『クリーン ある殺し屋の献身』あらすじ・感想!パパ vsパパの渋い殺し屋映画!

(C)2018 A Clean Picture, LLC All Rights Reserved.

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『戦場のピアニスト』(02)でアカデミー主演男優賞を受賞したエイドリアン・ブロディの主演作『クリーン ある殺し屋の献身』が9月16日(金)より全国ロードショーします!

現在も『グランド・ブダペスト・ホテル』(14)など多数の話題作に出演しており、『クリーン ある殺し屋の献身』では、製作・脚本のみならず、音楽までも手がける力の入れっぷり。

監督には『キラー・ドッグ』(17)でタッグを組んだポール・ソレットが務め、共演には『ジョーカー』(19)のグレン・フレシュラーが名を連ねています。

そんなエイドリアン・ブロディ渾身の作品は、悲しい過去を背負った殺し屋による、哀愁漂う渋いアクション映画となっていました!

ポイント
・パパVSパパの渋い殺し屋映画
・武器のチョイスがユニーク
・「お前の方がヤバいんかい!」の逆転現象が胸アツ

それでは『クリーン ある殺し屋の献身』をネタバレなしでレビューします。

『クリーン ある殺し屋の献身』あらすじ【ネタバレなし】


孤独なごみ収集員「クリーン」と少女ディアンダ

ある寂れた治安の悪い街。ごみ収集員として働く男・クリーン(エイドリアン・ブロディ)は、住人たちと関わりを持ちながらも、どこか陰のある人物であり、身寄りはなく常に孤独な暮らしを送っていた。

そんなグリーンは、隣で祖母と暮らす少女・ディアンダの存在が気がかりだった。ある理由からディアンダを常に支えているクリーンだが、彼らの住む街には麻薬ギャングも根付いていた。

ある日、ギャングのボス(グレン・フレシュラー)の一人息子が刑務所から出所するが、親子の関係は最悪。息子は父を尊敬せず、父は息子に尊敬させるよう強制させていた。

ディアンダを守ったことでギャングに狙われるクリーン

数日後、ディアンダはクリーンの家に招かれた際、彼の私物を出来心で覗こうとしてしまう。すると血相を変えたクリーンに止められ、それ以降、ディアンダはクリーンを避けるようになってしまう。

ついには町の不良とつるむようになるディアンダだが、不良たちはディアンダを襲おうとする。そこへクリーンが駆け付けると、不良たちを次々になぎ倒してディアンダを救い出す。ところがその不良の中には、麻薬ギャングのボスの息子もいたことで、事態は悪化する。

クリーンの正体はギャングも恐れる殺し屋だった

クリーンとディアンダ、その祖母は麻薬ギャングから命を狙われることに。町から逃げ出す3人だが、ギャングの追手は3人を殺すために街の外まで追ってくる。しかし手練れの追手でさえ、クリーンによって返り討ちにあう。

やがてギャングの一味はクリーンの素性を突き止める。彼は界隈でも名の知れた凄腕の殺し屋だった。恐ろしい相手を敵にしたと悟るギャングたちだが、時すでに遅し。クリーンはディアンダを守るために、1人麻薬ギャングのアジトに殴りこむ――。

『クリーン ある殺し屋の献身』感想

パパ vs パパの渋い殺し屋映画

『クリーン ある殺し屋の献身』は殺し屋映画であると同時に、父親同士の戦いを描いた作品でもあります。

今は天涯孤独となっているクリーンですが、彼にも娘の存在があったことを随所でほのめかす演出があります。その娘は現在はどうなっているのか?なぜ少女ディアンダに献身的なのか?なども本作のポイントです。

一方で、麻薬ギャングのボスも不良少年の父親は、自分の価値観や尊厳を息子に押し付けるという、ダメ親父の模範解答のような人物。2人ともアンダーグラウンドな仕事で生計を立てているのに、どうしてこうも差が出るのか…汗

こうした2人の父親の背景を描くことで、大味なサスペンス・アクションというより、詩的で哀愁漂う渋い殺し屋映画となっていました。

エイドリアン・ブロディが製作や脚本まで務めていることもあって、クリーンのキャラクターも王道な感じではなく、かなりナイーブです。(雰囲気としてはホアキン・フェニックスが主演を務めた『ビューティフル・デイ』(17)の主人公に近い)ある意味で、大人向けなアクション映画ともいえるかもしれません。

武器のチョイスがユニーク

殺し屋をはじめとした、最強の”仕事人”をテーマにした作品では、殺し屋の代名詞と言える武器にも注目したいところです。

先にあげた『ビューティフル・デイ』ではトンカチ、デンゼル・ワシントン主演の『イコライザー』(14)といえばネイルガン、『ボーン・アイデンティティ』(02)や『ジョン・ウィック:チャプター2』(17)では、ペンやえんぴつで敵を葬っていました。

『クリーン ある殺し屋の献身』のクリーンは手先も器用で、機械や自転車を修理しては人にあげています。そんな器用さを活かして、ギャングのアジトへ乗り込む際には最凶のショットガンを自作。本体は馴染みのお店で購入し(ここでの会話劇が回りくどいのですが、それがまた渋い…)、銃口には消火器みたいなものの底を切断して、サイレンサー風の部品を取り付けています。

公式サイトや予告編でその武器を見ることができますが、なかなか見たことのない造形に仕上がっており、インパクトがあります。そして強い…!敵に被弾した際、かなり痛そうな音がしていました…汗 

そのほかにも、自作の兵器を大量に持ち込み、決戦へ挑むテンションの上げ方も非常にストイックでした。

「お前の方がヤバいんかい!」の逆転現象が胸アツ

「喧嘩を吹っ掛けた相手が実はとんでもない奴だった…」というのは、映画の中ではお約束の展開のひとつ。『クリーン ある殺し屋の献身』でも、麻薬ギャングのボス…ではなくクリーンに対して同じ「お約束」が当てはまっています。

彼は元殺し屋であり、冒頭から殺し屋としての暗い過去をちらつかせるものの、はっきりと明言されるのはかなり後半です。そして敵がクリーンの正体を知ったときのビビり方は必見です。「俺たちは死神を追っているんだぞ⁉︎」とか言っていました…(怖)

ギャングのボスも、(寂れすぎて)閑静な住宅街で白昼堂々人を殴り続けるヤバい奴なのですが、それを凌駕するクリーンの殺し屋としての顔が凄かったです。追われてピンチだと思っていた主人公が、実はギャングも震え上がらせる凄腕の殺し屋だった…という展開はやはり熱いです。トラウマを抱えて現役を退いた殺し屋映画はこうでないと…!

『クリーン ある殺し屋の献身』あらすじ・感想まとめ

要点まとめ
・それぞれの父親が殺しあう、渋いアクション映画
・ショットガン+消火器の廃材は謎の破壊力
・殺し屋映画の醍醐味とも言える展開は必見

以上、ここまで『クリーン ある殺し屋の献身』をレビューしてきました。

殺し屋映画と聞くと、いろんなヤバい奴が集まってドンパチする作品も多数ありますが、本作はその逆を行く演出やストーリーが印象的でした。

ヤマダマイ

「過去のトラウマを抱えて足を洗った殺し屋が、再び人を殺める映画が見たい!」という方にお勧めの作風です!エイドリアン・ブロディの音楽をはじめ、OP、EDの曲もムーディーでよかったです。
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