映画監督であり、脚本家であり、プロデューサーでもあるクリストファー・ノーラン。
現在、新作をもっとも心待ちにするファンが世界中にいる監督と言ってもきっと過言ではないはず。
1998年の『フォロウィング』で長編映画の初監督を務めて以来、次々とヒット作を世に放っているノーラン監督は興行的にも大成功を収めながら、なおかつ批評家にも作家性が認められるという稀有な才能の持ち主です。
誰も描いたことがない斬新なアイデアとビジュアル、重厚でシリアスな内容、とことんリアルにこだわった映像で観客を虜にし続けています。
デジタル撮影が主流の昨今において、とことん実写にこだわって撮影するため、実際の撮影で「とんでもないもの」を作ってしまう作家で、大きなサイズの映像を記録できるIMAXフィルム撮影の第一人者でもあります。
2020年の新作『TENET テネット』が長編監督11作目にあたるノーラン監督の今まで公開された10作品すべてを独断と偏見でランキングしてみました。
目次
クリストファー・ノーラン監督おすすめ映画ランキング
第10位『インソムニア』
- 原作があるからか、ノーランらしさは控え目
- 派手さはないものの精神的に追い詰められる息苦しさをラストまで体感させられるサスペンス・ミステリー
- アル・パチーノの不眠症の演技がぞっとするほど素晴らしいです
ノーラン監督の3作目、白夜の町で起きた少女殺人事件を追うサスペンス・ミステリー。
2002年に公開されたアメリカ映画で、1997年にノルウェーで製作された映画をリメイクした作品です。
タイトルの『インソムニア』とは「不眠症」の意味で、不眠症に陥る刑事の数日間が描かれています。
アラスカのナイトミュートいう町で、17歳の少女が惨殺された事件の応援で、ロス市警からベテランのドーマー刑事と、相棒のハップが派遣されるところから物語の幕は開きます。
腕利きの刑事として有名なドーマーを尊敬する地元の刑事エリーたちと捜査に当たる2人は、しかし実はとある事件での証拠捏造を疑われ、内部調査の対象になっていました。
ハップは保身のため告発を決意したと打ち明け、ドーマーはそんなことをすれば今まで逮捕してきた凶悪犯たちが刑務所を出てくることになると怒り、2人は険悪なムードになってしまいます。
殺された少女・ケイのボーイフレンドから話を聞き、ケイにはどうやら他に付き合っていた男がいたらしいと知るドーマーは、発見されたケイのバッグを使って犯人をおびき寄せようとします。
狙い通り犯人は現れますが濃い霧の中、ドーマーは犯人と間違って相棒のハップを撃ってしまい…。
慣れない白夜、謎の男からの電話、自ら起こした過ち。
ドーマーは深刻な不眠症に陥りながらも、捜査を続けるのですが徐々に精神的に追い詰められていきます。
そしてエリーは、ハップが撃たれた「事故」をドーマーに言われ再調査するうちに、ある事実に気付き―。
くりす
リメイクなので当然なんですが実はすべてが夢だったとか、あれこれ深読みし過ぎて「あれ?」となったノーランファンは多いはず。
キャストは大変豪華で、主役のドーマー刑事はアル・パチーノ、謎の男にロビン・ウィリアムズ、地元の刑事エリーはヒラリー・スワンクが演じています。
くりす
暗闇が訪れない町にいるからこそ、すべてを曝け出される恐怖にますます追い詰められていくドーマー刑事と、真っ直ぐでまだ若いエリーとの対比が切なさを増します。
クライマックスからラストにかけての、派手な演出ではないものの緊迫感あふれる銃撃シーンや、物語としての伏線の回収はお見事。
真の正義とは何なのか、越えてはならない一線を越えた先に何が待つのかを眠らない町を舞台に描いた秀作です。
くりす
第9位『プレステージ』
- 2人の天才マジシャンの対決
- ヒュー・ジャックマンとクリスチャン・ベイルの演技合戦
- マジックシーンの仕掛けにびっくり
ヒュー・ジャックマンとクリスチャン・ベイルの共演で話題になった2人の天才マジシャンの葛藤と駆け引き、復讐を描いたサスペンス調の人間ドラマ。
テスラって誰?となると、物語の面白みが減ってしまうので、直流と交流の電力闘争について、さらっと予習しておくのが鑑賞前のおすすめです。
タイトルの『プレステージ』とは、この作品ではマジックにおける段階の一つ、偉業=マジックショーと完成させる最終段階の意味。
ノーラン監督が脚本と製作も務めていますが脚本にはジョナサン・ノーランのクレジットも。
くりす
舞台は19世紀末のロンドン。
方向性は違うもののどちらも観客を楽しませていたマジシャンのアンジャーとボーデン。
しかし脱出マジックの事故で、アンジャーの妻が死んだことから、2人は仲違いしてしまいやがていがみ合うようになり…。
原作の小説はありますが何ともノーランらしいとんでもない捻りも効いているので、上質なサスペンス、人間ドラマとして楽しんで観ていると、驚愕のラストに置いてきぼりにされるかもしれません。
ヒュー・ジャックマンの復讐に燃える姿もいいのですがクリスチャン・ベイルの演技がまさに鬼気迫っていて必見。
くりす
ノーラン監督らしくCGを頼らず、大掛かりなセットで撮影されているため、マジックのシーンの臨場感はなかなかのものです。
くりす
冒頭のシーンの謎が解けた時の何とも言えない気持ちたるや。
気に入った役者の起用が多いノーラン監督らしいキャスティングがこの辺りから目立つようになりましたね。
もちろん、マイケル・ケインも出演しています。
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第8位『フォロウィング』
- 5役こなしたノーラン監督の天才振りが味わえるデビュー作
- フィルム・ノワールが好きなら見るべき作品です
- 低予算でもここまで撮れるというお手本
8位は製作・監督・脚本・編集・撮影の5役をこなして作り上げた驚愕のデビュー作です。
くりす
フィルム・ノワールとは退廃的だったり虚無的、悲観的だったりする犯罪映画の総称です。
共通するのはギャングや拳銃、騙し合い、そして運命の女ファム・ファタールの登場。
くりす
本作『フォロウィング』は、作家志望のビルが主人公。
ネタを探して、街で通りすがりの人を尾行していたビルは、ある日尾行をしていた男・コップに気付かれてしまいます。
しかし、実はコップは他人のアパートに不法侵入、赤の他人の私生活を覗き見するのを楽しむという異常な性癖の持ち主でした。
ビルは行動を共にするうちに、だんだんとコップに影響を受けるようになり、やがて侵入したアパートにあった写真の女性に興味を抱くようになります。
彼女を尾行し始めたビルは、やがて思わぬ事件に巻き込まれて…。
くりす
70分と尺は短いですがその分とにかく何もかも濃密な作品です。
モノクロの映画ならではの光の使い方、映像の美しさ、計算されたカメラワーク、編集、練られた脚本。
犯罪心理がしっかりと描かれ、登場人物は最小限、ファム・ファタールが男を破滅に導く。
ラストの展開はまさに往年のフィルム・ノワールを彷彿とさせます。
くりす
しかし8位としたのは、映画ファン以外にはおすすめしにくいからです。
ノーラン監督が犯罪心理や、世の不条理さを描かせたら天下一品なのは処女作からだったのかと改めて思わされます。
第7位『バットマン ビギンズ』
- ダークナイト・トリロジーの記念すべき1作目
- クリスチャン・ベイルとマイケル・ケインの演じた主従関係が最高
- 大人向けのヒーロー映画の先駆け的作品
サスペンスを描いてきたノーラン監督がまさかのヒーロー映画を手掛けるって!?となった『バットマン ビギンズ』が7位。
くりす
日本ではスパイダーマンと並んで人気のあるダークヒーロー・バットマンをクリスチャン・ベイルが演じた「ダークナイト・トリロジー」と呼ばれるバットマン・シリーズの第一弾に当たります。
資産家ウェイン家の跡取り息子であるブルース少年は、ある夜両親とオペラに行った帰り道で強盗に遭遇、目の前で両親を撃ち殺されてしまいます、
執事のアルフレッド・ペニーワースに育てられることになったブルースは成長するにしたがって、悪を倒して弱者を守る生き方をしようと決断、そのための力を身につけるため世界放浪の旅に出ます。
やがて出会ったデュカードという陰の同盟のリーダーであるラーズ・アル・グールの使者を師匠として、ブルースは戦い方を学んでいきます。
そしてついに悪党たちと戦うため、汚職と腐敗にまみれたゴッサム・シティに戻ってきたブルース。
しかし街は以前よりなお、暴力がはびこった危険な状態に陥っていて…。
幼い頃に両親を殺されたブルース・ウェインがゴッサム・シティの自警団バットマンになるまでがじっくりと描かれています。
くりす
マーベル作品の大ヒットで、今では当たり前になってはいますが「ヒーローものを大人向けにリブートした作品」の原点と言える作品でもあります。
ブルース・ウェインというキャラクターの設定と背景をしっかりと描いたことで、圧倒的なリアリティを生み出し、なおかつ人間ドラマの濃厚さがヒーローものをしっかり大人向けに仕上げてくれています。
くりす
大人向けだからでしょう、本作は脇役もとにかく渋い。
リーアム・ニーソン、渡辺謙、ゲイリー・オールドマンにモーガン・フリーマン、そして監督が絶対大好きなマイケル・ケインにキリアン・マーフィー。
どう考えても、子ども向けヒーロー映画の脇役の顔触れではありません、何この豪華キャストという。
紅一点でもあるケイティ・ホームズもとても美しかったです。
くりす
そして何より、主役であるクリスチャン・ベイルのバットマンは、素晴らしい演技力と肉体改造で、最高のキャラクターに仕上がっています。
ヒーローものと敬遠していてはもったいない、そんな重厚な人間ドラマでもある本作。
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第6位『メメント』
- これほどマニアな向け映画もそうそうない、何とも難解な作品です
- 練りに練られた脚本が見事
- 鑑賞1回ですべてを理解するのは、不可能に近いはず
初見ですべてを理解できる人はいたのかというくらい、捻り過ぎで時系列はメチャクチャ、まさにノーラン節全開、マニアはきっと大好きな『メメント』が6位。
ノーラン監督の2作目で、本人は監督と脚本を担当。
アカデミー賞、ゴールデン・グローブの脚本賞のノミネート、インディペンデント・スピリット賞の作品賞・監督賞、放送映画批評家協会賞の脚本賞など様々な賞を獲得しました。
くりす
『メメント』は記憶障害を患っている男・レナードが主人公。
最愛の妻と、幸せな人生を送っていたレナードですがある日、家に押し入った強盗に妻を殺され自身も頭に怪我を負ってしまいます。
レナードはその怪我が原因で、事件以前の記憶はあっても、怪我をして以降の記憶は10分しか記憶できないという前向性健忘を患ってしまいます。
妻を殺された復讐のため犯人を探すレナードは、すぐに失くしてしまう記憶を補うために、何かあれば必ずメモを取り、写真を映しなおかつ重要なことは身体に刺青として残していきます。
レナードは無事復讐を果たせるのか…?というサスペンス・ミステリーです。
くりす
現在と過去が行き来する上に、時系列が本当にグチャグチャなので、最低2回は見るべき作品です。
主人公が集めるメモ、写真、刺青をヒントに謎解きを楽しむことはできるので、ミステリー好きにはおすすめの一作です。
ジョナサン・ノーランの短編小説「メメントモリ」を元に作られた映画というのもトリビアの一つ。
くりす
しかし難解過ぎるのも確かなので、アイデアも脚本も文句なしなのですがランキングは6位になりました。
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第5位『インターステラー』
- 宇宙空間の映像が本当に美しい作品です
- 科学考証がしっかりとなされているので、そのせいで少々難解ではあります
- 愛はまさに時空を超えた揺るぎない親子の愛の物語
環境変化により滅びつつある未来の地球が舞台の超大作SF『インターステラー』が第5位。
くりす
滅亡の危機に瀕している人類を救うため、新天地となる星を探して宇宙へ旅立つ壮大な物語です。
そもそも『インターステラー』は、映画プロデューサーのリンダ・オブストと、物理学者キップ・ソーンが大まかなプロットを作ったとのこと。
製作総指揮に名を連ねているソーン氏は理論物理学者で、2017年にノーベル物理学賞を受賞しています。
ソーン氏は故スティーヴン・ホーキングとは学生時代からの友人で、映画『博士と彼女のセオリー』でも2人のエピソードは描かれています。
くりす
映画ではわかりにくい物理現象、科学考証は、ソーン氏が「The Science of Interstellar」という本で、自ら解説してくれているので、英語が堪能な方ならペーパーブックを購入するのもいいかもしれません。
さて、そんな科学情報てんこ盛り映画『インタースタラー』は、当初スピルバーグ監督が興味を示したそうですが色々あって新しい監督を探すことになり、結局脚本を担当していたジョナサンが兄であるクリストファーを紹介したとのこと。
そんなノーラン監督のこだわりは、今作でも随所に見られます。
くりす
砂嵐の場面は巨大な扇風機で合成のチリを飛ばし、宇宙船は原寸大に近いものを製作、グリーンスクリーンは一切使われていません。
何より「地球の絵」を撮るため、ジェット機の先端にカメラを取り付け、成層圏を飛び出して宇宙から地球を撮影したという逸話が。
くりす
物語の中の近未来の地球は、地表の大半が砂に覆われ、食糧危機が蔓延しています。
主人公のクーパーは元宇宙飛行士で娘と息子と暮らしながら、トウモロコシ農場を営んでいましたが砂の浸食は日に日に進み、家を離れなければならない日もすぐそこまで迫っていました。
ある日、娘マーフの部屋で起きている不可思議な現象が磁場によって作られたメッセージだと気付いたクーパーは、示された座標に向かってそこがNASAの極秘施設であることを知ります。
極秘裏に進められていたとある計画を知らされたクーパーは、一度旅立てば戻れなくなる可能性が高いことは承知で、人類を救うために宇宙へと出発する決意を固めます。
しかし、入植可能の惑星をみつけるため、すでに旅立っていた先遣隊からの信号を受け取り、彼らを回収するという計画は困難を極め、また数十年の時が過ぎた地球でもある真実が明らかになり…。
くりす
科学考証がしっかりなされ、壮大な宇宙を描いていても、そこにあるのは父と子の揺るぎのない愛。
まさに、愛は時空を超えるという結末に、胸が熱くなります。
科学的要素の理解度も上がるので、3回は観るとなお良いかもしれません。
伏線の回収の見事さも味わえて、一石二鳥ですよ。
くりす
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第4位『ダークナイト ライジング』
- ダークナイト・トリロジーの3作目で完結編です
- 緊迫感あふれるクライマックス、そして最高のエンディングが楽しめます
- 完璧で至高でもあるヒーローシリーズの最終章
クリスチャン・ベイルのバットマンの見納めの作品で、前作『ダークナイト』後のバットマンことブルース・ウェインの姿が描かれます。
ヒーローとして生きる上での苦悩や覚悟、献身、犠牲などをリアルに描ききったノーラン監督屈指の人間ドラマです。
上映時間は165分と長尺ですが冒頭から一気に引き込まれ、クライマックスからは目が離せない展開が待っていて、そして最高のエンディングへとつながります。
くりす
前作『ダークナイト』のゴッサム・シティの命運を賭けた闘いから8年後が舞台になっています。
心身ともに傷付いて、バットマンとしての活動すら引退し、実質隠遁生活を送っていたブルースですがある夜ウェイン邸で行われたチャリティーパーティーで、謎の女セリーナ・カイルに指紋を盗まれてしまいます。
セリーナを雇った男の背後に、ブルースと同様にラーズ・アル・グールから教えを受けていた傭兵ベインの存在を知るブルース。
ベインは盗ませた指紋を使って、ブルースを破滅に追い込もうとしていて…。
くりす
「夜明け前は最も暗い」という台詞と今作のタイトルの意味、ブルースがゴードン警部に伝えた言葉、その上でのエンディング、すべてが感動的なのです。
くりす
さて、今作でのノーラン監督のこだわりは。
ニューヨークの街中に数千人ものエキストラを配置、ウォール街を封鎖して乱闘シーンを撮影したことに始まり、たった1日の撮影のためにスタジアムに11,000人のエキストラを集め、フィールドを実際に爆破。
ゴッサムの地下水道を再現した巨大なセット、何千メートルもの上空でのスタントシーンも大概ですが車が炎上しながらビルに突っ込むシーンも、実際に火を付けた車両を使っているという。
くりす
そして、お高いIMAXカメラも壊しました。
バットポットに乗ったスタントマンがカメラに突っ込んでしまったそうで…。
最強のヴィランであるベイン演じるトム・ハーディのさすがの演技力で、恐ろしい敵の魅力も倍増。
くりす
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第3位『ダンケルク』
- ノーラン初の実話が題材
- 監督の恐ろしいまでのこだわりが炸裂してます
- ぜひ劇場で見てほしいです
くりす
戦争映画をここまで淡々と描きながら、怖いほどに美しい映像と音楽の相乗効果で作品から目が離せなくなるほど引き込まれるので3位にランクイン。
時系列こねくり回すノーラン作品らしく、またもや流し見には絶対に向かない映画です。
第90回アカデミー賞では作品賞、監督賞など8部門にノミネートされ、編集賞、録音賞、音響編集賞を受賞しています。
くりす
1940年、第二次世界大戦初期が舞台で、ノーラン監督初になる実話ベースの作品です。
フランス最北部ダンケルク海岸で、ドイツ軍に包囲された英仏連合軍30万人を救うために決行されたダイナモ作戦が描かれています。
陸では、隊が全滅し1人で海岸まで逃げてきたトミーが無口なギブソンと出会い、行動を共にするようになっていました。
一方海では民間の船が軍に徴用されたことで、ドーソン親子がダンケルクに向かい、空では英国軍パイロットのファリアとコリンズがスピットファイアで、脱出しようとする船を狙うドイツ空軍を阻止するため出撃。
やがて陸海空、それぞれの居場所にいた彼らの人生が交錯して…。
内容は実際の歴史に基づきつつも、キャラクターやストーリーは完全にフィクションです。
実際にダンケルクで撮影され、作品でも重要な場所となる桟橋を建築し、CGを避けるために6,000人あまりのエキストラ、厚紙を切って作った兵士や軍用車を使って、大軍隊を表現しています。
フランス海軍駆逐艦を含む軍艦を撮影のために修理、実存する戦闘機を仮装して空中戦に使用、なおかつお高いIMAXカメラを戦闘機に装着して水没までさせたという監督のこだわりが恐ろしいレベルです。
くりす
そんなIMAX大好きというか、フィルムに熱い思いがあるノーラン監督の作品で、本作ほどIMAXシアターで鑑賞するに値するものはありません。
何せ通常の映画館では、上下40%の画面範囲がカットされてしまっているのですから、臨場感、没入感の違いは歴然。
大画面のIMAXで観る空撮シーンの戦闘機の勇ましさ、爆撃の迫力はもちろんのことですがケネス・ブラナーとキリアン・マーフィーの瞳の美しさは息を飲むほどなのです!
くりす
『ダンケルク』の映像の良さは、IMAXで観てこそよりわかるので、再上映のチャンスがあれば、ぜひ劇場での鑑賞をおすすめします。
ノーラン監督が効果的に用いる「無限音階」が使われているハンス・ジマーの音楽で、絶望感や不安、追いつめられるような息苦しさも覚え冒頭から緊張感がとんでもないので、大画面での鑑賞後は疲労感に襲われますが。
ちなみに始まりの「The Mole」という曲のチクタクという時計の音は、ノーラン監督所有の腕時計のものだそうです。
くりす
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『ダンケルク』作品情報 『ダークナイト』シリーズ、『インセプション』のクリストファー・ノーラン監督がメガホンを……
第2位『インセプション』
- 設定とビジュアルがまさにコミックの世界そのもの。マニア過ぎて最高
- SFアクションでありながら、人間ドラマでもある脚本の妙
- 難解なルールや夢の構造、結末の解釈など考証すべき点が山ほどあり、何度観ても楽しめるスルメ映画
1位とは僅差で2位は、漫画好きなら間違いなくハマる『インセプション』。
くりす
本作でノーラン監督は単独脚本・製作を務めていて、壮大なSFアクション映画に仕上がっています。
第83回アカデミー賞では8部門にノミネートされ、撮影賞、視覚効果賞、音響編集賞、録音賞を受賞、全米脚本家組合賞ではオリジナル脚本賞を受賞しています。
この『インセプション』は、構想に20年以上費やしたという物語。
くりす
他人の夢の中に入り込み、アイデアや情報を盗み取るという産業スパイを仕事としていたコブ。
ある日サイトーという男から情報を抜き出すことに失敗したコブは、しかしその一件でサイトーから新たな仕事を依頼されることになります。
「インセプション」と呼ばれる任務は、サイトーのライバル企業の社長の息子であるロバートの夢の中に潜入し、偽の情報を植え付けるというもの。
実はコブは、妻殺しの容疑者で追われる身。
愛する子どもたちを取り戻すため、危険なミッションに挑むために、腕利きの仲間たちを集めます。
そうしていざ、ロバートの夢の中に潜入することになったコブたちですが様々なトラブルに見舞われて、ミッションは難航することに…。
果たしてコブたちは無事にミッションを成功させ、現実の世界に戻って来られるのでしょうか?
くりす
ラストにいたるまで仕掛けがある脚本で、監督の類まれな才能に唸らされることになる『インセプション』は、少年漫画やアニメが好きな人には1番おすすめできるノーラン作品です。
そして今作にもマイケル・ケインはもちろんのこと、キリアン・マーフィーもしっかりご出演されています。
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第1位『ダークナイト』
- これを見ずに実写バットマンとノーラン監督については語れない、ヒーロー映画の垣根を超えた傑作
- ヒース・レジャーの遺作であり、死後アカデミー賞助演男優賞受賞したほど、ジョーカー役がハマり過ぎ
- ダークナイト・トリロジーにおいて、もっとも興行的に成功し、ファンを虜にした作品です
そして栄えある第1位は伝説級の偉大な作品である『ダークナイト』です。
アカデミー賞ノミネートが確実視されていたというのに、主要部門でスルーされてしまった本作。
くりす
それでも第81回アカデミー賞では8部門ノミネートされ、2部門で受賞した作品です。
死後、助演男優賞を受賞したジョーカー役のヒース・レジャーにとっては代役を使って完成させた『Dr.パルナサスの鏡』を除くと『ダークナイト』が遺作となったことでも、感慨深いです。
興行的にも大成功、ファンだけでなく多くのファンからも絶賛された『ダークナイト』は、『バットマン ビギンズ』の続編です。
くりす
よりダークでよりリアリティある人間ドラマを、バットマンの宿敵であるジョーカーやトゥーフェイスとの死闘を軸に描き、真のヒーローとは何であるかを観客に問いかけています。
『バットマン ビギンズ』後のゴッサム・シティで、ゴードン警部や新たに赴任してきたハービー・デント地方検事と協力して犯罪者を撲滅すべく活動していたバットマン。
しかし追い詰められたマフィアたちは、ジョーカーと名乗る謎の犯罪者にバットマンの殺害を依頼します。
再び混乱に包まれるゴッサムで、バットマンを陥れるため動き出すジョーカーの計画とは―。
地方検事デントとバットマン、ジョーカーの歪で際どい関係と、ジョーカーの邪悪そのものの異形さに緊張感を強いられっぱなしになる152分。
究極的な正義と悪、ヒーローの定義への問いかけや、人間の二面性をも描いていて既存のヒーロー映画の殻を破った哲学的でもある異色の作品なのです。
くりす
『ダークナイト』はIMAXカメラを使用した最初の長編大作映画になるのですがシカゴの公道でカーチェイスを撮影している時、車両の真ん中にIMAXカメラを持ち込んで、大破させています。
当時世界に4台しかない、しかも50万ドルのカメラをです。
くりす
巨大トラックは横ではなく「縦」に横転させ、病院を建設してから爆破と、ノリノリで破壊活動しているノーラン監督。
スタッフたちのこだわりが随所に見られ、ハンス・ジマーの壮大な音楽も作品を盛り上げています。
くりす
絶対に観るべきノーラン作品であり、ヒーロー映画の金字塔。
くりす
何度観てもジョーカーに身震いし、ハンス・ジマーの音楽に聞き惚れます。
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クリストファー・ノーラン監督おすすめ映画ランキング:まとめ&新作『TENET テネット』紹介
→映画『TENET テネット』動画フル無料視聴!人気配信サービスを比較しオススメを紹介
- 『ダークナイト』
- 『インセプション』
- 『ダンケルク』
- 『ダークナイト ライジング』
- 『インターステラー』
- 『メメント』
- 『バットマン ビギンズ』
- 『フォロウィング』
- 『プレステージ』
- 『インソムニア』
以上、ここまでクリストファー・ノーラン監督がメガホンを撮った10作品のおすすめランキングでした。
くりす
さて、クリストファー・ノーラン監督は、2020年秋に待望の新作『TENET テネット』の公開が控えています。
秘密主義のノーラン監督らしく、聞こえてくる情報はまだまだ少ないですが新作ではついにジェット機を爆破したそうです。
さすが監督、物語だけでな、破壊と建築のスケールもますます壮大になっていますね。
また音楽はいつもの巨匠ハンス・ジマーではなく、若手の作曲家ルドヴィク・ゴランソンが担当しているので、既存のノーラン作品とはまた違う印象の作品になっていそうで今から楽しみで仕方ありません。
とは言っても、今作ももちろんマイケル・ケインは出演してますし、ケネス・ブラナーも2作続けてのノーラン作品参加なのですが(笑)。
監督自らの単独脚本であり、どうやら時間逆転が描かれるSFアクションらしいとしか、予告を観るだけではわからない『TENET テネット』。
くりす
きっとノーラン監督の独自の世界に引き込まれるはずです!
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