「コーヒー1杯の時間でも、人の気持ちは変えられる」
“4回泣ける”というキャッチフレーズが頭に残る映画『コーヒーが冷めないうちに』。
海近
- 過去に戻った人のその後
- それぞれの理由に感動
- 大事なことを教えてくれる
それではさっそく『コーヒーが冷めないうちに』をネタバレありでレビューしたいと思います。
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目次
『コーヒーが冷めないうちに』作品情報
![](https://mirtomo.com/wp-content/uploads/2019/03/320-48.jpg)
出典:(C)2018 映画「コーヒーが冷めないうちに」製作委員会
作品名 | コーヒーが冷めないうちに |
公開日 | 2018年9月21日 |
上映時間 | 116分 |
監督 | 塚原あゆ子 |
脚本 | 奥寺佐渡子 |
原作 | 川口俊和 |
出演者 | 有村架純 伊藤健太郎 波瑠 林遣都 深水元基 松本若菜 薬師丸ひろ子 吉田羊 松重豊 石田ゆり子 |
音楽 | 横山克 |
主題歌 | YUKI「トロイメライ」 |
【ネタバレ】『コーヒーが冷めないうちに』あらすじ・感想
過去に行けるという都市伝説がある喫茶店「フニクリフニクラ」
時田数(有村架純)と数の従兄弟で店主の時田流(深水元基)の二人が経営する、喫茶店フニクリフニクラ。
![『コーヒーが冷めないうちに』](https://mirtomo.com/wp-content/uploads/2019/03/640-5-3-600x350.jpg)
(C)2018 映画「コーヒーが冷めないうちに」製作委員会
この喫茶店には、とある都市伝説があります。
店内のある席に座ると、思い浮かべた時間に戻ることができるというのです。
その噂を聞きつけ、訪れるお客さんたち。
ですが、ある席にはいつも謎の女性(石田ゆり子)が座っています。
![『コーヒーが冷めないうちに』](https://mirtomo.com/wp-content/uploads/2019/03/640-12-600x350.jpg)
(C)2018 映画「コーヒーが冷めないうちに」製作委員会
その人は「ルール」を守ることができず、幽霊になった女性です。
ある席に座れるのは、謎の女性が席を立った時だけ。
この物語では、4人の人物がそれぞれある席に座り、ルールを守り現実世界へ帰ってきます。
ルールのひとつ、現実は変わらない。
それでも4人はみんな前向きになって、これからを大事に生きていくのでした。
5つのルール
過去に戻るとき、守らなければならないルールが5つあります。
- 過去に戻って、どんなことをしても、現実は変わらない。
- 過去に戻っても、喫茶店を出ることはできない。
- 過去に戻れるのは、コーヒーをカップに注いでから、そのコーヒーが冷めてしまうまでの間だけ。コーヒーが冷めないうちに飲み干さなければならない。
- 過去に戻れる席には先客がいる。席に座れるのは、その先客が席を立った時だけ。
- 過去に戻っても、この喫茶店を訪れたことのない人には会うことができない。
海近
このルールを聞き「やっぱりやめる」というお客さんも多いとのこと。
そんな中、最初にその席に座り、過去に戻ったのは清川二美子(波瑠)でした。
過去に戻った二美子(波瑠)の変化
二美子は三十路手前の独身キャリアウーマン。
意地っ張りな性格で、本心を言えないことも多く、幼馴染の賀田多五郎(林遣都)に本当の気持ちを言えずにいます。
この喫茶店で、二人は一週間前に喧嘩し、五郎はそのままアメリカへ行ってしまいました。
二美子は一週間前に戻り、五郎ともう一度話をしましたが、結局口論に。
![『コーヒーが冷めないうちに』](https://mirtomo.com/wp-content/uploads/2019/03/640-1-7-600x350.jpg)
(C)2018 映画「コーヒーが冷めないうちに」製作委員会
ですが、二美子が気になっていたことを五郎に聞くことができました。
現実に帰り、やはり現実が変わってないことを知った二美子は「未来は変えられる」と気づき、五郎へ連絡します。
夫に渡せなかった手紙を渡したい女性
毎日席が空くのを待っている女性・高竹佳代(薬師丸ひろ子)。
そして、毎日夕方になると高竹を迎えに来る看護士・房木康徳(松重豊)。
実は、高竹は若年性アルツハイマーで、房木は高竹の夫でした。
病気が進行し房木が夫であることを忘れ、旧姓を使いはじめた高竹。
妻が混乱しないようにと、房木は看護士として接していたのです。
高竹の過去に戻りたい理由は「夫に渡せなかった手紙を渡したい」でした。
ある日、房木は財布を忘れてしまい閉店後のフニクリフニクラへ支払いに行きました。
その時、数から高竹が過去に戻りたい理由を聞きます。
丁度そのタイミングで「ある席」が空きました。
席が空いたのを見た数は「房木さんから受け取りに行ってはどうでしょうか?」と提案します。
ある席に座り、過去に戻った房木。
高竹は房木がいつもと違う席に座っているのを見て、未来から来たことに気づきます。
「あなたに迷惑をかけていないか」と聞く高竹に、房木は何度も「大丈夫だよ」と言うのです。
![『コーヒーが冷めないうちに』](https://mirtomo.com/wp-content/uploads/2019/03/640-2-7-600x350.jpg)
(C)2018 映画「コーヒーが冷めないうちに」製作委員会
受け取った手紙には「最後まで夫婦でいたい」と書かれていました。
現実に帰った房木は、「これからは(高竹のことも)房木さんと呼んでほしい」と数へお願いをします。
その後、帰宅した房木は、高竹へ自分が夫であることを告げました。
海近
常連客の平井八絵子(吉田羊)
スナックを営む平井(吉田羊)は喫茶店の常連客で、実家は老舗旅館。
平井は若い時に「自由に生きたい」と家を飛び出しました。
平井には妹がいて、妹は定期的に平井に会いにフニクリフニクラへ行きます。
平井は妹への後ろめたさから、妹が来るといつも隠れていました。
ある日、交通事故で妹が亡くなります。
平井は気持ちに区切りを付けるため、過去へ戻り妹と話をしました。
![『コーヒーが冷めないうちに』](https://mirtomo.com/wp-content/uploads/2019/03/640-3-6-600x350.jpg)
(C)2018 映画「コーヒーが冷めないうちに」製作委員会
平井は「実家に戻って旅館を継ぐから、これからはあんたが好きなことをしてほしい」と妹へ伝えます。
そこで妹が教えてくれたやりたいことが「お姉ちゃんと一緒に旅館を経営したい」でした。
現実に帰り、平井は自分の店を閉め、旅館を継ぎます。
ある席に座り続ける謎の女(石田ゆり子)
ある席に座り続ける女(石田ゆり子)の正体は、数の母でした。
数の母は、ルールを守ることができず、幽霊になってしまったのです。
数は母の過去へ戻った理由とルールを守れなかった理由を、亡くなった数の父に会いに行き、懐かしくなってコーヒーを飲み干せなかったからだと思っていました。
ある席に座った人を過去に戻すことができるのは、時田家の血を引く女性だけです。
数は過去へ戻り母と話しがしたく、思いつく方法を全て試したけれど、過去へ戻れる方法はありませんでした。
お客さんたちが過去へ戻り大事なことに気づいていく中で、数は常連客の新谷亮介(伊藤健太郎)と仲を深め恋人同士になります。
そんなある日、数の妊娠が発覚しましたが、数は母のことがあり出産に踏み切れずにいたのです。
![『コーヒーが冷めないうちに』](https://mirtomo.com/wp-content/uploads/2020/04/640-3-2-600x350.jpg)
(C)2018 映画「コーヒーが冷めないうちに」製作委員会
数を過去に戻し母に会わせてあげたい新谷は、何か方法はないのか考え、ある方法をひらめきます。
その方法を分かりやすく表すと、
- 現在 数が明日開店前のフニクリフニクラへ行く
- 未来 数の子供が上記の日時へ戻る
- 現在 数が未来から来た我が子にコーヒーを淹れてもらい過去へ戻る
という方法です。
数はその方法で過去に戻り、母と話すことができました。
そこで、数は真実を知ります。
数の母は余命宣告を受け、その後も数はやっていけるのかを確認しに未来へ行っていました。
ある席に座ると過去だけではなく未来へ行くこともできます。
しかし、その日を強く思い浮かべないといけないため、成功する可能性は低いです。
数の母は未来へ行くことに成功しましたが、数が帰らないでと泣き、コーヒーが冷めないうちに飲み干すことができませんでした。
数の母は、数の成長をずっと見守るためにわざとルールを破ったのだと思います。
![『コーヒーが冷めないうちに』](https://mirtomo.com/wp-content/uploads/2020/04/640-2-3-600x350.jpg)
(C)2018 映画「コーヒーが冷めないうちに」製作委員会
新谷が考えてくれた方法で過去へ戻り、母と話すことができた数。
母の気持ちや真実を知ると同時に、新谷の大切さに気づいた数は、出産を決意することができたのです。
海近
『コーヒーが冷めないうちに』まとめ
公開を記念して皆様と一緒にお写真📸 Photo by 有村架純 #コーヒーが冷めないうちに #有村架純 #伊藤健太郎 #林遣都 #石田ゆり子 #塚原あゆ子監督 pic.twitter.com/vg94KnxIFE
— 映画『コーヒーが冷めないうちに』公式 (@coffee_movie921) 2018年9月21日
過去は変えることができません。
実際には過去へ行くこともできません。
どうにか気持ちを整理して進んでいかなくてはならないのです。
映画『コーヒーが冷めないうちに』は、「今」の大事さや、素直になることの大切さ、これからどうするかが肝心だということを教えてくれます。
コーヒー1杯を飲む短い時間でも、伝えられることはあるのです。
たまには涙を流したい方や、過去に引きずられてなかなか前に進めずにいる方は、ぜひ観てみてください。
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