『パパVS新しいパパ』は、家族の愛を勝ち取ろうと奮闘するパパたちの涙ぐましいまでの攻防を描いたドタバタ・コメディ。
サラと結婚したことで、ふたりの子供のパパになったのになつかれずに苦労するブラッドのもとに、サラの元夫のダスティがやってきた!生真面目でつまらない新しいパパにウィル・フェレル、ワイルドでセクシー、なんでも出来てしまう実のパパ、ダスティにマーク・ウォールバーグを起用。
定番ストーリーを、お約束通りにベテランふたりが、男同士の小競り合いをきっちり演じています。
そして感情移入できるのは断然、ウィル・フェレル!ワイルドなパパにすっかり、ふりまわされてボロボロになっていく新しいパパに思わず声援を送りたくなる物語です。
・要領がよく調子のいいパパ、ダスティ
・パパたちの小競り合い
・家族のためなら奮起できるはず
それでは『パパVS新しいパパ』をレビューします。
目次
【ネタバレ】『パパVS新しいパパ』あらすじ・感想
子供たちのパパになりたいブラッド
ブラッド・ウィテカー(ウィル・フェレル)が、サラ(リンダ・カーデリーニ)と結婚をして出来たのは家族。
サラのふたりの子供たちの父親になれて嬉しいと、息子のディラン(オーウェン・バッカロ)と娘のメーガン(スカーレット・エステベス) と距離を縮めようとしているのに、全くなつかれず毎日が苦労の連続。
ディランはブラッドにそっけなく、メーガンの描く家族の絵の中のブラッドはいつも部外者扱い。
自分の子供が持てないブラッドは、子供たちの仕打ちもなんのその、立派なパパになろうと孤軍奮闘していたのでした。
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ようやく落ち着いてきた家族
サラと結婚をして8か月、メーガンとディランのふたりからの信頼も得て、ようやく家族としての地位を勝ち取ったブラッド。
息子のディランに学校で上級生にいじめられていることをどうしたらいいのかと相談をされたり、娘のメーガンから、学校行事の「父と娘のダンス会」にパパとしてきて欲しいと誘われ、感動のあまりに泣き出してしまうのでした。
そんな矢先に、子供たちの実の父、ダスティ(マーク・ウォールバーグ)が、サラとブラッドの家を訪れることになったのです。
元夫のダスティが、子供たちに会いに来ることに顔色を変える妻のサラ。「無法者のダスティには、アナタの常識は通用しない」という妻の言葉の本当の意味をブラッドが知るのは、ずっと後のことなのでした。
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イケてるパパのダスティ
空港にダスティを迎えに行き、ダスティと思われる人物に声をかけたのに、「俺じゃない」とまるで無視をされて空港で待ちぼうけにあったブラッド。
家に戻ると、そのダスティが家にいるではありませんか。唖然とするブラッドをよそに、イケてるパパのダスティはふたりの子供たちと大はしゃぎ、ブラッドに翻弄される不穏な予感をサラとブラッドは、覚えるのでした。
それでもダスティの巧みな言葉で、ウィテカー家に一週間滞在するよう招き入れてしまった人のいいブラッド。
この日を境に、ブラッドのストレス・レベルは大きくなっていくのでした。
生真面目なパパとワイルドなパパ
校外学習の引率、ガールスカウトの隊長、バスケのコーチ、教会のボランティアと、完璧なまでにパパ業をこなすブラッドに、嫉妬を覚えたダスティ。
一見、物わかりのいいように見える言動をしては、ブラッドを困らせる悪知恵を働かせるようになります。ダスティのバイクで、ブラッドの車はボコボコに、家の壁にも大きな穴、庭にはツリー・ハウスを便利屋に頼んでプロ仕様に仕上げただけに飽き足らず、ハーフパイプまで設置してしまう始末。
ブラッドの言葉のあげあしをとっては、ダスティは自分の偉大さをアピール。
ディランやメーガンだけでなく近所の子供たちも巻き込んで、人気にさらうのでした。子供たちにいい顔をするばかりで、調子のよいダスティに、うんざりする妻のサラは、自分の欲望にしか興味がなく、口八丁に人を操るダスティに負けないでと、生真面目なブラッドを励ますのでした。
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ブラッドの応戦
自分の子供を持てないとあきらめていたブラッドに、不妊治療の権威のフランシスコ医師(ボビー・カンナベール)に紹介をしたダスティ。
ブラッドとサラを別れさせる材料にするはずが、ふたりが子供をもつことが出来ると医師に太鼓判を押す結果を引き出してしまいます。
思いがけない結果にダスティはついに本性を現し、ブラッドを追い出し、サラとよりを戻して家族を取り戻そうとしていた本音を語ります。
ダスティのこれまでの悪意ある行動に、キレてしまったブラッドは、敵意むき出しに家族へのアピールをダスティへの応戦として始めたのでした。
俺には出来ない‥‥
ブラッドとダスティの対抗心はいきつくところまで行ってしまい、NBAの試合観戦の公衆の面前で大失態を演じてしまったブラッド。
子供じみたブラッドとダスティの争いに激怒したサラに家をたたき出されてしまったパパたち。
失意のブラッドを横目に、これまでの無責任な行動を反省して、ダスティは子供たちの世話をしたいとサラに頼みます。
ところが、堅苦しいルールを守る忍耐力をもちあわせていないダスティは、子供たちの学校への送迎もろくにできません。
ダスティは、再びサラや子供たちの前から姿を消そうと決心をしたのでした。
大切なのは子供たち
豪快になんでもこなすダスティが、家庭に収まることができない、と逃げ出そうとしたのは、メーガンの「父と娘のダンス会」の日。
メーガンをひとりにするわけにはいかないと、父親としての子供のためなら自分の都合を横に置いて妥協や我慢はできるはずだと、ブラッドはダスティをダンス会に引っ張っていきます。
ダンス会で、ディランのいじめっ子とのトラブルまで浮上してしまい、親同士のケンカで一触即発の状態に。ところが、ケンカっ早いダスティが思い出したのは、ブラッドの言葉。
「暴力は決して解決策じゃない」とディランとメーガンのために怒りを収め、その場をダンス対決へと持ち込んだダスティ。パパたちは、家族のためにやっと協力をすることができたのでした。
『パパVS新しいパパ』あらすじ・ネタバレ感想まとめ
以上、ここまで『パパVS新しいパパ』をレビューしてきました。
・子供たちの実のパパは、アトラクション満載
・やられっぱなしの新しいパパ
・怖気ついたダスティ
・パパふたりが大切にするもの
パパたちの攻防
『パパVS新しいパパ』のストーリーはいたってシンプル。穏やかで真面目な新しいパパと、ノリと勢いだけで生きているワイルドなパパの攻防を描いたコメディです。
子供たちのパパ、ダスティが憎たらしいまで魅力をふりまいては、子供たちの関心をあの手この手でつかみ取り、継父のブラッドの努力を一瞬にして台無しにする構図が、お約束通りです。
元妻のサラにも未練たらたらのダスティはやりたい放題、ブラッドをどこまでもコケにするのですが、生真面目なブラッドをウィル・フェレルが困った顔でダスティの横暴に耐えて、ためて演じるのは、後半を盛り上げるためと我慢して物語を追うのが、この作品の正しい見方だと思います!
ブラッドがやられっぱなしでテンポが悪い
ただ、パパ同士の攻防がクライマックスに至るまでのストーリー展開はテンポが悪い!
悪ノリするダスティにやられっぱなしのブラッドに観客は声援を送るものの、ずっとやられっぱなしなのです。
少しは応戦して欲しいとダスティに応援をしているのに、やきもきするばかりです。
やっとブラッドがキレた!と喜ぶのも束の間。思いのたけを爆発させるシーンは、キレが悪く、ハッピーエンドへと一気に突入というわけにいかずモタつくところがあります。
物語のフレームは、お約束のものなので視聴者を不安にさせることはありませんが、クライマックスへの流れがあまりよくないのは、少し気になります。
そうはいっても、やはりウィル・フェレル、マーク・ウォールバーグとベテラン俳優が演じる大人なげないパパたちの対抗心むき出しのおバカさがおかしい作品です。
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是非ご覧ください。