが金を盗んだ」と叫びます。
リンダが警察を呼んでいる時に、ビルは「金を返すんだ」とセルマに言い、当然拒むセルマはビルに向けて発砲してしまったのです。
ビルは「金が欲しけりゃ殺して持っていけ」と言い、セルマは泣きながら銃を撃ち、ビルを殺してしまいました。
私は、この一連のシーンが2番目に強く残っています。
また、ある日からビルがトレーラーハウスによく来るようになったのは、セルマを心配してではなく、貯金のありかや貯金の額などを探っていたのだと分かりました。
ビョークの美しい歌
セルマはビルを殺した後、歌いはじめます。
工場のシーンなどでも、セルマが歌ったり踊ったりするシーンが度々ありましたが、ここの歌い出しがとても美しく感じました。
そしてラストシーンで、私の1番強く残ったシーンと、1番美しい歌が登場します。
セルマ(ビョーク)の逮捕、そして裁判
セルマは逮捕される前に、友人のジェフ(ピーター・ストーメア)と一緒に最後に行きたい場所をまわります。
はじめに、セルマの担当医へジーンの手術をお願いし、お金を渡しに行きました。
次にミュージカルの稽古場へ。
講師は「もう行かないと」というセルマを見て、全てを悟ったかのように稽古内容を変更してセルマが好きな歌を披露してくれました。
そしてセルマの元へ警察が訪れ逮捕されました。
ビルが警察官だったことから、ビル優位に裁判が進んでいきます。
ビル側の証言は嘘ばかりで、セルマの証言は信じてもらえません。
そして、セルマは死刑判決を受けます。
理不尽なシーンがずっと続き、私は苦しくなりました。
裁判の判決を正しいものにするため、キャシーが裁判のやり直しを提案します。
「ジーンが病気で手術のために貯金していた」と真実を話すことを促しますが、ジーンに病気だという事実が知られてしまうためセルマは拒みました。
また、再度裁判をするにはお金がかかるため、手術費用を当てることになるから拒んだのでした。
セルマにとって、真実よりも何よりもジーンが大事だったのです。
衝撃のラストシーン
こうしてセルマは死刑執行の日を迎えます。
死刑台の上で恐怖のあまり叫ぶセルマに、キャシーはジーンのメガネを渡しました。
セルマはメガネを受け取ったことで、ジーンの手術が成功したことを知ったのです。
安心したセルマは「最後から二番目の歌」を歌い出します。
ですが、歌っている途中で死刑が執行されました。
絞首刑だったため、空中に紐で吊るされた状態で無音になり、十数秒歌詞が流れます。
無音の時間、セルマの歌が続いているようで、私にはとても美しく見えました。
このラストシーンが私の中で1番強く残ったシーンであり、1番美しいと感じた歌です。
私が今までに観た映画の中で、1番美しい終わり方をする映画が本作です。
『ダンサー・イン・ザ・ダーク』あらすじ・ネタバレ感想まとめ
こちらの動画にて、上述したラストシーンの一部がご覧になれます。
いかがでしたでしょうか。
ただただ最後まで救いがない映画『ダンサー・イン・ザ・ダーク』。
臨場感のあるカメラワークが、セルマの心情をさらに引き立たせています。
賛否両論で意見がわかれる映画ですが、私はとても好きで、私の人生最後に観たい映画でもあります。
精神的にとても引っ張られる映画なので、次の日落ち込んでいても大丈夫だという日に観ることをオススメします。
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