突如届いたワクチンからの終結宣言。自らの正体は毛賀沢達也(酒向芳)であり、死んでレジェンドになると告白。
その後毛賀沢の遺体が発見され、警察やマスコミは一連の事件を毛賀沢の犯行と考えます。
一方、一本木(玉木宏)は事件の「足りないピースがある」と真相を突き止めるべく、真犯人とみられる人物をある場所に呼び出していました。
ワクチンは何故一本木を指名し、紙上討論を要求したのでしょうか?そして、一本木を待ち受ける衝撃の結末とは!?
目次
ドラマ『だから殺せなかった』 前回振り返り
ついに起きてしまった4人目の殺人事件。マスコミやSNSは犯人をあおったとして、一本木(玉木宏)に非難を浴びせます。
世間を敵に回した太陽新聞にワクチンから新たな殺人予告が届きます。それは“因果応報”と書かれた手紙を無作為に読者へ送るというゲームでした。
警察から紙上討論の中止要請を受けて、太陽新聞の経営陣は筆を緩めることを検討し始めますが、吉村(渡部篤郎)は毅然とした態度で討論を続けさせます。
そんな中、殺人予告状が江原家、一本木の自宅に届けられ、一本木は茂(萩原聖人)から「犯人に心当たりがある」と聞かされます。
その後、ワクチンから一方的に終結宣言が出され、ワクチンと名乗った毛賀沢教授(酒向芳)の遺体が山中で発見されたのでした。
【ネタバレ】ドラマ『だから殺せなかった』第5話あらすじ・感想
足りないピース
ワクチンから一方的に終結宣言が出され、その後警察やマスコミは山中で遺体で見つかった毛賀沢教授(酒向芳)をワクチンと断定する中、一本木(玉木宏)は、周囲の心配をよそに取材を続けていました。
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一本木は4人目の被害者の息子が暮らす児童養護施設へ。
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男の子は父親から酷い暴力を受けており、一度家に戻ったもののPTSDで施設に戻ってきていたとのこと。
しばらくして、一本木から頼まれ取材を続けていた同僚から被害者の子供たちには共通点があったと知らされます。
真犯人
一本木は毛賀沢教授はワクチンではないと告げ、上司たちに「かならず書く」と宣言し、自分に何かあった時のためにと、吉村(渡部篤郎)と牛島(甲本雅裕)に取材データを送付します。
そして、紙上ではなく直接会いたいと“真犯人”に連絡を入れます。
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翌日、一本木は山の中にいました。
中腹の広場で待っていたのは、江原茂(萩原聖人)でした。
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茂は、家族でよく遊びに来ていた山を”最後の場所”に選んだのです。
「どうして私がワクチンだと?」
一本木は、被害者の子供たちが皆暴力を受けて児童養護施設にいることを突き止めました。
そして、『たかし』がいた施設は、茂の出身施設でもあったのです。
真相
茂自身、父親から酷い虐待を受け施設に預けられていました。
そして成人後もボランティアとして施設に出入りし、子供たちの情報を手に入れ、殺人の標的を選んでいたのです。
その後毛賀沢教授を犯人に仕立て上げ、女性がらみの連続殺人事件に見せかけたのです。
『因果応報』の殺人予告をしたのは、陽一郎(松田元太)に疑念を抱かせないためにしたことでした。
陽一郎が立ち直り、両親の部屋に入ることが出来ることになったことで、茂は封筒を見られたと思い込みました。
そのために殺人予告状が来たように見せたのです。
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毛賀沢を狙ったのは、彼が陽一郎の実の父親であることが許せず、生きていればいつか名乗り出てくる可能性があると思い、殺すことにしたと茂はいいます。
「虐待の痛みは受けたものしかわからない」
茂は子供の頃、何故自分がこんな目に遭うのかと毎日思っていました。
しかし、同じ施設で妻と出会い、人を愛することで救われたのです。
全部父のせいだ
誰よりも人の痛みがわかるはずの茂が、何故殺人を?
一本木は茂に問います。
不幸な環境で育った茂にとって、幸せな家庭は何よりの願いでした。
しかし、やっと手に入れたと思ったら、妻が病によって奪われてしまいます。
茂は、世の中の全てが理不尽だと思うようになりました。
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妻の死によって、不遇な子供時代に一気に引き戻されてしまった茂は、こう思いました。
「これは父のせいだ。全部父が悪い」
そして、父を探し出して復讐することにしました。
しかし、40年ぶりに会った父は施設におり、自分のことは何も覚えていませんでした。
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復讐
痛みを思い出す中、茂は世の中にはまだたくさん暴力によって不幸な子がたくさんいると思い、手遅れになる前に復讐しなければならないと思うように。
「これは因果応報なんだ」
茂は家庭を放棄している人間ならなんのためらいもなく殺せました。
“復讐”を果たす時、茂は相手の子供の名前を必ず出すようにしていました。
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最終目標は毛賀沢です。
ワクチンの独占手記の権利をチラつかせると、毛賀沢はすぐに山までついて来ました。
「陽一郎の恨みだ!」
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茂の頼み
茂が全ての犯行を告白した後、広場に陽一郎が現れました。
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ほどなくして、警察もやってきました。
茂は一本木に『記者の慟哭』がなければ、ここまで辿り着けなかったとお礼を言います。
そして、最後に陽一郎に父親のことだけは隠し通して欲しいと懇願し、自らの足で警察の元へ向かいました。
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後日家宅捜索が行われ、茂の部屋から凶器が見つかりました。
陽一郎は警察署で事情を聴かれますが、何も知らない彼は夜には帰宅します。
ポストを見ると、陽一郎宛てに差出人不明の手紙が届いていました。
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事件は一件落着し、太陽新聞はまた売上を伸ばしました。
しかし、陽一郎はマスコミに追われ、辛い目に遭っています。
「書きっぱなしじゃダメなんだよなぁ」
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もう一つの真実
「これで終わりだと思うか?」
ジャーナリスト大賞を辞退した一本木に、吉村が問います。
実は、吉村は今回の事件が20年前の事件に関係があるのではないかと思い、群馬を訪れていました。
そこで一つの真実に行き当たります。
「だが、もう遅かった」
吉村は、一本木に前橋の石橋医院を訪ねるように言いました。
「真実に触れた時、どうするかはお前次第だ」
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石橋医師(古田新太)は、茂が陽一郎に宛てた手紙を一本木に渡します。
そこには、陽一郎の本当の父親は一本木だと書いてありました。
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19年前、乳飲み子を抱いた1人の女性が医院を訪れました。
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琴美は心臓の病気で既に手遅れの状態でした。
そして石橋医師に「子供を頼む」と言って亡くなりました。
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陽一郎は、一本木に知らせるのは反対でした。
殺人犯の息子のままでよいとまで言ったといいます。
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しかし、琴美のためには真実を知らせるべきだと考え、石橋医師は吉村に託したのです。
だから殺せなかった
茂は手紙の中で、陽一郎を捨てた最も憎むべき男・一本木を殺す機会を、来る日も来る日も狙っていました。
ある日、絶好のチャンスがやってきます。
しかし、茂は直前で手が止まってしまいます。
「お前の顔が浮かんだから」
自分の思いだけで実の父親の命を奪ってもいいのか。
茂は、最も憎いはずの人間の中に、最も愛した息子を見たのです。
「だから、殺せなかった」
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石橋医師によると、陽一郎は、群馬県内で児童養護施設のボランティアをしているとのこと。
一本木は20年前家族と特ダネを天秤にかけ、そして特ダネを選びました。
「今度は彼を守ります」
施設で顔を合わせた一本木と陽一郎。
一本木は、涙をこらえながら笑顔を見せるのでした。
ドラマ『だから殺せなかった』 第5話 ネタバレ・感想&まとめ
陽一郎を見つめる一本木の泣き笑いの顔は、まさに“父親の顔”でした。
でも、陽一郎は最後まで茂を父親として認めていましたね。
茂は唯一、息子にだけは恵まれました。
陽一郎がこの事件や一本木に惹かれたのは、2人の父親の存在があったからでした。
タイトルの『だから殺せなかった』というのは、そういう意味があったのですね!
大どんでん返しの繰り返しで、息もつかせぬドラマでした。大変面白かったです!